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2006年7月18日の公判の様子 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

日本から裁判傍聴に参加されたアジア女性センター丹羽さんから、当日の公判の様子のレポートが届きましたので、転載します。
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2006年7月18日の公判の様子

私たちは午後1時から5時近くまで続いた公判の前と後に、KAISAKA(今回の裁判の女性支援組織16団体のひとつ、長橋さんが所属するカサナグの会とは長いお付き合い)のメンバーに、今回の裁判に関する具体的な話を聞きました。主に話してくれたのはバージニア・スアレス・ピンラック(Virginia Suarez-Pinlac)女性弁護士。彼女はLavor Advocates for Wokers’ Services で働いており、今回の裁判の弁護団の一員でもあります。彼女からお聞きした話と、実際に裁判に傍聴に言って理解したこと、感じたことなどをまとめます。
内容に間違いがあればそれは丹羽の理解の問題で、他の方には責任はないことを付け加えます。
7月5日、米大使館への抗議行動

これまで20人(本人ニコルさん、加害者スミスを含む)の証言で明らかになってきた事実関係

二コルさんは家族と、カンテン(街の食堂?)を経営していた。事件がおきたのは2005年11月1日のこと。オロンガポへ休暇で来ていた(91年の基地撤去後、98年に結ばれた比米地位協定による)米海兵隊(沖縄所属)兵士の一人と義姉アナリサ・フランコさんが友人で、彼女たちとともにニコルさんはバー・ネプチューンで時間を過ごした。
スミスが踊ろうと二コルさんを誘い、二人は席を立った。その際、ニコルさんは、スミスが外に連れ出そうとしたので義姉の友人米兵に目で訴え、ダンスのみに応じた。彼が了解の様子を見せたので席を立った。
その後の彼女の姿は、バーのガードマンが見ている。ニコルさんはひどく酔っており、スミスの背におぶさっていて、外に連れ出されていた。彼女が自分で歩ける状態ではないほどだった(つまり何らかの合意を示すことができるような状態ではなかった)とガードマンは証人としての証言でのべている。
別の証人となったガードマンは、はっきりとスミスを指して、彼がニコルさんをバンに乗せたと、実演入りで説明した。スミスは、彼に聞かれて、二コルさんは自分の連れだと言ったとも証言した。
次の証人は、基地労働者の男性。夜11時半ごろ、彼はバンから男性がまるでごみを捨てるかのように女性を扱い、彼女が下ろされ道路に倒れるのをみた。その労働者の男性が彼女を伴って警察へ届け出た。車には6人の男が乗っていたという。スミスはビールを片手に持っていた。
またラジオで翌日スービック基地のレイプ事件を耳にした警備責任者が、何か証拠物件は残っていないかと、周辺を探しにいき、下着と張り付いたコンドームを発見して届け出た。

スミス側は合意を主張。ニコルさんの記憶があいまいで信頼できないと主張している。
彼の上司が行け行けとはやして、スミスの行動を了解した。他に車内にいたうちの2人は同じ行動を取っていた。

最初にニコルさんに接した女性警察官は、彼女がぼろぼろの状態で、とてもセックスを楽しんだ女性とは見えなかったと証言している。また彼女の被害証言を記録している。

バンの運転手は、最初の聴取で、ギャングレイプであると証言していたが、1週間後に証言内容を変えて調書を取り下げた。よって証言は求めていない。
アナリサさんは、スービックベイの捜査員の一人から、事件の揉み消しを持ちかけられたことを証言している。

ニコルさんを診察した医師は、ニコルさんの体のあちこちの傷が、レイプ被害に特有のものであることを証言している。
前回証言した法医学者のラケル医師は、過去、日本にも行っているという経験豊富な誰もが認める第一人者の女性医師で、彼女は、ニコルさんの傷はレイプ被害の傷の特徴を持っていること、および、証拠(下着とコンドーム)の価値判断についてきっちり証言している。ただ、彼女は民間で活動している医師であり、政府関係者ではないため、裁判官に証言価値をきちんと理解させるために、再度、国家警察に関係する今回の証人・法医学者(男性)を申請した。内容的には、前回と相当程度重なる。

また米国犯罪捜査官3人の証人申請もしたがそのうち一人は外交特権で出廷を拒否した。後の2名は証言し、二人の間で性行為が行われた事実を認めた。ただし、彼らは合意であったというスミスの証言を補強している。
しかし同時に、これまで扱っているフィリピンにおける米軍関係の事件のうち、半分はレイプケースであることも証言している。

6月2日から開始された裁判で、すでに20人の証人が採用されて証言をしている。検察側は当初40人の証人を申請したが、最終的には30人に絞り、少なくとも後2人を予定している。その一人はアルコールの体内残量を調べる専門家であり、ニコルさんが警察で調べを受けていたときから逆算して、事件のころ、合意をしたり判断をしたりすることができる状態ではなかったことを示す予定。もう一人はニコルさんの記憶のあいまいさや、記憶が飛ぶことなどこそがレイプ被害者特有の状態であるということを証言する予定の女性精神科医である。

裁判は開始後、月・火・木・金と週4回のペースで進んできている。なぜこのようなマラソントライアルになったかというと、それは結論を出すまで1年しかないという地位協定に縛られているためである。

同乗していた男たちは6人だが、そのうち4人を起訴。実行犯のスミスとはやし立てて彼の行動をあおった男たち。

公判が開始される前に、ゴンザレス司法長官が、3人は従犯に過ぎないと、担当者たちの意向を無視して勝手に発言した。しかし裁判官はそれを取り入れなかった。検察主張どおり、4人を共同正犯として裁判を開始している。

相手側が印象つけようとしていることは、バー・ネプチューンはいかがわしい場所であり、それを承知で彼女は来ていた。そのようなふしだらな女であるとうこと。
ニコルさんはスミスの行為の最中、「“もっともっと”と積極的に要求し、楽しんでいた、下着はまったく破れてもいないし、暴行の後はみられない。」、「コンドームを試用していたことは何よりも合意があったこと、通常の性行為であったことを示している。」、「彼女はバージンではない。現に事件のまえ30日以内にもセックスをしている。」等などという、あまりにも古びた、従来も散々されつくした被害者を被害者として認めない、女性の側に責任を押し付ける主張を展開している。

裁判官は通常一人である。今回の事件は特殊であり注目もあるため、裁判所ではなく市役所庁舎特別会議室で行われている。

今回の公判の直前、容疑者のスミス上等兵が、弁護士を通じてAPの取材に応じたとのこと。書面による質問にFAXで答えたもの。「ここで私の人生の取り返しのつかない一年が奪わ
れた。もう嘘は出ないこと、人々が事実を知るようになることを願っている」。(06/7/16)

直ちにニコルさん側はすぐに抗議声明を出した。

当日市役所についたのは、公判予定時間の約50分前。法廷の開かれるフロアに着き、うろうろしていると、後ろから突然硬いものが私の背中を押すので振り返ってびっくり。銃を手にした米兵と思われる男が、4人の被告を従えて来ていた。目の前1m足らずのところを、スミスを含む4人が歩いていくのを、唖然としてみているばかり。後で写真をとることができたかもと、残念。

その後、バロットさんたちと一緒に、法廷に入る。
正面に裁判官、向かって左側に証人席。
その前に記録者席。中年の女性担当者は、機会の紙送りが不調なためか、たびたびストップを掛け、皆が見守るという感じ。なんと4時間の法廷を一人でずっと担当していた。もう一人男性担当者がテープレコーダーを回していたようだ。

裁判官席に向き合うように、長い机がセットされ、左手側に検察、右手側に被告人弁護団がずらりと座る。検察側は5人がすべて女性、弁護側は男性ばかりというのが一目で分かる構図だ。

そこから柵があり、委員会の傍聴席という風にフロアが区切られている。横長の椅子で一列12人くらい座れるものが8列ほど?席は9割がた埋まる状態だった。
最前列には、右側に被告人4人が平然と座っている。その前を通って回り、私たちは2列目に座った。私たちの前にいる親子を紹介された。母親と、ニコルさんのシスターといわれたが、裁判の過程で、裁判官の求めに応じて、証人が彼女をニコルさんだと指し示したので、びっくり。

裁判当初支援者たちは、被害者をどのように守るかで、彼女によく似た何人かの女性たちが固まって行動し、被害者を特定させたり、マスコミの写真撮影をさせないように努力をしたそうだが、本人証言もすんでおり、かまわないということだろうか。彼女は毎回母親とともに出廷しているとのこと。彼女は前回かその前か、公判開始前に、スミスを持っていたバッグで、バシンとぶったたいたということだが、今回の彼女の様子は、相当につらそうで、何とかできないものかと胸が痛む。

すぐ横の席には、法廷を描く若い男性や女性が5人ほど座っていた。さらさらと描き出し、水彩で色をつけていく。15分くらいで、様子を書きとめる彼らに、一枚コピーさせてくれないかと頼んだけれどまあ無理な話だった。彼らの一人が、私たちのすぐ前に座る母と娘をスケッチしているのを見て、もしかして彼女が、と思ったけれど、案の定だった。
被告人4人は、たびたびの女性たちの抗議が効いたのか、あまりおしゃべりはせず、ニヤニヤも少なく、姿勢よく座っていた。ガムをかみ続けている男もいたが。

今回は前半の1時間が、証人を採用するか否かに費やされた。つまり前回証人と内容的には重なることがおおく、改めて彼に証言させる必要があるかどうかという点だった。彼の資格や、経験、訓練期間、専門分野などをめぐってやり取りが続いたが、最終的に裁判官が採用を決めて休憩に入った。

後半はスクリーンとパソコンが持ち込まれ、証拠品の下着とコンドームが大きく映し出されるのをみながらの証言となった。パンティ、コンドーム、精液などの言葉のオンパレードで、当事者にとってのこの時間は拷問にも等しいものだったと思う。

最終的には、弁護側が、証人に対して反論したり、反対尋問をするのに必要な専門家の出廷が今回はできていないということで、反対尋問は次回、両方の専門家の都合をあわせて日程を設定するということで、閉廷となった。1時間も採用の可否で費やしたのは、弁護側がこの専門家証言を採用させないことで、前回の女性専門家の内容を、「民間の活動家に過ぎない」として効果を引きさげさせようとする予定だったことがよくわかった。

日本の裁判手続きでは、まず当事者の出廷はほとんどなく進む。書面でのやり取りも多く進み、実際の法廷ではその補完的な部分を中心に絞ったやり取りが行われるのが通常だ。また被害者本人に対する双方の尋問は、時間もあらかじめ限定され、ついたてが準備されたり、ビデオリンクを通じて別室で行われたり、それなりに被害者の人権に配慮したシステムが作られてきている(長い間の当事者支援の声が少しずつ形になってきたものだけれど)が、それに対してこの法廷の様相は、きついものだと思った。

