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2021年の国際メーデーを祝う! [フィリピン労働運動]

 アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)のエミリから、今年のメーデーの様子が送られてきました。コロナ禍で移動制限があり、一方、工場稼働停止によるレイオフ、失業が増えており、これに対処するため「生活協同組合」を立ち上げ寄付を募り、食糧品や生活用品の配布を行っているそうです。メーデーでは歌や演劇なども披露されました。

Labor day 01.jpg
<21年メーデー祭りでは、コロナ禍の失業者・生活困窮者のために食糧品・生活用品配布を行った>


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2021年の国際メーデーを祝う!
2021年5月1日

エルピディオ・アベラノーサ

 デスクトップ労働組合(DEA:Desktop Employees Association)書記、
 AMBA-BALA-WPL-Bataan評議員

パグダダマヤン(Pagdadamayan)」という
労働者協同組合を介して!


 世界中の労働者が本日2021年5月1日の国際労働者デーを祝うなか、AMBA-BALA(バタアン州労働組合連合)とFWL(Freeport Workers League:自由貿易地区労働者同盟)の労働者たちは、「パグダダマヤンPagdadamayan」という名の互助活動を提起した。WPL(民族解放のための労働組合)の加盟団体は、YND(国民民主青年運動)と協力して、コロナ・パンデミックによるロックダウンの長期化により飢えや仕事の喪失を経験している人々の叫びに応えて、マギンハワ・コミュニティ協同組合に触発されたコミュニティ協同組合運動に参加した。

 AMBA-WPLのメンバーは、2021年の国際メーデーを祝う独自の催しとして、今回は「パグダダマヤンPagdadamayan」という名の協同組合互助祭りを開催することにした。参加者たちは、政府や資本家がコロナ対策に失敗したとき、労働者は共同体の精神に立ち返るのだと発言した。デスクトップ従業員組合(DEA-WPL)書記(※1)であるエルピディオ・アベラノーサは、「それぞれの能力に応じて、それぞれのニーズに応じて」という未来社会を構想したいと説明した。メーデーでの労働者互助祭りは、YND(国民民主青年運動)が呼びかけて始まった労働者からの寄付金と勧誘によって賄われた。互助祭りの開催中には、バヤーン演劇グループ(Teatrong Bayan)による労働者の窮状を訴える歌が披露された。

 「私たちは1年間このような状態で、仲間の労働者の多くは空の鍋で、何も食べず胃がからっぽだ! 政府の援助の約束が「本当に釘付けになっているのなら」すでに限界に達している!」と、アヴェラノーサ(Avellanoza)書記はコロナ・パンデミック時期の労働者の悲惨な窮状を説明し訴えた。

 「もともとコロナ以前から労働者の収入や手当は十分でなく家族のためにやりくりを余儀なくされてきたが、長い間コロナ禍から回復できず、家族はいるものの失業していて収入がなく、労働者の貧困はますます悪化している」と元ドンイン(※2)労働者レオノーラ・セリスは嘆いた。彼は一年以上失業している。

 「飢餓と不安から人々の安全を守るための闘いの中で、労働者がバヤニハンを立ち上げて生産とサービスを強化する時が来た」とセリスは言った。

 一方、2021年3月現在、AFABファクトシートによると、バタアン自由貿易地域内では合計38,121人の労働者が雇用されており、2000年から2020年初め(コロナ前)の間に70%増加してきたが、いまでは多くの労働者が失業した。フィリピン全体では、2020年のパンデミック・ストライキ以来、約900万人の労働者が職を失ったが、今年のコロナ感染が急増する前に、600万人が仕事に戻ることができた。依然として失業が大きな問題だ。

 「労働雇用省(DOLE)からまだ支援を受けていない私たち労働者はどうしたらいいのか? デスクトップ社が操業を停止してからすでに1年以上失業している。不十分ながら食糧援助はあるものの食糧以外の家賃、水道代、電気代、借金の支払いはどうしたらいいのか? 支援はないのか!」と、デスクトップ労働組合のアヴェラノーサ書記は語った。

 政府のコロナ対応は、労働者とその家族がウイルスから身を守るのをより難しくした。食糧援助は遅れ、しかもランダムにしか届かない。ロックダウンの間は、仕事、給料、貯蓄、代替の生計手段が使えない。

 さらに、この非常に厳しい状況下で、政府の感染症に対する安全衛生の厳しい介入なしに工場が操業を再開した場合、労働条件が維持されず一層安定となり、転居を強要されたり、労働安全衛生対策の欠如などにより、さらに労働者の雇用と生活が悪化するのではないかと、AMBA-WPLは危惧している。

 労働者は社会の経済力である、政府には労働者の苦境に目を向けてほしい。「結局、今回のコロナ流行の経験を経て、利益よりも人間のニーズの方が重要であることがあらためてわかったのではないか!」とアベラノーサ書記言った。「私たち労働者にとっての新しい常識とは何だろうか? それは、契約労働化により在職権の保障がないこと、交渉権の欠如、劣悪な労働条件、労働者の低所得など、長年にわたって維持されてきた劣悪な慣行や労働政策が廃止されることだ。労働者の生活と権利を優先し、適切な国家経済・産業開発プログラムと同期させるような政策に変更されることを求める。それは経済的な混乱などもたらさない、労働者の生活と権利の保障であり、社会の安定、雇用の創出を意味する。」とアベラノーザはは付け加えた。

 このグループは、政府は憲法で定められた使命に忠実であること、特に危機に際しては既得権益を脇に置き、人々の生活と権利をまもることを求めている

 ※1:デスクトップ社 ※2 ドンイン社、ともにバタアン自由貿易地域にある会社




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コビド19の下での労働者の闘争 [フィリピン労働運動]

コビド19の下での労働者の闘争
 
エミリー・ファヤルド AMBA-BALA事務局長 


 アンバ・バーラ(AMBA-BALA:バタアン労働組合連合)のエミリーから、バタアン州におけるコロナ・パンデミック下の労働運動や街の生活について報告が来ました。

1)フィリピン・バタアン州での事例

 フィリピン全土が「コミュニティ検疫の強化」(以下ECQ:Enhance Community Quarantine)に置かれてから6ヶ月が経ちました。仮に60日後であったとしても、多くの企業はフィリピン保健省の定める「健康のための議定書および基準」のため、従業員の100%を受け入れることができません。したがって多くの労働者は仕事に就くことができないのです。保健省も各自治体も三桁、または数百のコロナ感染事案を抱えており、対応できていません。

 バタアン州では現在882人の患者(20年9月現在)が発生しており、そのうち595人が「自由貿易地区」のあるマリベレスの患者です。全体の67%をマリベレスで占めています。しかも595人のうち339人が、マリベレスのアンバ・バーラ事務所所在地であるポブラシオン(Poblacion)バランガイからでした。私たちの調査によっても、労働者のなかにはウイルスに感染している者がいます。マリベレス地区の会社は警戒しており、「健康基準」を適用していたにもかかわらず、例えばFCF社では26人の中国人スーパーバイザー(管理職)が会社の知らないところで感染し、フィリピン人労働者に容易にウイルスをうつしてしまったこともありました。

(※アンバ・バーラ(AMBA-BALA)とは、バタアン州労働組合連合、「バタアン自由貿易地区」を中心に組織している。)

9月18 日現在 Covit19 Update
          フィリピン全体  バタアン州
累計感染者数   : 283,460人   2,002人
累計死者数    :  4,930人     30人
9月17日感染者数 :  3,962人      84人
9月17日死者数  :   100人      0人

  本当のところは、ほとんどの企業と「バタアン自由貿易地区」(AFAB)当局に権限があるにもかかわらず、労働者に対する「強制検査」(covid 19のための無料のチェック)を実施していませんでした。一緒に働くのが安全ではない会社だと認定された場合、「バタアン自由貿易地区」当局は、会社を14日間閉鎖し、すべての労働者に強制休暇(無給、諸手当なし)を取らせ、その後、検査を実施します。コロナ陽性者は公開し感染経路を追跡します。陽性者は「バタアン自由貿易地区」当局の監督の下で検疫施設に入れらます。

2)無職と飢餓

 COVID19のリスクはさておき、労働者は無職、無給のため収入が絶たれます。生活の破綻、飢餓の危険性が迫っています。

 ディスクトップ社(Desktop)とDLX社は、9月1日から2021年2月までの間、労働者を強制休暇(無給、諸手当なし)にさせています。同社の製品(バッグなど)は現時点では必要不可欠なものではないため、買い手からの注文がないというのです。また、バーレーン・ファイバーグラス社も3月から一部の従業員を強制休暇を取らせています。他の企業もフル稼働しているわけではありません。

 ミツミ電機ドンイン(Dong In)グループのような企業は、このパンデミックの中でも、多くの受注を得ています。ちなみに、ミツミ電機は厳格な健康管理を行っている企業の一つです。感染者が出たこともあり、14日間の日当付き検疫を実施しています。

 マリベレスには9区画(バランガイ)ありますが、地域検疫の強化と「バタアン自由貿易地区」当局の下で、企業は厳しいスキーム検疫に従っています。しかし、ミツミ電機は生産のニーズが高いために(生産増大に邪魔になる)検疫に従っていないことが判明しましたが、結局のところ当局は操業を許可しました。「コミュニティ検疫の強化」ECQ は9月12日に始まり、9月26日に終了します。多くの企業がCOVID19 の現地・企業への感染を避けるために、検疫スキームに従い一時的に操業を停止しています。

 現在、ここバタアン州では何千人もの労働者が失業しています。いくつかの会社では「強制休暇」(無給:Force Leave)が実施され、ほかの会社では、就業契約の終了や他の理由で労働契約を終了されました。解雇です。多くの人が新たな職探しをし、幸運にもみつけた人もいますが、ほとんどの者には幸運は訪れません。新たな職は、職を失った全ての労働者が新たに就職できるほどあるわけではありません。

 デスクトップバッグ・フィリピン社(Desktop Bags Phils. Ltd.)、DLXバッグ・フィリピン社(DLX Bags Phils.)は、ファッションバッグや靴を製造しています。この2社とボースト社(Boast Ltd.)を含めた3社は、従業員への「通知」に、「2021年前半までの期間は、業務が正常に戻ることはない」と記しています。これは労働者にとっても労働組合にとっても悲惨な「知らせ」です。

3)労働者の権利は、パンデミックのもとで奪われてはならない!

 危機が発生しても、労働者の権利を守り、主張しなければなりません。政府機関と裁判所は、職務を遂行しながらパンデミック下で採用できる独自の健康対策とプロトコルを持っています。労働雇用省(DOLE)は、厳格にウェブ会議と調停を実施しました。私たちは、労働雇用省とのウェブ会議、電子メール、携帯電話(ほとんどが非接触的)を通じて、DOLEと会議を持ち、会社の状況に関する労働者と組合の懸念を提起し、会社との仲介を求めることを学びました。

Pictures above Desktop Employees Association-DEA,  DLX Workers Union-DWU and Freeport Workers League (FWL)  ZOOM meeting with DOLE (2).png
<労働雇用省とのWeb会議の様子>

 現時点ではまだ実際に大量の人が集まったミーティング(マリベレスでは10人以上)は禁止されており、リーダーだけがミーティングを行うことができますが、この危機の下で労働者の問題に対処する手段はそれほど残されていないのです。
失業補助金のための私たちのキャンペーン

 アンバ・バーラは、強制休暇や経済封鎖の影響を受けた人々のための失業補助金の取得キャンペーンを主導してきました。現時点では、すでに州知事と第2区のジョート・ガルシア州議員のオフィスに要請書を提出しています。特に今回、「バヤニハン・ヒール・アズ・ワン・アクトII」が可決されており州当局の前向きな反応を待っています。国から新たに数十億ペソ(約100億円)の予算が投入されることになっており、そのすみやかな実施を要請しています。

 失業補助金だけでなく、COVID19パンデミックの下での労働者の安全のための予算もあります。
 私たちはまだ、様々な企業の労働者やリーダーを集めて、多くの労働者がキャンペーンに参加できるようにしています。


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ハンジン労働者と支援者の闘い [フィリピン労働運動]

 カサナグの会は、現地のハンジン・フィリピン労働組合を何度か訪問し、以前から交流してきました。19年初め、ハンジン・フィリピン社の経営破綻が伝えられ、労働者や交流した労働組合員たちはの生活や闘いはどうなているのか問い合わせていましたが、今回その報告の一部が送られてきました。19年4月時点の報告であり、現在はまた新たな進展や変化があろうとは思いますが、下記に紹介します。

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ハンジン労働者と支援者の闘い
April 6, 2019

1) ハンジン労働者キャンペーン

 現在の「負債から資本へ」の会社更生計画では、ハンジン・フィリピン社の進行中の事業を支援するために5社の外国企業の参入を歓迎し、そのことはハンジン社がいう経営破綻という表明が嘘であることを証明している。最近の進展の下で、ハンジン・フィリピン社の操業継続がより明確になるに従い、造船所の人材が必要になる。それにもかかわらず、何年も会社に勤めている労働者を確保するために、ハンジン経営陣、または労働雇用省のいずれによる動きも行われていない。
 
 過去の政権がハンジン・フィリピン社の劣悪な労働条件と労災事故を追及し改善できなかったが、そのことは現在の政権にとっての課題として残っているのでもあり、大企業の権利よりも先に国民の権利をどのように提言するかということなのだ。

 このような状況を考えると、400人のアクティブな労働者のメンバーを持つサマハン-WPL※①は、「ハンジン造船所が通常の操業再開のための努力を継続することを認める」という戦術的な要求を掲げて、労働者のキャンペーンを開始した。
  [※①サマハン・メンバーは、18年12月と19年2月の大幅な解雇により、5,000名から400名に劇的に減少した。サマハンは、労働組合準備組織。フィリピンでは組合代表選挙を経て労働者の過半数の支持を得なければ労働組合として資本、労働雇用省から認められない。 ]

 ハンジン・フィリピン社は「会社更生」の下に置かれ、債権者への負債を解決するために債務「受け手」による移行期間を経ることになった。したがって、造船所は閉鎖されない。

 そのため労働者は、「●適切な離職手当、●3%の雇用保証金の払い戻し、●失業補助金を支給、●新しい雇用を見つけるまでの間住宅費支払いの一時停止」を要求した。この危機的状況が終わるまで、ハンジン造船所に対する権利を所有するすべての者と労働雇用省との間の法的拘束力のある契約を通じて、造船所が通常の稼働ができるようになった場合に、融資と復元のために優先順位が付けられるようにすることも要求した。

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<ハンジン・フィリピン社スービック造船所>

2) 労働者の闘争 

 明確な政府の政策と計画がなければ、労働者は困難な状況に追い込まれ、会社を救うだけの話となる。

 サマハンは労働雇用省と対話を始めるため、19年1月13日付の手紙を送った。1月28日に、ハンジン・フィリピン社の会社更生申請に伴う労働者の困窮状態に対処するため、サマハン指導者、「ハンジン労働者の友(FoHW)」※②とシルベストル・ベロIII労働雇用省長官の間で話し合いが行われた。
[※②「ハンジン労働者の友(FoHW)」とは、2011年以降、主に異なる大学の学生で構成される支援ネットワーク。そのネットワークの一部は個人、機関、学生組織のグループ。]

 労働者は、「勤続年数ごとに1ヵ月分の給与相当の離職手当」、「3%の雇用保証金の払い戻し」などの補償を求めた。「3%の雇用補償金の払い戻し」とは、労働者とハンジン経営陣の間の法的拘束力のある契約を通じて、賃金、失業補助金、優先再雇用で差し引かれる3%雇用債の払い戻しのこと。 労働雇用省は労働者に支援を提供することを保証し、いつでも職場に戻ってくることができると労働者に伝えた。

 2019年2月8日に、ハンジン経営陣は「自主的退職※に関する覚書」を発行し、自主的退職プログラム(VRP)の申請書に署名した者のみが離職手当などの正当な利益を受け取ることができるとした。サマハンはすぐに抗議し、経営陣との正式な交渉を要求し、ハンジン社の管理事務所を訪問した。交渉の場は、人事担当役員のアナ・エスポソ氏によって与えられ、サマハン指導者を食堂に招いた。食堂で、人事担当役員アナ・エスポソはサマハン指導者たちに名前を書き、交渉の記録しないよう指示し、すべての労働者に仕事に戻るよう命じた。

 これに応えて、サマハンは2019年2月9日に三者間の交渉を要請する手紙を送った。

3)労働雇用省が、自主的退職プログラム(VRP)の狙いを暴露

 交渉の前に、DZMMでベロ長官との電話インタビューしたところ、ベロ長官は、「自主的退職プログラム(VRP)は違法であり、労働者を短期的に変更するための経営者の言い訳だ」と述べ、労働者にVRPに署名しないよう助言した。 2月19日、労働雇用省地域ディレクター、シェナイーダ・アンガラ・カンピータ(Zenaida Angara-Campita)が司会を務め3者の交渉が、ハンジン社の異なる下請業者とサマハン(SAMAHAN-WPL)リーダーが参加し、労働雇用省リージョン3で開催された。労働者の要求により、両当事者間の最終的な合意は得られなかった。

 19年3月1日、自主的退職プログラム(VRP)への署名を拒否した113人の労働者は、入口がブロックされた状態でロックアウトされていることに気付いた。これに対し、サマハンは仕事に戻せと要求しピケットラインを敷いた。人事部長ユージーン・デロス・サントス(Eugene delos Santos)は、労働者のピケットに応え、入口開閉装置が誤作動し、意図せずにロックアウトされたと「適当な」を説明した。人事部長はまた、労働者に状況を説明する回覧メモをリリースし、自主的退職プログラム(VRP)を利用しなかった人々が働き続けることができることも保証した。

 しかし、同日、ハンジン経営陣は資本家寄りの労働組合連合AMAPO-TUCPのリーダーと話し合い、労働者に自主的退職プログラム(VRP)への署名を説得し、ピケットラインを分断させた結果、53人の労働者のみが残った。ボビー・フローレスは、労働者にVRPに署名するよう説得したAMAPO-TUCPのリーダーである。ハンジン53名は、彼らの権利を主張し続ける。ハンジン経営者は覚書の回覧ではなく、労働者の下請業者から閉鎖通知を発表したとしている。

 すぐに、サマハン-WPLは3月4日付けの労働雇用省シルベストル・ベロIII長官宛てに、労働者に代わって直ちに経営陣に介入するよう促す手紙を送った。応答がなかったので1週間後に、支援団体「ハンジン労働者の友人(FOHW)」とともに、3月11日にイントラムロスの労働雇用省前でピケット抗議を開始し、長官宛てに請願書を手渡した。さまざまな学生会や組織に所属する500人以上の学生は、ベロ長官あてに労働者の窮状を直ちに是正するよう労働雇用省に要請する署名を提出した。同時に、アンジェリーク・ラゾのラジオ・ベリタス番組で、サマハン指導者はベロ長官に電話をした。ベロ長官は放送によって労働者に説明するのではなく、同日にサマハン指導者を招待するから対話しようと呼びかけた。

 残念ながら、ベロ長官は労働者の問題に直接対処する代わりに、政権の「ビルド、ビルド、ビルドプログラム」、および最近開催されたスービックジョブフェアを利用することを宣伝した。皮肉なことに、ジョブフェアに参加した6,000人の労働者志願者のうち、雇われたのは99人だけだった。さらに、ベロ長官は、「ハンジン社がすでに閉鎖を申請しており、労働雇用省の権限を超えているため、三者間交渉するよう管財人を強制することはできなかった」と述べた。ただ、会議中にサマハンの指導者によって提供された事実を立証するために視察訪問を行うことにはなった。破産により一時的に稼働が止まっているが、造船ヤードには実際に6隻の船とメンテナンス作業の仕事がある。ベロ長官は、視察訪問の一環として、サマハン指導者とともに、労働関係副大臣、特別懸念および地域活動クラスター、CESO IIIのアナC.ディオーネ(Ana C. Dione)に、その任務を割り当てた。

 2019年3月13日、副長官アナ・C・ディオーネ(Ana C. Dione)と労働雇用省第3地域ディレクターのシェナイーダ・アンガラ・カンピータ(Zenaida Angara-Campita)は、サマハンの参加なしにハンジン造船所の視察を行った。

  サマハンの継続的な努力にもかかわらず、また文書のフォローアップを行ったにもかかわらず、結果はまだ公表されていない。

 3月25日、労働雇用省を説得する最後の試みとして、「ハンジン労働者53名」は、その家族とともに、「ハンジン労働者の友の会」と労働団体KPDの支援を受けて、約250人のメンバーを動員し、マニラ、イントラムロスの労働雇用省前に結集した。デモは激化したが、ベロ長官は出てこなかった。労働者に対話のために二階に行くように呼びかけたのはベンジョー・ベナヴィダ (Benjo Benavida)副長官だった。サマハン代表、労働団体WPL、支援団体「ハンジン労働友の会(FOHW)」が、対話に参加した。この最後の対話では、労働雇用省は政治的意思(明らかに欠けている)を持たず、真の政治的使命を行使することなく、会社法と法的プロセスを持ち出して、ハンジン経営の方針を定めた、そのことで労働者に対する責任を放棄した。労働雇用省は、命令を下し行動できるように、労働者に単に訴訟を起こすよう促すことで、説得力のないアリバイを残す態度へと退いた。

