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中国・毒ガス遺棄裁判 [現代日本の世相]

中国・毒ガス遺棄裁判判決

1)毒ガス遺棄裁判判決
 7月18日、毒ガス遺棄裁判判決が東京高裁(第五民事部・小林克己裁判長)でありました。判決は、一審判決を覆し、原告の請求を棄却しました。旧日本軍の遺棄した毒ガス兵器によって、戦後何年も経って被害を受けた中国の人たちの請求を棄却する不当な判決を下しました。
 夕方、文京区区民センターで報告集会もありました。

2)判決時の様子
 裁判官は主文の三行を読み上げてソソクサと法廷を立ち去りました。30秒もかからなかったと思います。自分は関与したくないという態度、サラリーマン化した裁判官。しかも言い訳がましいことに、「現行の法体系では救えない、国の責任は明確であり、新たな立法措置による解決を求める」という付言をつけています。そんなことを付言するくらいなら、裁判所が救うベしと判決を書けばいいではないか、そうすることが新たな立法措置による救済への道を開くというものでしょう。自分はかかわりたくないという態度がアリアリです。
原告である李臣さんは、その場で抗議の声をあげました。

3)棄却の理由
 判決では、毒ガス兵器は旧日本軍のものだと認めながら、「調査回収などの具体的行為をしておれば、被害が起きなかったという高度の蓋然性がない」からとして、国の不法行為の成立を否定しています。これも「法理」というのでしょうか。何という屁理屈をこねるのか、本当にあきれてしまいます。
 であれば、「できるだけ多くの場所に発見されないように遺棄・隠匿してしまえば、それから関係書類も燃してしまえば、そして年月がたてば、さらに棄てた場所を知っていても知らせないようにしておれば」、事故が発生しても「蓋然性がない」としてしまうことができてしまう論理の判決なのです。常識はずれというか、強盗の論理じゃなかろうか。

4)「遺棄毒ガス兵器は、ソ連軍あるいは国民党軍のものである」
 判決では、「大量の遺棄毒ガス兵器はいずれも日本軍のものであり、旧日本軍が河川や地中に投棄・埋設し、隠匿した上遺棄した」と証拠をあげて明確に認定してはいます。
どうしてかというと、国が本件の毒ガス兵器が「ソ連軍あるいは国民党軍のものである」と主張したからです。判決にもあきれましたが、それ以上に国がそんなことを主張していたと知り、更にもう一度あきれてしまいました。そんな政府を私たちは戴いているのでしょうか。
 判決は、この国の主張に限っては排斥しました。すなわち、旧日本軍の遺棄したものと認定しています。

5)付言
 判決には3ページに及ぶ下記の付言がついていると聞きました。
「毒ガス兵器の被害者や遺族は現在に至るまで全くなんらの補償も行われていないこと、被害者を補償しないことは正義にかなったものとはいえない」とし、「全体的公平的な被害救済措置の策定を望む」と付言しているといいます。
 司法としては、被害者を救済する判決は書けないが、被害の事実と日本政府の責任は明確なので、立法的解決を望む、ということでしょうか。
 であれば、裁判所はなんの役に立つのでしょうか、と思ってしまいます。


(原告の一人、李臣さん)

6)原告
 報告集会で、原告である李臣さん、孫文斗さんの話を聞きました。一審の勝利判決を覆されただけに、今回の判決と日本の裁判所、そして日本政府にとても失望していました。
 ただ、すぐ控訴すること、継続して正義の実現まで戦うとはっきりと述べました。李臣さんは「日本の裁判所、政府が応じないなら、国際裁判所へ訴えたりして追及し続ける」と話しました。大変立派だと思いました。

7)追記
 映画『苦い大地の涙から』(海南友子監督)で詳しく描かれていますので、見る機会があればぜひ御覧なればと思います。


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三多摩ピースサイクルに参加 [現代日本の世相]

三多摩ピースサイクルに参加

 
(自衛隊・入間基地へ申入書を提出)