また週4回の法廷というのは、関係者が仕事もやめ、ずっとそれに向き合わされ続けるということで、被害の側にとっての厳しさは想像を超える。1年間で結論を出すというこの取り決めの過酷さを改めて実感した。
証人採用の可否についてもすべてこの場でというのが優れているのかどうか、日本の法廷手続きとの異なり方について、気になるところだ。

支援グループのバロットさんたちが私たちを、盛んに日本からこの法廷を見るために来た、と紹介してくれたため、何人かの記者にインタビューを受ける羽目になってしまった。海外からも注目を集めているほど重大なことと意識してもらえるのはうれしいので、質問に答えることになったが、インクワイアラーの一面掲載には戸惑った。

裁判終了近く、一人の女性が傍聴席に座った。ラモスの妹?シャハニさんとのこと。この裁判の行く末や、比米協定の改善なども大いに提起されるべき問題だと痛感した。

基地撤去後、問題がどう変化してきているのか、ということも主要なテーマに、日本軍による元フィリピン「慰安婦」支援グループのネリア・サンチョさんたちが呼びかけた国際会議が8月にもたれるとのことだが、日本からの参加はどうなのか、確認してみたい。また沖縄などでどれくらい同様の被害があるのか、調査は同化なども聞かれたことで宿題になっている。沖縄強姦救援センターREIKOや「結」などが調査をされていたので、問い合わせなくてはならない。

今後の見通しについても弁護士に聞いてみた。検察側が自信を持って立証できると考えているのは、首班スミスの有罪。他の3人についてはまだなんともいえないが、スミスが、自分の上司に当たるカーペンテール上官に了解をとったといっていることから何とかできるのではないかと期待しているとのことだった。

いろいろ宿題も多いですが、本当に得がたい経験でした。こんな機会を得られたのは、皆さんが作ってこられた関係性の賜物だと思います。心から感謝します。


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2人の日本人は法廷に「ニコル」さんを見つけ、驚いた [米兵によるレイプ事件、犯罪]

7月20日インクワイアラー紙の記事です。裁判を傍聴した丹羽さん、長橋さんへのインタビュー記事です。翻訳は長橋さん。
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2人の日本人は法廷に「ニコル」さんを見つけ、驚いた

----写真は、ニコルさん支援のため、4名のレイプ犯米兵の写真を掲げて抗議行動に参加するリラ・ピリピーナのロラ(元「慰安婦」)たち----

マニラへ休暇旅行に来ていて、7月18日(火)マカティ地裁でのスービックレイプ裁判を傍聴した二人の日本人女性にとっては、短期旅行のなかでは歓迎すべき「寄り道」になりました。結局のところ、彼女たちは日本における「ニコル」のような女性を助けるために働いている人たちでした。

丹羽雅代さんと長橋美保さんは、通訳の助けを借り、4人の米海兵隊員を強姦で訴えているフィリピン女性に対する支援のいわば舞台である、マカティ地方裁判所の法廷での4時間にも及ぶ裁判審理を傍聴しました。

裁判傍聴後のインタビューで丹羽さんは、ニコルさん自身が裁判審理を見守る状態に居させられ、同時にニコルさん自身も入れ替わり立ち代り傍聴人の目にさらされていた法廷のやり方(被害者原告に対する取り扱い方)に「驚き」を表明しました。
「日本では、裁判所でのデリケートな議論の間、被害者を公衆の眼に晒されることから守る傾向にあります。実際には、法廷での被害者の尋問は極力少なくして、文書で行います」、「その人はすでに強姦されているのですから、再び犠牲者を傷つけたくはありません。レイプについてのデリケートな議論が彼女の前で行われれば、彼女は同じ苦痛を経験するでしょう」と、丹羽さんは通訳を通して言いました 。
「裁判のそのような場面では、原告は通常傍聴人から保護され、他の部屋へ移されています」と彼女はつけ加えました。
長橋さんは、裁判を傍聴しもうひとつのことに気がつきました。被告の4人の米海兵隊員は、「何一つ反省している様子もなく、まったく当たり前のような態度でした。」

「ニコル」事件は他人事ではない
彼女たちの国に駐留している米軍兵士に対して、性暴力事件での正義を求める叫びを上げる日本女性たちの話は、二人の日本人女性にとって他人事ではありません。
丹羽さんは、東京に拠点を置く日本のアジア女性資料センターの責任者で第二次世界大戦の日本軍「慰安婦」の生活支援のために働いていて、また日本に駐留する米兵の暴力と性犯罪の被害者の支援のために働いています。
長橋さんは、日本での活動家団体のなかでの丹羽さんの同僚であり、東京で活動する労働団体である三多摩カサナグの会の事務局員でもあります。

「声」を聞きとろう
2人の訪問者は、女性権利擁護団体カイサカ(Kaisa Ka:進歩的女性連盟)事務局長で、タスクフォーススービックレイプ(TFSR)のメンバーでもあるロットロット・レキゾさんの招きで街に来ました。
2人の女性は、ニコルさんの事件と同じような事件についての「声」に耳を傾け続けるように、フィリピンの人々を促しました。
「政府はこのような事件を、すっかり隠してしまうのです。」と彼女たちは言いました。彼女たちは日本人がニコルさんの事件をほとんど知らないのを嘆きました。
2人の女性は、7月18日(火)の法廷審理の始めと終わりに、ニコルさんと彼女の家族と握手しました。
澤田公伸さん(このレポートのための通訳として勤めた日本の通信社マニラ新聞のための通信員)によると、2人の女性は実はマニラの個人的な旅行に来ていて、ちょうど歴史的なこの裁判に出席するために、立ち寄ったとのことです。


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被害者ニコルさんの証言の続き [米兵によるレイプ事件、犯罪]

7月13日ニコルさんの証言の続き、インクワイアラー紙抜粋、翻訳は鈴木さん。

裁判証言でレイプ被害者本人が法廷で被害の様子の詳細を証言し、レイプ犯の弁護士が反対尋問する。これらが公開の法廷で行われ、証言の内容は新聞で伝えられる。このフィリピンの裁判慣習に驚く。
被害者の人権、人格が裁判の過程で乱暴に扱われている。記事にはニコルさんとその家族が受けている扱いも紹介している。
被害者はここまでしなければ容疑者を告発できないのか。こんな情況なら被害を訴え告発する人は、ほとんどいないだろう。よほどの覚悟がなければならない告発できない。
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被害者ニコルさんの証言の続き

7月5日米大使館への抗議行動

ウルスア弁護士による主尋問も三日目。最終段階にあたるこの日の目的は、民事訴訟の賠償責任を確立すること。弁護士によれば、それによって刑事訴訟で「有罪判決が出るかもしれない」(・・・to establish the civil liability of the accused -- an aspect that, according to the lawyer, was “contingent to conviction” in a criminal case)。彼女や家族がこうむった損害の大きさを示しておくことで、有罪判決が出た場合に裁判所が決める補償額の、参考になるとウルスア弁護士。

「今はもう、むかしの愉快な私はいません。かつての私はアナ(リサ。継姉)といれば、冗談ばかり言っていました。今では彼女といても、そういうことはしません」とニコルさん。証言はフィリピノ語。

「彼らは私の尊厳を奪いました…スミスが私をレイプしてるのに、彼の仲間はそれを煽ったんです。まるで非公開フィルムでも見るみたいに楽しんでいたんです。そのあと、まるで豚みたいに私をつかんで(車から)降ろしました」。証言するニコルさんの声は大きいが震えていた。

夜は悪夢と不眠にさいなまれ、昼は鬱状態のニコルは何もする気にならない。「自分にかまうこともなくなりました。食べてばかりで運動しない。いつも、のろのろして。働きたいけど怖くて…私がレイプの被害者だってわかったら、みんな何て言うのかなって、いつも考えるんです」と涙をぬぐう。

事件以来、自宅のあるサンボアンガ市には戻らずマニラ市内にいる。南方司令部の敷地にある一家の酒保で、ニコルさんはビデオ・ショップをしながら月々4万ペソほど稼いでいたのに、今はもうそれもできない。その酒保が一家の主な収入源なのだ。家族の人生は崩壊したとニコルは言う。いつも裁判を傍聴してくれる母は、フィリピン海軍の民間人職員という仕事を失い、ダバオDavaoにあったわずかばかりの土地を売り払うしかなかった。二人の兄は仕事を抜けて彼女に付き添っている。サンボアンガに残した兄弟たちが彼女のかわりに酒保をみているが、学校をやめたり授業を休んだりしている。

ニコルさんのほかに、母、二人の兄、妹、(継)姉フランコが、フィリピン総合病院の精神病医学者ロペスのカウンセリングを受けている。これらすべてのことと家族の現状が、ニコルさんに罪悪感をもたらすのだが、それに何もしてやれないと嘆く。

10分間の休憩中、犯罪撲滅運動家テレシタ・アンシーTeresita Ang-Seeが容疑者に近づいていった。「ちょっと、その男に笑うのを止めろって言ってくれない?」と彼らに声をかけた。「すごい侮辱じゃない。彼女(ニコル)があそこで泣いてるっていうのに、あんたたちは笑ってるわけ?」

容疑者シルクウッド、デュプランティス、スミスは一列目の左端に一緒に座っていた。その中の誰を指して言っているのかわからない。記者や米大使館職員らは激昂するアンシーに驚き、大使館職員は無言で容疑者を取り囲む。裁判所の職員がそっと近づき、彼女をなだめていた。

病理学専門家フォーチュンFortun医師の反対尋問では、証人と被告側弁護士ロドリゴが意見の一致をみた点もある。
・性交後に、さまざまな理由により、レイプされたと嘘をつく女性がいる。
(例:妊娠や性病への恐怖、「愛されたくて(the need for nurturance)」、純粋な怒り)
・嘘の届出をする場合、24時間以内にするのが典型的。ニコルの場合がそれ。
・合意のうえでも「激しい」「荒々しい」性行為で女性器に損傷をきたすことはある。
・性器の損傷のみにもとづき合意の存在を判定できるような、調査研究や科学的情報はまだ無い。

フォーチュン医師は二組の女性グループ ―― 一方が性暴力の被害者たち(cases)で、もう一方は合意のうえで性交した女性たち(controls)―― を比較する「case controlled studies」を行うのは難しいだろうと言った。ジャスティニアーノ弁護士の厳しい反対尋問にあったフォーチュン医師は、性交を望む女性が必ずしも膣潤滑液の分泌など身体的反応を示すとは限らないことを認めた。また、その場合に、狭い場所で無理な姿勢をとらざるをえない女性の性器に損傷が生じる可能性も認めた。(ジャスティニアーノ弁護士は質問の前に、ニコルさんが走行中の車内でレイプされたと主張していることを指摘)