 4) 支援活動の取り組み

 ハンジン闘争に対する支援活動キャンペーンは、国際的にも地域的にも行われた。国際的には、サマハンと労働団体WPLのさまざまなパートナー組合、組合連合により、国際連帯活動が強化された。控訴状が労働雇用省ベロ長官あてに送られた。 19年1月22日と3月5日にバンクーバーおよび地区労働評議会(VDLC)により、 19年1月29日にカナダの公共サービス同盟から、19年3月6日にブリティッシュコロンビア州政府とサービス従業員組合から、19年3月13日に労働組合世界連合会、バンクーバーおよび地区労働評議会(VDLC)代表と執行委員会、およびカナダ労働組合から連帯のメッセージが送られた。

 地方レベルでは、支援活動は、関心のある個人、学生組織、グループで構成される支援団体「ハンジン労働者の友(FOHW)」が先頭に立っている。 2011年から設立され、最近のハンジン労働者の支援キャンペーンのために再開した。

 「ソーシャルワークとコミュニティ開発」クラス221の大学支援(CSWCD)により、学生たちはスービック、サンバレスへの視察旅行に参加した。英語からフィリピン語への文書の翻訳を行い始め、彼らはすぐにハンジン労働者の現在の中心グループになった。

 支援団体「ハンジン労働者友の会(FOHW)」は、主にハンジン問題をフィリピン内外に広める活動を担当し、キャンペーンや情報グラフィックの作成を通じて事実を伝えた。これには、ハンジン労働者の要求や問題発生の概要、労働雇用省への要望と回答など、様々な団体、大学での議論やフォーラムの開催などをソーシャルメディアで伝えた。19年2月21日にはフィリピン大学カリプナン・マグマラルアール・ソソホロヒヤ(UP KMS)が主催する教育討論会などが行われた。フィリピン大学カソリック行動(UP Student Catholic Action:UPSCA)との教育的議論も行った。また、フィリピン大学ディリマン校学生委員会(USC)は、2月22日に公開討論会を主催した。また、「ハンジン労働者友の会(FOHW)」は、連帯のメッセージを通じて、下記のような個人、学生評議会と組織、労働者グループに支援を要請した。CSWCD SC 、UPD USC、UP KMS、フィリピン大学政治社会学部、フィリピン大学マニラ校(UP Manila)、芸術科学大学学生評議会、ブクロド(BUKLOD)社会科学哲学カレッジ、サンバレー労働者団体(UGNAYAN)、オルタ政治運動(AlterPol)、国民的経済運動、フィリピン大学医学部学生評議会、および多数の著名な個人。

 「ハンジン労働者友の会(FOHW)」はまた、首都圏のさまざまな大学、特にフィリピン大学とフィリピン工科大学にオンラインで請願書と署名キャンペーンを提出し、461のオンライン署名と約2,000の署名を獲得し、現在も集めている。

 また、彼らはピケット労働者への寄付を集めた。
 19年1月28日に約300人の学生が参加したベロ労働長官との対話を通じて労働雇用省との合意が成立した。労働者を支持連帯するエンジニアリング学生評議会、カレッジ評議会連盟、UPD USCとともに、支援団体「ハンジン労働友の会(FOHW)」は、この合意遵守を求め、2月28日にメルチョル・ホールのエンジニアリングステップの前での抗議行動を呼びかけた。

 また、「ハンジン労働者友の会」は、メディアへの連絡、オンエア、または電話を介した労働者とのインタビューを行った。ピケットの日常的な報告をメディアに連絡し報道してもらい、ラジオ・ベリタス、中央ルソンTVへのラジオインタビューなどの現場の状況報告を担当した。 CLTV、DWIZ 882、およびRappler、インクワイアラー紙、ビジネス・ミラー紙、ビジネス・ワールド紙、およびその他の国内の主要メディアによる報道に協力した。

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<ハンジン造船所>

5) 今後の闘い 

 ハンジン労働者の緊急の要求に対する闘争戦術はピークに達した。
 労働雇用省のポジションファームで、外資系資本による再建を計画しているのを確認したサマハン – WPLは、労働者の闘争を別の面、すなわち合法的な戦いと組み合わせた持続的な政治キャンペーンに中心を置くことに決めた。

 サマハン – WPLは、ハンジン53名の業務の連続性、正規労働者化を目ざした訴訟、およびすべてのハンジン労働者が会社から適切な利益を奪われたことに対し、法的訴訟をしている。造船所は閉鎖されない。実際、各地からの報告によると、タルラック州とスービックの元ハンジン労働者はすでに募集と訓練を受けるよう求められており、電力は国立電力公社の主電源に再接続され、保存済み重機は取り出され、テストされている。

 この新しい闘争では、法的闘争と集団行動の組み合わせが採用された。裁判闘争には規定の期間があるが、叫びをあげなければ、訴訟は「過ぎたる法の遵守」として処理されがちだ。そのため、労働者の訴訟に大衆的な支持運動があれば確かな圧力を及ぼし、判決に影響を及ぼし、迅速に対応することさえある。

 このような戦術では、議論の妥当性と重み、および採用される他の法的プロセスを評価するために協議を行う必要がある。造船所での長年の組織化を通じて収集され蓄積されたデータと情報は活用され、訴訟を闘うために必要なデータと研究の継続的な収集が必要だ。

 ハンジン労働者の闘争の新しい段階を展開すると、ちょうど終結した段階で蓄積された力が再配置されだろう。これは、サマハン-WPLの現在の強さを維持しながら、次の段階の力を構築するために拡張および統合することだ。

 そのため、ハンジン造船所内の組織化活動は継続的な解決を求め続ける。同様に、他の領域で闘いを組織することも、より包括的で動的な労働者運動を組織するために同じく力を注いでいかなくてはならない。

 支援と連帯活動は継続され、より活気に満ちて広範囲に行う。真実を暴露し、公共の利益を生かし続けるには、特にメディア批判の勢いを維持する必要がある。同様に、他の分野は、立法や管財人との対話など、別の戦いの場でもきちんと対応しなければならない。上院、議会、労働雇用省、およびハンジン造船所の新しい経営者に向けた請願と緊急の訴えは、様々な経緯をその都度宣伝し支持を得ながら、闘いを進めることが特に重要になる。

 正義のための闘争は続き、私たちの権利のための戦いが持続する。そして、勇気をもって主張し戦う方法を知っている人だけが、権利と正義と勝利の主張を持っている!

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ハンジン・フィリピン社の破産 [フィリピン労働運動]

 ハンジン・フィリピン社の倒産と労働者の状況、要求、闘争の現状について、プリモに問いああせたところ、下記の文書が送られてきた。19年3月20日前後の文書で少し古いが、掲載する。

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ハンジン・フィリピン社の破産

ハンジン・フィリピン社とは?

180125 世界最大のコンテナ船船、アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ就航式.jpg
<2018年1月25日、スービック韓進造船所で行われた世界最大のコンテナ船アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの就航式、元大統領マパカバル・グロリア・アロヨ(前列左から6人目)、ハンジン社長Gwang Suk Chungなどが並んでいる>


 ハンジン重工業フィリピン社スービック造船所(以下:ハンジン・フィリピン社)は、世界で5番目に大きいドッグを持つ造船業者。韓国資本の韓進重工業のフィリピン子会社。韓進グループは、韓進海運、大韓航空などを要する韓国の財閥だが、オーナー家内の争いから韓進重工業はこのグループから離れている。一方、韓進海運は倒産し、韓進財閥は危機にある。

 1991年にアメリカ海軍が退去したルソン島スービック海軍基地だった地域が「自由経済区」に転換され、現在はスービック湾メトロポリタン当局(SBMA)によって管理されている。ハンジン・フィリピン社は、その一部敷地であるサンバレス州スービック湾レドンド半島(スービック湾をはさみオロンガポ市の向い側)に直接投資し造船所を建設した。

 韓進重工業は、造船では韓国内5,6番手であり資本蓄積が小さいため、フィリピン・ハンジン社では、1万人の労働者が造船所を建設しながら、他方、1万人の労働者が船をつくるというスタイルで操業を始めた。ピーク時には、ハンジン・フィリピン社の労働者数は33,000人に達した。造船業は、労働集約的産業であり、その中でもハンジン・フィリピン社は機械化に投資せず人手により造船所を建設し、生産してきた。そのため、労務管理がハンジン経営のノウハウであった。3万人以上の労働者が働いていたが、そのうちハンジン・フィリピン社員はわずか1,000人程度であり、残りは21もの下請け企業からの出向であった。さらにフィリピンの契約労働制度を悪用し、低賃金労働を最大限利用する経営を行った。労働災害が多発し、死亡事故は60人以上起きたが、アロヨ政権が誘致した海外投資であることから政権にすり寄って、労災事故が多発していたにもかかわらず安全衛生基準を実施しようとしなかった。労働組合結成には弾圧で対処した。

 資本規模が小さく債務の大きい韓進重工業は、世界的な造船不況で業績が悪化し、2018年12月、ハンジン・フィリピン社は約7,000人の労働者を解雇し、さらに19年2月13日には、3,800人のレイオフを発表した。最終的には工場メンテナンスのための労働者である300人にまで減らした。

 過去、ハンジン・フィリピン社は労災での死亡事故が相次ぎ労働者から労働安全基準順守違反と申し立てられ、フィリピン議会上院委員会が職場の状況を調査した。 調査報告は、ハンジン・フィリピン社は09年以降、複数の労働災害、複数の死傷者をもたらしたと報告した。それでも、ハンジン・フィリピン社は安全衛生違反を是正しなかった。

 労働組合準備組織サマハン(SAMAHAN-WPL)の記録によると、労働雇用省(以下:DOLE)がハンジン・フィリピン社に労働安全衛生基準違反を是正させなかったため、11年間で60人が死亡し、5,000件もの大規模および軽度の事故が発生したという(最初の3年間のDOLEデータによる)。さらに、21の下請業者はハンジン・フィリピン社と契約雇用を締結し、労働者を派遣していた。ハンジン・フィリピン社社員は、韓国から来た社員を含めて、もわずか1,000人であり、中核の労働者でさえ正規労働者ではなかった。高度なフィリピン人労働者は人間以下の労働条件、生活環境で労働し生活してきた。

 19年初め、ハンジン・フィリピン社は会社更生を申請した。韓国・投資家の債務とともに、フィリピンの銀行に少なくとも4億ドルの巨額債務がある。ハンジン・フィリピン社は、業績が急速に悪化したため、保守作業のためのわずか312人だけを残し、すべての労働者を解雇した。大量解雇は、10年以上にわたってハンジン・フィリピン社で働いてきた高度な熟練労働者と家族の生活を破壊するものだし、地域経済に大きな影響を与えている。

初めに

 2019年3月1日の午前7時、就労を求め出勤した約100人の労働者は、サンバレス州スービックにあるハンジン重工業フィリピン社造船所への入場が禁止された。 ロックアウトされた彼らはゲートでピケットを行った。100人の労働者は、会社・経営陣によって提示された「自主的削減プログラム(VRP)」(=自主的な退職条項を含む)」への署名を拒否した人たちだった。 自発的な退職に同意した200人の労働者のみが造船所の敷地への入場を許可された。現在まで、ハンジン関係者この問題について沈黙したままだ。
―――――――――――
※ビジネスミラー紙、ニュース
2004年に操業を開始して以来、ハンジン・フィリピン社は、低賃金にもかかわらず熟練した有能な労働者によって極めて短期間で、123隻の建造を完了した。[Cabuag、V.(2019年1月9日)。ハンジン・フィリピン社は、債権者の法的救済を求めている。
https://businessmirror.com.ph/2019/01/09/hanjin-subic-shipyard-seeks-court-relief-from-creditors/から
2019年1月12日取得
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<スービック、トレンド半島の一部を削って建設したハンジン・フィリピン造船所の全景>

 ハンジン・フィリピン社によるフィリピン労働者に対する粗雑な扱いは目新しいものではない。会社の劣悪な労働慣行は、現在の経営破綻の前にすでに記録されており、死亡事故、多数の事故を引き起こしてきた。フィリピン政府がこれまでハンジン・フィリピン社の「労働安全衛生違反を是正させられなかったのは、政府の責任であり、現在もなお政権の課題である。大企業の利益より、先に国民の権利と生活をどのように護るのかという問題だ。

ハンジン・フィリピン社の会社更生法申請

 債務が増大したため、2019年1月8日に、ハンジン・フィリピンは共和国法10142または「財政的に苦しんでいる企業および個人の更生または清算を規定する法律」に基づく会社更生を申請した。[Sison、B.、Jr.(2019、 1月16日)。 オロンガポ市地方裁判所(RTC)は、会社更生のためのハンジン請願を受理した(フィリピン・スター紙)。
https://www.philstar.com/headlines/2019/01/16/1885490/rtc-grants-hanjin-petition-rehabilitationから2019年1月17日に取得したニュース]

 2019年1月14日、オロンガポ市地方裁判所(RTC)支部72がハンジン・フィリピン社・管財人の請願を受理し、直ちに会社を企業更生の対象にした。

 現在の「公平な負債」の会社更生計画は、5つの外国企業の参入を歓迎している[マナバト、A。(2019年3月20日)。 5つの外資系企業、地元銀行のコンソーシアムは、ハンジン社の再生を狙っている。ビジネスミラー紙、ニュース。 2019年3月21日、
https://businessmirror.com.ph/2019/03/20/5-foreign-firms-consortium-of-local-banks-eye-hanjin-rehab/?Fbclid
 
 ハンジン・フィリピン社の倒産については、偽証の疑いもあった。最近の進展ではハンジン・フィリピン社は操業を継続する動きも見せており、その場合は造船所の人材が必要になる。それにも関わらず、すでに10年間会社で働いてきた労働者を再雇用するために、ハンジン・フィリピン経営陣も労働雇用省も何の動きもしていない。

交渉と解決策

 2019年1月28日、労働組合準備組織サマハンに結集した労働者は、ハンジン・フィリピン社の会社更生申請に伴い労働者の置かれた困難な状況に対処するために、シルヴェスト・レ・ベロIII労働雇用省長官との交渉を求めた。労働者たちは、きちんと賃金を支払うこと、賃金から差し引かれる3%の雇用債の払い戻し、失業補助金、および労働者とハンジン・フィリピン社間の法的拘束力のある契約を通じた優先再雇用などの救済を求めた。

 ハンジン経営陣は労働者の要求に応じることなく、19年2月8日に自主的な退職に関する覚書を発行し、「自主退職プログラム(以下:VRP)」に署名した人だけが離職手当などの利益を受け取ることができるという条件にした。これに対応して、サマハンはこの問題を明確にするために、三者間対話を要請する手紙をDOLEに送った。

 2月19日、労働雇用省 第3地域ディレクターのシェナイーダ・アンガラ・カンピータ(Zenaida Angara-Campita)が司会を務める3つの交渉が、ハンジン社の異なる下請業者と労働者組織サマハンの間で、開催された。労働者の要求に関して、両当事者間の最終的な合意は得られなかった。

 3月1日、「自主退職プログラム( VRP)」への署名を拒否した113人の労働者は、RFIDがブロックされた状態でロックアウトされていることに気付いた。そのため、ハンジン労働者は仕事に戻せと要求しピケットラインを設置した。人事部長ユージン・デロス・サントスは、労働者のピケットにこたえ、電子エントランス装置が誤作動し、IDが意図せずにブロックされたと説明した。しかし、それは言い訳にすぎない。彼はまた、労働者に状況を説明するメモの回覧をリリースし、VRPを利用しなかった人々が働き続けることができることを保証した。しかし、経営者はメモの回覧ではなく、労働者の下請業者から閉鎖通知をリリースしたとされている。

 すぐに、サマハンは3月4日付けの労働雇用省シルベストル・ベロIII長官宛てに、労働者の利益を守り、直ちに経営陣に介入するよう促す手紙を送った。応答がなかったので1週間後、支援団体「ハンジン労働者の友(FOHW)」が、19年3月11日にマニラ、イントラムロスにある労働雇用省前でピケットを行い抗議を開始し、ベロ長官宛てに、労働者が置かれている困難な状況を直ちに是正するよう500人以上の学生が署名した請願書を手渡した。 労働雇用省は請願書を紛失したと言っている。ピケが激化するにつれて、ベロ長官は直ちに労働者組織サマハンと支援団体「ハンジン労働者の友(FOHW)」が参加する対話を呼びかけた。

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<ハンジンのコンテナ船>

 残念ながら、ベロ長官は労働者の問題に対処する代わりに、ドゥテルテ現政権の「ビルド、ビルド、ビルド」計画推進したし、スービック・ジョブフェアを強調する他の仕事でごまかすことができた。皮肉なことに、ハンジンで職を失った者からなる6,000人の労働志願者のうち、地上勤務で雇われたのは99人だけだった。さらに、労働雇用省は、ハンジン・フィリピン社がすでに閉鎖を申請しており、企業の受入能力を超えているため、三者間の対話を実行するよう管財人を強制することはできなかったと主張した。

 会議中に労働者から提供された事実を立証するために、交渉のため視察することはできた。ベロ長官は、対話の一環として、労働関係副長官であり、特別担当および地域活動グループ、CESO III担当のアナ・C・ディオーネ(Ana C. Dione)副長官に、サマハン指導者とともに現場視察の任務を割り当てた。

 2019年3月13日、労働雇用省アナ・ C・ディオーネ副長官と労働雇用省3リージョナルディレクターのシェナイーダ・アンガラ・カンピータは、サマハンの参加なしにハンジン造船所の視察を行った。サマハンの継続的な努力にもかかわらず、そして文書のフォローアップを行ったにもかかわらず、結果はまだ発表されていない。

労働組合準備組織サマハン(SAMAHAN)の現状

 20日間のピケットラインは、労働者だけでなく、稼ぎ手に生計を当てている家族にとっても困難な任務だった。残った53人のハンジン労働者の要求は、会社が操業を再開するまで彼らが仕事に戻されることだ。これらの労働者は、退職に応じていないが、メンテナンス作業を行う準備はできており、会社更生の後、新しいハンジン経営陣に加わる準備も同様にできている。

 この単純な要求にもかかわらず、労働雇用省は、造船での10年の豊富な経験を考えると、すべてが高度なスキルを備えた労働者の福祉にまだ取り組んでいないようだ。これは、11年間で123隻の船を生産し、そのうち99隻が58億ドルの価値があるという事実によって補強されている。しかし、労働者と彼らのスキルはぼろきれのように扱われている。

アクション
 19年3月25日の午前9時に、ピケットラインの53人の労働者と支援団体「ハンジン労働者の友」(労働者を支援する学生組織、機関、個人のネットワーク)の約400人のメンバーは、マニラ、イントラムロスの労働雇用省に集まる。

 抗議者たちは、午前8時30分までにメハン・ガーデン(Mehan Garden)前に集まり、午前9時までにイントラムロスの労働雇用省本部に向かって行進する。

 この決定的な行動は、フィリピン造船業で働く労働者たちが耐えてきた10年にわたる不公正を終わらせるための、労働者への呼びかけのためだ。

詳細については、以下に問い合わせ請う。


A)プリモ・アンパロ(Primo Amparo)
   ――「人々の解放のための労働者
  電話番号:(02)7173262
  連絡先:0917-867-6664
  メールアドレス:workers4peopleslib@yahoo.com
  住所:#22 ドミンゴ ゲバラ通り、バランガイ マンダルーヨン市ハイウェイヒルズ、メトロマニラ

B)ヴィルジリオ・M・ロドリゴ・ジュニア(Virgilio M. Rodrigo Jr. )
  書記長-サマハン
  メールアドレス:samahansahanjin@yahoo.com
  連絡先:0939-837-1669
  住所:#70、ソリアーノ通り、バランガイ、ワワンデュ、スービック、サンバレス州

C) ジュリー・スマヨプ(July Sumayop)
  スポークスマン――「ハンジン労働者の友」
  連絡先:0956-067-9435
  住所:フィリピン大学ディリマン校
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人喰いバナナ農園―-スミフル社 [フィリピン労働運動]

人喰いバナナ農園―-スミフル社
スミフル社争議、いまだ解決せず!