 7月6日、9日、10日、11日の4日間にわたり、三多摩ピースサイクルがあり参加した。今年は梅雨が長引いたため四日間とも曇りで気温は上がらなかったが、時折小雨にあった。
 三多摩ピースサイクルは、8月6日、9日の広島・長崎にむけた全国ピースサイクルの一環で、三多摩地域の各自治体に平和行政について事前に質問状を送り、自転車で訪れて回答を受け意見交換する、このスタイルで十数年毎年活動してきた。継続した活動の成果として各自治体も丁寧に対応してくれるところがいくつかある。各市長からは広島・長崎市長への平和メッセージをあずかった。

 9条をめぐり憲法改悪の動きに対し各自治体の見解を問うたところ、ほとんどの自治体は国・政府の問題として傍観的な見解を述べたが、武蔵野、狛江市両市は「憲法の平和条項を尊重する」と明確に回答した。
 「国民保護法」が制定され、それに基づき各自治体では「国民保護条例」を制定し、戦争やテロ時の対応のための協議会設立し避難計画を策定されている。そして協議会には必ず自衛隊のメンバーが入っている。実際には、戦争など起きたとき、国や都から自衛隊・警察を通じて指示が入り対応する体制、すなわち「国家総動員」的な体制の一部がすでに整備されていることが各自治体レベルでも明らかとなった。
 横田基地の騒音、夜間発信訓練、軍民共用化など横田基地周辺住民と自治体の置かれている状況は依然として問題であり、近辺の五市一町として、あるいは他の自治体と共に基地負担の軽減、基地の撤去を継続して訴えていく必要があるという、現状がより明確に浮かびあがった。
 今回のピースサイクルに参加し、各自治体、住民の抱える問題と対応の現状を詳しく知ったうえで、住民・市民の人たちと連携し平和行政を定着させていく日常的な活動が大切なのだなとあらためて思った。


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沖電気 田中哲朗さん 門前行動に参加 [現代日本の世相]

沖電気 田中哲朗さん 門前行動に参加

 3月29日、沖電気の不当解雇撤回を要求し門前行動を行っている田中哲朗さんを訪れた。田中哲朗さんは毎朝、出勤時に門前で訴えているが、毎月29日は午前10時から午後3時まで門前行動を行っている。いろんな人たちが訪れて来る。
 この日は、本当に暖かく五月中旬並みの気温だったそうで、強い日差しを避けてパラソルの下でいろんな話を聞いた。
 田中さんは自分に厳しい人だが、同時にいろんなストレスや疲れを感じることもあるんだと率直に語ってくれて、この人はほんとうにウソをつかない人なんだなあとあらためて思った。
 支援に行ったのに、逆に田中さんからコーヒーやアイスクリームをいただいて恐縮した。
 近くの寺にあるしだれ桜が有名だそうなので、帰りに花見までして帰った。(寺の名前は忘れてしまった。)


<3月29日、沖電気 正門前で> <しだれ桜>


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米軍のイラク増派反対!米大使館行動 [現代日本の世相]

米軍のイラク増派反対!
占領を直ちにやめ、米軍はイラクから撤退を!

<米大使館前での集会、左側に警察官>

 2月2日午後7時、米大使館前で、ワールドピースナウの呼びかけにより、米軍のイラクへの3.5万人もの増派に抗議する集会が行われた。
 参加者は夕闇のビジネス街・官庁街に、米軍のイラク増派反対!占領を直ちにやめ、米軍はイラクから撤退を!の声をとどろかせた。

 1月10日、ブッシュ大統領は2.1万人の米軍をイラクに増派する「新戦略」を発表し、すでに第一陣が送られた。実際には2.1万人ではなく、3.5万人に増員された。現在13万人ものイラク駐留米軍の縮小・撤退どころかさらなる増派は、歯止めのない殺戮と暴力を一層拡大し、米軍と米政府の犯罪を重ねるものである。
 イラクでは、一日で100人以上の人びとが殺されており、その数は増え続けている。このようなイラクの破壊、軍による暴力的な支配、大量の殺戮は、ウソで塗り固めた口実で始めた米国の戦争と占領がもたらした。
 戦争を始めた米政府は自らの誤りを率直に認めて謝罪し、直ちに戦争を終わらせ、軍隊を引き上げるべきだ。