しかしウルスア弁護士は再尋問で、被告側ロドリゴ弁護士がフォーチュン医師から引き出した一致点を相殺してしまう。ウルスア弁護士は被告側の指摘には統計的裏づけがあるのかと尋ねた。ロドリゴ弁護士が引用した文献には、そのような統計が載っていないことが明らかだとフォーチュン医師は答えている。


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被害者が法廷でレイプ犯へ直接抗議 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

インクワイアラー紙インターネット版記事抜粋を転載します。
翻訳は鈴木さんです。
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米海兵隊員への『ニコル』の攻撃は、世界のメディア注目を集めた。

2006年7月11日Byヴェロニカ インクワイアラー紙インターネット版記事抜粋

インクワイアラー紙インターネット版による記事によれば、ニコルさん(裁判、法廷での偽名)が、強姦で訴えた米国の軍人を(裁判所の法廷で)ハンドバッグで殴りかかった記事が、世界中でいくつもの新聞によって取り上げられ、報道されました。
アメリカ合衆国の少なくとも50の全国、地方の日刊紙とラジオ・テレビ放送が「ニコル」さんの記事を報道しました。スービック経済区(元米海軍基地)で2005年11月1日に車の中起きたこの事件で、7月10日(月)に彼女が証言に立つその直前に法廷で、彼女のハンドバッグでダニエル・スミス陸士長(レイプ容疑者4人の海兵隊員のうちの1人)を殴りつけました。

「ニコル」さんのこの行動はワシントンポストの上で発表されて、ABC Newsによるテレビで、そして、ボイスオブアメリカによるラジオで報道されました。

さらに、ボストングローブ、海兵隊タイムズ、アイオワのベントンクリエー、ミズーリのカンザスシティースター、ペンシルバニアのセンターデイリータイムズ、ワイオミングのジャクソンニューストリビューン、ユタのキンドゥレッドタイムズ、サウスカロライナのマートルビーチ日曜ニュース、フロリダのレッジャー、ノースダコタのグランドフォークスヘラルド、ミネソタのダルースニューストリビューン、ニューヨークのナイアガラガゼットとカリフォルニアのサンルイスオビポトリビューンによっても報道されました。

米国以外ではイギリスのガーディアンユナイテッド紙とスコッツマン紙(スコットランド)、そして、スイスのらスイスインフォ紙が記事を掲載しました。

アラブ首長国連邦のカレーイタイムズ紙、北朝鮮タイムズ、マレーシアのサン紙も記事を発表しました。

北朝鮮タイムズのウェブサイトは、伝えられるところではニコルさんの記事のそばにアメリカの兵士によって輪姦されるイラクの14才の女の子の記事を送りさえしました。

7月10日(月)に再開した証言では、「ニコル」さんは、スミス陸士長の同僚であるキースシルクウッドとドミニクデュプランティスとチャドカルペンティエル軍曹が喝采するなか、スミス陸士長がどのように彼女を強姦したかについて思い出し語りました。

彼女はかつて自制心を失いましたが、10分のブレークの後、彼女の落ち着きを回復しました。

「ニコル」さんは、6月2日に始まった裁判の20人目の検察側証人です。

彼女は今週の火曜日に彼女の直接の証言を終えることになっています。法医学Forensicsの専門家ラクエルフォーチュンが証人として証言する予定です。

エバリン・ウルスア(Evalyn Ursua)弁護士は、自分が担当する原告「ニコル」さんが7月13日(木)に、または14日(金)に反対尋問に立つと語りました。

容疑者は駐留軍協定(Visiting Forces Agreement)の下で、はサンボアンガ行政区で(米比)合同軍事演習にフィリピン軍隊とともに参加したあと、レクリエーションのためのスービックにいた第3海兵遠征軍の所属です。(沖縄駐留)
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※ 土井さんからの指摘いただき、“Visiting Forces Agreement" は「駐留軍協定」とします。

世界のメディアが報道しています。法廷でニコルさんがハンドバックでレイプ犯に殴りかかったことで注目を集めた内容になっています。世界のメディアが報道したのは良いことでしょうが、扱い方に疑問を感じます。


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レイプ被害者、法廷で三回目の証言 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックレイプ裁判で被害者ニコルさんの証言が送られてきましたので転載します。
翻訳していただいたのは鈴木さんです。
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‘I wish I just died’ -- ‘Nicole’
First posted 06:46pm (Mla time) July 13, 2006
死んでしまいたかった ―― 4人の米兵をレイプの罪で訴えているフィリピン女性ニコルさんは、7月13日(木)の裁判で、仲間に煽られた海兵隊員に襲われて、彼女が「死にたい」と思っていたことを証言した。彼女にとって第三回目の証人尋問。

「彼らが私にしたことは、あんまりです」と泣きながら彼女は言った。「彼らは私の尊厳を奪ったのです。あいつ(容疑者ダニエル・スミス上等兵)が私をレイプしているあいだ、ほかの奴は私のことを笑っていたんです。私たちを見ながら…レイプ・ショーを生で見てるみたいに」。

容疑者についてどう思うか聞かれると、サンボアンガ市出身で22歳の彼女は、「殺してやりたい。もし許されるなら、奴らを殺すのは私です。彼らには尊敬の念というものが無いんです。ここにいる女性すべてを好きなようにできると思っているでしょう」。容疑者四人について「私はものすごく腹がたっています」。

尋問は30~40分ほどかかり、ニコルさんが泣き出したときには何度か休憩をはさみ、続けられた。彼女の人生に、家族や知人との関係に、レイプが何をもたらしたのか彼女は証言した。

「私は就職したいんです。でも、私がレイプの被害者だとわかったら、なんと言われるのか怖いんです」。彼女は事件以来サンボアンガ市に帰っていないが、その理由を「恥ずかしいから」と言った。「友達になんと言えばよいのかわからないし、どんな反応が返ってくるのかわかりません。もう知らない人とは一緒にいないようにしています。また、あんなことが起きたらと思うと怖くて」。

フィリピン海軍の民間人職員として働いていた母スサーナ(Susana)は、彼女の面倒をみるために仕事を止めなければならなかった。兄リックサン(Ricksan)は起訴のあと一ヶ月しごとを休み、もう一人の兄ライアン(Ryan)は彼女に付き添うため仕事を抜け出してくるようになった。事件当夜ニコルさんとスービックで休暇中だった姉(継姉)アナリサ・フランコは、サンボアンガ市で母が営む酒保を手伝うため、就職口を断った。アテネオ・ダバオ(Ateneo de Davao)大学の学生だった弟も、酒保を手伝うため退学した。ボーイフレンドに会うため米国に行くつもりで証明書など準備していたのも、取りやめにした。皮肉にも容疑者たちと同じ海兵隊員だった彼との関係も、彼女が裁判を起こすと決めたことで解消。

ビデオ・ディスク販売の営業をやめたため月々4万ペソの収入を失いもした。「母は家計のやり繰りに、今までの倍の働きが必要になりました。子どもたちが大学を出れば母の苦労も終わると思っていたのに、今は前よりたいへんです」と認めたが、ニコルさんはこう付け加えた。「この訴訟は私にとって重要なのです。なぜなら私の尊厳が掛かっているからです。私のすべてが掛かっているからです」。

不眠に苦しんだり、眠れても夢に出てくる事件にうなされて、起きればいつも目まいがする。彼女のセラピーを担当しているジューン・ロペス医師に、家族もセラピーを受けている。

11月1日のAll Saints’ Day(聖者を祭る伝統行事)の朝には戻っておいでと母が忠告したのに、それを気に留めずにいたことで罪悪感を抱いているのだと証言したときには、途中で何度も泣き出した。「彼女の言うとおりにしていれば、こんなことにならなかったんです」。

ニコルは金曜日も証言台にたち、こんどは反対尋問を受ける。この裁判は爆発する感情に遮られることが多いのだが、この日は市民運動のメンバーが容疑者たちを怒鳴りつけているのが見られた。


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日本の女性たちと労働組合がスービックレイプ原告を支援 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

カサナグの会会員の長橋さんが、アジア女性資料センター丹羽さんとともに、スービックレイプ事件裁判傍聴に参加し、被害者支援を表明しました。このことをインクワイアラー紙が伝えています。(アジア女性資料センター翻訳)
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日本の女性たちと労働組合がスービックレイプ原告を支援

日本の女性団体と日本労働組合の代表は、スービックレイプ事件裁判の7月18日(火)の公判の傍聴に参加し、原告となった被害者を支援すると通訳をとおしてインクワイアラー紙に話しました。

丹羽マサヨ(アジア女性資料センター)さんは、この事件で訴えられている4人のアメリカの兵士を訴追するために、その物理的支援、個人的、財政的な貢献をすることと同時に、フィリピンの女性組織のネットワークと共に世界の米軍基地に反対していくと語りました。

丹羽さんは、アジア女性資料センターがアメリカの軍事侵略に反対するだけではなく、同時に、彼女自身の国、日本軍の性的奴隷制度にも反対してきたと語りました。
彼女は、正義のためのフィリピンの「従軍慰安婦」を支援してきたと語りました。「従軍慰安婦」は、彼らが第二次世界大戦の間に占領した国で日本軍によって性的強制を受けた被害女性たちを伝える言葉です。

「戦争と暴力は荒れ狂い続けます、そして、軍隊化は現在、世界的規模で広がっています。全世界での平和を我々の目標とするために、私たち自身を世界化しなければなりません。我々は世界的な情報交換をする必要があり、そのためのネットワーク拡大をサポートします」と、彼女がインクワイアラー紙に与えたパンフレットにはあります。

「三多摩-フィリピン資料センター」代表・長橋美保さんは、「三多摩・カサナグの会」(バターン州労働組合連合などの労働組合と交流している団体)のグループが、スービック強姦事件に関心を払っていると語りました。「日本では、これまで米国軍人が日本女性を強姦した多くの例があります。まったく同じ問題です。そして協定のため彼らを投獄することは同様に非常に難しいです。」日米地位協定は、フィリピンの事件の場合では、米比軍事訪問協定(Visiting Forces Agreement)として存在していると語りました。

犯罪米兵の身柄を日本の法執行機関に渡すことが容易でなかったかどうか尋ねられて、長橋さんは言いました。「形式的には身柄は引き渡されたことはありました。米国軍人被告は、ジェスチャーだけとして逮捕され、しかし簡単に解放されます。米国政府は協定によって日本側に渡さず身柄拘束することも簡単にできます。」

