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設置されたばかりの少女像が、2日後に撤去?! [フィリピン元「慰安婦」]

設置されたばかりの少女像が、2日後に撤去?!

フィリピンラグナ州サンペドロ市の私有地に設置

1)サンペドロ市に「平和の碑 少女像」が設置された経緯

 2017年9月、サンペドロ市長が韓国・忠清北道提川市を訪問した際に、サンペドロ市側が「平和の碑 少女像」(以下:「少女像」)の設置を提案して推進された。 

 18年12月28日、フィリピン・ラグナ州のサンペドロ市で、旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の除幕式が行われた。設置されたのはサンペドロ市の介護施設内の私有地であり、除幕式もここで行われた。

 除幕式には提川市の前市長、李根圭(イ・グンキュ)氏のほか、「平和の少女像」を製作したキム・ソギョンさん、キム・ウンソンさん夫妻など韓国側の代表団8人が出席した。またサンペドロ市長をはじめ地域の関係者など100人余りも出席した。

 サンペドロ市長は「女性の人権と平和に対する希望が、サンペドロ市で光や塩のように大切な価値になるだろう」と話した。 

2) 30日に、サンペドロ市が「少女像」を突然撤去

 28日に設置された「少女像」が、わずか2日後の30日に突然撤去された。撤去したのはサンペドロ市。しかし、像が設置されていたのは、高齢者女性のための私営介護施設であり、私有地内だったという。

 在比日本大使館は、設置を受けて30日に、「わが国政府の立場と相容れず極めて残念」とし、大統領府と外務省に申し入れを行っていた。私有地内に設置した「少女像」であるにもかかわらず、日本政府はフィリピン政府に撤去を申し入れているのである。
 実に尊大な振る舞いではないか。あるいは越権行為ではないか。

 撤去の背景には、日本政府の圧力があったことは明らかなようだ。サンペドロ市関係者は1日午後、「市のエンジニアリング部門が撤去した」、「撤去理由は、後日説明する」とした。
 日本政府の申し入れに、フィリピン政府内のある部門が反応し、サンペドロ市へ指示し、市が撤去に動いたということのようだ。詳しい経緯はいまだ不明。

 パネロ大統領報道官は「少女像」について31日夜、撤去については触れずに「私有地に民間の費用により建てられた像に関しては、憲法で表現の自由が保証されている限り、政府は制止したりすることはできない。碑文でも平和と女性のエンパワメントのための像とあり、マニラ湾岸に建てられた慰安婦像とは別だ」との声明を発表している。

 フィリピン政府内の一部門、サンペドロ市が過剰に反応した可能性もある。どこの政府内や役所にも、上ばかり見て「忖度」する役人はいるらしい。
 
 フィリピン元「慰安婦」と支援者の団体「リラ・ピリピーナ」は、1日の声明で「なぜ元慰安婦の苦しみを表現する像の設置が許されないのか」と、サンペドロ市の像撤去をめぐり比日両政府に抗議の意を伝えている。

 (上記は、12月31日の「まにら新聞」記事、「テレ朝news」から一部引用した。)

12月28日設置の少女像、40日撤去 サンペドロ市.png
<設置された「平和の碑 少女像」と撤去後>

*****

「リラ・ピリピーナ」(1月1日)の声明を以下に紹介する。

*****************
リラ・ピリピーナ声明 (2019年1月1日)

リラ‣ピリピーナから日本へ:

ラグナ州サンペドロ市の「慰安婦」像を返せ!

 フィリピン元「慰安婦」被害者団体であるリラ・ピリピーナは、ラグナ州のサン‣ペドロ市(San Pedro)で公開された1mの少女像が日本政府からの抗議によって最終的には撤去されたことに、抗議の意を表明する。

 「フィリピン各地のさまざまな場所に、何千人ものフィリピン人を殺害した神風特攻隊員に敬意を表すし、大きくかつ高価な日本兵の記念碑がいくつも設置されているにもかかわらず、苦しんでいる「慰安婦」被害者のための簡単な追悼施設さえなく、像が日本による経済開発援助の交渉材料として扱われている」と、リラ‣ピリピーナ事務局長、シャロン‣カブサオ‣シルヴァ(Sharon Cabusao-Silva)は述べた。リラ‣ピリピーナは、日本軍がかつてアジア全体で推定40万人の女性を性奴隷として扱った「慰安婦」被害に対し、日本政府に被害事実の認定、公式謝罪、賠償を求めて闘っているフィリピン元「慰安婦」被害者組織である。

 昨年(18年)4月にマニラ、ロハス通り沿い公園に設置された「慰安婦像」が強制的に撤去されたが、リラ‣ピリピーナは、撤去された7mの高さの銅像の修復キャンペーンも行っている。カブサオ‣シルヴァは、「マニラ市民と元マニラ市職員によって立てられた像は、平和を望むとともに女性のエンパワーメントのために捧げられたものであり、日本帝国の占領から途方もなく苦しんだアジア諸国の平和運動やアジア諸国から支援されるに値する」と語った。