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<フィリピン、ミンダナオ、スミフル社バナナ園>

 フィリピン・ミンダナオのコンポステラ渓谷にあるスミフル社が経営するバナナ農園・梱包工場で、18年10月、正規雇用化や団体交渉を求めてストライキに参加した労働組合員749名が解雇されました。

 解雇された労働者のうち300名がマニラに行き、大統領府、労働雇用省、国家労働関係委員会に訴えました。日本でも、スミフル労働者を支援する団体が、今年1月22日にはスミフル社の親会社である住友商事へ抗議行動を行いました。また6月には、スミフル労働者が来日し、749名の
不当解雇と、フィリピン最高裁が復職を命令したのに従わないスミフル社、親会社の住友商事を告発しました。

 抗議行動もあってか、6月18日に、住友商事は、スミフル社の株式を合弁相手にすべて売却する、スミフル社は子会社ではなくなると発表しました。

 フィリピン労働雇用省は、「749名の解雇は不当解雇である、スミフル社による控訴は認めない」とする最終判断を19年5月25日にくだし、スミフル社と解雇された労働者に通達しました。

 しかし、スミフル社は通達後も、解雇した労働者を復職させませんでした。労働雇用省はさらに7月22日付で執行令状に基づく行政指導を行い、組合員の復職(10日以内の復職)を命じました。

 ところが、スミフル社はその行政指導さえも拒み、労働雇用省に「行政指導」の破棄を求める要請書を7月31日付で提出していることが判明(8月6日判明)しました。

 スミフル社はそもそも認められない控訴を根拠に、行政指導の執行拒否と行政指導そのものの破棄を求めています。

 8月6日、500名の解雇された組合員は、国家労働関係委員会の担当者とともにスミフル社復職の意志を伝え出勤しましたが、スミフル社は復職も出勤も認めませんでした。それどころか、警察や警備員を配置し出勤者への監視行動を続ける始末です。

 現在は、スミフル社が7月31日に提出した「労働雇用省による行政指導破棄の要請書」に対する労働雇用省の返答を待っている状況です。

 しかし、スミフル社の要請書の主張は、すでに労働雇用省が再三の検討を行い、不当解雇であると結論を下したものであり、ゆるぎないものです。スミフル社の対応は、不必要に争議を引き延ばし、経済的に優位の立場にある会社側に事態が有利に働くことを期待しているものに他なりません。

 そもそもスミフル社と組合員らが長期にわたる争議に至った背景には、スミフル社がフィリピンの最高裁判決を無視し、組合員の待遇改善と労働組合との団体交渉に応じなかったことに起因しています。

 私たちは、スミフル労働郷労働組合の闘いを支持します。スミフル社がすみやかに行政指導に従い、組合員の復職を実現することを強く求めます。

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<8月6日、最高裁の復職命令を受け、スミフル社に出勤した500名の解雇された労働者>
 ※
スミフル社争議の経過
2008年:スミフル社の前身Fresh Banana Agricultural Corpration(以下:FBAC)における労働慣習が「偽装請負」に当たるとし、労働者らがFBAC社の「請負業者」ではなく、直接雇用と団体交渉権を求めて、組合設立手続きを行うが、会社側は組合設立を拒否した。労働雇用省は組合員らの主張を認めて、組合を正規の組合と認めるが、FBAC社を吸収合併した新法人スミフル・フィリピン社はこれに異議申し立てを行う。
2010年:労働雇用省の仲裁・調停人は組合員らの主張を認め、会社による異議申し立てを棄却した。
2012年:控訴審は組合員の主張を及び労働雇用省の判断を支持し、会社側による控訴を棄却。
2017年6月7日:フィリピン最高裁は控訴審を支持し、会社側による控訴棄却、組合員の再雇用化を義務付ける。
2018年10月:最高裁判決後も一向に組合員らの正規雇用化を認めず、団体交渉にも応じないため、労働組合はストライキを決行。
 会社側が雇った暴力団・チンピラによるスト破り、暴行。会社側はストライキへの参加を理由に組合員ら749名を一斉解雇。
18年11月:スミフル労働組合事務所が何者かに放火される。
2019年1月22日:スミフル親会社である新宿・住友フード会社(Sumitomo Food Corporation)の前で抗議行動。
19年1月30日:労働雇用省の仲裁・調停人が、一斉解雇を不当解雇であるとする報告書を作成
19年3月25日:労働雇用省 国家労働関係委員会は、委員会決議として、1月30日の仲裁・調停人による調査を追認した。
19年5月25日:国家労働関係委員会は、3月25日日付の委員会決議に対する申立てを検討した結果、「組合員らの解雇が不当であったこと、これを控訴不能な最終決定」とする。
19年6月:スミフル労働者2名が来日し、日本でスミフル労働者支援キャンペーン行動を実施。
19年6月18日:住友商事は子会社「スミフル・シンガポール」の保有する株式49%全てを合弁相手に売却すると発表。9月末までの売却完了予定。
19年7月22日:労働雇用省は5月25日判断を受けてもなお当該組合員の復職していないことを受けて再雇用を命じる行政命令を発令。
19年7月31日:スミフル社は本来認められないはずだが、控訴中であると主張し、行政命令に従うことを拒否。
19年8月6日:不当解雇された約600名のが復職を求めて出勤するも、スミフル社は出勤を認めず、警察を含む人員を配置し監視行動を実施。
 組合代表者との会合で、スミフル社が7月31日日付で労働雇用省に要請書を送付していることを組合に開示し、「要請書に対する労働雇用省判断が出るまでの最大15日間のあいだは組合員の復職を認めない、ただし賃金相当の支払いは保障する」と発言。

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スミフル労働組合NAMASUFAの声明 [フィリピン労働運動]

スミフル労働組合NAMASUFAの声明
NAMASUFA-NAFLU-KMU
2019年8月5日
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<スミフル・バナナ園>

スミフル闘争の最近の進展について
スミフル労働者は政府に復職命令を実施するよう要請する

 2019年7月23日、国家労働関係委員会(NLRC)は、スミフル労働組合(以下:NAMASUFA)の解雇されたすべてのストライキ労働者に対する「復職命令の執行令状」を発行しました。令状は、すべてのストライキ労働者に、ミンダナオ・コンポステラ渓谷にあるスミフル・フィリピン社が責任をもって、労働者に以前の仕事を割り当てるよう指示しています。

 2018年10月1日、スミフル社が一方的に労働協約締結と正規労働者化の団体交渉を拒否したため、労働組合連合KMUの現地組織であるNAMASUFAの749人の労働者が、ストライキを行ったことを思い起こします。

 私たちのストライキは、18年10月11日、ストライキ破りのため会社が雇った暴力団、フィリピン国家警察、フィリピン国軍などのグループによって無残にも蹴散らされ、数人のストライカーが負傷し、持ち物が略奪されました。そのため、18年11月24日に約300人の組合員がマニラを訪れ、比大統領を含む中央政府機関へ問題を訴えました。

 労働組合NAMASUFAの役員と組合員は、労働雇用省(DOLE)、国家労働関係委員会(NLRC)、国民調停調停委員会などに訴え、解雇が不当であることを再確認させました。このマニラで勝ち得た闘争の進展をもってマニラから戻り、19年8月6日に出勤することを、スミフル経営陣に正式に通知しました。

 国家労働関係委員会による復職執行命令の令状発行は、法的戦いの勝利ですが、スミフル労働者はスミフル社が簡単に命令を実行するとは信じていません。スミフル社には、「労働組合員を正規労働者化せよ!」という最高裁判所の出した合法的な命令でさえ、拒否してきた前歴があります。この最高裁決定は、2017年6月7日、「コンポステラ渓谷のスミフル社梱包工場の220名の労働者を、会社は正規労働者とすること」と宣言しましたが、これまで、スミフル社は無視してきたのです。

 したがって、労働組合NAMASUFAは国家労働関係委員会(NLRC)と労働雇用省(DOLE)に、復職命令の完全な実施を確保し、法律を回避する巨大資本家の不法な気まぐれを許さないことを保証するように強く求めています。

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<スミフル労働組合のポスター>

*********

 スミフル社が国家労働関係委員会から執行令状を受け取ってからわずか3日後、NAMASUFAの別の組合員が、コンポステラ渓谷、シオコンのバランガイ(村)で、軍の疑惑のあるエージェントによって嫌がらせを受けました。事件は、19年8月2日午後5時30分ごろに発生しました。2人の正体不明の男性が、組合員のアントニオ・アピラー・ジュニア(Antonio Apilar Jr.)の家に行き、彼を探しました。彼らはアピラーを見つけられず、空中で3発銃を発射して、その場を去りました。

 アピラーは、この事件をすぐに組合役員に報告しました。早くも19年7月15日には、正体不明の二人がアピラーの家にきて彼を探しましたが、アピラーは会わず、兄弟を正体不明の人に会わせ、後者は連絡先番号を残しました。

 アピラーは、電話番号を残した人物に連絡を取り、何が問題なのか尋ねました。その人物は、復職命令が既に出されているため、彼らはアピラーと話がしたいと答えました。彼は最初に「彼の名前にまつわる問題」をクリアしなければなりません、なぜなら彼は「NPAの支持者」として「リストアップ」され、軍や警察から脅しを受けているのです。

 もはやこの種の嫌がらせを知らない人はいません。上記のパターンは、フィリピン軍の手なれた仕事であり、過去2年間、コンポステーラ渓谷およびその他の地域で、中傷宣伝と「アカ」というレッテル貼りを行ってきたのです。

 われわれはこのような脅しを何度も受けてきたし、いまも受けているのです。

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ハンジン・フィリピン労働者に支援を! [フィリピン労働運動]

 ハンジン・フィリピン社の倒産について、プリモから報告が送られてきました。下記に紹介します。

 ハンジン・フィリピン社は韓国・韓進重工業の子会社で、アロヨ政権の外資優遇措置(FDI)を受け、フィリピン・サンバレス州のスービック湾に巨大な造船所を建設し稼働してきました。オロンガポ市の対岸に位置します。韓進重工業は、韓国の韓進財閥グループですが、16年は主要企業であった韓進海運が倒産し、もう一つの主要企業である大韓航空は「ナッツ姫事件」で財閥支配が批判されてきました。そんななか韓進グループの代表を務めてきた趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が19年4月7日に急逝し、いよいよ財閥解体にむけ加速しています。

 造船業は景気変動により受注が大きく変動します。資本力の小さく債務の大きい韓進重工業―ハンジン・フィリピン社は、韓進グループからの支援も得られず、倒産に至ったと思われます。

 現地では、3万人が働くハンジン・フィリピンの倒産の影響はとても大きいようです。労働者団体がピケットを組織し未払い賃金や雇用保障を求めています。

 なお、ハンジン・フィリピン労働者協会(サマハン)は「労働組合準備会」です。フィリピンでは労働組合準備会を組織し、組合代表選挙で労働者の半数以上の支持があって初めて、企業と労働雇用省によって労働組合として認められます。ハンジン・フィリピン労働者は何度も組合代表選挙を準備しましたが、その都度会社側は代表者たちを解雇し弾圧したり、また下請け労働者を多数化したりして、労働組合結成を妨害してきました。

ハンジン・フィリピン労働者 支援キャンペーンの呼びかけ
サマハン(ハンジン・フィリピン労働者協会) 2019年1月25日


 2019年1月8日、韓進建設重工業フィリピン社は、(Hanjin Heavy Industries and Construction Co.、Ltd Phils)は、フィリピン共和国法10142または「財政的に危機に陥った企業および個人の更生または清算を規定する法」の下で、オロンガポ市地方裁判所72支所に会社更生を申請し、破産しました。ハンジン・フィリピン社は、フィリピンの最大5大銀行からの4億1,200万ドル、韓国の貸し手から9億ドルの貸付残高に及ぶ巨額債務を抱えています。

 ハンジン社の主張によればこの破産は、「未払いでキャンセルされた注文」、「優遇電力料金や減税などの政府の特典の期限切れ」、そして「世界市場における貨物船の需要の激減の結果」によるというのです。

 ハンジン社は、サンバレス州スービック湾にある大規模な韓国資本の造船会社です。「スービックの新星」として知られており、アジアで4番目に大きい超大型ドック(長さ550メートル、135メートル)などの「最先端の機器」を完備した最先端の造船所です。(幅:超大型ガントリークレーン年間600,000デッドウェイトトン数(DWT)の造船能力を持つ自動組立ラインを持つ。)

 それはアロヨ大統領によって批准された外国直接投資(FDI)によって優遇的な電力料金から免税期間まで政府の全面的な支援を受けてきました。

 ハンジン社の製造能力と規模は、貨物船、バルクキャリア、スエズマックス、アフラマックスタンカー、超大型原油船(VLCC)、液化石油ガス船(LPG)、フローティングドックなどに及び、さまざまな種類の123隻を輸出用に生産にしてきました。さらに、少なくとも3つのサッカー場が組み合わさった大きさの世界最大級の商業用船、Antoine De SaintExupery、長さ400メートル、幅59メートル、深さ33メートルの20,600平方フィート(20フィート)相当のコンテナ船の建造しました。これらの最高級船の背後には、21の下請け業者の下で契約労働の犠牲になっているハンジン社で働く3万人もの熟練、半熟練のフィリピン造船労働者がいます。

 ハンジン社が労働安全衛生基準の実施を拒否し、基本的な労働者の権利を認めず、建設および造船基準の遵守を拒否しているため、ハンジン労働者は命を脅かされる危険な状態、労働条件にさらされてきました。事実、ハンジン・フィリピン労働者協会(サマハン)が把握しているだけで、2008年から2018年の間に52人が死亡し、さらに軽傷から重症までの28件、および管理職による12件の虐待が記録されています。しかしながら、造船所の事故に関する情報へのアクセスは、厳重な「秘密」となっており、ハンジン経営陣は意識的な努力を払って労災事故の機密を保っています。

 最近の事件は、2018年5月12日に足場が崩れ2人が死亡し、2人が昏睡状態に陥りました。彼らを含む計10人の労働者が肉体的または精神的外傷以外の軽傷および一時的外傷を負いました。

 ハンジン社は労働者の権利に対し抑圧的、独裁的でした。それは2009年、ハンジン社は30人の労働者が訴えた労働者が組合化する権利を認めませんでした。 労働者組合(HHICPIWU)は、様々な死亡事故を含む労働災害をフィリピン上院労働委員会に訴え、ハンジン社の実際の労働環境に注意を向けさせました。しかし、この訴えにハンジン社は告発した労働者を強制的に退職に追い込む「報復措置」で対応しました。同じことが2011年にも起こりました。ハンジン労働者が労働組合準備組織であるハンジン・フィリピン労働者協会(SAMAHAN-WPL)を結成し、職場の安全、食堂での清潔で健康的な食事、賃金上げ、職場の安全、労働者の認識のための闘争を申し立てました。しかし同様に、会社による弾圧や罰の執行によりオルガナイザーの多くは退職を余儀なくされました。

 さらに、ハンジン社は、3ヶ月以内での貨物船建設を実現するために、労働者を残業、夜間労働、24時間労働に追い立てました。貨物船建設が終わった後も、ほかの注文が完了する直前の2017年には、コスト削減のため33,000人の労働者を16,000人へ削減しました。景気変動により貨物船の受注生産には「高揚と崩壊(boom and bust cycle)」サイクルがありますが、会社はこれを利用し大規模な雇用と解雇の繰り返して来ました。働く労働者にとってはたまったものではありません。利益を最大化するため大規模な雇用と解雇の繰り返してきた事業は、熟練した中核労働者を失い、要求された性能の船を造り損う結果をもたらしました。

 このような、非常に有能で熟練したコアワーカーの大幅な削減、国際的な建設・造船基準の不遵守、労災事故に関する悪名高い記録を更新してきたハンジン社の契約労働方式に内在する矛盾は、船の性能に対する購入会社の信頼を傷つける結果をもたらしました。

 そしてハンジン社の罪は、会社経営が立ち行かないところにまでに至りました。会社経営の危機に際しても、労働者の状態に無関心のままです。自主的な経営再建の申請に先立ち、ハンジン社は2017年12月に7,000人の労働者を解雇し始め、今年の初めには3,000人いた労働者を、19年3月には施設維持のためにわずか300人のフィリピン人労働者と7人の韓国人労働者を残すまでになっています。 2019年1月15日のハンジン社による会社更生申立てが裁判所によって承認されたとしても、労働者は一方的に解雇されただけで、未払い賃金、退職金などの問題は依然として解決していません。

 これとは別に、ハンジン社の会社更生に伴う事業の大規模な縮小のため、周辺コミュニティや食堂、屋台、家屋、寮などの中小企業者などの経営が立ち行かなくなり閉店しました。通称「ハンジン村」に住んできた労働者たちも突然の廃業、解雇により、住宅ローンの債務不履行により家を失うという脅威に直面しています。結局、ハンジン社は「外国資本による直接投資における様々な優遇措置」(FDI)をフィリピン政府から享受してきました。そのうえフィリピン政府の保護によって、この嵐を乗り切ろうとしているのです。

 今、私たちはハンジン労働者と一緒になり、彼らの権利を求めて戦うことを呼びかけます。私たちの集団的行動と団結を通してのみ、ハンジン労働者や周辺住民たちの権利を主張し、事実上彼らの要求に応えることができると確信しています。

 労働者の要求を尊重するため、労働雇用省(DOLE)シルヴェストル・ベロ(Silvestre Bello)長官に、以下のことを要請します。

1. 影響を受けた労働者は、彼らが支払われるべきであるという分割報酬を受け取るべきである。
2. 労働者の給与からハンジン経営陣が得ていた3%の保証金を労働者に返金すべきである。
3. 再雇用までの保障
 a) 労働者は、新たな雇用を見つけるまでの期間暮らすうえで、食料、宿泊費、教育費、医療費を賄うのに充分な失業補助金を与えられるべきである。
 b) 通称「ハンジン村」に居住するハンジン労働者に、違約金を支払うことなく住宅ローン支払いを強制的に一時停止させること、ローン支払い再開は労働者の再雇用に際してのみ行うこと。
4. 経営危機の終結までのあいだ造船所への権利を所有する可能性がある者と労働雇用省のあいだの法的拘束力のある契約を通じて、操業を再開した後、元労働者の復職が優先されることを保証すること。
 
 フィリピンで働く人々、社会のさまざまな分野、学生と若者、弁護士と専門家、女性、そしてLGBTなど権利のため闘う人々と団体、あるいは学術界、マスメディア、芸術、宗教団体、立法部門などフィリピン社会において尊敬されている人々や機関が、会社更生により苦しんでいるハンジン労働者とともに、彼らの要求を支持し、労働者の生活や権利を脆弱にしている契約労働制度を終わらせるために、結集し、団結して行動しなければなりません。

 私たちのできること、すべきことは、以下のとおりです。
1. ドゥテルテ大統領および労働雇用省ベロ長官あてに、緊急上訴の書簡を提出する。
2. フィリピン上院と議会に、事件についての調査を行うよう要請し、執行部にハンジン労働者の呼びかけに注意を促す決議を作成する。
3. 労働者のための支援団体、キャンペーン組織の結成と連携した活動を行う。
4. 財務、物流、および非財務サポートを収集する。
5. 情報を広め、危機の詳細な調査を実施して、さらなる情報を提供する。

 サマハン(ハンジン労働者協会=労働組合準備会)のリーダーシップを通じたハンジン労働者による現地と現場における要求や行動に積極的に注意を喚起し、支援や連帯の行動を組織化し動員することで、より多くの支持者とキャンペーンによる支援を集めるでしょう。ハンジン労働者の本拠地でのピケットなどの集団的行動やその家族およびコミュニティへの支援連帯、ならびに国内および世界規模での支援団体の反響的な支持によって私たちの闘争は決定的な勝利への道を切り開くでしょう。

連絡先:
ノエル・デ・メサ
 人民解放のための労働者
 テレファックス番号:(02)7173262
 メールアドレス: Workers4peopleslib@yahoo.com
 住所:#22ドミンゴ ゲヴァラ通り ハイウエイヒルズ・バランガイ、マンダルーヨン市、メトロ・マニラ

ヴァージリオ・M・ロドリゲス ジュニア書記長
 サマハン - WPL
 電話番号:(047)73065871
 メールアドレス:Samahan123@yahoo.com    samahansahanjin@yahoo.com
住所:#70、ソリアーノ通り、ワワンドュウ・バランガイ、 スービック、サンバレス州

*****

ハンジン・フィリピン労働者への支援の呼びかけ


ジミー・レガラリオ(Jimmy Regalario)議長への要請書 
キルサン・マカバンサン・エコノミヤ、レガラリア議長
2019年3月22日


親愛なるレガラリオ様、
 連帯のあいさつ
 ハンジン・フィリピン労働者への支援を!