長橋さんは、日本に帰ってからここフィリピンで知りえたことを広めること、またスービックレイプ対策チーム(Task Force Subic Rape)、被害者とその家族、弁護団と彼女のセラピスト後方支援者たちが、民事原告である被害者を支援し、また支援金寄付を手伝うことができるように、スービックレイプ事件を見守ると語りました。


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詰めかけた群衆の前でニコルさんが証言 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックレイプ裁判で7月6日、被害者のニコルさんが証言した。
この裁判はいろんな意味でで注目されている。
興味本位の傍聴者も多いことをインクワイアラー紙が伝えている。
また、被害者ニコルさんへの「非難」も多いようで、被害者や支援する人たちを傷つけている。
以下はインクワイアラー紙の抜粋。
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2006年7月6日 インクワイアラー紙
今日、詰めかけた群衆の前でニコルさんが証言する。

マカティ市地裁139支所でスービック強姦事件の審理が行われるが、この画期的な裁判に突入して約6週間、フィリピン人原告として証言台に立つにあたり、「要人」も出席を希望しており、超満員になること間違いない。というのは、検察側の20番目の証人として、被害者「ニコル」さんが登場し、2005年11月1日、スービック湾フリーポートのクルージングバンで、米海兵隊員同僚の3人がはやしたてるなか、スミス海兵隊員によって強姦されたという、彼女にとって厳しい試練である容疑について詳説することが見込まれているからだ。

法廷従業員は、昨日インクワイアラー紙に、異常に多くの、また各方面の「要人」から、この審理が行われる市当局の古いセッションホール傍聴を「予約」を要求する電話があったことを伝えた。電話した「要人たち」とは、外務省の役人、比米訪問軍事協定の大統領委員会委員、および米国大使館員、他の地裁の裁判官、および「何人かの上院議員」を含むと。

ニコルさんの弁護士の一人であるエバリン・ウルスアによると、ブログ、インターネットチャットルーム、または家族での会話で、被害者を非難するのが当たり前になっているけれども、ニコルさんは、世論の「法廷」の評価は決して高くない。

被害者を支援しているフィリピン大学法学部学生ボランティアが調べたモニタリングによれば、ニコルさんはレイプ容疑のために「非難されてさえいる」。「意見は分かれていて、私たちが調べたかなりの数のブログではニコルさんは支援されるにふさわしくないと考えられている。なぜならば、彼女は事件のあったその夜酔っていたから、だからそうなったのだ、と。」ウルスア弁護士はインクワイアラー紙に語った。

ニコルさんを支援している法学部学生の何人かもまた、「自分はニコルさんを支援しているが、学生たちの家族と意見が合わないことと打ち明ける者もいる。」「その学生たちは、家族内での議論は非生産的になると思われるので、あえて議論はしていない」と。

これらの意見は、特にブログでは、22歳のニコルさんと同じぐらいの若いフィリピン人ブローガーが圧倒的であって、こういう事実によっていっそう不安にさせられるとウルスア弁護士は語った。
「私たちはこの「古典的な」犠牲者非難の合唱を解決するためにどのような努力できるのだろうか?」

「昔からのアメリカ兵の関係者は別にして、俗説や誤解など、人々の数々の条件反射的反応や先入観・偏見が前面に出てきた。レイプについてのお決まりの俗説と誤解が出てきたのだ」。

一つの俗説は次のようなものである。
レイプ容疑の後ですぐ近くにいた人が彼女を見つけたとき、使用されたコンドームがニコルさんのパンティに貼りついているのが発見されたとほのめかしながら、コンドームの使用しているのだったら、レイプとは関係ないんじゃないか、というもの。

別の俗説は、レイプ被害者が酔っ払っていたんだったら、たぶん彼女を「それを望んでいた」。なぜならば
「品行不良」だからだ。バージン女性だけがレイプを確実に訴えることができる。

「こうしたことは、レイプについて一般大衆を教育するにはまだまだ長い道のりがあることを意味している」とエバリン・ウルスア原告代理人は語った。

フィリピン大学学生を調査したとき、若いフィリピン女性たち、またはニコルさんと同じ世代の女性たちのうち、酒を飲むのは70%にものぼることが明らかになっており、このような考え方は何を暗示しているのだろうか?
と彼女は追加した。


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レイプ犯は「最高で無期懲役か死刑」 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

レイプ犯は「最高で無期懲役か死刑」

フィリピンではレイプ犯罪は、「最高で無期懲役か死刑」です。これは欧米でも同じ。
他方、これにくらべ日本ではレイプ犯きわめて軽い刑罰です。
2004年、小中学生4名を含む婦女暴行犯は16年の実刑判決でした。
1995年沖縄の少女暴行犯罪米兵には、7年と6年半の実刑判決でした。

現在、米兵4名によるフィリピン・スービックレイプ事件で裁判が始まっていますが、ゴンザレス・フィリピン司法長官は、容疑者4人のうち3人を「共同正犯」から「従犯」へ格下げを行いました。
フィリピン法では「レイプ主犯は、最高で無期懲役または死刑」、「従犯は最高20年の懲役」となるからです。アメリカ政府との関係を意識したフィリピン政府による裁判所への介入です。

後に、裁判所がこれを拒否しました。ゴンザレス司法長官は、この裁判長の過去の判例まであげて反政府的であると攻撃。これまで担当検事が2名辞任しています。
レイプ裁判ではこのような条件も絡んでいます。


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タスク・フォース・スービックレイプからの訴え [米兵によるレイプ事件、犯罪]

「タスク・フォース・スービックレイプからの訴え」が送られてきましたので転載します。
被害者に対する「誹謗・中傷」がマスコミ上で意図的に流され、レイプ被害告発に対する露骨な妨害がなされています。

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タスク・フォース・スービックレイプからの訴え
2006年7月4日
7月5日の米大使館前抗議行動で

すべての日本の反米軍基地団体の皆さんへ
cc ピースサイクル・フィリピン―日本・ネットワークの皆さんへ

拝啓

スービック・レイプ裁判は、すべて新聞紙上やラジオ・テレビ報道にさらされています。裁判の審理は厳しい二ヶ月目に入り、アメリカ軍人が関与した極悪犯罪を裁き、私たちが歴史をつくるその時であるどうかと問うことで、国家を揺るがしています。
しかし、この事件のすべてが興奮させるものばかりではありません。レイプ犠牲者・ニコルさんは、最後まで戦うと決意しているにもかかわらず、ほとんどの人々が傍観者の立場から眺めているため、彼女は小さくない困難に耐えてなくてはなりません。

告発者として、被告人・米兵の有罪を証明することは彼女の義務です。しかし被告人・米兵らは弁護士や米国家機関を利用し、ニコルさんが売春婦でないとすれば意地悪な安っぽい人間であると悪意のある「ほのめかし」を行い、際限なく事実をひっくりかえそうとしているのです。 明らかにこの一連の動きは、困難に立ち向かうニコルさんの士気をなえさせ、失敗においこみ、彼女に戦うことを思いとどまらせ、彼女の信頼を破壊し、支持者たちを追い払い、被告・米兵の利益にかなう判決となるように影響を与えようとしています。

被告人・米兵らが不平等なVFA(米比相互軍事訪問協定)の保護を受け、米国政府によって明らかに支持されているにもかかわらず、正義を求めるニコルさんの追及は、皮肉にも現在のフィリピン政権からの、すなわち司法省長官を通じた強烈な反対に合っているのです。

この共和国と呼ばれる年月に国家が何十年もの間立証してきた「権力間の保護」に比べ、誰もが持つ政権への当然の要求において最も重要な要因である「市民の保護」がまったく低い地位に置かれていることがまさに鮮明になりつつあります。すべてのこれらによって、ニコルさんの闘いは予想通り「うんざりしたもの」になっているだけでなく、また感情的な扱いになり、資金的にも疲弊させられるものになっています。

TFSR(タスク・フォース・スービック・レイプ)は、「ニコルさん正義、わが国家の正義」と称するキャンペーンで団結した16の組織の連合であり、犠牲者ニコルさんと彼女の闘いを支持し、女性のレイプに反対し、および/または国家主権侵害に反対するすべての人たちに呼びかけた組織です。このキャンペーンは主に、この性的暴行の具体的な事件についての議論を通じて、ここフィリピンと海外のより多くの人々に影響を及ぼそうとする広報活動です。このことによって私たちは、特に戦争に関連した過程で犯されるすべての性的虐待とレイプに対して、なしうる限りの最も強い憤慨を打ち立てることを目ざしています。

正当なニコルさんの権利と世論の闘いには、多くの出費を伴っています。できればあなたがたに、ニコルさんの正義のために、わが国家の正義のために寄付をお願いしたいのです。

敬具
コラソン・レキゾ
タスク・フォース・スービックレイプ - 事務局
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「タスク・フォース・スービックレイプ」の構成団体を下記に記します。フィリピンでは、民主団体が政治的理由によって分裂し、この分裂が悪影響を及ぼしていますが、この問題では、さまざまな団体が共同してキャンペーンを行っています。この点は非常に重要だとわたしたちは評価しています。
The TFSR is composed of the following organizations:
1. Akbayan women committee
2. Buklod
3. Coalition against trafficking on women
4. BMP women
5. Freedom from Debt Coalition
6. Pagkakaisa ng Kababaihan ( KAISA KA)
7. KAKAMMPI
8. Partido ng Manggagawa
9. Peoples Task Force for Bases Clean up- ABC
10. Sanlakas women
11. Sarilaya


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姉(妹)がわからなくなるほどニコルさんは酔っていた [米兵によるレイプ事件、犯罪]

6月23日付け、インクワイアラー紙記事からの抜粋です。
6月22日の公判の様子です。ニコルさんの姉フランコさんが証言しています。
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姉(妹)がわからなくなるほどニコルさんは酔っていた