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日野でフィリピンの人たちとクリスマス会 [現代日本の世相]

フィリピンの人たちとクリスマス会

<12月10日、日野でクリスマス会>

12月10日の午後、アミーさんが亡くなってちょうど一年のこの日、三多摩地域に在住のフィリピンの人たちを中心にクリスマス会を持つことになり、カサナグの会からも参加させてもらった。
手作りのフィリピン料理やデザートなどたくさん準備されて、いろんな知り合いの人たちが来てくれて、元気なことを確認しあったのだと思う。初めて見る人もたくさん。50人近くは入れ替わり参加した。
フィリピンの人たちのこういうパーティの楽しみ方はパワーに溢れていて、はじけたように歌や踊りをみんなで楽しむ。こういうとき日本人にはみな同じように臆して、芸もなく眺めているばかり。
クリスマス会と一緒にしたとはいえ、自分たちがにぎやかに楽しみながら故人を偲ぶこんなパーティは、フィリピンスタイルなのだろうけれども、明るくてすっきりしていてなかなか素敵だった。


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山本製作所は解雇を撤回せよ!、交渉に応じろ! [現代日本の世相]

山本製作所は解雇を撤回せよ!、交渉に応じろ!

<12月5日、山本製作所前での抗議行動、韓国山本製作所労働組合代表三名とともに> 韓国・馬山経済区に進出している山本製作所の子会社が一方的に閉鎖され、働く韓国労働者61名が解雇された。山本製作所は時計の文字盤などを製造する部品会社でシチズンなどへ製品を納入している。 韓国・山本製作所労働者と労働組合は、工場閉鎖と解雇に抗議し四度にわたり来日し、板橋本町にある山本製作所本社に交渉を求めている。しかし山本製作所は一切の交渉を拒否し続けている。 12月5日夕方、東京総行動の一環として韓国山本製作所労働組合代表3名と支援する200名以上の労働者とともに交渉要求したが、山本製作所はこの日も門を閉ざし一切の交渉を拒否した。 このような不当な態度を取り続けている山本製作所を許してはならない。


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丸木美術館を訪れる(2) [現代日本の世相]

丸木美術館を訪れる


<美術館西、都幾川沿い> 丸木美術館を訪れるに際し、『女絵かき誕生』丸木俊(朝日選書1977年8月20日発行)を読み直した。非常にいい文章であることに、あらためて感心した。 論理的ではない。簡単で具体的な言葉しかでてこない。その時々の自分の考えと感情を、適切にスケッチするかのように書かれている。 論理的には飛躍するところもあるが、それは感情の流れに従ったもので決して不自然ではなく、独特のリズムをつくっている。 本当のところを描き出そうとする画家の志向が、文章に表れている。 絵かきの文章とはこういうものなのだと思ったのだ。 中川一政の文章にも同じような特徴を感じたことがある。 以下の本をよみなおした。 ・『女絵かきの誕生』 丸木俊  朝日選書93 1977 ・『流々遍歴--丸木位里画文集』 丸木位里 岩波書店 1988 ・『池袋モンパルナス』 宇佐美承 集英社 1990


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沖電気・不当解雇 門前闘争25年、田中哲朗コンサート [現代日本の世相]

沖電気・不当解雇撤回
門前闘争25年、田中哲朗コンサート

10月27日、八王子クリエイトホールで田中哲朗さん25年コンサートが行われた。約100名が参加した。

沖電気による不当解雇に抗議し続けて25年、田中さんは現在もなお毎日門前で抗議行動を続けている。不当なことは不当とはっきり言い続け、行動し続けること、これは決して容易なことではない。

日本では民主主義は会社の門をくぐると消える。会社のために個人の人権は無視される。会社は社員に全人格的に従うことを求める。このような情況はなんら変わっていない。労働組合はだんだん力を奪われ、告発する勢力はより少なくなっている。