 2019年3月1日以降、今日(3月22日)まで、会社側による「自発的退職プログラム」(Voluntary Retrenchment Program :以下VRP)への署名を拒否したハンジン労働者は、造船所への入所が拒否され、将来造船所で働けなくなる可能性があります。その一方で、すでにVRP=「自発的退職プログラム」に署名し退職を受け入れたた労働者たちは、VRPの不参加者が担うことになっていた造船所の保守作業に呼び出され、利用されました。

 そのような事態を前に、VRPを受け入れなかった多くの労働者は家族と共に、サマハン労働者協会(Samahan ng Manggagawa ng Hanjin Shipyard(SAMAHAN - WPL)のリーダーシップの下、3月1日から会社前にピケットラインを設置しました。3月22日現在、ピケットのよる抗議の23日目に入っています。

 奮闘しているハンジン労働者たちは11年間造船所で働いてきましたが、多くの労働者は下請け契約であり、不安定な契約労働のままでした。世界最大の商業船である「Saint Antoine de Exupery」を含む123隻の船舶を生産し、資産を築いたハンジン社は、まさに数百万の利益を上げました。同社は労働安全衛生基準の実施を拒否したため、2008年から2018年までの間に、労働組合が把握している限り、労災事故による労働者52人の死亡が記録され、労働者はぞっとするような状況で働くことを余儀なくされてきました。殺人企業ハンジンと呼ばれました。ハンジン社は、組合結成回避のためあらゆるスキームや手段による抑圧を実施し、労働者に保証されている基本的権利、憲法上保証されている権利を侵害したことで知られています。労働者の権利は踏みにじられ続けており、今や会社は働いてきた労働者を容赦なく切り捨てています。

 19年3月、ハンジン労働者はもはや働くことを許されておらず、労働者と家族は生活と生存の危機に晒されています。ハンジン労働者が家族の主な稼ぎ手であった今、その唯一の生計手段を失っています。さらに言えば、労働雇用省は最初に労働者自身の要求の実現を手助けすると以下の内容の約束をしました。- 「・1ヶ月給与の分割支払い、・造船所が操業を再開するまでの補助金を支給する、・ハンジン労働者らがハンジンで新しい仕事を見つけるか、再雇用されるまでPAG-IBIG住宅ローンを延期する。・造船所の操業再開時には、移住したハンジン労働者の再雇用を優先的に保証する」という内容でした。

 しかし今や労働雇用省はかつての約束を守る気はないようです。造船所はすでに閉鎖されており、労働雇用省が労働者のためにできることは、ハンジン経営者が保証できないと言った分割払いやほかの要求を、労働者が受けとることができるように手助けすることだけです。

 そのため私たちは、ピケットを闘うハンジン労働者とその家族への様々な寄付、米、コーヒー、砂糖、缶詰、水、毛布などの素材または現物の贈り物などあらゆる形での支援を行うよう、さらにはその闘いに連帯するように訴えています。

 あなたがたの連帯とあらゆる形の支援は、ハンジン労働者を勇気づけ感謝を呼び起こし、彼らの雇用保障と公正な闘争への決意を確実に強化するものとなるでしょう。

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フィリピンの総選挙に臨む [フィリピン労働運動]


 WPLのプリモから、カサナグの会総会に向けて、メッセージが届きました。
 下記に紹介します。
 5月13日には総選挙があり、大統領以外の上院議員(12名改選)、下院議員(300名)、州知事、市長などの選挙が一斉に行われます。3ヵ月前の2月13日からすでに選挙運動ははじまっています。
 ドゥテルテ政権は、政権に近い上院議員候補、下院議員候補の応援をすでにはじめています。
 
 プリモたちは、総選挙が利権のためであり、権力にすり寄る候補のための選挙であると、この機会をとらえ批判し暴露し、同時に政治社会改革プラン「ALTA2019」の宣伝する、その活動をすると、書いています。

*************
三多摩カサナグの会総会に向けて
 親愛なる同志の皆さん、
 暖かい連帯の挨拶を送ります!

 資本主義の危機が深化するにつれて、社会的格差は世界中で拡大しています。人々の変革への欲求は強まっています。しかし、変革に対する誤った人々の感情が、ファシズムを支持したり、テロや無秩序を主張したりしてきました。これが右翼の超国家主義者が地位を獲得し国家権力を占領した理由です。ドゥテルテ政権下でフィリピンでも起こっていることです。

 今、フィリピンの人々は来る5月13日の中期選挙に再び憤慨しています。以前の選挙とは異なり、2019年の選挙には多くの問題があります。権力者たちは、上院の過半数の席を得るために「歯と爪」で戦うでしょう、唯一の残っている議席はその支配下にありません。最高裁長官の解任が認められたとき、最高裁判所は批判されました。下院は、最高権力者の「意志と気まぐれ」の単なるスタンプ台のような役割に陥っています。

 支配政党とその同盟者は、国と国民の利益のためではなく支配階級自身の政治的、経済的利益のために、憲法変更を通じて連邦主義を追求する政治的目的を、何とか実現しようと決意しました。憲法の変更は、現政治勢力の支配期限の継続と延長への道を開くでしょう。1987年憲法は、権利に基づく憲法であり、独裁政権に対する民衆の闘争の産物でした。87憲法を改憲すれば、人民のための規定が削除され、多大な犠牲を払い獲得した権利が経済的権力を支配している人々与えられることになります。憲法の変更は、専制的支配に祝福を与えるでしょう。

 中間選挙は非常に重要です。私たちの権利にとって重要であるばかりでなく、民主主義にとって重要です。

様相は違っても、以前と同じなれ合いの選挙、なれ合い政治
 同じ目的や計画、厳しい意図をもった、なれ合いの選挙風景が再び繰り広げられるしょう。伝統的な政治家、別名「ぼろきれ」たちによって。すべての政治家たちは、「草の根」の人々を支持すると主張し、公共の奉仕者となると約束します。またしても、都市貧民のコミュニティ、草の根運動の組織、人々の組織、そして投票権のあるあらゆるセクションの人たちが、ばかげた行為から解放され救済されるだけではなく、投票権の正当な行使が求められています。

 絶望的な選挙を重ねた年月は、選挙権を持つ人々の間に政治的無関心と無関心の文化をもたらしました。

 私たちの目前にある任務は、政治的無関心と無関心の選挙を、権利と民主主義のための票決に変えることです。支配権力による上院の完全支配を阻止すること、そのために私たちが活動する必要があります。私たちは、民主主義のために専制政治と戦うことを宣言します。

 この目的のために、2019年の選挙において私たちは、選挙運動の最前線にいる人々に本当に重要な問題を持ち込み、支配権力の政治的マヌーバーを徹底的に批判します。

 今回の選挙では、前回の2016年の選挙で初めて掲げた「オルタ政治プラン」(Alternative Politics:(ALTERPOL-2019)が、選挙運動において主要な武器となります。これは、民主主義のために専制政治に反対するという - 同じ課題を共有する国民的な運動の形成でもあります。 ALTERPOLは選挙に参加する人たちのあいだで、私たちの主張を広げる「腕」の役割を果たすでしょう。私たちは野党候補者のためにボランティアを呼びかけます。 ALTERPOLで掲げた変革プラン説明討論会を、さまざまな異なった社会セクター、地域、コミュニティ、工場、学校、および事業所で開催します。

 選挙期間(3カ月前から選挙運動が始まっている)を最大限に活用して、専制計画と改憲の動きを、すべての人々に暴露し説明し、運動を組織します。また、この選挙期間を利用して、人々の関心を高め、組織を強化し、選挙後の事態に対応できるよう準備します。

 私たちの全般的な運動と活動は、以下のとおりです。
・大規模なコミュニティにおける教育と情報提供。
・公開フォーラムの組織、
・選挙のための動員に抗議する。
・記者会見やメディアでの説明会、
・人々のネットワークの形成と組織化。

 私たちWPLとKilusanは、AlterPol 2019の支持をより一層核相するため中心になって活動します。私たちがまだ達成していない変革と任務のための一つのステップです。

 労働者の運動、万歳!
 公正な社会実現位向け、ともに前進しましょう!
 
連帯して、 プリモ・アンパロ




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私はMOK、 アンバ・バーラの新スタッフ [フィリピン労働運動]

私はMOK、 アンバ・バーラの新スタッフ
わたしの心は若さに満ちています!

 私は大学を終えたいと思いましたが、両親に学費を支払い続ける余裕はありませんでした。私は7人兄弟の長男です。19歳の時、私は荷物を詰め込み、ヌエヴァ・エシハ州(中央ルソンの一部)からバタアン州マリヴェレスまで来ました。私のおばさんの一人がそこにいたのです。

 そして私はデスクトップバッグ・フィリピン社で働き始めました。田舎に住む両親を助けるために、ただ働きました。会社に残業が必要な時、仕事をしたいと申し出ました。カバンの縫製が私の仕事です。日々の日課は、工場と家の往復でした。私は新世紀の若者ですが、家にいて家事をするのも大好きです。

 友人である義理の兄弟から、あるミーティングに誘われた時、私の日課と人生は変わりました。どこだったか忘れましたが、友人ジェシーと一緒に市場の近くでのミーティングに出席しました。

 私たちが到着したとき、すでにたくさんの労働者がオフィス・アンバにいました。会議を主宰する女性は自身を "ミライ"と紹介し、事務所の事務局長だというのです。会議の議題は、「労働者の権利について」でした。興味があったので、熱心に聴きました。

 それ以来、私はアンバ・バーラのオフィスを訪れ始めました。また、アンバ・バーラのスタッフの何人かが私の寄宿舎を訪ねてきました。

 私たちが組合代表選挙(Certification Election)のための労働組合の準備組織、「ディスクトップバッグ従業員協会(以下:DEA)」を設立したとき、私は22歳でした。それが最初の経験でした。私はDEAの書記に選出されました。組合の設立と組織化は簡単なことではありません。労働組合を望んでいない会社によって、リーダーと活動的な組合員の計71人が解雇されたのです。

 組合役員の大半は解雇されたため、組合代表選挙の準備に際し、現役役員は私一人になりました。組合代表選挙で過半数の賛成票を獲得できるように最善を尽くしましたが、労働者は依然として経営陣の宣伝を恐れていました。組合が組合代表選挙で勝利すれば、会社は工場を閉鎖するという宣伝を信じたのです。
 2016年に組合代表選挙に敗れた後、デスクトップ社は私を解雇するために全力を尽くしました。そしてついに昨年2018年6月に、会社は根拠のない、ナンセンスな事件をでっちあげ、私を解雇しました。

 違法解雇であるとして、会社に対して訴訟を起こしました。会社は私に、「訴訟を放棄して静かな生活を送るのであれば大きな金額の支払う」と申し出ました。私は断りました。なぜなら、私はなお、デスクトップ社での労働組合の組織化を追求しており、そのうえで現職復帰したいからです。

 それ以来、私はWPLとアンバ・バーラが行う様々な労働問題トレーニングと労働法セミナーを受けました。そして会社の寄宿舎からアンバ・バーラ事務所に引っ越しました。

 私は25歳の自分にわくわくしています。そして今アンバ・バーラのスタッフになりました。

 私はエルピディオ・アヴェラノーサです、新世紀の若者の世代です。私は、労働の成果を労働者自身が得るために、また労働者の奴隷的状況を変革するために、労働者を組織していくことに邁進するつもりです。

 私はアンバ・バーラの新しいスタッフです、あなたがたは私をMOKと呼んでください。他のスタッフや友人が私と呼ぶように。

 私は新世代の若者として、労働者の権利のため闘います!


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(※「組合代表選挙」とは?
 フィリピンでは、労働組合準備組織が労働者の署名とともに、労働雇用省に「組合代表選挙申請」します。受理されたら、労働者―経営者―労働雇用省の3者で「組合代表選挙」実施の協議が行われます。選挙で労働者の過半数の支持を得れば、正式な労働組合と認められ、初めて経営者と団体交渉ができます。交渉で合意すれば労働条件などを定めた「労働協約CBA」を締結できます。フィリピンの労働組合の組織率は約10%、そのうち「労働協約」を締結している労働組合の労働者数は、全労働者は1%と言われています。
 経営者側は、労働組合を結成させないために、組合代表選挙に至るまでの過程で、労働組合の準備やリーダーを排除したりして、労働組合結成の動きを弾圧してくるケースが多く繰り返されてきました。)
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韓進フィリピンが倒産! [フィリピン労働運動]

韓進フィリピンが倒産!


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<韓進フィリピン 全景>

 スービック経済区の韓進重工業フィリピン(韓国韓進グループのフィリピン子会社、以下、韓進フィリピン)が倒産したという一報が入ってきた。1月8日地元オロンガポ地裁に会社更生法を申請したという。カサナグの会は韓進労働組合と交流し支援してきたし、現地を訪問したこともある。ただ詳しい情報はまだ入ってきていない。

 韓進グループは、韓国の財閥で大韓航空や韓進海運などを傘下に持つ。「大韓航空でのナッツ姫事件」など、経営者一族の専横が批判されている。また、グループ主要企業である韓進海運は赤字続きとなり、16年に破産している。今回の韓進フィリピンの債務増大、再建に、韓進グループからの支援が受けられなかったようだ。

 負債総額は445億円に達し、フィリピンでは過去最高という。
 労働者は2万人いる。それ以上に、韓進フィリピンの工場で働く関連会社の労働者もいて、地域経済に大きな影響を及ぼす。

 労働組合は『一ヶ月分の給与と同額の退職金』を要求しているというが、先行きは不透明。
 現地の労働組合、地域の労働組合連合からの報告が来次第、追加し紹介する。

******

韓国・韓進重工業も債務超過

 2月14日の日経新聞によればーーー

 韓国の中堅造船会社である韓進重工業は13日、子会社であるフィリピン韓進の経営破綻に伴う損失がかさんで債務超過に陥ったと発表した。
 政府系金融機関の韓国産業銀行は、韓進重工業に対し金融支援を実施し、同社の倒産を防ぐ意向を表明した。


 「フィリピン韓進が会社更生法に基づき現地裁判所に申請したことによる資産評価損や負債引き当てが増え、2018年の連結財務表が債務超過になった」。

 韓国・韓進重工業の債務超過の金額は明らかにされていない。

 フィリピン韓進は、2010年代初めに、船舶受注高で世界の10位以内の造船所になったことがあるが、その後の造船不況で固定費が経営を圧迫。
 17年通年、230億円の赤字
 18年1~9月期で、60億円の赤字。
 
 韓進重工業とフィリピンの銀行のあいだに約450億円の負債の保証契約がある。
 スービック韓進の事業と資産を売却して負債を圧縮する意向であり、韓国産業銀行とフィリピンの金融機関との交渉するという。

 ----------
 倒産した場合、「労働債権」のほうが優先されるはずだ。現地労働組合の要求は「1か月賃金と1か月賃金分の退職金」と報じられており、きわめて「控えめな要求」に見える。








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住友商事系スミフル社で争議、人権侵害 [フィリピン労働運動]

フィリピン・バナナ生産の裏側で

住友商事系バナナブランド 「スミフル」労働者らが直面する人権侵害
~偽装請負、労働者弾圧、銃撃、放火、そして900名一斉解雇

1)住友商事系スミフルのバナナ

 「グレイシオ」、「甘熟王」というブランド名バナナをスーパーで見かけたり、「高地栽培なので、より甘い」という宣伝をご存知の方も多いのではないだろうか。Sumifru(スミフル)社のバナナだ。スミフル社は住友商事の子会社であり、フィリピン・ダバオに専用港と専用冷蔵施設をもち、日本へのバナナ輸入では最大手である。日本に輸入されるバナナの80%以上がフィリピン産である。
 バナナは安くて栄養価の高い食材で、日本の家庭にいまや欠かせない。

 でもどうしてこんなに安いのだろうか? どのように生産されているのだろうか?
 かつて鶴見良行『バナナと日本人』(1982年、岩波新書)を書いて、バナナが生産されるフィリピン現地の生産現場と働く労働者の実態を暴き、多くの人が衝撃を受けた。バナナやエビを通じて、日本とフィリピン、あるいは東南アジア諸国との関係を知った。
 その時と変わらない実態が、いまもフィリピンで繰り返されているのだ。

2)スミフルの争議、労働組合弾圧、人権侵害

 ミンダナオのスミフル社バナナ園で労働争議が起きている。
 私たちの食卓にのぼるバナナの安さは、労働者らが不安定雇用、無権利状態、低賃金で働かされているからだ。その仕組みは、低賃金無権利の非正規社員制度、日本の「偽装請負」と似たフィリピンでも違法な雇用体制が長年継続されてきたからだ。

 スミフルの労働者らは労働組合を結成し、正社員化を司法に訴え、長い闘いを経て2017年6月には最高裁で勝利し、正規雇用を勝ち取り、解決したかのように見えた。

 判決の内容は、労働組合NAMASUFA(Nagkahiusang Mamumuo sa Suyapa Farm)をスミフルの正式な労働組合と認定し、訴えていた従業員をスミフルの労働者と認めるというものだった。
 ところが、スミフル社は最高裁の判決も無視し続け、労働者らはいまだに非正規社員のままであるだけでなく、解決を求めるスミフル労働組合NAMASUFAとの団体交渉にも応じていない。会社が認定された労働組合との団体交渉を拒否するのは、フィリピン労働法に反することだ。

 スミフル社は判決を無視したまま、ミンダナオ南東部コンポステラ・バレー州にあるバナナプランテーションと梱包工場等の操業を変わらずに続けたのである。

 これに抗議し、18年10月、主に梱包工場の労働者900余名による大規模なストライキが決行された。スミフルは交渉に応じずストライキに参加した900人は職場放棄と扱い、事実上の解雇された。さらにストライキに参加した組合員を狙って何者かによる銃撃事件や放火事件が複数起きたり、ストライキに参加した労働者ら900名が事実上解雇される事態になっている。

 訴訟やストライキを決行した理由は、梱包工場での過酷な労働環境や不当な労働契約、有毒な薬の使用など多くの他の問題もあった。

 数種類の使われている数種類の農薬は最近では無臭のものになり、過剰に吸いやすくなっており、多くの労働者が皮膚病をはじめ、腹痛、高熱、アレルギーなどの症状と健康不安を訴えている。
 また2014年から施行された『圧縮労働週間制度(Compressed work week)』が悪用され、長時間労働を強いられ収入が減っている。

 あるいは、自身の土地をバナナ栽培のために土地契約を交わした農民は、「23年間も納品単価の据置き」するとともに、10年間の契約後、スミフルにバナナ農園運営費を年間1ヘクタール当たり35,000ペソ(約73,500円)を支払う再契約を結ばされた者もいて、地域の問題にもなっている。

 そのような問題の解決も併せて改善を要求しストライキに入った。しかし、スミフルは労働組合との交渉を拒否しつづけ、900名は収入がない状態が続いている。

まにらに座り込み スミフル労働者(FoE).png
<スミフル労働者、マニラで座り込み抗議行動 FoEより>


 11月下旬、900余名のうち330人が首都マニラに乗り込み、大統領府前や労働雇用省前、日本大使館前などでのデモや宣伝活動を繰り返し、スミフルの人権侵害、労働者弾圧を訴えた。今もその活動を続けている。
 11月30日には組合代表の家に2発の銃弾が撃ち込まれた。暴行・放火・銃撃事件が相次いでいる。18年12月には、組合事務所と組合リーダーの家が放火される事件も起きている。
 しかし、いまだ解決していない。

 振り返ってみれば、2017年6月に労働者側が最高裁判決で勝利判決を手にした後、事態が極端に「悪化」した。スミフル社が労働者と労働組合を弾圧方針を決めたからに他ならない。労働組合との交渉拒否、労働者の解雇、放火、銃撃事件はすべてつながっている。こんな不法なことが、人権侵害がまかり通っている。それを実行させているのが住友商事の子会社スミフル社なのだ。私たちにとてもぜひとも解決させなければならない問題だ。 

 アジア太平洋資料センター(PARC)や環境NGOであるFriend of the Earth Japan (FoE Japan)が、住友商事スミフル社の労働者弾圧、人権侵害の告発とスミフル労働者支援を訴えている。
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日立が40人のフィリピン人実習生を解雇 [フィリピン労働運動]

日立が40人のフィリピン人実習生を解雇

11月16日 帰国を前に 比実習生.png
<2018年11月16日、帰国前の交流会で、フィリピン人実習生、「スクラムユニオンひろしま」のメンバーなどと>


1) 日立が40人のフィリピン人研修生を解雇

 2018年9、10月のことだが、日立製作所が笠戸事業所(山口県下松市)で働くフィリピン人技能実習生40人に解雇を通告した。解雇された笠戸事業所のフィリピン人技能実習生は、最終的に99人にのぼるという。

 どうしてこんなことが起きたのか?
 そもそも日立製作所が、「技能実習生」(3年間、技能実習生として日本企業で働く制度)として入国させたにもかかわらず、実際には単純労働者として使用し、技能を学ぶ目的とは違う作業、実習生によれば単純労働をさせたことが問題なのだ。「技能実習生」という名前で入国させながら、日本人のやりたがらない低賃金労働、単純労働をさせ、3年で帰国させるという事例は、日立だけでなく日本中どこでも広く行われている。「技能実習生制度」という看板の裏で、「偽善」がほとんど公然と行われている。
 
2)不都合が起きたら「在留期限」で追い出す! 実習生制度
 
 実習生たちのうち20人は配電盤や制御盤をつくる「電気機器組み立て」を学ぶために来日した。母国の大学で電気工学を学んできた者もいる。しかし、ある実習生(24)によると、仕事の内容は、鉄道車両に使うワイヤーや電線をひたすら引っ張る単純作業だったという。

 フィリピン人実習生が「笠戸事業所では単純作業ばかりで、本来の技能を学べない」と日立製作所や国の監督機関に訴えたところ、法務省や国の監督機関「外国人技能実習機構」が監査に入り、「制度の趣旨に沿っていない疑いがある」として、日立における「2年目以降の実習計画」を認めないことにした。そのため、3年間の実習契約で入国したフィリピン人実習生は、2年目以降、日本にいられなくなったのだ。ただし国側は、1年目の笠戸事業所での実習が適正かどうかの判断はいまだ示していない。示す前に、実習生たちは在留期限を迎えたのである。

 日立は2年目以降の在留期限がなくなったことを理由に、フィリピン人技能実習生に解雇を通告した。このままだと、年内の賃金は支払われず、2年目以降の契約は実行されないまま、国外追放になってしまう事態となったのだ。

 この経過を見れば、日立と「外国人技能実習機構」はグルだ! 裏でつながっている、と非難されても仕方がないだろう。

 「技能実習生制度」の「欠陥」が、見事に暴露された。実習生は、実習生制度の趣旨にしたがって、日立や国側に訴えたのだが、訴えた実習生を保護する制度がまったく欠落していた。そればかりか、日立も国も、起きた問題、制度の欠陥を解決しようとはしなかった。「在留期限」を持ち出して「トラブル」を起こした外国人労働者を追い出す「仕組み」を機能させた。「外国人技能実習機構」は、「技能実習生」に起きたあらゆる事情を最もよく知る立場にあるはずだ。知っていたうえで「追い出し」の実行役の役目を果たしたのだ。

 なんと、卑劣で制度であることか! なんと、卑怯なやり方か!