 日本政府が海外での米軍との最初の合同軍事演習にフィリピンを選んだことは、フィリピン人がかつて被った戦争被害の傷の上に、塩を塗るようなものだ。第二次世界大戦中、新興帝国勢力であった日本はフィリピンを占領し、フィリピン人を残酷な運命にさらした。「慰安婦」像や「平和の碑 少女像」の撤去は、現在の私たちにかつての日本帝国主義による戦争犯罪を完全に忘れるよう求めているに他ならない。そればかりでなく、自衛隊がアジア太平洋地域における米国拡張主義のジュニアパートナーとしての軍事的地位を再確立することに対し、私たちに沈黙することも要求しているのだ。

*****

 この件に対し、韓国の「慰安婦」被害者支援団体である「正義記憶連盟」も1月3日、抗議声明を公表している。下記に、引用する。

「正義記憶連盟」声明

日本政府は歴史抹殺行為を直ちに中断し、
日本軍性奴隷被害者たちに公式謝罪と賠償を含む法的責任を履行せよ!

 報道によれば12月28日、フィリピン北部にあるサンペドロ市に建立された「平和の碑 少女像」が、駐フィリピン日本大使館の強い抗議声明が発表された12月30日に撤去されたことが確認された。

 サンペドロ市の「平和の碑 少女像」は2017年9月、忠清北道・堤川市を訪問したサンペドロ市長の提案で、前堤川市長ら堤川市民たちの参加で推進された。しかしサンペドロ「平和の碑 少女像」除幕式の二日後の12月30日、駐フィリピン日本大使館は抗議声明を公表し、「ほかの国家に慰安婦彫刻象を建てるのは極めて遺憾」であり、「(これは)日本政府の立場にも反する」という立場をフィリピン政府へ伝達した。

 フィリピン大統領府広報官は、「「平和の碑 少女像」は民間が私有地に建てたもので、憲法に保障された表現の自由として、政府が妥当な理由なくして制限や抑制はできない」という立場を明らかにしていた。

 しかし結局12月30日、「平和の碑 少女像」は撤去された。

 1年前にも同じようなことがあった。フィリピンにおける日本軍性奴隷被害者支援団体の力で、2017年12月にマニラ市に建設された日本軍「慰安婦」被害者追慕の銅像は、日本政府による財政支援を餌にした撤去要求にフィリピン政府は屈し、4カ月後の真夜中に排水施設手改善工事を口実として、マニラ市によって奇襲的に撤去されている。

 日本政府は第2次世界大戦終戦後75年近く、日本軍性奴隷制という戦争犯罪の加害事実をずっと否定し続けており、妥当な反省と被害者たちに対する謝罪をするどころか、開発援助、財政支援を手段にして被害国政府を圧迫し、加害の歴史を隠し、かつ捻じ曲げてきた。被害国政府も経済的利益と国益を名分に、被害者たちの人権回復処置の履行義務に顔を背けてきた。

 日本政府は、「平和の碑 少女像」などの日本軍性奴隷被害者たちを追慕する銅像が、何故建立されているのか、正しく知るべきである。それはまさに、日本軍性奴隷制被害者たちの生涯を記憶し、再び日本軍性奴隷のような女性人権を残酷に踏みにじる戦争犯罪を二度と繰り返さないために、この痛ましい歴史を全世界の市民たちの心に刻もうとするものである。

 このような追慕銅像の建立は、日本軍性奴隷被害者たちだけでなく、国連人権機構をはじめとする国際社会が、加害国である日本政府の戦争犯罪に対する責任履行のために持続的に日本政府へ要求しつづけてきた。そのことは日本政府も良く知っている筈だ。

 掌で空を覆うことはできない。日本政府の歴史抹殺と隠ぺいの試みにもかかわらず、日本が戦争犯罪加害国という事実は変わらない。むしろ日本政府が「平和の碑 少女像」を撤去して、歴史事実を否定すればするほど、破廉恥な戦争犯罪国の本質を満天下に立証する格好になる。

 一、日本政府は「平和の碑 少女像」をはじめとする日本軍性奴隷被害者追慕銅像の撤去要請などを通じた、日帝の歴史歪曲・否定行為を即刻中断せよ!

 一、日本政府は、日本軍性奴隷制被害者の名誉と人権回復のための法的義務を履行せよ!
 日本軍性奴隷制犯罪の真相を究明し、被害者に対する公式謝罪と法的賠償を含む法的責任を履行し、追慕、記念事業を通じて再発防止に乗り出せ!

 一、また被害国政府は国益と経済的利益を理由にして、74年間苦痛の人生を繋いでいる日本軍性奴隷被害者たちの、名誉と人権回復を犠牲にする行為を中断し、彼らの名誉と人権回復のために積極的に乗り出せ!

2019년 1월 3일
日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯


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810

ざまあw
by 810 (2019-01-18 08:18) 

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