コンサートには、国労闘争団や日の丸・君が代不規律で処分された根津公子さんも参加し、闘争の現状を訴えた。民主主義を要求し闘う人たちが田中さんの周りに集まってくる。
身の回りで起きた人権侵害、自分自身に起きたことに、すぐ抗議の声をあげ行動しなければ、民主主義を確保し続けることはできない。

田中さんは問いかける。たとえばあなたは、憲法改悪反対の署名を近所で集められますか?あなたは職場の人に話しかけることができますか?と。こんなことが民主主義を確保し拡大する上で、本当に大切なことなのだ。そんなあたり前なことをわたしたちは思い知らされる。ああだからこそ、田中さんはわたしたちにとって大切な存在なのだ。

コンサートだから、もちろん田中さんは演奏し歌い、そして、歌の合間にこれまで起きたこと、考えたことをたくさん喋った。演奏は不当解雇への抗議、歌は人権無視への告発。田中さんの歌は、田中さんの生きてきた道筋と一体のものだということがよくわかる。

日本の民主主義の欠陥を、田中さんは告発し続けてきた。25年告発し続け、これからも告発していく。わたしたちも一人ひとりがこの先、田中さんのように振舞わなければならない、そう思うのだ。


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丸木美術館を訪れる [現代日本の世相]

丸木美術館を訪れる


美術館前にある丸木スマの像

10月14日、三鷹プロジェクトの呼びかけで25名が集まり、丸木美術館を訪れた。この8月、三鷹で丸木美術館支援のための「原爆の図」パネル展示が行われた。財政的に厳しくこのままでは運営が困難になるという訴えが丸木美術館からあり、パネル展示はこれに応えたもので、参加された方々から総額37万円の寄付を集め、美術館に渡すことができた。

ただ、パネルは本物の絵ではないので、やはり美術館に行きたいという声が参加された方からあがり、今回の企画になった。

秋晴れの一日であった。また美術館の周囲は自然が豊かで本当に良いところだ。ここの自然は、生家近くの太田川べりと似ており、丸木位里が好んだといわれる。

北朝鮮の核実験を口実として、中川昭一自民党政調会長、麻生太郎外相らが、日本の核武装化を示唆する発言を意図的に繰り返しており、非常に危険な道へと歩み出そうと企図している。決して「本音が漏れた」のではなく、意図的に発言し、明らかに国民の反応を測っている。

その議論は、日本支配層にとって損か得かという点に集中している。
反対の声も、「アメリカ政府の機嫌を損ねるから、今は時期が悪い」というものがほとんどであって、悲惨な被爆死、核戦争被害に反対する観点の主張が、きわめて少ないのは驚くべきことだ。

このようなときにこそ、丸木夫妻の「原爆の図」をはじめとする画業は、あらためてより多くの人びとに、若い世代に伝えられなければならない。

今後も丸木美術館支援は続けたい。


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丸木美術館を支えよう [現代日本の世相]

丸木美術館を支えよう
丸木美術館 玄関

丸木美術館から「原爆の図」パネルを借り出して、8月2日(水)から7日(月)まで、三鷹市市民協働センターで展示を行いました。丸木美術館をいつまでも維持、運営していただきたいということがその目的です。この展示を行うのに「三鷹プロジェクト」を立ち上げ、賛同人を募りました。新聞各紙の報道、NHKの放映もあり、多くの皆さんが賛同いただき、参加いただきました。
これを機会にぜひ丸木美術館を訪れていただきたいと思います。

期間中、丸木美術館への寄付もたくさんいただきました。8月6日(日)には、鎌仲ひとみ監督「ヒバクシャ」上映会と監督の講演には、78人が参加いただきました。丸木美術館支援ということで、鎌仲ひとみ監督は無料で講演と「ヒバクシャ」上映を引き受けてくださいました。
また、丸木美術館発行「原爆の図」などのいくつかの画集も販売しました。
これら寄付と売上げは、賛同いただいた方々の平和を求める声とともに、丸木美術館にお渡しします。