 実習生に「落ち度」や責任があるわけではない、日立に責任がある、実習生を保護する仕組みのない制度を運用している国に責任がある。しかも、日立が違法であるという判断を早く出さないままにしてて、在留期限を迎えさせ追い出しを実行する国に、さらに重大な責任がある。

 「落ち度」や責任のない実習生は帰国させられて、要するに、体よく追い払われて、おしまいにされてしまいかねなかった。

3)声を上げ闘ったフィリピン人実習生 

 未払い賃金もあり、残り2年間の契約もある、日立との交渉は終わっていない。それなのに在留期限が過ぎたとして、追い出されようとしていた。あまりにひどい扱いに怒った実習生たちは、地元の個人加盟労組「スクラムユニオン・ひろしま」に相談した。実習生たちは日立を相手取って損害賠償請求訴訟を起こす方針を決め、その準備もした。「泣き寝入り」せずに、自分たちの権利のために、そして次に来る実習生の権利のために、戦ったのだ。
 
 弁護士や労働組合を交えた交渉の結果、解雇を受け入れたうえで、「年内は月額約10万円を補償、年内に国が実習を許可しなかった場合、残りの実習期間約2年分の基本賃金相当額を全額補償する」内容で、11月上旬に合意書を交わした。


4) 「技能実習生制度」の手直しで、

外国人労働者受け入れ拡大をすべきではない!


 日本の代表的な企業、日立製作所が、「単純労働、3年での使い捨て労働」として、「技能実習生」制度を利用していた実態が暴露された。

 外国人労働者受け入れ拡大の議論が熱を帯びているが、日本の制度、日本企業は、受け入れる制度、態勢を備えていない。実習生たちは「私たちの権利が認められる制度で働きたい」と声を上げた。これに応えることのできる日本政府や企業ではなかったし、いまも変わっていない。

 外国人労働者はモノではない、ヒトだ。「技能実習生制度」は、「表向きの説明」は偽りで、日本政府が3K労働における労働力不足の手っ取り早い補充として制度設計したものだ。ほとんどの雇い主は、「技能」を教えるつもりなどない、3年間で使い捨てて追い出す、期間を限った低賃金労働者として扱っている。実質、そのような制度として運用されてきた。

 面倒なことが起きたら帰国してもらう、そう考えているし、そのように扱ってきた。政府も日本企業も労働力不足のための目先の対応として、外国人労働者を手っ取り早い「モノ」として扱う実態が暴露されたのだ。
 「在留期限」で地位を不安定にすれば、「権利を振りかざすことなく文句も言わないでよく働くだろう」、日本政府や日本企業は、こういう計算をしている。

 言っておかなくてはならないことは、フィリピン人実習生が、違法状態を指摘し、解雇されても自らの権利のために戦ったから、実態が暴露されたということだ。日本政府や日本企業の醜悪な姿が明るみに出たということだ。

 暴露されずに、泣き寝入りとなり、国外に追放された外国人労働者はその何十倍、何百倍もいるだろう。ほとんど大多数だろう。

 彼らはこのような国、日本をどのように思うだろうか? 清潔で整理整頓されているかもしれないが、人扱いせず無権利で働かさせる多くの日本企業のことを、どのように思っただろうか?

 フィリピン人技能実習生99人のうち20人は、11月18日、帰国した。
 実習生たちは、労働者の権利を認めよ! 使い捨ては許さないという、彼らの戦う姿、その足跡をこの地に確かに記して、帰国したのである。

 ※山口放送記事から一部引用。

10月8日、「ユニオンひろしま」土屋委員長.png
<日立と交渉した「スクラムユニオンひろしま」土屋委員長、弁護士>
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アンバ・バーラから、カサナグの会総会へのメッセージ [フィリピン労働運動]

 アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)のエミリーから、三多摩カサナグの会31回総会に向けて、メッセージが送られてきました。3月5日の総会に送られてきましたので、少し遅れてしまいましたが、ブログに転載します。

**********


三多摩カサナグの会 第31回総会への連帯メッセージ

 2000年にカサナグの総会へ初めて連帯メッセージを書いてから16年が経ちます。その時私はまだ22歳で若く、気分はティーンエイジャーでした。その年の9月18日私は逮捕され、キャンプ・アギナルドに入れられました。もう随分昔の話です。

 それからはあっと言う間でした。私たちは歳をとり、肉体的にも弱くなっています。ですから、今、私たちに出来ることは限られてきています。しかし、あなたがたは今年もこうして、総会を開いています。

 私たちは、中国の敵対的戦略や資本主義体制に抗しながら、組織し闘う英知を持ってなんとかやり抜いてきました。そして、正に今、私たちは世界の英雄として存在してきたアメリカが弱体化していると確信しています。アメリカは中国との競争に四苦八苦しています。現在、様々な戦略で対抗しようとしています。

 そうです、私たちは現在若者が置かれている状況を改革すべく、限られた時間を有効に使いながら活動を続けたいと思います。私たちは最新技術であるインターネットを最大限活用しながらその作業を進めています。

 私たちには、若者を組織する必要があります。でなければこの資本主義独占体制を永続させることになります。私たちが受け継いだ闘いの炎を、若者たちに伝えなければなりません。この責務をやり遂げることは、辛く大変なことです。しかし、私たちが正しい戦術を持って、諦めることなく若者たちに接していけば、それは克服できると思います。これは、あなたがただけの問題ではなく、労働運動全体の問題です。

 私が二十歳の時、あるアンババーラのスタッフが私の家に来たことを思い出します。彼女は、毎日、朝となく夜となく私を訪ねては、職場で私たちが置かれている問題について話しました。それは私がアンババーラの事務所でフォーラムを受けるまで続きました。

 その後、私は会社での労働運動の指導者となりました。会社が倒産した時、私たちは直ちにピケをはり、5ヶ月間闘いました。退職金を手にしたあと、私は実家に戻り、母に「マニラに行って仕事探す」と話しました。しかし本当はマニラには行かず、マリベレスに戻って専従になったのです。その時の私は若く、自信に満ちていました。

 それでも、現在アンババーラ傘下の指導者や組合員を指導するのは、私にとって大変な仕事です。今組織化しようとしているデスク・トップアソシエイションには有望な指導者たちがいます。私たちに大切なのは、彼らとの信頼関係をどうつくるかです、最善を尽くしたいと思います。

 私の話をしてしまってすみません。しかし、皆さんには若者たちを組織することの大切さを理解してもらえると思います。何故、総会に向けたメッセージで、若者たちの組織化についてこだわっているのでしょう? 何故なら、彼らこそが労働運動強化に不可欠だからです。彼らには、語学力があり、技術を最大限使え、知識も豊富です。まだ自覚はしていないところがありますが、若い感性は想像力そのものです。

 私は、日本やフィリピンだけでなく、世界の労働運動で、闘いを継続するために若者たちを組織する必要があると思っています。私たちの世代が、闘いの成果を勝ち取るのは難しいでしょう。しかし、私たちが今日蒔いた種は、次世代によって水と「天然肥料」を与えられ、そう遠くない将来収穫されることでしょう。これが私の描く理想の未来です。夢を持ってその実現のために活動を始めましょう。階級のない社会、社会全体が子供たちを育む社会、社会主義的世界です。

 私たちが夢見る世界の実現に向けて最善の努力をしてもらえることに感謝します。心に闘いの炎を共に灯し続けましょう。困難ですが、実現できることでしょう。

 31回目の総会、本当におめでとうございます!
 世界の人びとの闘い万歳!
 私たちへのご支援に感謝します、またお会いしましょう!
 連帯して! 
 アンババーラスタッフ:エミリー、アナベル、デレク、ノエル

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デスクトップ社の争議 [フィリピン労働運動]

 フィリピン・バタアン経済区にあるデスクトップ・バッグ社の労働争議について、アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)のエミリーから、報告が来ました。

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 三多摩カサナグ会に
 親愛なる皆さん、お元気でしょうか?

現在の私たちの闘い――
デスクトップ・バッグ社から追い出された71名

 この2015年7月に、デスクトップ・バッグ社の49人の労働者は、国家労働関係調整委員会(以下:NLRC、労働争議第一審裁判)事務所に、訴訟を起こしました。

151026 デスクトップ労働組合準備会委員長(左)と書記 - コピー (415x525).jpg
<デスクトップ労働者協議会DEAの代表と書記、DEA総会で > 

 経営者が、労働法第100条が述べる「収入の削減は認めない」に違反したからです。日給手当として9ペソ、24ペソ、36ペソ(1ペソ=約2.5円)とランクのある「仕事手当」を受けることを、上述の労働者たちは、2~3年の間、楽しみにしてきました。 一部の労働者は通常の機械でないハイヘッドマシンを担当していたので、当然「仕事手当」が出ると考えていました。労働者たちによると、これが「仕事手当」を受ける理由となる金型です。 労働法第100条には、次のように書かれています。

 100条:給付金の削除、または削減の禁止。 本法においては、この条項の公布時に、どのような方法であれあらゆる手当を削除、または削減すると解釈したり、従業員を楽しませる利益を削減、または削除すると解釈すべきものは、存在しない。

 デスクトップ社は、昨年から「仕事手当」を与えるのを止め、そして今年になって、残りの労働者の手当を削減しました。 49名の労働者により起こされた訴訟は、経営陣が労働者の手当を削り続けたため、8月には71名になりました

 初の審理は、9月16日に開催されました。  それは、NLRCによって指令される出席義務のある審理でした。 決定権のあるNLRC委員会によると、この訴訟は、その時労働組合が存在しないという特別な場合でしたので、労働者全員が上述の必須の審理に出席しなければならなかったのです。

 9月10日 、 原告労働者らは、会社に彼らの休暇申請を提出し始めました。いくつかの休暇申請は彼らの生産リーダーによって許可されました、しかし、スーパーバイザー・レベルにおいて、労働者の休暇書式は許可されませんでした。

 労働者たちは決定権のあるNLRC委員会の前で宣誓することができるように公聴会に出席する必要がありますし、提出した訴訟をおろしていないと主張しなければなりません。出席しないならば、起こされた訴訟は却下されます。
 他方、経営者は多くの労働者が生産現場から去り持ち場を離れると生産が立ち行かないとして、上述の休暇申請を拒絶しました。 彼ら71名すべてが必須の審理に行くのを許可すれば、生産は立ち行かなくなるというのです。
 もし、NLRC(労働争議第一審裁判所)へ出席するための休暇が会社によって受理されず、審議出席のため休めば生産サボタージュとして解雇されるのなら、労働者には裁判を起こす権利が、実質、与えられていないことになります。

 初の必須の審理に、71名は審理出席を義務付けられます。 経営陣代表も、なぜ71人の労働者の手当を削減し、あるいは廃止したかについて説明するために、出席していました。 審理の後、労働者は、労働者協会設立するため必要な申請をするために、労働雇用省(以下:DOLE)のオフィスを訪れ、デスクトップ従業員協会(DEA)を申請し、その日のうちに、認定書またはDOLE登録書式を受け取りました。

デスクトップ従業員協会(DEA)は、労働組合準備組織に当たる。フィリピンでは、労働雇用省に申請し、経営者、労働雇用省、労働者代表の三者で協議の上、労働組合代表選挙を行い、労働者の過半数の支持を得て、初めて労働組合として労働雇用省(DOLE)、経営者に認定される。それまでは労働組合準備会であり、交渉の対象ではない。

DOLEの認定書またはDOLE登録書式:労働組合代表選挙に至る手続き、書式の一部


 一方、9月17日に経営陣は、それぞれの通知とメモで、「労働者たちが9月16日に無許可で離席したことを説明する必要がある」と通告しました。もし説明がないなら、労働者は全員、生産サボタージュに等しい生産停止につながる計画的な集団休暇で告発され、経営陣によって解雇されるというのです。

 労働者たちは、個々に説明する書面を送りました。会社公聴会と会議が二回あり、会社側調査によれば、9月16日の労働者たちの計画的な集団休暇は深刻な生産低下をもたらしたとして、10月3日経営者は、解雇通告の文書を提出したのです。その後にも労働者たちは説明の書面を送りました。

 71名の労働者たちは、単純労働者ではありません。71名のなかには、労働者協会(DEA)の代表、副代表、一部の執行委員を含んでいます。このことは、公正でなく、不法な解雇なのは明らかであり、なおかつ組合弾圧に他なりません。実際のところ、集団休暇と経済サボタージュとは、まったく違います。経営者は、71名の労働者全員がその日のNLRCに参加するために公聴会に出席しただけであることを知っていました。追い出された労働者の多くはDEAの役員であることからすれば、経営者の隠された計画は労働組合潰しが、本当のところです。解雇は、「罰」としてはあまりにも厳しいものです。労働者が、無許可離脱であるか、無断欠勤かにかかわるだけで、その場合は実際のところ、3~5日間の労働停止の懲戒処分程度です。

 経営者は、労働者を追い出す前に、労働者たちが合法的に労働組合準備会を結成していることを知っていましたし、そもそも経営者は労働組合を破壊しようとしていました。そのことを私たちは、知っています。

 私たちは今日現在、不当労働行為の件で労働雇用省の事務所に申請する前の、仲介と調停のプロセスのうちにあります。経営者の利益減少なのか、労働者の手当削除なのか、公聴会で審議中です。ULPでの私たちの最後の公聴会は、10月29日に設定され、デスクトップ社が71名の労働者の復職を拒否した場合、私たちは、会社が関与した不当労働行為であるとして、すなわち労働法248条違反として、NLRCに提訴します。

 この時のために、私たちアンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)は、デスクトップ社の労働者を支援しています。仕事がなく収入がないこの時点での家族や労働者の抱えている問題をどのように解決していくか、彼らが訴訟を提起するのを助けていくか、が大切なのです。一部の人は、妊娠した妻、学校に通う子供たち、病気の両親、など多くの問題を抱えています。 私たちは、労働者を様々な点で助けたいと望んでいると同時に、私たちにはこの瞬間にも、多くの限界もあります。
  
  *********
追伸:
 台風は、私たちにそんなに被害を与えていません。しかし、事務所の屋根が強風のため一部動いてしまいました。屋根を8年間修理してこなかったから、そもそも弱かったです。屋根はすでに固定しました。しかし、大きな台風が再び襲ったら、屋根が飛んでしまうのではないかと恐れています。そうならないことを祈っていますが。

 ここまでにします。皆さんによろしくお伝えください。そして、前号のニュースレターを送ってくださいましたが、ペンが同封されていました。ありがとうございました。お礼まで。
 団結して
 エミリー  21015年10月22日
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2人目の子供を得て、さらなる挑戦 [フィリピン労働運動]

 私たちが交流しているアンバ・バーラ(バタアン労働組合連合) 事務局長のエミリーから、7月にメールが来ていました。遅くなりましたが、掲載します。
 日常の活動は忙しく、また無給の専従なので収入がなく大変なようですが、二人目の子供を得て気持ちを新たにしているようです。
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2人目の子供を得て、さらなる挑戦

エミリー・ファヤルド


 私は37才の一人の母親です。すでに2人の子供たちがいます。一人は5歳の男児、もう一人は2015年7月8日に生まれたばかりの娘。運動にかかわってきた17年間、私の立場と苛酷な人生で、子供を持つと決めるのは、簡単でありませんでした。しかし、彼らが生まれてきたことが、私が仕事を続けるうえで、より多くの力とインスピレーションを与えてくれ、子供たちに会うたびにいつも幸せな気持ち、素晴らしい心持ちにしてくれました。

 出産した後、私は普通のフィリピンの母親がするように常時子供たちに接することはできないと、自分自身に納得させなければなりませんでした。私が多忙な時は、義母や家族、友人らが面倒を見てくれています。私の子供たちを世話してくれる人ならだれにでも、どのように世話をしたらいいのかのすべてを私はいつも確認しています。この難しい感覚は常に私のなかにあり、さらにこの先何年も経験しなければならないでしょう。

 私には、15年前の2000年に21日間、タガイタイで軍によって不当に襲撃され、獄中にいた経験があります。22歳でした。クーデターがあり、民主団体、労働運動活動家、人権運動家の多くが国軍と警察に拘束されました。極めて危険な情況でしたが、その時私は死が怖くはありませんでした。もし労働者階級のために死ぬならば、価値があると考えていたことを思い出します。

 しかし、今私にはこの子供たちがすでにいて、彼らが成長した姿を見るために、長い人生を過ごしたいと思うようになりました。現在もなお私は労働運動や市民運動のオルガナイザーとして働いていますし、その信念に変わりはありませんが、母親となって当時とはまた違う考えを持つようになりました。そのことを感慨深く、思います。

 時は過ぎ、取り巻く現実も変化し、人の考えもまた変わるところもあります。世の中は変化し、私たちは新たな多くの問題に直面します。大切なことは、いま生きている人々の悩みや苦しみに寄り添い共有し、社会の問題点を最も徹底的に批判して行くことだと思います。これまでの多くの人々が逡巡しながらも、そのような努力を重ねてきました。それは人類の歴史であり、ヒューマニティの歴史だと思います。私もそのような人々の一員でありたいと思うのです。

 一人の人として、良きフィリピン市民となるために、私は子供たちに「良い価値」を教えたいし、 私は子供たちが、私と彼らの父と同じ価値観を持つことを望んでいます。しかし、決めるのは成長した彼ら自身です。よい価値と道徳に反しない限り、彼らが何を望み、いつ決め、いずれの道を歩むか、親として私たちは子供たちをコントロールすることはできません。適切な時にアドバイスをするように心がけます。しかし、結局のところ、決めるのは彼らです 。

 私たちは子供たちのために最善を望みます。あらゆる親が望むでしょう。しかし、よい教育が金持ちだけのためにあるこの社会で、私たちは子供らによい未来を保障できるでしょうか。 多くの親は学費が高かろうが、子供たちに教育を与えるために努力して大学に送ります。資金が続かず中退に追い込まれる者も多くいます。親の教育熱が教育産業資本に利用されます。

 何がよい将来でしょうか? 契約労働者? すぐに解雇される低賃金労働者でしょうか?
 37歳の母親になって、さまざまな新しい困難が目の前に現れ、活動し変革すべき新たな課題にぶつかります。

 私が言いたいのは、フィリピンの人たちの将来、多くの貧しい人たちの将来を準備する必要があるということです。それら全体の動きのなかで、社会変革のなかで解決せねばならず、私も夫も子供たちも変革の一員であることを自覚するのです。

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フィリピン工場火災:72名が焼き殺された [フィリピン労働運動]

フィリピン工場火災:72名が焼き殺された

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 この5月、マニラの北、ヴァレンズエラ(Valenzuela)市の工場で火災があり72名が焼け死んだ。2005年にプリモに連れられ、日系資本ミツボシ社の労働者を訪ね、ヴァレンズエラを訪れたことがある。農村地帯であるがマニラに近いので日用品を生産する工場がいくつか点在していた。ミツボシ労働者の事務所はメンバーの自宅で、庭には紐につながれた鶏がゆったりと歩いていた。
 そのヴァレンズエラで工場火災があり、72名は焼け死んだと報道されている。以下に紹介するのはガーディアンの記事。
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 フィリピン工場火災:死ぬ必要はなかった72人の労働者
 ガーディアン紙、アイリーン・ピエトロパオーリ

 サンダル工場で溶接火花が可燃性の化学製品を燃え上がらせ、72名の労働者が焼け死んだ。バングラディッシュのラナ・プラザ災害の第2回記念日だった。

○ケンテックス社の消火活動.jpg
<ケンテックス社の工場火災の様子>

1)72名が焼き殺された

 5月13日、激しい炎はフィリピン首都マニラの北、ヴァレンズエラ(Valenzuela)市、ケンテックス(Kentex)社サンダル工場を襲った。45人の労働者は逃げおおせたが、72名は命を落とした。かつてフィリピンで起きた最悪の工場火災だ。
 ゴムサンダル製造に用いられる可燃性化学製品の爆発を誘発した1階の溶接作業場から火の手は上がった。目撃者は、火が建物を登ってビーチサンダルを製造していた2階を遮断した、と語った。現場を訪れ生存者と話したウォールデン・ベリョー前連邦議会議員は、1階にいた労働者だけが鍵を見つけ、施錠されたドアを開けてやっと逃げることができたと報告した。
 2階では、ほとんどの労働者は建物の後部に向って走った。しかし、一部の生存者によると、そこにはいかなる出口もなく、燃えるゴム・化学製品から出る濃い煙にまかれてしまったという。窓から逃げようとしたが、グリルカバーに阻まれた。外にいた目撃者は、姿が見えなくなるまで労働者たちがグリルを揺るがしたり叩きならしていたと報告している。
 施錠された工場で働く労働者。逃げられず火事で焼け死ぬ。繰り返される惨事。
 資本家は何のために施錠するのか! 労働者による盗難を防ぐためだという。労働者を信用していない。

2)火事の責任は誰にあるか?