スービック・レイプ事件の原告は、11月1日の夜、バー・ネプチューンから消えていなくなる前に、姉(妹)を見分けられないほど酔っぱらい、最後に踊った相手は主犯格の海兵隊上等兵ダニエル・スミスだった。
以下はニコル(Nicole)さんの姉(妹)アナリザ・フランコ(Annaliza Franco)さんが、検察側証人として金曜日におこなった証言の内容だ。証言時間は4時間あまり。
フランコさんもまた、海兵隊隊員とバーを出たニコルさんがかなり酔っていたこと、故に、スミス上等兵とのセックスに合意できるはずがないことを証言した。
11月1日の夜、彼女とニコルさんと友人で米海軍伍長(あるいは二等兵曹 US Navy Petty Officer 2)のクリストファー・ミルズはバーをはしごした後、クラブ・ネプチューンに行き、ミルズの友人のガルシアと数杯の酒を飲んだ。
フランコさんは、ミルズが注文した数杯の酒を飲んで彼女もニコルさんも酔ってしまったことを認めた。
ニコルさんは「ウオッカスプライト(Vodka Sprite)」、「B-52」、「Long Island iced tea」、カップ半分の「Singapore sling」、ピッチャーに半分の「Bull Frog」を飲んだ。
海岸パトロールと揉めているガルシアを助けにミルズ伍長が出て行ったあと、ニコルさんがアメリカ人と踊っているのをフランコさんは見ている。それはスミス上等兵だったと彼女は証言した。
その後、ニコルさんが当てもなく歩いているのを見て連れ出すことにした。
「私は彼女に、クリス・ミルズも行っちゃったし、私たちもホテルに帰ろうって言いました」。しかし、ニコルさんは彼女のことを見ただけだったとフランコさんは言った。
「ニコルさんが付いて来るだろうと思って海岸(Waterfront)に向かって歩いた。でも着いてみたら彼女はいなくなっていた」とフランコさんは言う。
海岸でミルズ伍長に会ったので、ニコルさんを捜すのを手伝ってくれと頼んだ。
彼女が見つからないのでミルズ伍長は、もうホテルに帰ったのだろうと言った。
11月2日の午前2時ごろ、ホテルの支配人から電話があり、ロビーに降りてくるように言われた。ロビーには、スービック市警の警官に付き添われた、ショック状態のニコルさんがいた。
ここまで言ったフランコさんが泣き出して休憩を願い出たので、ポソン(Pozon)裁判官は月曜日にやり直すことにした。訴追人ウルスア弁護士の尋問の続きが、まだ一時間は残っているとのこと。


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10分以上も続いた殴打、撲殺された米兵横須賀事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵によって撲殺!横須賀・女性殺害事件

(殺害現場、横須賀市米ヶ浜通りの雑居ビル前)

今年の1月3日早朝、横須賀で米兵によって佐藤好重(よしえ)さん(56)が殺害され、6月2日横浜地裁で判決がありました。
横浜地裁・小倉正三裁判長は、強盗殺人罪に問われた米海軍横須賀基地の一等航空兵ウィリアム・リース被告(22)に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。

犯行現場である横須賀市米が浜通の雑居ビル入り口近くにあった監視カメラに犯行の様子が映し出されており、公判で証拠として上映されたそうです。ビデオによれば、佐藤さんは、顔や腹を殴打され、壁にたたきつけられ、何度も踏みつけられていました。小倉裁判長は「10分間もの間、声も出せなくなるまで暴行は続いており、冷酷非道」と述べました。文字通り「撲殺」でした。佐藤さんの弟、真田修一さんは「姉の顔は、弟の私でもわからないほどぐちゃぐちゃだった。」と話しました。

日本の「監視社会」態勢によってビデオに残りましたが、証拠品として警察が押収しています。権力側が占有し、公開されません。

米軍の態度は、これまでのほかの事件に比べ、日本政府、神奈川県警に「協力的」で、起訴前に犯人の身柄引渡しに応じました。被害者の通夜、葬式ともに、米軍から在日米海軍司令部ケリー司令官以下、100名あまりの米軍高官が参列し、謝罪の態度を示しました。
横須賀湾の放射能汚染問題などから、横須賀への原子力空母配備への批判が新たに高まっているなか、何とか早急にかつ穏便に事を済ませようとしています。

日本政府もまた穏便にすませようとしています。日本のマスメディアもこの問題をほとんど報じていません。そのため、日本国民のほとんどが事件のことを知りません。裁判はわずか2回の公判をしただけで、判決となりました。

このような事件が起きたにもかかわらず、蒲谷亮一・横須賀市長は横須賀基地への原子力空母の配備を容認しています。


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時効、米兵の保護についてのVFA条項は無効 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンで起きたレイプ事件で裁判が行われていますが、VFA(比米軍事訪問協定)によって、米兵犯罪の時効や米政府による容疑者の保護が規定されていて、犯人摘発の直接の障害になっています。
VFA自体が、フィリピン憲法違反であるとして、レイプ事件を告発する人たちがフィリピン最高裁に「請願書」を提出しました。
米軍の存在がレイプ事件の原因であるとし、米国によるフィリピンへとの軍事体制そのものの批判の声が広がっています。
インクワイアラー紙記事の一部を抜粋します。
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原告告訴人は、時効、米兵の保護についてのVFA条項を無効とするように最高裁へ申請した。


(6月19日最高裁前で、最高裁へ請願書を提出)

レイプ事件で4人の米国軍人を告発したフィリピン人弁護士エバリン・ウルスアは、この月曜日(6月19日)、フィリピン最高裁判所に、事件の時効期限と米兵の保護期限に関するVFA(比米軍事訪問協定)が違憲であると宣言するよう請願する。
マカティ地裁139支所のベンジャミン・ポソン裁判官が、スービック強姦事件での「一年間の時効」は2005年12月27日から始まるべきであると判決した後に、エバリン・ウルスア弁護士は事件移送命令書のために請願書を提出した。
2005年12月27日とは、オロンガポ地裁73支所でのレナート・ディラグ裁判官による裁判が始められた日である。
ポソン裁判官は裁定において、規定の期間(時効の開始)は「裁判が始められた」その瞬間から始まったと言明した。
ウルスア弁護士は、告訴人として最高裁に、米海兵隊ダニエル・スミス上等兵、キース・シルクウッド、ドミニク・デュプランティス、およびチャド・カーペンティア2等軍曹に対して召喚状を申請すると言明した。
スービック自由港でレイプ犯として告発されて以来、四名の米兵容疑者らは米国大使館の保護下にいる。

VFAの規定とは?
2005年11月1日に、米大使館は、フィリピン軍との合同軍事演習に参加した分遣地隊のメンバーとして、四名の米兵の保護を正当化するに当たり、大使館担当官はVFAを引き合いに出した。
VFAは、アメリカとフィリピンの間で軍事演習実施を認める二国間協定である。
米兵犯罪の時効と米兵保護の問題は、VFA第5条6節に含まれている。それによれば、「フィリピンが司法権を行使する上で、あらゆる米国人員を保護する権利は、米国軍当局が要求するならば、犯罪遂行からすべての訴訟手続の完了まで、米国軍当局に直ちに存在することとする」。
条項によれば、「米軍当局は、フィリピン当局による遅れのない正式な通知において、人員が告発されている不法行為と関連しているすべての調査のまたは訴訟手続に間に合うように、そのような人員が当局を利用可能にすることとする。」
条項によれば、「異常な場合においては、フィリピン政府は、米国政府が十分に考慮すべき保護措置に対して、米国政府にその態度を示すことができる」。
「フィリピン訴訟手続が一年以内に完了されない場合には、米国はこの条項に従いどのような義務をも免じられることとする。一年の時効は、上告に必要な時間を含まない。」
「また、一年の時効には、フィリピン当局による適時の通知があった後は、被告人の出席のための手配において、米国当局による予定された審理手続きの遅れは間違いがあったとしても含まれない。」


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スービック・レイプ事件、VFAは違憲だ! [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピンの支援団体からからレイプ事件裁判の報告が来たので転載する。
レイプ事件告発は、米軍とのVFA(軍事訪問協定)によって時効が一年とされており、裁判闘争と並行して最高裁に、VFAを違憲として「請願書」を提出した。
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親愛なる皆さん。
こんにちは!

(最高裁へ請願書を提出した後、記者会見するエベリン・ウルスア弁護士=レイプ事件の原告告訴人)

ここに、今日(2006年6月19日)最高裁判所の前での写真を送る。

米国とのVFA(軍事訪問協定)によって、米兵犯罪が一年で時効となり原告(レイプ被害者)の権利を侵害していること、および被告人(米兵)すべてが米国政府によて保護されていることに示されるように、VFA、特にその第5条6節は、フィリピン憲法を侵害しているとして最高裁から下級裁判所へ令状としての移送命令書のために、私たちは最高裁へ請願書を提出した。
VFAはフィリピン憲法に違反する。なぜならば、 フィリピン政府がVFAを締結したことが、法治において最高裁判所の唯一持つ独占的な機能を放棄するからである。

今日(6月19日)もまた法廷でこの件でのヒアリングがあった。証人はスービックの捜査官である。
明日(6月20日)も法廷でのヒアリングがある。裁判官が、水曜日は休廷するとしたので、ヒアリングは水曜日を除く月曜日から金曜日ある。私たちは明日再びヒアリングに出席する。

あなたがたの活動についての最新の情報を送って欲しい。あらためてあなた方の支援に感謝する。今日の活動を写した写真を送る。今日はこれだけ。
団結して。


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スミス上等兵はニコルさんの名さえ知らなかった [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービック・レイプ事件の公判の様子をインクワイアラー紙が伝えています。
以下はその抜粋です。

米海兵隊員スミス上等兵は、「レイプではない。合意の上でのセックスだ。」と主張していますが、被害女性の名前さえ知らなかったことが裁判での証言で明らかになりました。
また、米政府は被疑者を尋問した米海軍犯罪調査局・職員の裁判での証人出廷を、外交官特権に従い拒否していましたが、批判の高まりから出廷に応じる態度に変更してきました。

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被告人スミス上等兵はニコルさんの名さえ知らなかった!
米国は、職員がスービックレイプ事件裁判で証言することを認めた。


スミス上等兵は女性の名前さえ知らなかった!
米海兵隊・上等兵ダニエル・スミスは、現在レイプ罪でフィリピン人女性に告訴されているが、この女性をスービックの大衆バーの外へ連れ出す際、彼の上官の許可を取っていた。
その証言を、昨日(6月14日)マカティ地裁でパパジョージなる人物が行った。パパジョージ氏は、出廷を要請された米海軍犯罪調査局(NCIS)の4人の職員のうちの一人であり、当初外交官特権を根拠にマカティ地方裁判所への出廷を米国大使館から止められていた人物である。
パパジョージ氏は、レイプ容疑のあった2005年11月1日夜の約24時間後にスミスにインタビューした人物でもある。
証言で明らかになったのは、スミスが女性の名前さえ知らなかったことだ。
スミスは女性と「合意の上でのセックス」したと主張しているにもかかわらず、パパジョージ氏に
彼女を「アジア人女性」とだけしか言わなかった。
パパジョージ氏は法廷で次のように証言した。スミスは、上官の了解の下、現在共に起訴されたスタッフの軍曹チャド・カーペンティアとともに、酔っ払った女性をバー・ネプチューンの外に連れ出し、カーペンティアや他の二人の海兵隊員がはやし立てるなか、レイプ容疑のかかったそのバンのなかに連れ込んだ。