丸木美術館や丸木夫妻の仕事に対する、多くの方々の支援の気持ちを、あらためて感じましたし、丸木夫妻の「原爆の図」など絵を通じた平和を求める活動の偉大さを再認識することができました。

特に最近の日本政府が、イラク戦争への荷担や北朝鮮に対するヒステリックな対応のなかに、多くの人々が戦争への懸念、不安を感じており、熱心な参加、賛同があったと思います。
                        
                          ----------「三鷹プロジェクト 賛同人」---------


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三鷹で「原爆の図」パネル展を開催中 [現代日本の世相]

三鷹で「原爆の図」パネル展を開催中
-----------「Peace Memorial Day」 三鷹プロジェクト-----------------------

8月2日(水)から7日(月)まで、三鷹市市民協働センター(℡:0422-46-0048)二階展示スペース(三鷹駅南口から徒歩13分)で、丸木位里、俊さんの「原爆の図」パネル展を行っています。「原爆の図」パネルは丸木美術館から、借り出したものです。

丸木位里、俊夫妻は作品、「原爆の図」、「南京大虐殺の図」、「アウシュビッツの図」、「水俣の図」などを通じて、戦争をはじめとする人間の手で引き起こされた社会的犯罪を告発してきましたし、現在もなお告発し続けています。美術館は、作品の保存管理、画業の整理・研究、展示、普及などさまざまな活動を行ってきています。この丸木美術館を、永遠に維持し、発展させなければなりません。
「丸木美術館は、世界に誇る平和美術館として、平和を願う人々と結びつき、維持発展していかなければなりません。」(丸木美術館:丸木美術館友の会入会の訴えから)
この丸木美術館維持のため、「丸木美術館友の会入会」の呼びかけが行われています。

なお、丸木美術館友の会入会の連絡は、丸木美術館へ。
友の会一般会員 一口2000円、維持会員 一口5000円、特別会員 一口10000円
〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子1401
℡:0493-22-3266
http://www.aya.or./~marukimsn/

パネル展の会場で、下記のビデオ上映、講演などもあわせて行われます。
8月5日(土)には、ビデオ上映
 午後1時30分~3時    映画「にんげんをかえせ」(カラー・29分)
                 映画「予言」(カラーアニメ・85分)
 午後3時~6時       紙芝居「太平洋蛸捕り物語」
                 映画「風が吹くとき」(カラーアニメ・85分)
                 映画「あんにょん・サヨナラ」短縮版(ビデオ・30分)
8月6日(日)
 午後2時~3時30分    鎌仲ひとみ監督講演
 午後3時30分~5時30分 映画「ヒバクシャ--世界の終わりに」上映
 午後6時30分~       「平和のためのワークショップ」(ロラネットによる)

よろしく

 


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「二人とも生き埋め」、東大阪二人殺人事件 [現代日本の世相]

「二人とも生き埋め」、東大阪二人殺人事件

東大阪の大学生・藤本翔士(21)さん、無職・岩上哲也(21)さんの2名が集団で暴行を受けて行方不明になっていたが、6月27日、岡山県玉野市の産業廃棄物処理場で発見された。

東大阪大学の学生・佐藤勇樹容疑者(21)、アルバイト・徳満優多容疑者(21)ら9名が同じ大学の藤本翔士(21)さん、岩上哲也(21)さんら3名を呼び出して集団で暴行を加え、一人は解放したものの、上記二人は生き埋めにされ殺された。

事件の始まり、
6月15日、殺された東大阪の大学生・藤本さんが、徳満容疑者と取っ組み合いのけんかになった。「オレの彼女に手を出した」。藤本さんの交際していた女子学生と徳満容疑者がメールのやり取りをしていたのが理由だった。徳満容疑者はかつて同大短期大学部に通っており、藤本さんと顔見知り。このけんかが周囲を巻き込んでいく。

佐藤・徳光の両容疑者は6月17日、監禁、恐喝などの容疑で大阪府警に被害届を出していた。届出によると二人は16日、藤本さんら5人から暴行された上、車で5時間にわたって連れ回され、ガソリン代として5千円を取られた。更に「次の週までに慰謝料として50万円もってこい」と脅された。このとき岩上さんは山口組系暴力団の関係者を名乗ったという。