 死んだ72名のうち、69人は損傷が激しく見分けがつかない。大部分の犠牲者が特定されるまでには、少なくとも1ヵ月はかかるだろう。
○ヴァレンズエラ市ホールで、工場火災の遺体バッグそばに棺桶を運んでいる.jpg
<並ぶ遺体、ヴァレンズエラ市ホールで、工場火災の遺体バッグそばに棺桶を運んでいる>

 2つの調査が進行中だ。一つは、下院によるもの、いま一つは諸機関によるタスクフォース。両方ともまだ報告書を出していない。しかし、地元NGOと労働組合はすでに目撃者と面談し、職場における労働者の健康保持と安全基準、建築と消防条例の施行にいくつか問題があったと報告している。

 工場は、地元当局から営業許可防火当局(the Bureau of Fire Protection)から防火対策認可証労働雇用省(DOLE)からコンプライアンス証明書など、さまざまな許可が必要だった。また、火事を引き起こした溶接作業の特別許可証も持っていなければならなかった。

 しかし、工場は安全手順の多くを無視していた。溶接許可証について、ケンテックス社弁護士は、「仕事は第三者によってされた」とし、「我々は第三者である彼らは仕事の専門家であり権威であることを信頼し、彼らが仕事をするためにシャッター・ドアを固定することに合意し、仕事を行う上での要求を許可した」と語り、会社責任を回避しようとしている。

3)人権かビジネスか? 責任追及はトップまで迫るだろう

 防火対策認可書? ケンテックス社は「認可書は受け取っており、そこには非常口があったと記載されている」と話したが、防火当局は決して認可書は交付していないと言う。実際のところ防火当局は7月に、ケンテックス社に警告「通知」を与えた。(我々はケンテックス社弁護士に、この明らかに矛盾する証拠について尋ねたが、彼はいまだ答えていない。)

 防火当局イアン・ルナスは、工場にはスプリンクラー・システムと警報システムはなく、消防訓練も行われておらず、消火器も配備されていなかったと指摘し、違反があったとメディアに語った。生存者は、「これまで防火訓練をしたことはない」し、「安全検査官も見たことはない」と語った。

 他方、地方自治体と政府はともに、ケンテックス社に対する防火当局の懸念は通知されなかったと言うのだ。一方、ケンテックス社は、これら証明書は完全に適合していた事実の証拠であると指摘する。

 それぞれが責任逃れに必死である。当局が取るべきだった手順は混乱しており、互いを非難し、非難ゲームは現在、より責任ある上方へゆっくり移動している。労働雇用省は2014年9月にケンテックス社に許可証を発行したが、労働雇用省ロザリンダ・バルドス長官は、今やその立場を覆し、ケンテックス社のふるまいを「うんざりだ!」「不道徳だ!」と非難している。労働雇用省はケンテックス社に対し告訴を起こすと言い、防火当局・広報官は、ケンテックス社取締役が、安全性を確保しなかった嫌疑で懲役6ヶ月から6年の刑を受ける可能性があると表明している。

 ケンテックス社も、労働雇用省も防火当局も、自身の責任を逃れることに必死なのだ。

4)原罪は、資本側に立ちビジネスを急がせる政府圧力にある
○斎場の外で、工場火災の責任を追及する集会、労働者に正義を.jpg
<斎場の外で、工場火災の責任を追及する集会、「労働者に正義を!」>


 しかし、ヨシュア・マータ(労働組合Sentro書記)は、「原罪は、資本の側に立ちビジネスを急がせる政府の圧力にある」と語る。

 他の新興国経済と同じようにフィリピン政府は、世界銀行による「取引の容易さ」評価での地位を改善したがっている。IMFと世界銀行からの規制撤廃要求だ。2010年に政府は、自治体が効果的に事業許可処理を行うように要求した覚書を発行した。ヴァレンズエラ市はこのモデルと考えられた。その実行例としてケンテックス社に対し、これまで決してありえなかったのだが、点検は将来に棚上げにし、すぐに稼働するための一時的な許可証が与えられたのである。

 Sentroと他の労働組合は、政府と地方自治体に、職場における労働者の健康の確保と安全基準を完全実施すること、違反者には罰則を与えるように、あらためて要請した。

5)会社に権限と責任がある。資本の横暴を抑えるには世界的条約が必要

 労働雇用省(DOLE)は雇用者200人未満の会社は、労働者自身が命と安全点検を行うシステムを許可した。「労働雇用省自身が、会社が重大な制裁から免れるのを許していた」

 ケンテックス社の惨事は、契約労働化と企業の強欲さに対する規制が緩和され、それを促進した政府の誤った政策によって引き起こされたのである。

 事件が起きた後、「決して再び起きてはならない」という嘆願と約束は素早くなされる。しかし、言葉だけだ、責任逃れの言葉なのだ。政府は、職場での健康保持と安全基準の厳しい実施を確実に実施すれば、火事の再発防止はできると言う。
 労働雇用省と防火当局は双方とも、適切な労働条件の確実な実施、職場の安全検査を強化する責任がある。72名の労働者の死は、経営者が改善のきっかけとしなければならない。マニュエル・ロハス長官は、消防条例をきちんと実行すると約束した。地方自治体は、防火当局と労働雇用省がヴァレンズエラ市で1,700の産業機関の共同監査を行うと発表した。
 実際に実行されるかどうかはわからない。

 ヴァレンズエラの火事は、1,100人以上の労働者が命を失ったバングラディッシュのラナ・プラザ惨事の後、バングラデシュ繊維工業で最低限の安全基準の維持のためにつくられた「火事とビル安全についてのバングラデシュ・アコード」の2回目の記念日に起きた。

 しかし、ヴァレンズエラの惨事はいまだ国内にとどまっている。ケンテックス社が、フィリピン国内市場向けのサンダルを生産しているためか、それほど国際的な注目を受けていない。しかしながらヴァレンズエラの惨事は、2012年にバングラデシュのラナ・プラザ(Rana Plaza)とタズリーン(Tazreen)工場火災での大量死と同じ危険なものだ。

6)現代の奴隷労働
○火事の後の工場.jpg
<火事の後の工場>

 「バングラディッシュで起きたラナ・プラザの教訓は生かされなかった」と、ビジネスと人権に関する国連専門調査委員会は言う。ケンテックス社とラナ・プラザの悲劇、そして他の多くの悲劇も、はっきりしたパターンを示している。資本は競争するために、必要な賃金、労働者の健康維持、安全基準の費用を削る。防火・警報設備の規制撤廃を要求する。労働者、特に女性労働者は、衣服工場での搾取的な労働条件を受け入れる以外の選択肢を持っていない。そして政府はこのようなIMF,世界銀行と資本の要求に熱心に対応する。
 これこそ原因だ。現代社会の原罪である。これを変革できるだろうか!
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生産的でまともな仕事を与えよ! [フィリピン労働運動]

 労働者はメーデーを祝う
 生産的でまともな仕事を与えよ!

 プレスリリース2015年5月1日
 WPL ピート・ピンラック議長

WPL議長ピート・ピンラック2.jpg

 マニラ―  5月1日、WPL-MAKABAYANに結集する労働者は、マスクを着けTシャツを着て、労働者に仕事を!と叫び、政府に対し契約労働化を終わらせ、生産的でまともな仕事を提供するよう要求しながら、モラタ(Morayta)からメンディオーラ(Mendiola)にデモ行進しました。
 白マスクした代表団は口を封じられた姿を象徴しています。フィリピンが経済的繁栄を謳歌しているにもかかわらず、低賃金で抑圧されているフィリピン労働者を表現しています。

 「アキノ政権は、フィリピン労働者に海外に出稼ぎに行くよう労働者を強い、自国民を危険な状況にさらすよりも、自国で生産的でまともな仕事を提供するべきだ!」

 「人民解放のための労働者」(WPL-MAKABAYAN)議長のピート・ピンラックは、5月1日のメーデーを祝い、キャンペーンJOB4WORKERZを開始すると、このように声明しました。

 「メアリー・ジェーン・ヴェローゾの事件は個別的なものではない。毎日、労働者たちは、海外において彼らを保護するフィリピン政府の法や福祉が本当に貧弱であることを知りながら、家族を養うために海外で雇われる機会を得るため、どんなに費用がかかろうとも、OWWAと労働雇用省(DOLE)に申請書類を積み上げている。国内に滞在することを選択した労働者は、政府の契約労働化方式によって、五ケ月から六ヶ月働いた後、常に新しい仕事を探すという体験をし続けている」。

 「私たちフィリピン労働者は、ほとんどあるいはまったく雇用保障のない雇用関係に縛りつけられ、労働基準を満たしていない。多くは、貧困ライン以上の生活をすることができない」とピンラックは指摘しました。

 わが政府の新自由主義政策は、一方で会社の意のままに、労働者にいつでも会社命令に適合することを強制しながら、他方で労働者自身が受動的で従順な態度を示すように仕向け、そのようにして労働者同志を競争させ、いつでも労働者を置き換えることができる社会的条件をつくりだしていると、WPLは確信しています。

 契約労働化は、最終的に労働者の福祉と、労働者の集団的能力を保護し、自らの権利を主張することに、悪影響を及ぼします。

 また、政府の官民パートナーシップ(PPP)のプログラムである水道、電気、MRTやLRTなどの公共交通機関、学校や病院などの社会サービスを民営化・私有化の速度を速め、民間部門の要望として利益を出すために、労働者の給与は落ち込んだままにし、さらに労働者に負担を強いています。

 「市民がまともな生活を送ることができるようにすることは、政府の責任である。まともな生活を送る唯一の方法は仕事を持つことであり、労働によって私たちの日常生活を維持される」とピンラックは述べました。

 上記のキャンペーンを開始すると同時に、同様の活動は、WPLの影響下で、ルソン島ではバギオ、バタアン、パンパンガ、セブ島のセブ、ミンダナオのダバオ、ジェネラルサントスで行われています。

 「私たちは、契約労働化、政府の新自由主義政策と戦い続け、また組織化を続ける。生産的でまともな仕事のため、全国の産業化のために労働者は闘い続ける」とピンラックは締めくくりました。







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国際婦人デー2015 KAISA KA声明 [フィリピン労働運動]

「女性である私たちの生涯の安息は、闘いの成果に先にあります」
 
デリク・カベ

 
 国際婦人デー2015 KAISA KA声明:
女性の解放と人々の主権のための闘いを続けよう

 フィリピン女性は投票権をもち、また被選挙権も持っています。また、高等教育を受けることもできます。 しかし、私たちは本当に自由でありません。 女性のほとんどは貧しいままであり、生きていく上での多くの事々を改善していく機会を社会的に奪われています。 フィリピン女性は、不平等な関係に縛りつけられているのであり、それは不平等なフィリピン社会の一部でもあります。 それゆえ、フィリピン女性は心の底から喜ぶことができません。 今日のこの国際婦人デーに、女性たちは嘆き告発しなければならないのです。
 私たち、カイサカのメンバーは、しばしば女性たちほとんどを奴隷的条件で、海外で働かざるを得なくさせているベニグノ・アキノ三世政府の政策に抗議します。とともに、フィリピンとアジア太平洋の更なる軍事化を実行する米国の政策と方針は、より戦争に近い状態へと人々を導き、女性の保護を奪いより多くの危険を引き起こすことになります。カイサカはこの事態を告発し反対します。
 大統領の支持者たち、特にビジネスグループは、フィリピン経済のバラ色の未来を繰り返し宣伝しています。 「フィリピンはもはや、アジアの病人ではない」、「フィリピン経済は今では中国に続く、アジア第二のトラだ」。
 しかし、新自由主義者の方針とその容認のため、少しの労働者しかフィリピンに職を求めることができず、かなりの数の労働者は海外で仕事を探さざるを得ません。そして、何人かが麻薬と性的シンジケートによる人身売買の危険にさらされています。
 まるで米国大資本の利益と一体であるかのようにアキノ政権は、フィリピンとアジア太平洋のためにすべての米軍方針とプログラムを無条件に受け入れました。

 アキノ政府は、フィリピンが米国の戦争に引きずり込まれ侵略戦争の前線となる、かつての古い「米比相互防衛条約」を米国が行使するのが明確であるのもかかわらず、米比軍訪問協定(VFA)の解除を拒否しています。 アキノ政権は、フィリピンに米軍と軍需品配備を指示する米比相互防衛協定(以下:EDCA)さえ承認しました。
 私たちは最近、米国の軍事的措置に基づく悲痛な影響を経験しました。フィリピン人ジェニファー・ロードの恐ろしい殺害と、被告である米海兵隊伍長ジョセフ・スコット・ペンバートンを米国が保護しフィリピン政府がすぐに了解したという経過は、フィリピン政府が屈辱的なひどい処置をとったというだけでなく、EDCAのもと大挙してくる米兵士がフィリピン女性にもたらす脅威を示しています。
 米国は、ミンダナオのママサパノでPNP-SAFが実行する作戦でどれだけ多くの夫を失た女性や孤児を生み出すか、それが和平プロセスを侵害するかどうか気にかけませんでした。
 すべては米国の利益のため保険でした、米国自体が自身の必要のためテロリストのグループを支持しているのであり、テロリズムを根絶するわけではありません、しかし、米国民にポジティブな何かを見せるために、テロに対する戦争を装っているのです。 ミンダナオ-スールーの現在の戦争の時、米国が指示し30,000人以上の女性、子供たちと高齢者を移住させたことなど、米国は一切気にとめていません。
 すべての女性は、米国によってフィリピンと全アジア太平洋の軍事化と戦うために団結しなければなりません。私たちは、唯一の超大国・米国に従い女性やそのほかの人々を危険にさらす、フィリピン政府に反対する必要があります。社会の他の抑圧されているセクターと多くの人々との団結でなされる女性の協働した行動こそが、女性の保護を確保するでしょう。
 女性の解放へ! 
 人々の主権を訴えます!
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カサナグ会総会にメッセージ [フィリピン労働運動]

 三多摩カサナグ会総会の機会に連帯メッセージ
 
2015年3月6日


 マカバヤンから、親愛なるカサナグの会のみなさんへ、

 連帯の挨拶を送ります!

 一触即発のグローバル危機のなか、労働者を「守る」という政府の主張にもかかわらず、人民と労働者は、経済危機の大きな打撃を負担させられています。 2008年の世界金融危機とその影響はいまだ去っていないにもかかわらず、いくつかの経済専門家は、次の危機がすぐせまっており、その前兆か40万人の労働力は職を失っています。
 フィリピン人労働者は男性も女性も、困難な課題に直面しています。日々の生活手段を獲得するという点で苦労しているだけでなく、契約労働化として知られているインフォーマルな労働や不安定雇用に陥る不安に直面しています。契約労働化は、長年にわたる主張と闘いの結果として勝ちとってきた権利に対するあからさまな侵害へと、順番に転換されていくことなのです。

 新自由主義政策は、激しい弾圧とともに、契約労働化を導入し、労働運動を抑えつけてきました。新自由主義は明らかにフィリピン労働組合運動を弱めることに貢献しました。今ではすべての民間労働者のわずか10.54%だけが労働組合に組織化されているだけであり、さらに労働組合の10%だけが団体交渉による労働協約を締結できているにすぎません。(労働協約を締結している労働者は、100人に1人なのです)。

 1930年代以来の未曾有の世界経済恐慌の嵐から立ち上がりつつあるなかにあって、ただ労働者自身の協調的行動だけが、かすかな希望をもたらします。この先の数年は、フィリピンではなく全世界的レベルで、労働者の闘いの歴史における確かな先例の時期となるでしょう。

 団結した労働は敗北することはありません!  日本とフィリピンの人々の連帯万歳!  労働者の国際連帯 万歳!  もうひとつの世界は可能です!
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最低賃金引き上げの要求 [フィリピン労働運動]

 1月25日、アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)のエミリーから近況報告が届きました。最低賃金は中央ルソンとして定められており、中央ルソンの労働者にとって大きな課題になっています。石炭火力発電所が稼働し発生した問題や、アンバ・バーラの労働組合の労働協約交渉などが報告されています。フィリピンでは、「労働協約(CBA)」で賃金、手当、医療補助などあらゆる労働条件が経営者と労働組合の交渉によって定められ、労働協約は定期的に交渉で改訂されます。労働組合を結成し組合代表選挙に勝利しなければ、労働協約締結交渉はできないのです。

 1)労働者は、ただ13ペソ(日給32円)の賃上げを要求しているだけだ!

 サンフェルナンド市にて
 「中央ルソンでは、最低賃金、日給で13ペソ(約32円)引き上げて初めて、この3年間で食料価格の高騰を補うことができるのです」とマカバヤン(労働組合ナショナルセンターの一つ)は主張しました。
 中央ルソン・マカバヤン事務局長エミリー・ファヤルドは、「最低賃金引上げ要求13ペソは、2014年11月30日に、地域三者賃金・生産性委員会で承認された金額ですが、労働者の実際のニーズからは「ほど遠い」額です。わずか13ペソの賃上げでは、米や他の生活用品の価格の上昇をカバーできません。何かしらの救済と感じることさえできないのです。この地域(中央ルソン)の1,000万人以上の労働者は、最低賃金を得る資格があるのであり、最低賃金の上昇に生活上の利益がかかわっているのです」と彼女は述べました。

 「労働者の必要や生活上の実際的なコストは、日給にして60ペソ(約150円)の最低賃金上昇が必要であり、地域三者賃金・生産性委員会はフィリピン政府に強く実施を要求すべきなのです。あらゆる労働者が、委員会の賃上げ全体から除外されるべきではありません。基本的な食品価格の上昇、他の商品とユーティリティの価格上昇によって、逆に影響を被っているのであり、したがって契約労働者だろうが、正社員だろうが、賃上げはなされるべきなのです」と、エミリー・ファハルドは語りました。

 2)バタアン労働組合連合についてのいくつかのレポート:
 この2015年は、アンバ・バーラ影響下の二つの労働組合の労働協約改定交渉が予定されています。

 2)-1:マリベレス発電所従業員労働組合(MPSEU: Mariveles Power Station Employees Union)

 当労働組合は、2014年第一四半期に設立されました。労働組合は組合代表選挙で勝利し、2014年8月に労働協約交渉を行いました。146名の組合員のほとんどは熟練労働者と技術者です。熟練労働者だからこそ、ここバタアン州マリベレス、アラスアシン・バランガイで、600メガワットの石炭発電所を稼働させることができたのです。技術者や熟練労働の平均的な月賃金は、25,000ペソ(約62,500円)から80,000ペソ(約20万円)です(発電所オペレイターは37,500ペソから80,000ペソ)。このような額は、経済区、バタアン自由貿易地域(以下FAB:The Freeport Area of Bataan)内の製造業労働者の月収、または日給に比べ、はるかに高いのです。電力供給は戦略的産業であるからです。

 GNパワー社は、中国のデナム資本とサイス・グローバル社からなる米国資本がオーナーでした。しかし昨年、中国系デナム資本は、フィリピン・アラヤ財閥ACエネルギー・ホールディングス社に所有権を、1億5500万㌦(約180億円)で売却し、その結果アラヤは17.1%の株式を所有するに至りました。

 2)-2:ナショナル・アライアンス社労働組合(以下NACLU:The National Alliance Corp Union):

 現行の労働協約を 2年間延長するため、NACLUは、この2015年2月10日、労働協約交渉を予定しています。団体交渉は、「賃金」と「労働者への手当」だけに限って行われます。この会社はイラン資本であり、プラスチック・パレットを生産しており、96名の組合員がいます。

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バタアン自由貿易地域の現況と労働組合運動 [フィリピン労働運動]

 バタアン自由貿易地域の現況と労働組合運動

 
 アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合:バタアン自由貿易地域の労働組合連合)から、最近の「バタアン自由貿易地域」(ルソン島バタアン半島、マリベレス周辺)の労働組合の実情について報告が届いた。

アンババーラの労働組合セミナー04 (320x240).jpg
<アンババーラの労働組合セミナー>

 「バタアン経済区」は2010年から、「バタアン自由貿易地域」の名称が変わった。名称だけでなく、従来はフィリピン政府経済区庁の管轄下にあったが、制度変更に当たり地方政府の管轄下に移行した。
 中央政府が、法人税・関税などの税金免除した経済区を設置し、外国企業を誘致する時代はすでに終わった。進出企業に税金免除する制度は経済区のみならずフィリピン全土ですでに実施されており、経済区を超えて多くの欧米日中などから企業が進出してきている。とくにマニラ周辺へは多くの外国企業が進出しフィリピン資本との高度なかつ近代的な協業関係がすでに確立している。
 他方、「バタアン経済区」は電力・港湾などのインフラが老朽化しており、実情に合ったメンテナンスが必要になっている。この地域に進出してくるのは、マニラ周辺とは異なり労働集約的な製造業が中心である。中央の経済区庁が管理運営するには適さなくなったのであろう。そのため、実情をよく把握した地方政府が、費用をあまりかけないで、進出企業の要望に応じた便宜をはかる態勢に変更したようである。自由貿易地域の運営の仕方によっては、地方政府にはいくらかの税収も入ってくることになる。「バタアン自由貿易地域」への制度変更にはそのような事情があるようだ。
 ********************