完全な方向転換
米国政府は、米海軍犯罪調査局員がレイプ裁判で証言することを認めた。
昨日(6月14日)出された声明の中で、「正義が公正で公平な裁判において実現されると見なされるならば、米国の政府は、レイプの罪で告発された4人のアメリカ海兵隊員裁判において、数人の米国公務員の証言を認めることに合意する」と米国大使館は述べた。
声明によると、米国政府は「この裁判で証言するという限定された目的のために」マニラ米国大使館に配置された2人の米海軍犯罪調査局職員の外交官特権を放棄した。
調査に参加した2人以外の他の米海軍犯罪調査局職員は、フィリピンに戻るように要請されるであろうと大使館は言明した。
「この決定は、フィリピン外務省との議論、そして法廷証言をウィーン会議によってカバーされた証人からの裁判証言を要求する適切な過程についての議決によって、なされた。」

7番目の証人
7番目の検察側の証人として米海軍犯罪調査局・特別捜査官パパジョージ氏は、彼が2005年11月2日の午前2時から午前5時の間、埠頭にいた船、USSエセックス船上でこの2人の海兵隊員、スミスとカーペンティア軍曹を尋問した時、彼ら二人はこれらの行為を「認めた」と証言した。
パパジョージ氏は、この事件に関して彼が編集した4巻にもおよぶ実情調査報告について証言するために呼ばれた。報告書には、行われたパパジョージ氏や他の捜査官による、容疑者と数人の目撃証人の尋問が米海軍犯罪調査局職員よって編集されている。
この報告書は、「ニコルさん」として知られている原告とのインタビューを含んでいない。
直接尋問で、パパジョージ氏は、主任検察官エミリー・フェ・デロス・サントスによって読みあげられ印をつけられた一節を、主に確認した。
この一節では次のように述べられている。スミス被告は、「原告(被害者)が被告人スミスと一緒にスターレックス・バンの中にいたと認めていて、仲間が囃し立てているなか、彼はバンの中でこの”アジア女性”と合意の上のセックスをした」。
デロス・サントス検察官によって、報告の中でそのように判断する根拠は何かと聞かれて、パパジョージ氏は、「私がスミスに尋問し、彼がアジア女性と性行為を持ったと言った。しかしスミスは彼女の名前を知らなかった。」と証言した。

5杯のビール
他方、起訴された一人であるカーペンティア軍曹のこと。バー・ネプチューンの外に連れ出したのが「スミスであるとカーペンティアは認めた。」と、報告に書かれているとパパジョージは証言した。
バー・ネプチューンは、ニコルさんと起訴された4人の海兵隊員が初めて会い、彼女をバンに連れ込んだ場所である。
スミス上等兵は「名前も知らない、酔っているようであったアジア人の女性」と会ったその夜、「5杯のビール」を飲んでいたと、付け加えた。
マカティ地裁139支所で、ヒアリングで再び出席しているニコルさんは、パパジョージ氏が証言する間ほとんどの、手で顔を覆い、涙をぬぐっていた。
米海軍犯罪調査局・駐在職員 ロナルド・ベルツ氏、彼はパパジョージ氏の上官で、6月5日の裁判審問で証言を始めたのだが、それ以前は米大使館がベルツ氏及び他の三人の同僚の証言を押しとどめていた人物である。その彼が昨日(6月14日)、裁判所に姿を現した。
反対尋問において、パパジョージ氏はスミス上等兵の弁護団ベンジャミン・フォルモソの前で、その伍長は、仕上げられた報告書の中で彼のせいとされるどのような声明にも、決してサインさせられなかったことを認めた。
今回、エセックス船でのパパジョージ氏によるスミス上等兵インタビュー時の手書き「メモ」、それは米海軍犯罪調査局職員が報告書の添付書類として裁判所に提出した書類であるが、これに関して、スミス上等兵の弁護士フォルモソは、以下のような記述に、ベンジャミン・ポソン裁判官の注意を引き付けていた。
「彼女は私(スミス)が好きであった」そして「二人が別れる前の30から40分の間、話したしダンスもした。」「私たち二人はバンの後ろに座った。いろんなことがあって、私たちはセックスに至った。」「彼女は自発的なパートナーだった。」

バンの運転手の供述
カーペンティア軍曹の弁護士フランシスコ・ロドリゴは、パパジョージ氏に、米海軍犯罪調査局によるフィリピン人運転手ティモテオ・ソリアーノへの尋問に基づく報告書からの一節を確認した。このソリアーノ運転手は当初、検察官によって共犯者とみなされていた。
報告書を読んで、ロドリゴ弁護士は、「彼らは下品なダンスをし、腰を絡めていた。ニコルさんは、股をスミスの足に、尻をスミスの股にこすりつけていた。」「これは彼らがセックスをシミュレーションしていたかのように、ソリアーノには見えた。」とつけ加えた。
バー・ネプチューンの通路では、よく見かけられる場面である。
米兵の弁護士は、ソリアーノ運転手がバンを運転している間、バーの別の通路で「女性客が‘やっちゃった’と言うのを聞いた。」ことを強調しようとした。
デロス・ サントス検察官は、原告ニコルさんについての「人物証言」が「取るに足らない」と主張して、パパジョージ氏とロドリゴ弁護士のやり方を短くしようとした。
ロドリゴ弁護士は、法廷の規則を引きあいに出し、そのような証言を提出することで「容疑がありそうであるかないかを証明する」ことができたと反論した。
ポソン裁判官はロドリゴ弁護士を支持し、被告側弁護士は「人物を追うだけではなく、原告であるニコルさんがその時にしたと伝えられることを追跡するべきである。法廷はこれを認める。」と言いながら、ロドリゴに続けさせた。

応諾
米海軍犯罪調査局・捜査官であるパパジョージ氏、ベルツ氏、トニー・ラモス氏、ブライアン・カーリー氏の4名に対して法廷から出された5月30日付けの召喚状に従う米国大使館の決定を受けて、パパジョージ氏は証人台に立った。
ポソン裁判官は米国大使館と米国軍幹部に、6月7日の公判の間、法廷からの召喚状にもかかわらず、4人の米海軍犯罪調査局職員に「出廷不履行」させたことを弁明するように命じた。
6月8日に予定された公判で証言する義務を果たすために、4人の職員が出席すべきであるという通告を、ポソン裁判官は同じように「繰り返した」。
昨日(6月14日)の供述の中で、米国大使館は、米海軍犯罪調査局がオロンガポ市検察官と被告側弁護士に、「2005年11月から始まっているその予備的な報告書の完全なもの」を提供したと伝えていた。
「米国政府はこの疑わしい出来事の調査において”VFA=米比訪問軍事協定”の指針の下で、フィリピン当局とともに働き、訴訟手続の最後に至るまで協力を続けるであろう」と大使館は言明した。
「米国は、正義が報いられるように見守り続け、正しい成果がもたらされる公正で公平なプロセスを見守り続ける」と付け加えた。

裁判の目的
フィリピン外務省スポークスマン、ジルベルト・アスクエ氏は、判決によって「この事件が解決に導かれ、正義が早く実現することを希望する」という米国大使館の声明に賛同する見解を示した。
「それがこの裁判の目的であり、裁判官はその役目を果たすであろう。」「外交官特権の放棄のみならず法律の施行は派遣先国の大権である」とアスクエ氏は追加した。
「フィリピン外務省は、受入国の代表者として、ウィーン会議に従い、担当官や職員の誰であっても免責されるべきであるという大使館の要求に基づいて、当然与えられるべき承認を与えるであろう」。「外務省儀典に基づいて、ベルツ氏だけが完全な外交官特権を持ち、他の職員は職務上の免責を持っている、他の2人の米海軍犯罪調査局職員は、米国政府の外交のリストの上にいないこと、そしてこのリストは派遣国によって、この場合は米国であるが定期的に更新される」とアスクエ氏は言明した。
誰が職務上の免責権を持つ米海軍犯罪調査局職員であったかを尋ねられて、「今日(6月14日)に証言するのは誰でもそうである。」とアスクエ氏は答えた。
その職員はパパジョージ氏であった。


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“ニコルさんは4人の影武者を含め三重に囲まれて保護されている” [米兵によるレイプ事件、犯罪]

“ニコルさんは4人の影武者を含め三重に囲まれて保護されている”
6月15日のインクワイアラー紙の記事から
4名のアメリカ海兵隊員をレイプの罪で告発したニコルさんが法廷に入って行くと、いつもメディアカメラがぎらぎらする光を浴びせ追跡する。その時「女たちは塊」となってニコルさんを守る。

「ニコルさんのために公正のためにキャンペーンをしている女性のグループのマルチセクター別の連合」、すなわちTFSR(タスク・フォース・スービック・レイプ)に集まった女たちは、ニコルさんが公けの場に登場するときは、マスメディアに対し「非常線」を張って、いつも誠実な友人として彼女を守っている。
「ニコルさんの保護は、彼女に肉体的、心理的な保護、情緒的安定のためです。」「こういった女たちの行動によって、ニコルさんは肉体的に囲まれて守られているだけでなく、ジェンダー正義の精神によっても包まれていると感じているはずです。」とTFSRメンバーであるユン・アバーナは言った。
三重の保護は、ニコルさんの22歳という年齢、身長、体型を持った14人の女たちで構成されている、14人はTFSRメンバーである学生のなかから選ばれたと、ロロット・レキゾが説明した。ロロット・レキゾも、6月2日のマカティ地域予審法廷にニコルさんが最初に登場して以来ずっと一緒にいるTFSRのメンバーの一人である。
「私たちがニコルさんに名乗りを上げるよう言った時、彼女が助けを求めた。」とレキゾは付け加えた。
「私たちは法廷という公の場に初めて登場する二日前に、どうすべきか話し合い、ニコルさんの保護を検討した。ニコルさん自身が特定されないことを望んだので、彼女の周りに「女たちの塊」をつくろうと決めた。」

報道陣から隠れる!
サポートグループによると、ニコルさんが公然とマスコミの前に現れることは、彼女に無用なストレスとトラウマを与えるので、マスコミから守ることは必要である、という。
「彼女が隠れているのは他でもない、マスコミからだ」とカウンセラー医、フィリピン総合病院のジューン・パガヂュアン・ロペス医師は言った。
「まず第一に、私たちは、彼女のプライバシーの権利を尊重し、その権利を保護する必要がある。彼女は暴行を受けて、心に傷を負っている。その上、プライバシーが奪われればより苦しみを受けることになり、長期間にわたる心理的トラウマを与えることになる。特に、犠牲者を犠牲者としてみることに慣れていない社会、また被害女性の性格や容貌によって判断する傾向のある社会においては、被害女性を傷つけてしまうことになる。」
ロペス医師は「支援者たちの存在がニコルさんを少しずつ強くしているし、彼女自身が強くなろうと努力している」とニコルさんの状態を説明した。
「私たちは、そのうちニコルさんが、プレスの前に堂々と姿を現すことができるようになるのを望んでいる」とロペスは付け加えた。
「しかし、現在、私たちは、犠牲者に着せられた汚名を晴らさなければならない。彼女はまだ若いし、将来どうするのかも考えなくてはならない。」