「慰謝料」を要求され徳満容疑者らが頼ったのは、佐藤容疑者の中学時代の同級生の無職・小林竜司容疑者容疑者(21)。小林容疑者は地元の友人を集めた。

調べでは、18日夜「慰謝料を払います」と言って藤本さん、岩上さんら三人を地元の岡山に呼び出し、9名で待ち構え、岡山市の路上や公園で暴行を加えた。ゴルフクラブや特殊警棒、金づちで頭や腹を殴り、更に近くの産業廃棄物処理場に移った。暴行は20時間以上続いた。
誰かがパワーショベルで穴を掘った。「埋めたる」と言いながら殴り、血を流して意識がもうろうとした藤本さんは穴に倒れ込んだ。その上に土がかけられたという。

藤本さんの遺体は複数の大きな石とともに見つかった。小林容疑者らが埋める際、石を投げつけたと見られる。近くの土中から岩上さんの遺体が両手を縛られた状態で発見された。

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事件の詳細はいまだ完全には明らかになっていない。しかし、事件の特徴のいくつかは、十分にわたしたちを驚かせるものだ。

第一に、無職の青年が多く目立つことだ。

第二に、徳満容疑者が女子学生とメールのやり取りをしていたそれだけのことが、「オレの彼女に手を出した」として最初の学生同士の争いになる。ここで女子学生はまるで男の持ち物であるかのように扱われている。女子学生だって自分の意思でメールのやり取りをしていたのか、そうでないのか?

第三に、争いが簡単に暴行、恐喝へと進んだことだ。程度を知らないでいきなりエスカレートしている。しかも、「慰謝料」としてその要求が表現される。金に換算されるのだ。

第四に、殺された岩本さんが暴力団関係者であるとほのめかし、暴行が簡単に殺人にまで進んだこと。「恐怖」がエスカレートしている。

人間関係のトラブルになったとき、力以外で解決することができない。力はエスカレートすることしか知らない。双方が力におびえ、虚勢を張って、暴行がエスカレートしたように見える。

双方ともよく似た者同士である。現代日本の若者の特徴的な特質が現れているように見える。この特質は現代日本社会の特質をそのまま反映している。


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「ニッポン」と「ニホン」 [現代日本の世相]

「ニッポン」と「ニホン」

サッカーのワールドカップでの報道では、NHKでも民放でもアナウンサーはすべて「ニッポン」と発音する。ゲストが「ニホン」と言ったとき、「ニッポン」とあとから言い直して言葉を重ねた。
アナウンサーの教育では「ニッポン」と発音するように指導されているのだろう。
果たして「ニッポン」と統一される必要があろうか?

わたしが中学生の時、「ニッポン」と「ニホン」の違いについて担任教師は次のように教えてくれた。

「大日本帝国憲法(だいにっぽんていこくけんぽう)」が「ニッポン」であり、「日本国憲法(にほんこくけんぽう)」が「ニホン」であると。そして、教師である彼が言うには、自分は「ニッポン」では戦争を想起し、「ニホン」で平和を想起すると。

発音の違いが、必ずしも戦争と平和の違いとは断定できないけれど、ただその教師の思いは、いまもありがたく受け取っている。


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「ばれないようにすりゃあよかった!」 [現代日本の世相]

「ばれないようにすりゃあよかった!」

青少年が受け取るべき教訓。

日銀・福井俊彦総裁、村上ファンドへ1千万円投資し、1473万円もの利益を得ていた。しかも、2006年2月になって村上ファンドに解約を申し入れている。村上ファンドへの捜査が及んでいることを知って、急ぎ解約したものと疑われても致し方ない。
これは、6月5日村上世彰被告が証券取引法違反容疑で逮捕されて始めて明らかになったことだ。しかし、あくまで日銀総裁としての「道義的責任」であって、法的には責任はないとされている。事実、村上ファンドに投資しているオリックス・宮内会長は何も追及されていない。