 バタアン自由貿易地域の現況と労働組合運動
 2014年9月
 アンバ・バーラ、 エミリー・ファヤルド

 4年前の2010年にバタアン地方政府によって「バタアン自由貿易地区」(Freeport Area of Bataan)はスタートした。かつては、「バタアン経済区」と称しており、政府・経済区庁の管轄下にあった。
 地方議会前議長によると制度変更の目的は、「より多くの投資家を受け入れることであり、地方政府に収入を集中すること」であるとしている。権限が中央政府から地方自治体へと移管したことになる。
 2010年には、「バタアン自由貿易地区」の労働者数は11,000人まで減少していたが、2014年には18,293名まで増加した。「バタアン自由貿易地区」によると2014年7月時点で44社が操業している。
 その内、労働組合があるのは9社だけである。とはいっても、9社の全労働者が労働組合に加盟しているわけではない。契約労働者は、労働組合に加入できない。9社の全労働者数は、8,735名であるが、そのうちの正社員2,585名だけが労働組合メンバー。残り6,150名の契約労働者は組合に入っていない。(※:契約労働者は5か月間の雇用契約、労働組合に入れば契約更新されないので、実際のところ加入できない)

 「バタアン自由貿易地区」の全労働者数は18,293名、労働組合員数2,585名であるから、組織率は14.1%になる。他方、「バタアン自由貿易地区」では契約労働者が約13,000名にまでが増加し、全労働者の71%を占めるに至った。3人のうち2人以上は契約労働者となってしまった。

 この数字を見ても、「契約労働者制度」が、いかにフィリピンの労働組合運動を弱体化させているかがよくわかるだろう。フィリピンでは、労働組合結成の手続きが煩雑で労働組合結成が困難であるうえ、多くの会社が契約労働者を導入することで正社員、労働組合員を減らしてきた。そのため、労働組合運動は以前に比べ弱体化している。
 なお「契約労働制度」は、先進国が発明した制度であり、新自由主義のもとでフィリピンに導入された。

 現在のところ、「バタアン自由貿易地域」ではミツミ電機が最も大きく、労働者数3,235名(日系資本は、ミツミ電機だけとなった)。次がファッション・バッグの2社で、2,238名。ドンイン社、デスクトップバッグ社、ミコ社(登山用具製造)の労働者数が1,000人以上である。

 なお、「バタアン自由貿易地域」外ではあるが、石炭火力発電所のGNパワー社に労働組合があり145名の組合員がいる。また近くのリマイにミレニアム・エネルギー社があり、65名の組合員がいる。両労働組合はともにアンバ・バーラに加盟している。

 A: バタアン自由貿易地域44社のうち、労働組合のある9社の組合員数内訳

  労働組合      労働組合員数 契約労働者数 全労働者数
1) ミツミ電機:      1,000  2,235   3,225
2) ダンロップ社:     142    547   689
3) エシラー社:     628    290    918
4) ドンイン社:      163    982   1,145
5) ミコ社:        150   1,225   1,375
6) エッジ・ソフト社:   150   133   283
7) ユニバーサル社:    154    234   388
8) バーレン・ファイバーグラス社:98  484   582
9) NPCアライアンス社:  100    20   120
       計
             2,585   6,150  8,735

B: バタアン自由貿易地域44社、18,293名のリスト
1)ドンイン・グループ:7社、労働者数5,267名
    バックパック、チャイルドキャリア、ベビーカーやハーネス製造
2)電子部品産業(ミツミ電機を含む)、2社、3,283名
3)ルエン・タイ・グループ:2社、労働者数2,379名、コンピュータ用バッグ、靴製造:
 そのうちの1社デスクトップ社は全労働者数1,609名、うち正社員928名の労働組合がアンバ・バーラに加盟
4)ファッション・バッグ社グループ、2社、労働者数2,238名、コーチなどブランドバッグの製造、
5)衣服縫製会社、6社、労働者数1,578名
6)人造光学レンズ製造、1社、918名
7)テニスボール製造、689名、ダンロップに納入
8)BFGインターナショナル・グループ:4社、労働者数582名
9)メドテクス・グループ:4社、労働者数388名
10)靴製造会社、2社、285名(20名が正社員、265名が契約社員)
11)マリーン・サービス、1社、172名
12)プラスチック成型、3社、120名
13)プラスチック・パレット製造、1社、120名
14)衣服・古着リサイクル業、1社、99名
15)ヴァイオリンケース製造、54名
16)ファッション・バッグ・アクセサリー社、労働者数26名
17)段ボール箱製造、1社、25名
18)ファイバーグラスボート製造、1社、20名、
19)はんだ製造、1社、22名
20)硫黄粉末製造、1社、17名
21)コンピュータ分解部品リサイクル業、14名
22)税金包装製造、1社、8名
23)スポーツ車修理、1社、5名
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スービック造船所で、また一人のハンジン労働者が殺された [フィリピン労働運動]

スービック造船所で、また一人のハンジン労働者が殺された
 ハンジン造船所、今回の死者は2006年以来38人目!

記者:ランディV.ダトゥ
 9月12日

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<スービック自由貿易地区のハンジン造船所 ハンジンフィリピン社ホームページから>

 スービック自由貿易地域の韓国資本系造船会社、韓進(ハンジン)重工業フィリピン(株)の造船所現場で、最近労働者の事故死があったと伝えられている。2006年造船所が稼働して以来38人目の犠牲者と言われている。
 ハンジン重工業フィリピン(株)の労働者ジェルイン・ロペラ・ラバヤン(Jerwein Lopera Labajan)、23歳は、伝えられるところによると、9月11日(木)の働いている最中に動作していた鋲打ち機で即死した。
 同僚は、鋲打ち工・ラバヤンが「古い」機械を使用していて、おそらく事故は機械の誤動作によって引き起こされたのだろうと語った。
 同僚たちはまた、ジェルイン・ラバヤンが独身で、7人兄弟の長男であり、家族の稼ぎ手だったことも語った。
 ハンジン重工業フィリピン(株)の経営者は、事件について声明を発表しておらず、報道管制が敷かれている。ある役員は、名前を出すことはできなし会社から話すことを許可されていないとした上で、「補償されるとすれば、適切な時にハンジン重工業フィリピン(株)が、声明を出すだろう」と語った。
 ハンジン造船所の労働組合準備会グループ(Samahan ng mga Manggagawa sa Hanjin Shipyard)のメンバーに取材した。彼らは、より安全な職場の実現を要求している人たちだが、労働契約終了時に会社から追い出されることを怖れ、話を記録することは拒否した。

 監督官庁であるスービック湾都市庁(以下:SBMA)と労働雇用省(以下:DOLE)は、このような労災事故を調査しながら、「何も起っていない」ことにしていると労働者たちは語った。
 「SBMAもDOLEもいつも独自に調査しているというが、結果は常に同じだ。ハンジン労働者が職場で命を落す状態が続くばかりで、ハンジン資本は何ら罰せされることがない」と彼らは言った。
 ハンジン重工業フィリピン(株)は、2006年から2009年にかけて、造船所内で32人もの一連の死亡事故が起きたため、フィリピン上院の調査対象になったことがある。
 労働者たちはこれまで何度も、造船所内に救急治療のための診療所がない上に、最寄りの病院は45分も離れたところにしかないこと、また労働のあいだで死亡にいたらない労働災害、事故が多発していることを訴えてきた。
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デジテル労働組合争議 [フィリピン労働運動]

 デジテル労働組合争議
 国家労働関係委員会の調停案は不当だ!

 デジテル労働組合(以下:DEU)の闘いが困難な局面にあるようです。デジテル社はフィリピンの電話会社であり、デジテル労働組合委員は交換手などフィリピン各地で働く人をメンバーに抱えています。主な業務が携帯電話に切り替えられて来ました。現在、デジテル社はフィリピン長距離電話電信会社(以下:PLDT 社)に吸収されようとしており、2013年から合理化が始まりました。その過程でから正社員の契約労働者化、デジテル労働組合に対する弾圧が続いています。2013年にはDEUはPLDT 社前でハンガーストライキをはじめ、フィリピン社会に訴えました。PLDT社は携帯電話関係で業績を伸ばしており、フィリピンで最も利益を稼ぎ出す「優良企業」として有名です。8月の第4週に、労働問題の初級裁判所である国家労働関係調整委員会(NJRC)から争議に対する調停案が出されましたが、会社寄りの調停案であり、DEUはこれに抗議する声明を出すとともに、上級審で闘うことも表明しました。(編集部)

 正義は無益なものにされた!
 9月5日、デジテル労働組合 声明


デジテル労働組合 「不正がまかり通るなら、我々が抵抗するのは義務だ」 (320x215).jpg
<不正がまかり通ろうとする時、闘うのは我々の義務だ! デジテル労働組合>

 デジテル従業員組合(以下:DEU)は、デジテル社/フィリピン長距離電信電話会社(以下: PLDT社)経営者に対する政府・労働雇用省(以下:DOLE)による労働協約を締結させる執行令状を出させたし、最高裁の最終決定までのすべての25の法廷闘争を勝利したが、これらのことは経営者の態度を改めさせることにはならず、経営者の対応は「すべての正規労働者の解雇」か、それとも「効率アップ計画を受け入れるか」のいずれかであった。経営陣は、「効率アップ計画」は合法的であり、しかも国家労働関係委員会(NLRC)によって支持されたと主張している。

 明確な法律違反であるにもかかわらず、また貧しい労働者に不正義を押しつけるにもかかわらず、労働組合がすべての法的手続きに勝利しすべての手段を講じたにもかかわらず、我々の正義は無益なものにされてしまった。フィリピンにおける正義を獲得するために、DEUは正義の実現過程における不正行為に抵抗し、勇気ある、強くかつ截然たる立場に立たなければならない。それが今となっては私たちの義務であり、依拠する処であり、私たちの生きる信条である!


 2014年8月30日
 「真実は隠蔽されることはない」 デジテル労働組合

 デジテル社/ PLDT社の内部の工場稼働部門・元トップ経営者は、「効率アップ計画」が公開されるのをデジテル社/ PLDT社経営者たちが望む意味について、ついに本音を語っています。 デジテル社/ PLDT社経営者は、彼らが作成した「効率アップ計画」は全国労働関係委員会(NLRC)が支持したくらいだから妥当なものであると強調しました。しかもこの「効率アップ計画(=不必要で役に立たない要素を排除し、効率アップする計画)」は、すべて正社員を追い出し契約労働者に置き換え、他方では闘ってきた86名のDEUメンバーには独自の仕事につけるという「妥協」をくっつけた案であり、合理化計画実施でデジテル社/PLDT社は存在し続け飛躍し、何十億もの利益をかき集めることになるのです。

 
 デジテル労働事件は解決したか?
 2014年8月28日 フィリピン・デイリー・インクワイアラー紙 ミゲル・R・カミュ記者

 マニラ、フィリピン:
 国家労働関係委員会(以下:NLRC)は、デジテル・テレコミュニケイション社の事業合理化計画の有効性を支持していると、デジテル社オーナーであるフィリピン長距離電話(株)(以下:PLDT社)は声明で述べました。
 デジテル社、サンセルラー社オペレータと、デジテル従業員組合(DEU)間の労働争議に対するNLRCの調停案が、8月第4週に提示されました。DEUは、2013年初頭に実施されはじめた「効率アップ計画」=合理化計画に反対し続けてきました。
 NLRCの調停案によると、これら残った86名のDEUメンバーは、現在の合理化計画の対象外となるメリットを受けることができます。
 NLRC調停案は、デジテル社の電気通信ネットワークは寿命に達している状態であるという経営者の判断に追随し、デジテル社にとってネットワークをアップグレードし最新化することは財政的に不可能だという経営者の言い分も受け入れ、デジテル加入者をPLDTへ移行させるという NLRCの2014年3月18日の意思決定を確認したものでした。NLRCは労働問題の初級裁判所ではありますが、資本側に立った判断をしました。


 デジテル労働組合の見解  8月28日

7月21日、NLRCへの抗議行動に参加したデジテル労働組合 BMPなどほかの組合も参加 (320x240).jpg
<7月21日、NLRCへの抗議行動、他の労働組合も参加>

 デジテル社/PLDT社とデジテル労働組合(DEU)の対立においては、労働雇用省と国家労働関係委員会は資本側に立っており、正義がどのように展開されるのか皆さんは見たことでしょう。
 NLRCの決定は、前後関係を無視したやり方です。すべての正社員を追い出し契約労働者に置き換え、他方残った86名のDEUメンバーには独自の仕事を与えるという「効率アップ計画」がどうして妥当だと言えるでしょうか? どこに「効率アップ計画」=合理化計画を実行できる根拠があるのでしょうか? 計画の正当性を具体的に保障する法律が存在するでしょうか? そんな法は存在しません!!

 すべての正社員を解雇するのに「効率アップ計画」が使用されるのは歴史上初めてであり、このスキームが許可されるのであれば、正社員を追い出すために大企業によってどのようにも利用されます。デジテル社/ PLDT社は、倒産したわけではありません。それどころか、利益を数十億もかき集めています。なぜなら、地方における電話線、データ通信、インターネットを独占しており、サンセルラーのブランドで携帯電話業界を支配しているからです。「デジテル社は資本投資できないので廃業させる」と言えるのでしょうか? 彼らは、合理化計画を正当化するために、アリバイ(デジテル社にとってネットワーク最新化は財政的に不可能なのでデジテル加入者をPLDTへ移行させる)を言い立てていますが、事実はデジテル社のネットワークはいまだ稼働しており、ルソン地方では加入者に応えるためにいまだ使用されています。 PLDT社は、デジテル社を獲得する際に独自の新しいネットワークを特には構築してはいません。PLDT社は同じ施設を使用し、単に機器設備の能力のアップグレードで済ませました。唯一行ったのはPLDTブランド名タグに変更しただけです。

 デジテル社の全従業員を移動する「計画」は、決して破産したわけでもなく会社閉鎖したからでもありません。ただ、デジテル労働組合(DEU)が最高裁で最終的勝利(GR-184903)を勝ちとり、2013年には経営者に労働協約を締結させるという正社員に対する負担から逃げるためであっただけです。

 デジテル社は「効率アップ計画」を利用してすべての従業員を移動させようとしましたが、これはいまだ実現していません。フィリピン・デイリー・インクワイアラー紙記者ミゲルカミュが指摘するように、この件はまだ終わっていません。この事件の結末は、すでに「NLRCの正義」が果たして正しいのか?という批判となり注目を集めています。 DEUは正義の本質的正しさ守るためにあきらめることはありません。私たちは律法の真の根拠が守ると立派な裁判所、控訴裁判所によって実現されるであろうと信じ、私たちは解決を求め喜んで上級裁判所に控訴し、闘い続けます。

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汚れた石炭はいらない! [フィリピン労働運動]

中央ルソン反石炭火力運動の声明が送られてきました。
―――――――
 反石炭火力運動中央ルソンネットワーク 声明
 Coal-free Central Luzon Network

 
プレスリリース  2013年6月29日

 
 「汚れた石炭」を拒否する!
 反石炭火力世界行動デーに多くの人が参加
 

 緩慢な死

 石炭エネルギー使用による健康や環境への影響を訴えるために、黒のTシャツとマスクを着用したデモ参加者の同時行動が、サンバレス州スービック、バタアン州マリベレスで行われました。世界的な環境運動と結びつき石炭の時代を終わらせるため、中央ルソン反石炭火力運動がとった行動です。
 「反石炭火力中央ルソンネットワーク」のスポークスマン、ルフィナ・アルセガは、「石炭エネルギーは、人類に恩恵よりも負担をもたらすのであり、風力や太陽光などのより安全できれいなエネルギーに転換していくために、段階的に廃止する必要があることはすでに明らかです。」と語りました。
 マリベレスの石炭火力発電所は現在、能力の20パーセント運転をしていますが、当初の石炭火力推進陣営による約束に反し、バタアンの電気料金は安くなるどころか3倍になっています。実際に、生成されたエネルギーは周囲のコミュニティ・住民のためではなく、産業用の目的、企業のためなのです。

 「実際のところ、発電所をサンミゲルグループ、アラヤ財閥、コンスンジなどの民間企業が所有しているという事実は、公共サービスよりも利潤動機が最優先の関心事であることを証明している」とアルセガは指摘しました。
 6月24日、地方自治体や発電所経営者から何の警告やアドバイスもなしに、黄色の気泡がGNパワー社発電所排水溝の近くから発生しました。サンバレス州オイロン湾で起きたと同じような、多くの漁民が暮らす漁場が発電所からの廃水によって取り消しのつかない損傷を受ける可能性があります。
 サンバレス州マシンロックでは、石炭発電所が10年稼働したせいで、地元のマンゴー生産は被害を受け、オイロン湾のような重要な水域を荒廃させてしまいました。集団的なめまいや上気道疾患の発生率増加の事例が、特に近くの町・カンデラリアや発電所の風下の住民コミュニティで見受けられます。

 フィリピンは石炭に向かっている

 2010年、フィリピンの発電量のうち59%は石炭と石油をベースにした火力発電、28%が地熱、水力発電によって生成されています。他方、風力、太陽光、バイオマス発電は、ほとんどゼロに等しい割合しか占めていません。
 エネルギー省(DOE)は、風力発電5プロジェクトによって2016年までに300 MW、2020年までにと1400万kWの発電量になるとしていますが、微々たる量です。他方、石炭火力発電2020年までに5000万kWに達すると予想しています。
 このゆがんだエネルギー政策は、中部ルソンで進められている5ヵ所の石炭火力発電所に反映されています。
 レドンド半島エネルギー株式会社(RPエネルギー)による600MWの発電所、韓国電力公社による200MWの発電所、両方ともサンバレス州スービックにあります。サンバレス州マシンロックにあるアメリカ・エネルギーシステム・フィリピン社による石炭火力フェーズ2を代表する600MWマシンロック石炭火力発電所。バタアン州マリベレスにある300MWの微粉炭石炭発電所、バタアン州リマイにあるサンミゲル社(SMC)による600 MW発電所。
 サンバレス州スービック、マシンロック、バタアン州マリベレス、リマイ、いずれも経済区の近くであり、進出してきた企業に電力を供給することを目的にしています。

 再生可能エネルギーのための時間

 アキノ政権のエネルギー計画は明らかに持続不可能です。石炭のような過去に危険なことが証明されているエネルギー源を排除するものではありません。石炭火力発電は、短期的には発電コストが「安く」なることがありますが、その社会的、環境的コストを長期的に見れば、より高価なものになります。
 「もし、アキノ政権が、差し迫っている電力危機を認識し誠実に対応しようとするのであれば、より良い、より持続可能な道は、再生可能なエネルギーへ投資です。そうではなく新しい石炭火力発電所を建設・稼働させれば、目先の利益は増大するとしても多くの人々の緩慢な死をもたらすことになりかねません」とアルセガは語りました。

 (追記)
 フィリピンでは電力業界は少数の資本家に独占されています。
 コファンコ/ SMC:22%、Aboitiz:20%、ロペス:18%、Ty:12%、コンスンジ(Consunji):8%、この5社が、国の電力容量の80%を支配しています。
 特に、この10年フィリピン経済の成長とともに、欧米日中国企業が進出し、電力需要が拡大し電力は逼迫した状態が続いています。石炭火力発電は、もっとも低コストであり、上記の資本グループは石炭火力発電所野建設・稼働を推し進め、多大な利益を上げています。フィリピンでは環境規制が緩く、電力業界はこれまで石炭火力発電による廃棄物(石炭の燃えカス)を海岸に廃棄し、そのため海が死に絶え、漁業をすたれさせるなどの大規模な環境破壊を繰り返してきました。




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あなたのノートPCのバッグを誰がどのようにつくっているか知っていますか? [フィリピン労働運動]

 「あなたのノートPCのバッグを、

  
誰がどのようにつくっているか知っていますか?」



 生き抜くための闘い

 デスクトップ社はLUとTaiグループ下の中国系会社です。衣服製造に従事し、もとはタルラック市テクノパークで起業しました。労働組合と経営者間の争いがあった時、ここバタアン自由貿易区FABに、デスクトップ・バッグ社という名で支社を設置しました。デルのようなノートパソコン用バッグ、コーチやMKのようなファッションバッグ、Targusのようなバックパック製造に従事し、3年間稼働してきましたし、またBOASTという名の別会社でBOSSのような靴製造へと拡張してきました。

 デスクトップ社は1,500名の労働者を雇いましたが、そのほとんどは、契約が5ヶ月から1年間延長の条件の下での採用でした。約20名の労働者が、契約終了(会社側理由)により解雇されるまでの最初のうちは、雇用関係は順調でした。