影武者
ニコルさんに最も近い一重目の保護者は、4人の良く似た女性から成っている。ニコルさんが、攻撃的なメディアに立ち向かう必要がある時はいつでも「おとり」として役立っている。
影武者たちは、体型、顔つき、身長、髪の色なども含めて、原告人によく似ている人が選ばれていると、レキゾは話した。
女たちの保護のなかからニコルを見つけ出そうとする人々を混乱させるために、影武者たちはスカーフ、ジャケット、サングラスをつけている、すべての細かいところを各人それぞれが本人と見まがうように慎重に仕立てている。「女たちが工夫した助けに支えられて、ニコルさんは安心している」とアバーナが言った。

最も外側の保護者たち
「二重目の保護者たちは5人で、彼女が法廷に出入りする時に、ニコルさんの行動を監督するためにいっしょに働いている。この保護者たちはどこに移動するかについて指示を出す」。また「最も外側の保護者たちも5人からなり、予想されるメディアの攻撃から真ん中にいる人たちを守るために特に体重が重い体型の人が選ばれている」とレキゾが説明した。


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スービックレイプ事件、6月14日の報告 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックレイプ事件の報告
6月14日の便り、公判と支援闘争の様子

あなたが裁判の審問の日付と回数を知りたいとのことなので、順番に記したものをまとめて送るようにします。

ところで、スービック強姦事件の審問の現在のスケジュールは、2006年12月27日に至るまで毎週、火曜日から金曜日まで週4回開かれます。
2006年3月22日,24日には2回審問が開催され、4月21日,28日にも審問が行われました。
4月28日は罪状認否が始まった時ですが、すでに法律家のチームによって最高裁判所、司法省にはたくさんの申し立てが提出されていました。

5月には、5月11日、12日、19日と3回の審問が行われ、今月6月には6回の審問が行われました。(6月2日、5日、7日、8日、9日、14日 )。

6月9日の審問には2人のNCIS(米海軍犯罪調査局)職員が出席しました。米国政府は、彼らが法廷で証言することを許可しました。明日の審問にも出てくるでしょう。別の2人のNCIS職員も証言する予定です。そのうち1人は米国大使館で働くフィリピン人です。

(5月31日、レイプ事件について米軍に有利な見解を述べたフィリピン司法長官の写真を掲げ、不公正な司法長官として足蹴にしている。「ニコレさんに正義を!」というガブリエラのポスターも見える。)

レイプ事件告発団体であるTFSR(タスクフォース・スービックレイプケース)は、5月9日記者会見とフォーラムを行った後、審問期間中の抗議行動、アメリカ大使館前で行う抗議集会の準備のためにミーティングを開きました。

しかし、今に至るまで抗議行動を行うことができていません。というのは、審問の支援活動やレイプ被害者をメディアの眼にさらさないように裁判所に出入りする行動のために非常に忙しいからです。
これまで、ヒアリングに出席することで、犠牲者(アナリザさん)は少しずつ勇気をよりしっかりもつようになっています。もうすぐ、アナリザさんがメディアに直接顔をみせ、公然と話すことができようになると思います。

私は別の約束があり、明日(6月15日)の審問には出席できません。誰かに出席するように頼みます。
今日はこれだけです。あなたが、私のメールがあなたをわずらわせないことを望みます。
正義が勝利し、フィリピンの主権と威厳が獲得されることを強く望みます。

団結して


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フィリピン、スービック・レイプ事件、6月10日、支援者からの便り [米兵によるレイプ事件、犯罪]

フィリピン、スービック・レイプ事件、
6月10日、支援者からの便り
 マニラ・マカティ地裁で公判中

こんにちは!
レイプ事件裁判の審問が週4回あるので大変です。裁判所内では食事を取ることを禁止されているため、ランチを取ったりスナックを食べたりすることもままなりません。審問は午後1時に始まりますが、私たちは午前9時には裁判所に行かなければなりません。というのは、レイプ被害者を公衆、特にメディアの眼からまもる必要があるのです。
裁判の審問はこの前の月曜日(6月5日)にもありました。フィリピンの暑い気候のため、私は体の調子をくずしてしまいました。でも裁判所に行きました。レイプ被害者が一緒にいて欲しいと携帯で連絡してくれたのです。
いくつもの困難にもかかわらず、わたしたちは今の大変な裁判闘争を乗り越えることができると強く思っています。

この事件を調査しNCIS(米海軍犯罪調査局の報告書)を作成したアメリカ人証人を、米政府が外交上の免責に訴えてこれを退けたとき、私は本当に腹が立ちました。
もう一つの残念なニューズは、新聞でも報じられていますが、1年間の時効期間が、裁判の始まった2005年12月27日とされたことです(VFA=米比軍事訪問協定によって、米兵の犯罪時効は1年とされている)。

しかし、フィリピンで事件を起こした者は、米兵であろうと誰であろうと、フィリピン法で裁かれなければなりません。その実績を作らなければなりません。それが私たちフィリピン人の主権です。フィリピン政府が主権を捨て去ろうとするなら、フィリピン人民がこれを守るのです。


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スービック・レイプ事件、第二回公判の様子 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービック・レイプ事件、第二回公判の報告

<入廷する4名の米兵被告> 22歳のニコルさんは2005年11月1日、米海兵隊上等兵スミス(Smith)によってレイプされ、それを見ながら上等兵シルクウッド(Silkwood)、デュプランティス(Duplantis)および軍曹カーペンティア(Carpentier)が囃し立てていた("Go!Go! Smith Go!")と訴えている。 前回につづいて第二回目の裁判でも、被告・米兵側弁護団はニコルさんの信用を突き崩す戦術をとっている。今回は、事件の事実関係を調査した米海軍犯罪調査局の報告書(NCISレポート)が焦点。 3人目の証人は米海軍犯罪調査局のロナルド・ベルツ(Ronald Beltz)氏。同報告書はスミス上等兵が、ニコルさんと合意の上でセックスしたことを認めたと記している。しかし同報告書にはニコルさんに不利な記述も含まれ、被告・米兵側はそれを証人に読み上げさせることで裁判官の注意をひきつけている。 米海軍犯罪調査局の報告書によれば、ニコルさんは友人の海兵隊員に事件を打ち明ける際、セックスしたとは言ったがレイプされたとは言っていない。この友人は調査局の取調べに対して、ニコルさんがコンドームを使用したことを認めたと言い、「なぜ犯人がコンドームなど使うのか」問うと自制心を失ったように見えたと述べた。 原告側のエバリン・ウルスア(Evalyn Ursua)弁護士(原告告訴人)によれば、米海軍犯罪調査局・ベルツ(Beltz)の尋問の続きは今週後半。また、海軍調査機関から他にも証人が来て、スミス被告が合意の上でニコルさんとセックスしたことを認めた点について証言する。ウルスア弁護士は報告書のコピーを入手しており、「合意の上だったというのは、彼の主張にすぎない」とAP通信に話している。 米海軍犯罪調査局報告書には、犯行現場となったワゴン車の運転手、ティモネオ・スリアノ・ジュニア(Timoteo Soriano Jr.)の陳述もある。彼はネプチューン・バーでニコルさんとスミス被告を乗せた際、バーの警備員が車中の海兵隊員に、女を安く手に入れたければ相談するようもちかけていたことを明らかにしている。相場の6000ペソを3000ペソまで値切れると言って。この、チップも欲しがったバーの警備員が前回も証言したジェラルド・ムヨット(Gerald Muyot)であることは間違いない。 前回の裁判では、事件当時バーの入口にいた警備員ムヨットが、被告スミスとニコルさんを乗せたソラリノ(Sorarino)運転のワゴン車を目撃したことが立証されている。 ベルツ証人はまた、在沖縄海兵隊の指揮官は米海軍犯罪調査局報告書にもとづいてスミスらを軍法会議にかけるだろうと言った。海兵隊の上層部がくだす法的判断はつねに「未定にしておく」、つまりフィリピンが出す判決をペンディングにすることだと彼は説明している。 彼はまた、ソラリノ運転手の取り調べを仲介したのが一人のフィリピン人女性だったことや、彼女が取り調べに同席したと言っている。ただし、彼女の名前は聞いていないそうだ。 裁判官は犯行に使われたワゴン車を証拠として提出させるつもりだ。被告・米兵弁護団は、被告・米兵が泥酔状態のニコルさんを背負ったまま車のドアを開け、彼女を「積んだ」シーンを再現するよう求めている。ワゴン車は金曜日に届く予定。 ムヨット警備員への反対尋問は2時間以上にわたった。被告・米兵側弁護団はムヨットが異常事態を紙片に書きとめただけで日誌につけなかった点に疑問を呈した。「(彼女がレイプされるのではないかという)私の予感に自信がなかったからだ」と彼は答えている。ニコルさんを車に積み込みながら、スミス被告が突然、「彼女は私と一緒だ。私たちはもう行かなければ」と言ったのが変だったと言う。 ムヨット警備員の尋問の途中、ニコルさんは泣き出した。 <5月31日レイプに反対する母親の会 記者会見。統一してレイプ事件を告発するラバンマサの団体名、また前の垂幕には「レイプ事件を引き起こした米兵4名を米大使館が保護するのはやめろ!」と書かれているのが見える。>


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スービック・レイプ事件の裁判が始まる [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービック・レイプ事件の裁判がマニラ・マカティ地方裁判所で行われています。被害者ニコルさんが4人の米海兵隊員を訴えています。フィリピンではレイプ被害者が米兵を訴えることは非常に困難ですが、支援団体、支援者などの態勢がやっと整い、事件7ヶ月後に裁判が始まりました。6月2日の裁判公聴会の報告が来ましたので転載します。
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7ヶ月前に4人の海兵隊員にレイプされたニコル(Nicole)さんは、6月2日の裁判で、彼女の災難が言葉によって再現される4時間を耐えた。

被告(米海兵隊員)側弁護士たちは、彼女の人格を貶めることを目的とした尋問を繰り返した。彼女が被告たちといるところを見られたバー・ネプチューン(Neptune Bar)が、接待係の女性と「貴賓室」という名の個室を持つ、いかがわしい店であり、ニコルさんはそんな場所を深夜にうろつく人物だという印象をもたせようとしている。ベンジャミン・ポソン(Benjamin Pozon)判事は、そのような裁判に関係のない尋問は控えるように注意を与えた。それでも繰り返し尋問している。
 市議会らしき建物の一室を借りた裁判所の中の、被告人たちから3メートルほど離れた場所に、彼女の席がある。彼女のセラピストで医者のジューン・ロペス(June Lopez)さんが彼女を抱きかかえ、そのまわりを何人かの女性たちが覆いになるように取り囲んでいた。22歳のニコルさんは静かにすすり泣いていた。