早稲田大学理工学部学術院・松本和子教授が、国の研究費(振興調整費)を投資信託で運用した。そればかりでなく、松本教授は自身が監査役を務めた企業との架空取引の疑惑もある。

村上ファンド・村上世彰被告が、6月26日、5億円の保釈金を払って保釈された。村上世彰被告の証券取引法違反は、ライブドアとの話し合いの際に日本テレビ株購入予定の情報を知ったうえで、ライブドアへの売買を想定し日本テレビ株を購入した点にある。それ以外の点は問題ない。これはライブドアの宮内らの供述から明らかになってしまった。彼の払った保釈金は「正当な」彼の収入から支払われたものだ。

ライブドアの堀江被告らの逮捕は、子会社の収支を赤字であるのに黒字と偽装した点にある。それ以外に違法なところはないとされる。彼らも「正当な」彼の収入から保釈金を支払って保釈された。ともに六本木ヒルズに現在も住んでいる。

いずれにせよ、彼らに共通するのは、たまたまこれら事実が明るみに出たことだ。明るみに出なければ追及されることはなかった。

彼らが事件から汲み取ったであろう教訓は、「ばれないようにすりゃあよかった!」である。
村上被告も堀江被告も、以前の地位は失ってしまった。楽天・三木谷社長やYUSEN・藤田社長、あるいはオリックス宮内会長たちと、なんら違ったところはない。違法であったとしてもそれをばれないようにやることが重要なのだ。目立ちすぎて狙われただけのことなのだ。既存の資本家、資産家の人たちにもっと低姿勢で根回しも行って少し分配もしてやってこなかったので、狙われただけのことなのだ。

日本社会はずいぶん進化して「アメリカ的」になった。


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サッカーワールドカップ、横並びの熱狂 [現代日本の世相]

テレビのどのチャンネルを見てもサッカー日本戦の映像ばかり繰り返して写している。1998年フランスでのワールドカップの時に、「休暇が取れないので、仕事をやめてフランスへ観戦に行った若者」を紹介していたのが記憶に残っている。彼はその後どうしたのであったか。
サッカーワールドカップの騒ぎに戸惑ってしまう。クロアチア戦の視聴率は70%近くになったという。

試合前の君が代の演奏の際に、中田英寿が大きく口をあけて歌っていたのを見たのは、軽い驚きだった。数少ないTV インタビュウからの印象だが、彼は波風を立てないで周りとすぐ妥協する日本的習慣から遠く、自身の主張をそのまま表現する日本人的でない若者と見えて、その点密かに好感を持った。中田を含む日本選手代表は、確かに「現代のヒーロー」である。

わたしには、サッカーを含むどのスポーツに関しても観戦は嫌いではないが「ニッポン、勝て」という思い入れはない。もちろん、サッカーそのもの、あるいは選手それぞれがいやなのではない。
そうではなくて、最近の政治家が得意げに言う「愛国心教育」の声高な主張と呼応するものを感じて、不安になるのだ。観客のすべてが、あるいはTV 観戦する誰もが、「自主的に」興奮して熱狂し、自然に「ニッポン」と叫んでいる。もちろん、トップ・レベルのゲームを観ることは楽しいし、つい観てしまうのだが、アナウンサーが「ニッポン」と叫び、観客が頬に日の丸をペイントしているのを見ると風景を見ると、ウーンとうなってしまう。

「君が代」や「日の丸」、あるいは祖国に対する忠誠がいつのまにか押し寄せてくる風潮には日々閉口している。
そんなことを強制されなくても、日本人の長所や美点はそれとして大いに認め、短所や欠点は冷静に省みることはできるし、そうしてきた。その伝統のうちにありたいと願う。「国として」ではなく「日本人の特質」として、対置すべき自己認識と批判がなくてはならないのではないかと思う。
しかし、そのようなプロセスがすっ飛んで、「国としての日本」、すなわち「君が代」や「日の丸」、あるいは「祖国に対する忠誠」が押しつけられているのだが、これと呼応するかのように、WBCやサッカーワールドカップなどのような機会に別の形で人々が熱狂し、その熱狂がそのまま「ニッポン」に収斂されるようで、非常に不安だ。