 しかし20名が解雇を通告されました。私たちのオフィス(マカバヤン―バタアン)の助けのもとに、労働者たちは国家労働関係委員会(NLRC:National Labor and Relation Committee)オフィスに、会社に対する訴訟を提起しました。そして現在まで、訴訟は控訴されたままです。

 控訴した後、デスクトップ社は契約労働者たちの解雇をやめ、従業員の50%に対し、労働者たちが会社に対し新たに訴訟を起こそうとしない限り、正規雇用労働者に採用すると言明しました。

 その一方で、2014年1月、デスクトップ社によれば、バイヤーであるDELL社とのトラブルにより、事業縮小しなければならないと言ってきました。新たに会社が契約労働者を雇っていることに正規労働者たちは気づいているにもかかわらず、会社側は正規労働者たちに事業縮小計画(それは正規労働者の解雇が主な内容)にサインするよう強要してきたのです。私たちが組織した労働者グループが、密かに労働雇用省(以下:DOLE)事務所を訪ね、デスクトップ社の縮小計画が本当なのかをDOLEが強制的に調査できるように、そして労働法に禁止されている労働者の「後入れ先出し」でないことを説明させるように、求めました。

 その週のうちに労働雇用省は会社を訪問しました。直後に同社は、彼らの事業縮小計画を停止し、労働者たちによって署名されたすべての書類や文書を無効と宣言しました。会社の事業縮小計画とは、正規労働者のすべてを削減し、代理店のマンパワーの下で契約労働者を再配置するものでした。会社側は、労働組合を組織するグループが背後にいて、計画を停止する引き金を引かせたことにすでに気づいています。なぜならば、会社は、EMC(従業員/経営者委員会:労働組合ではない親睦団体)を立ち上げたからです。EMCを労働者の不満のための最初の選択肢とし、労働組合をわきに追いやることを狙っています。

 デスクトップ社は労働組合を破壊する会社です、タルラック市で同社のグループ会社が何をしたか、私たちはよく知っています。会社側はEMC総会で組合結成に対する悪口、虚偽の宣伝を一杯しましたし、会社の経営状態は苦しいので労働組合の結成すると潰れると言いました。そのため多くの労働者は組合結成への賛同署名をすることを恐れています。

 しかし、会社内に労働組合結成の小さなグループがいますし、少しもへこたれていません。今もなお、組合結成を追求しています。

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最近の反核バタアン運動、バタアン自由貿易区の労働組合 [フィリピン労働運動]

 フィリピン バタアン労働組合連合(AMBA-BALA)のエミリーからレポートが来ていました。
 少し遅れましたが、3月に届いたレポートを掲載します。

140311 フィリピン バタアン州バランガでのミサ - コピー (320x219) (2).jpg
<3月11日、フィリピンバタアン州バランガ市で行われた3・11 3周年追悼ミサ>

 親愛なる仲間のみなさん
 最近の新たな出来事のうち、二つ報告します。

 1)反核バタアン運動(NFBM)の反原子力に関するキャンペーン

 2014年3月11日、私たちはここフィリピン・バタアン州で日本の福島第一原発事故の3周年を記念し集会を行い、以下のことを確認しました。
 「私たちの子供たちのために非核未来をつくります」これは全国KPDの協働行動の統一テーマですし、ここバタアン州のKPDバタアンと反核バタアン運動の掲げたスローガンです。
 反核バタアン運動の委員長モンシニョール・アントニオ・デュマウルは、同僚の司祭牧師神父ジェリー・ホルヘの助けを借りて、連帯ミサを主導しました。連帯ミサはバタアン州バランガ市聖職者地区セント・ジョセフ教区で開催されました。これは、30以上のバタアン州のさまざまな地域からの指導たちだけでなく、活動的な州議会のNFBMメンバーが出席しました。連帯ミサの後、私たちは、多くの福島被災者や今後さらに増えるであろう被害者のために、その権利と正義が継続して果たされるよう、ジョセフ教区教会前でキャンドルを灯し祈りました。
 リーダーやメンバーへの私たちの呼びかけ(一部)は以下のとおりです。

 「2014年3月11日は、確かに3年経ったにもかかわらず、日本の地震と津波が福島の原子炉を破壊してしまったまま事故は終息していませんし、多くの日本の人たちは震災の影響で未だ動揺していることを、私たちは知っています。現在、34万人を超える人々が放射能難民となり、自分の家とそれまでの生活を放棄することを余儀なくされています。さらに悪いことに、原子力発電所の放射能はいまだに汚染水として太平洋に漏れ出ています。今回の災害は、ただただ原子炉は根本的に危険であることを、私たちに示しました。
 私たちは祈りをささげ、キャンドルを灯したように、自分たちの生活や地域社会を再構築するために前進してきた日本の私たちの仲間、兄弟姉妹に希望と連帯の挨拶を送ります。そのため、私たちは安全と核災害のない世界を再構築するためともに分かち合いましょう。」 "

140311 反核バタアン運動のミサ 02 - コピー (320x240).jpg
<ミサの様子>

 2)バタアン地区で新たな労働組合

 私たちは新しい労働組合の組織を始めています。上部団体を持たない独立系の労働組合として組織しています。組合代表選挙(Certification Election)の投票で勝利したのち、労働協約を締結することになっています。
 組合代表選挙の投票結果は、146名の登録された労働者のうち、労働組合に賛成99票、反対36票、棄権10票、無効1票でした。過半数の賛成を得たので、労働組合は労働雇用省と会社に承認されました。

 この労働組合名は、マリベレス発電所従業員組合(MPSEU)です。彼らは、GN電力マリベレス石炭発電所のなかで働いています。私たちが発電や操業自体に反対している石炭火力発電所です。しかし、労働力である彼らの働く力が、私たちAMBA/ BALAとともにその生活と権利を確保していくのはよいことです。

 今日、私たちは基本的なEDのセミナーで労働者たちを意見をまとめ、来月に締結が予定されている労働協約の準備をしています。

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電気代は上がった! バタアン石炭発電所の拡張に反対する! [フィリピン労働運動]

マリベレス石炭火力反対運動 声明

電気代は上がった! 
バタアン石炭発電所の拡張に反対する!

 2014年1月24日、マリベレス、バタアン州、フィリピン

1)発電所の拡張に反対する!

 「GNパワー社は、約束した低電気料金で提供していません、私たちが事業拡大を受け入れるなら、公共の利益は損なわれ、環境には大損害を与えることになるでしょう」
 これは反石炭火力反対グループである「マリベレス石炭火力反対運動(Coal Free Mariveles Movement:以下CFMM)」のリーダーたちの思いです。GN パワー社が主催した本日1月24日の公聴会によれば、石炭発電所は1200メガワットに拡張され、2016年までの稼働が計画されています。
 CFMMは、世帯料金は4.3kWhあたり、10月3.21ペソから12月には7.51ペソに値上がりしたと付け加えました。
 CFMMが、「環境影響評価」の写しを公開するように要求しているにもかかわらず、 GNパワー社をモニタすることになっている「多数の党からなるモニタリング委員会(MMC)」からは、どのような報告も情報も、入手するに至っていません。
 発電所拡張計画はサンミゲル社(ビール会社)所有の600万kW石炭発電所、 およびペトロン社(石油精製会社)所有の140万kW石炭発電所であり、ともにバタアン州ラマオ(Lamao)とリマイ(Limay)に予定されていますが、どちらも住民からの強い反対にもかかわらず、すでに建設中です。
 「マリベレス石炭火力反対運動(CFMM)」は、「公正な環境のためのバタアン運動 (BE Just Movement)」とともに、マリベレスの地方自治体に、バタアン地域のGNパワー社においては、エネルギー源を石炭から変更するように、また発電所の拡張計画を止めるように、申し入れました。

 「目先の利益ではなく、長期的な安全性を考えよう。これらの企業は、地域に税金を支払うだろうが、それは私たちバタアン住民に蓄積する健康上のリスクと環境災害に見合うものではない」と 牧師ダイアナ・モラレスは指摘しました。

 「現時点で発生している気候危機の広がりを考慮すると、バタアン州内の石炭火力発電所の継続的稼働と発電所拡張は、地域社会に対する直接的な脅威です。特に地元であるリマイ町やマリベレス町では、住民の健康や生活、地域経済に影響を与えます」と、牧師ダイアナ・モラレスは語りました。

2)地域における石炭発電

 住民グループは、現在のフィリピン政府が承認したエネルギー源として使用している石炭発電所はすでに17ヵ所あり、15ヵ所はすでに承認され、20ヵ所が申請中であること、石炭鉱山73ヵ所のうち、60ヵ所の鉱山の採掘許可証があることも同時に明らかにしました。

 石炭は、フィリピンだけでなく、世界全体で最も大きなエネルギー源の一つであり、過去10年間で世界的に最も急拡大しているエネルギー源となっています。これは、「石炭が安価なエネルギー供給源である」という正当化によって、多国籍企業、国際金融機関、投資家、そしてフィリピン政府が積極的に推進しているからです。石炭発電の推進者たちは、反対があるのを知っていて、このように "クリーンコール"の新しいイメージを宣伝し植えつけているのです。

3)石炭神話を暴く

 「石炭火力反対マリベレス運動(CFMM)」と「公正な環境のためのバタアン運動 (BE Just Movement)」は、下記の議論を通じて、石炭神話を暴く必要があると考えるに至りました。

 石炭は決して安くない。人と環境への恐るべきコストが付属している。
 ― 国際エネルギー機関(IEA)によると、2011年の地球温暖化と気候変動における化石燃料燃焼から排出するグローバル二酸化炭素排出量総計31.6ギガトンのうちの石炭燃焼による排出量は14.2ギガトンであり、45%を占めます。
 石炭採掘と燃焼プロセスは、気候変動の影響によって地域社会の力量を弱め、人々の健康や環境に深刻な影響を与えます。また石炭鉱山開発は、森林、山々や流域を破壊します。

 クリーン石炭など存在しない、あるのは石炭による殺人
 ― クリーン石炭技術は、通常の石炭プラントに比べて4倍以上の石炭灰を放出します。EIAによると、石炭灰の暴露による発癌リスクは喫煙と比較し、900倍にも上ります。

 すべての人ためのエネルギーはではない
 ―フィリピンエネルギー計画(PDP)は、人々の必要というよりも、世界市場の要求に応える開発戦略への電力供給を志向しています。それまでの間、私たちのような大多数は、現在の電気料金をやっと支払える程度であるか、あるいはそれどころか電気が接続されていない状態なのです。
 フィリピン政府は、再生可能エネルギーへの転換や気候危機に対処するための世界的な努力に貢献するという約束を裏切りました。フィリピン政府による「石炭推進」は、少なくともフィリピンの今後20年を、国中の汚染と有害エネルギーに、縛り付けることになるでしょう。

4)私たちの要求

 「私たち、バタアン住民は、石炭発電のような汚染された有害なすべてのエネルギー源の稼働と拡張を止めるように、フィリピン政府と地方自治体に要求しています。私たちは、政府が直ちにすべての新しい石炭発電所を保留にすること、市民社会、科学界や影響を受けるコミュニティ住民などの多分野の利害関係者とともに、エネルギーオプションの包括的見直しを呼びかけています」とエリックは語りました。

連絡先:
スポークスパースン: 牧師ダイアナ・モラレス
携帯電話:09172468095


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 ピケットラインからの通信 [フィリピン労働運動]

 ジョヴェルはまだ眠っている

 ピケットラインからの通信
   ダニエル・ルディン、記す
 2013年5月4日

 マニラ、フィリピン――
 ジョヴェル・リコは、電子?通信工学の学位を取得している。14年間デジテル社の忠実な従業員だった。ジョヴェルには8歳、6歳、および10ヶ月の3人の子供がいる。今まだ彼は歩道に眠っている。
 ジョヴェルはデジテル社がPLDT社に合併したとき、会社から不法に追い出されたと言う。彼の労働組合、デジテル労働組合は、復職のためにPLDTと闘っている。
 ジョヴェルはマカティのPLDTの本社前でピケットに参加するため、3週間前に家族を残し、マニラに出てきた。
 彼にとって3週間も家族から離れて暮らすのは初めてである。

130413 DEU委員長.jpg

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正義はいまだ実現していない! [フィリピン労働運動]

 少し時間が経っていますが、4月19日付のデジテル労働組合のプレス・リリースを転載します。
○PLDT本社前での抗議集会 DEU MAKABAYAN.jpg
<PLDT本社前での抗議集会>
------------
 プレス・リリース
 2013年4月19日 

 憂慮する市民の目で

 PLDT本社前のピケットから

 私たちすべてにとって悲しい日、それは私の心を窮地に陥れる、なぜか?
 ここにほんの少数だが立派な男たちがいる。専門家、エンジニアや技術者だ。硬い舗装された歩道で寝ている。やっと食事をし、家庭の安らかさから遠いところで、家族と離れて。それは労働争議を闘っているからだ。
 経営陣による労働者への不当働行為、何度も何度も引き起きている。

 この種の問題には決して終わりはない、そんなふうに思える。企業収益に対する貪欲さがある限り。企業経営者はめったに、あるいは絶対に、労働者の福祉の世話をしない。あいつらは絶対に公正には支払わない! ただ利益、利益、利益だ。

 あんたらの雇う労働者はロボットじゃあない。労働者は生活することも、家族を養い生き残ることもできないじゃあないか。あんたらは、俺たちの苦境を考えたことはないのか!もしやりようがあるというなら、それは何だ!どうすればいい! あんた方に人の心はあるのかい。モラルは? そいつは金の楽しみで壊れるものなのかい。

 なぜ、安息を共有できないのか、同じ屋根で働いているじゃあないか! 同じ目標にむかって働いているじゃあないか!それで会社は成長したじゃあないか。短いあいだだったが、ファミリーだったじゃあないか。しかし、あんた方の貪欲さのせいで、成長のすべての果実はあんたら資本家が享受し、不幸な兄弟たちを取り残したんだ。そうだ、ここに問題の本質がある! 兄弟たちが文句を言うのは普通じゃあないし、あんた方が労働者の安息を否定するのも普通じゃあない。労働者たちが今日のように行動とるのは、あんた方がそうさせているからだ。実に簡単なことだ!

 デジテル労働組合(DEU)は2013年4月10日、平和的な抗議行動を開始し、マカティ通り、アラヤのラモン・コファンコビル、PLDTマカティ本社前に座り込み行動を続けている、PLDT社は俺たち悩める社員が属すデジタル社の所有者だ。今ここに数日間座り込んでいる。
 こんなことはかつてTVニューズ放送で見ただけだ、でも今は自身の身の上に起きている。この不幸な出来事が自分の身の上に起こるまで、街頭に出てそんなにも犠牲になる人たちを見て、なぜだろうかと不思議に思うのだ。不正の犠牲者に自分自身がなってしまった時、不確実なぼんやりとした壁にぶち当たる。

 デジテル労働者たちは、闘いの本質を知っている、彼らの決意、団結と共通の目標は、心の中に燃えている。つまり、闘わなくては得るものなどない。何のために闘う価値があるか、何が権利であるか知っており、したがって彼らはいつにても立つことを得る準備があるのだ。

 控訴裁判の判決、及び最高裁判所の最終決定(GR-184903から04)は、2013年1月21日にデジテル労働組合側に有利な内容で出た。2013年3月20日には、労働雇用省ロサリンダ・D・バルドス長官による「判決強制執行命令」が出た。デジテル労働組合を認め、団体交渉を開始すること、「余剰人員」とされた労働者を復職させること、最高裁判所と労働雇用省の命令を完全に満足するようすべての条件を実行すること。これが判決であり、命令だ。

 俺たちは、すべての法廷闘争に勝利してきた。そして執行されるばかりになっていた、しかし実行されていない。法律が、法秩序が、裁判判決が、守られない! 何ということか!正義はいまだ実現していない!

 連絡先:Allan Licardo – Union President – 09225375689
Fritz Alzuelo – Union Vice President – 09228958758
Picket Direct Landline – 345 5991
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DEU緊急アピール [フィリピン労働運動]


○PLDT本社前の抗議集会でこぶしを上げるDEU組合員.jpg
<PLDT本社前の抗議行動で>

 デジテル社争議
 マニラ、マカティ市のPLDT社メインオフィス前で、デジテル労働組合(以下:DEU)は4月10日から、抗議行動を開始ししました。
 4月16日からは、デジテル労働組合員がハンガー・ストライキに入りました。
 デジテル社はPLDT社への吸収合併され、その際に人員整理が行われましたが、明確な不当労働行為でした。そればかりでなく、DEUが裁判に訴え比最高裁が不当労働行為と認める判決を出しました。さらに労働雇用省は強制執行命令を出しました。にもかかわらず、PLDT社はこれに応じていません。フィリピンの法秩序を公然と無視し侮辱しています。
 DEUには、PLDT 本社前での抗議行動、ハンガーストライキが最後の手段であり、世論に訴えるしか、手段が残されていません。
 文末にあるように、アキノ大統領に対する要請書を送るように要請してきています、またそのほかのあらゆる支援も要請しています。
 以下は、三多摩カサナグの会宛てに、デジテル労働組合員であるプレシーさんから直接送られてきたメールです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 DEU緊急アピール、4月19日

 三多摩カサナグの児玉さん、および会の仲間の皆さん

 私は、マカバヤン(MAKABAYAN:フィリピンの労働組合連合の一つ)メンバーのプレシー(Precy)です。デジテル社争議に関する緊急アピールです。

 デジテル社はフィリピンで第3位の通信会社であり、私たちのデジテル社労働組合(以下:DEU)は、すでに結成19年です。労働組合は最高裁までのあらゆる段階での、12のすべての裁判で勝利しました。労働組合の主張は最高裁に至るまで、すべて認めたのです。しかし、最終的にデジテル社は、フィリピンで最大の携帯電話会社であるPLDT社との株式交換(スワップ)によって売り払われ、PLDT社所有になりました。デジテル社の前オーナー、JGサミットのジョン・ゴ・コンウエイは所有していたデジテル社全株とPLDT社株の12%を株式交換した結果、PLDT社はデジテル社株式の99.52%を所有するに至ったのです。
 ここフィリピンでは、販売または合併の場合には存続会社は他の会社の従業員の雇用を引き受ける責任を負うという法律があります。
 デジテル労働者の闘争は下記の通りです。労働者たちは働いているそれぞれの地方オフィスからはじまったほぼ一カ月に及ぼうとする抗議行動を行っています。

 4月10日にはマカティ通り沿いPLDT社前で抗議の座り込みを始めました、4月16日には2人の組合役員がハンガーストライキを開始し、これに続き他の2人が毎週ごとにハンストに入っています。彼らの闘争は、正規労働者であったのに契約労働者とされてしまうことに反対する闘いです。この契約労働者化についての司法屋政府判断において、フィリピンでは極めてまれなことなのですが、「労働者の要求が正しい、会社は契約労働者化をやめ正規労働者として雇わなければならない」という最高裁判決と労働雇用省長官の執行命令を勝ち取りました。

 4月18日にPLDT社は、PLDT社前のハンガーストライキ・抗議行動を不法占拠であるとし、会社財産の損害に対する賠償を求め、法廷にデジテル労働者を訴えました。何と翌日の4月19日には、すぐさまその公聴会が予定されていました。会社は金で買収しているでしょうから、公聴会の後、抗議行動を行っている労働者に対する裁判所による差止命令が出るだろうこと、そして労働者が抗議するなら「侮辱罪」で逮捕され獄につながれること…などの事態を予想しています。

 私たちは、下記の即時の行動を求めたアキノ大統領と労働雇用省(DOLE)長官へのアピールの手紙を送る方法で支援を要請します。

 1)労働雇用省長官は、デジテル社/ PLDT社労働者を大量解雇し下請会社からの契約労働者に置き換えた件に対し、デジテル労働組合の権利を擁護する保留中の訴えを即時実行するため、行動し決定すること
 2)デジテル社、PLDT社は比最高裁命令を無視し、速やかに執行されるべき比労働雇用省長官の強制執行令状を無視している。比最高裁及び比労働雇用省は、デジテル社、PLDT社によって侮辱されている

 私たちは、抗議行動センターでの毎日の行動を継続できるように、財政的な援助を含むすべての支援を訴えます。 
 DEU概要の説明は、添付資料を参照ください。
 DEU支援要請の手紙と、当局への抗議書の見本も添付しました。
 ここにDEUブログ、およびいくつかの最新のニュース項目へのリンクも示します。

 DEUの闘争を支持してください。
 私たちはDEUの闘いを、契約労働者化に反対する闘いであるととらえています。
 
 詳細はDEUのブログを参照ください。 DUE blog/website at http://digitelemployeesunion.wordpress.com/

参考:新聞記事
http://businessmirror.com.ph/index.php/news/opinion/12165-digitel-union-fights-for-its-right
http://business.inquirer.net/117183/digitel-workers-protest-pldt-retirement-plan (2 items same news writter)
http://business.inquirer.net/117183/digitel-workers-protest-pldt-retirement-plan
http://www.tribuneonline.org/index.php/business/item/13014-digitel-workers-seek-integration-with-pldt


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