 第1回の裁判では、バーの警備員2名が証言した。どちらもニコルさんが泥酔状態で、歩くのもままならぬ様子だったことを証言。一人は、被告の一人(スミス米海兵隊員)が彼女を背負って出てきて、彼女を車に「積んだ」のを目撃し、聞きもしないのに彼が「彼女は私と一緒だ。私たちはもう行かなければならない」と言ったので、不審に思い車のナンバーを控えた。

 聴聞のあとのインタビューで原告・告訴人エバリン・ウルサ(Evalyn Ursua)弁護士は、証言の内容に満足したと言っている。合意の上でのセックスではないことが明らかになった。車に乗せられる前に、既にバーの中にいたときから、ニコルさんが酔いつぶれて自分がわからなくなっていたことが明らかになった。さらに、「レイプされることと、被害女性のキャラクターには何の関係もない。たとえ売春婦であってもレイプされない権利がある」とも語った。

<ニコルさんと支援者たち、写真を撮ろうとする心無いカメラマンに囲まれて>

 終了後、裁判のあいだ着ていたカーキ色のジャケットを女友達に着せておとりにし、黒のジャケットに着替えたニコルさんは「No pictures! No pictures!(写真を撮るな!写真を撮るな!)」と連呼する女性たちの一群に囲まれて、裁判所をあとにした。しかし、それでも、カメラマンたちに包囲されてしまった。


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暗殺を糾弾するキャラバン行動、レイプ事件公聴会への行動の報告 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

女性団体カイサカのバロットさんから、暗殺事件とレイプ事件に対する行動の報告が来ました。
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5月23日、暗殺を糾弾するキャラバン行動の報告
5月26日、レイプ事件公聴会への行動

5月23日、私たちはキャラバン行動を30人の乗客のジープとミニバスによって行いました。500人前後の人がキャラバンに参加しました。キャラバンはバターン経済区のピサロからスタートし、マリベレスの公共の場を宣伝してまわり、バターン経済区当局のビルの前で集会を行いました。
午前9時半ごろに、キャラバンはバターン州マリベレス町カブカベンで、集まったアナリザの友人、家族とともにアナリザの埋葬に参列しました。アナリザのような暗殺は、ここフィリピンではまだ続いていて、それは私たちの安全を固くまもる必要があることを示しています。
このキャラバン行動の写真をあなたに送ることができなくてすみません。というのは上院に対する行動の時に私たちの持っているデジタルカメラが壊れてしまったのです。また、ビデオカメラはアナログのためパソコンに変換できないのです。
写真の転送についてお詫びしなければなりません。今日それをあなたに送るよう、ジョが私に約束してくれています。

この前の5月26日、午前中はVFA(比米軍事訪問協定)に抗議し米大使館前で、午後にはマカティの地方裁判所前でレイプ事件公聴会にむけて、集会を行いました。裁判官は、週4回公聴会を開催しようとしているため、私たちの法律チームは非常に大変なのです。
ここフィリピンの裁判システムは非常に偏っていて、どんな決定がこのマラソンヒアリングによって出てこようとも考慮することなしに、VFA(比米軍事訪問協定)の規定により一年で時効となるのをもって対処したいと思っているのです。
私たちの法律のチームは現在熱心に働いています。次のヒアリングは6月2日に開かれる予定です。女性団体カイサカから約100人がこの集会に参加しました。

私はこの集会の写真を少し持っていますが、あなたにE-Mailで送るにはフィルムを現像しなければなりません。
活動に対してあなたがたの支援に感謝します。

すべてのこれらの闘争をこえてあなたのサポートにとても感謝します。
団結して
バロット


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米兵によるレイプ被害者が訴え [米兵によるレイプ事件、犯罪]

米兵によるフィリピン・レイプ被害者が訴え

 フィリピン・スービックで2005年11月1日、22歳のフィリピン女性が4人の海兵隊員(沖縄駐留第31海兵隊遠征軍)によってレイプ被害を受けた。被害女性は、勇気をもって立ちあがり、重大な犯罪として訴えています。

3/22 原告弁護団とタスクフォース結成の記者会見

米大使館で犯人保護
 4人の被告米兵は在比アメリカ大使館に保護されており、犯行そのものを否定し、2006年4月28日、マニラ・マカティ地方裁裁判所で罪状認否において証言そのものを拒否しました。
 米軍は犯罪者を保護し、比米軍事訪問協定(VFA)によって「時効」をむかえる1年後、フィリピン外に逃うとしています。これに対して原告弁護団とスービックレイプ被害者支援団(スービックレイプタスクフォース)は犯罪米兵のフィリピン司法による拘留を要求し、比米軍事訪問協定(VFA)は憲法違反であると訴えています。

フィリピン司法長官も犯人米兵擁護
 ゴンザレス・フィリピン司法長官が、4人のうち3人を従犯として格下げを行いました。(レイプ主犯は最高で無期懲役または死刑、従犯は最高20年の懲役)。後に裁判所がこれを拒否。

 韓米、比米、日米の各軍事協定と地位協定は、各国での犯罪米兵の拘留と裁判を妨害し、グローバル戦争をすすめる米軍再編強化のなかで、国際法における各国主権を侵害し、さらに各国の憲法を踏みにじっています。
 フィリピン・ピースサイクルは、今年の12回目のサイクリングキャラバンを通じて、原告弁護団のウルスア弁護士とタスクフォースの要請を受け、在日米軍の再編強化に反対するすべての日本のみなさんに、フィリピンでのこの闘いの報告を行い、また支援をお願い致します。

  フィリピンピースサイクル事務局 連絡先:0422-48-8918  ブログ「カサナグの会」参照

<事実経過>
・2005年11月1日
 スービック元米海軍基地(現スービック経済開発地区)内で、比米軍事演習-バリカタン06に参加の沖縄駐留海兵隊員4人によるレイプ事件発生。
目撃証人、犯罪証拠による逮捕状執行に対し、在比アメリカ大使館がVFA協定をたてに、フィリピン司法当局による犯罪米兵の拘留を拒否。
・2006年3月18日、ゴンザレス・フィリピン司法長官が、4人のうち3人を従犯として格下げを行う。(レイプ主犯は最高で無期懲役または死刑、従犯は最高20年の懲役)。 オロンガポ地検の担当主任検事はこれを批判し辞任。女性人権機関は、これを「(司法長官が)被告の弁護をするもの」と非難。
・3月22日、スービックレイプ・タスクフォース結成、米大使館に保護されている4人の海兵隊員犯人の即時の身柄拘束を求め、VFAは憲法違反とした「動議」をオロンガポ地裁に提出、記者会見で発表。
・3月23日、オロンガポ地裁のレイプ事件担当判事が、判事の息子が米軍関係の法律事務所に勤務していたため忌避され、辞任、3/24予定の罪状認否が延期された。
・3月27日、最高裁は司法省の要請に応じて、レイプ事件の審理をオロンガポ地裁からマカティ地裁に移すことを承認。
・4月21日、罪状認否を4月28日に行うと発表
・4月27日、被害女性のための私選弁護士からなる原告弁護団に、元司法長官でギンゴナ副大統領、サギサグ上院議員、元フィリピン大学法学部長アガビン氏の3人を臨時の弁護団の法学の経験豊かなメンバーとして弁護団に加えた。
・4月28日、マカティ地裁裁判長が、ゴンザレス司法長官の「被告3人の共同正犯から従犯への降格指示」を拒否し、共同正犯として審理することを決定、同じこの日、同法廷では4被告がはじめて裁判所に法廷に出廷し、罪状認否が行われた。4被告は「不利益となる」として罪状認否そのものを拒否。今後4被告は、共同正犯として同裁判所の審理を受ける。
被害者原告の弁護団長のUrusua弁護士によれば、司法長官の介入を裁判所が拒否し、このまま4人への審理が進行する軌道に乗ったことは成功だ。今後、4人の身柄を裁判所が確保することと、VFA協定が憲法違反であることを追及していきたいと語った。
・5月3日、さらに担当検事1名の辞任が伝えられる。
レイプに反対する母親の会(Mothers against rape)が支援決定

(情報は、スービックレイプタスクフォース、先進的女性同盟(Kaisa-Ka,KPD)およびマニラ新聞、フィリピンインクワイアラー誌による)


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スービックでのレイプ事件 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

スービックでのレイプ事件
マカティでのデモ、3月8日

今回フィリピンを訪問したときに、2005年11月スービックで米海兵隊6人によるレイプ事件が問題になっておりました。3月8日国際婦人デーでは米兵によるレイプ告発がメインスローガンの一つでした。ちょうど訪問していた3月6日、被害者が支援者との説得で名乗りをあげました。担当の弁護士とも会いました。支援グループはさまざまな団体が名を連ねており共同して支援する態勢のようです。
弁護士としてはフィリピンでの裁判闘争をも検討しているようで、フィリピン人ドライバーの証言なども準備されているようです。米軍は加害者6名を現在もなおフィリピン米大使館内に「確保」していて、犯人のフィリピン警察への引渡しには応じていません。フィリピン政府は犯人引渡しを一応は要求しています。なお、この6名は沖縄から来た海兵隊員であるとのことです。
沖縄で起きたレイプ事件、今も起きていますが、同じ構造であり同じ関係が存在しています。特に今回は、沖縄から来た海兵隊員のしわざということで、このつながりを感じさせます。「ノーレイプ、ノーベース」がスローガンになっています。

「海兵隊の演習場所として、フィリピンは広大な土地があり演習に適している。国内治安出動の演習が成功裏に実施できた」とバリカタン演習を担当したフィリピン側司令官リム准将はコメントしています。
フィリピンでは憲法では外国の基地をおくことを禁じていますが、VFA(Visiting Force Agreement)協定(軍隊相互訪問協定)によって、演習を可能にしています。実際には期間は定められておらず、米軍は自由にフィリピンを訪問でき、常駐に似た態勢をとっています。また、「外国の基地をおくことを禁じる」憲法条項の改正をアロヨ政権は狙っています。
クラーク基地跡は経済区になっていますが、ロッキード・マーチン社も進出しており、戦闘機の整備・修理が可能な態勢も整いつつあります。

米軍にとって沖縄とフィリピンの関係はより機動的に対応するための態勢が着々と準備され、密接になっています。
反基地側も密接な関係をもたなければならないと思いました。


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