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アブドゥッラー・オジャランのインタビューから [世界の動き]

藤永茂さんのブログ『私の闇の奥』を読んでいて、興味深かったので引用します。

アブドゥッラー・オジャランのインタビューから
 オジャランは、1949年4月4日生まれ、75歳、クルディスタン労働者党(PKK)の創設メンバー、1999年から現在までトルコのイムラル刑務所の独房に収監。
 インタビューは、1991年6月16日(湾岸戦争終了後4ヶ月の時点)、レバノンのベッカー高原での中川喜与志氏による。(中川喜与志著『クルド人とクルディスタン』 南方新社、2001年12月より)

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オジャンラン: 日本は、米国の、極めて存在感の薄い、主体性のない、無人格な共犯者としての行動をとった。まるで村人が地主の言うことなら何でもそれに従うように(笑)。つまり極めて従属的な、そして無個性な政治である。あまりに主体性がない。あまりに限度知らずだ。90億ドルもの、しかも財源の当てのない巨額な資金を、米国の軍事独占資本家たちに送り届けた。ひと言で言えば、これは、日本政府の責任者が誰であれ、日本政府の主体性のなさを証明するものだ。明日また別の戦争が起こって、また日本が同じように米国を助け、追随するなら、日本はますます墓穴を掘ることになるだろう。

 少なくとも独自の政策をもって登場していたなら、完全中立の立場であれ、調停者の立場であれ、この巨額の資金を使っていたなら、自国民の利益にもなったろうし、同時に中東の人々の利益にもなっただろうに・・・・。しかし、米国の政策にまったく異議を唱えることもなく、米国の命令に従ったことは、日本の人民の利益にも中東の人民の利益にも反する政策である。最悪の政策だ。こんな政策をとるべきではない。

 このような隷属的な立場をとり続けるならば、それは現代において最も危険な、下男としての共犯政治となる。日本の野党がどのような態度をとったのか、詳しくは知らない。しかし私の考えでは、日本は強大な経済力をもった、しかしながら政治的な主体性を持っていない国家である。残念ながら、この事実を指摘しなければならない。言いたくはないのだが・・。経済の面ではあれほど創造的で豊かな力をもっているにもかかわらず、政治の面ではこれほどに無能である、無力である。これは深刻なる矛盾だ。・・・・・・・・

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 32年後の現在でも、オジャランの政治的観察の鋭さに改めて感銘をうけます。中東、あるいは中東に限らず、グローバル・サウスの人々の抱く「日本観」ではないでしょうか?






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