さて、ニッポンはオーストラリアに敗れ、クロアチアと引き分けてしまった。決勝リーグ進出にはブラジルに3点差以上で勝つしかない。
観戦しての印象だが、サッカーはハードなスポーツだとあらためて知った。90分間走り回らなければならない体力消耗戦であり、体のぶつけ合いではある意味格闘技に近い。
二つの試合を見て感じるのは、公平に見て日本チームの実力は、「FIFA18位とされているより、かなり低いのではないか?」と。
敗戦のあと、TVのアナウンサーや評論家は、しきりに「あきらめるな!」「奇跡を起こせ!」を叫ぶ。「神風が吹く!」といっているようにさえ聞こえるのだが、少々うがち過ぎだろうか?

(追記)6月22日
試合前の「君が代」斉唱のことで知人から、次のようなことを教えられた。以前、中田英寿選手は試合前の「君が代」斉唱の折、歌っていなかったことがあり、マスコミで取り上げられ非難された。それ以来、カメラは常に中田の口元に注目している。この騒ぎに嫌気がさしたことが、彼がヨーロッパのチームに移籍した理由の一つであるというのだ。


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共謀罪法案、危険な事態 [現代日本の世相]

共謀罪法案、危険な事態

6月1日、自民党は共謀罪法案の民主党案を丸呑みし、この成立を狙った。当初、国会会期延長はないとして、今国会成立はなくなったと安心させたスキに成立を狙うという姑息な手段にでた。
6月2日、共謀罪法案が成立してしまうのではないか、との危機感が広がり、国会周辺に抗議する人たちが急遽集まりその推移を見守った。
幸いにして、民主党の審議拒否、自民党内からも「民主党案丸呑み」への反発があり、成立しなかったが、非常に危険な事態に一時陥ったのだ。
自民党は、批判の世論が盛り上がらないうちに成立させてしまおうとしたのだ。「いったん成立させてしまい、その後修正すればよい」という自民党・細田国対委員長の思惑にも現れている通り、引き続き危険な状況には変わりない。

6月2日午後5時の院内集会に参加したが、本当に緊迫した雰囲気で、参加者皆が緊張していた。
共謀罪法案は修正すればいいのではない。廃案以外に正しい態度はない。


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5月31日、立川・反戦ビラ裁判、集会とデモに参加 [現代日本の世相]

5月31日、立川・反戦ビラ裁判、集会とデモ

2004年4月27日、自衛官とその家族に向けてイラク派兵反対を呼びかけるビラを防衛庁立川宿舎に配布したことが、住居侵入罪にあたるとして「立川自衛隊監視テント村」の三名が逮捕、起訴されたあげく、75日間も勾留された。
2004年12月16日、東京地裁八王子支部はビラ入れは「政治的表現活動」として無罪判決を出した。しかし、検察は控訴し、控訴審の東京高裁は2005年12月9日、逆転有罪判決を下した。三名の被告は、即日最高裁へ上告した。

5月31日、午後一時に最高裁へ上告趣意書を提出し、夕方星陵会館で集会を行い、集会後最高裁へデモがあり、この行動に参加した。

「ビラ入れだけで逮捕され、裁判で有罪となる」とは本当にひどい。しかも「イラク派兵反対」のビラなので警察や権力は、明らかに狙い撃ちにしている。裁判所が権力の意向を汲んで判決を書いている。東京高裁の判決などそれだ。


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臨時教員は生活保護を受けなければ暮らせない [現代日本の世相]

4月8日NHKを観ていたら、首都圏の臨時教員の実態を報じていた。産休などで補充される臨時教員は、時給1000円程度で日に5時間分、月にして12万円の収入にしかならない。生活が成り立たないので生活保護を申請し、月3万円をもらっていると報じていた。臨時教員の口も常にあるわけではなく、臨時教員として呼ばれるまで待機していなくてはならない。待機中は無給。
番組に出ていた人は教員になる前は事務員かなにかしていたが、教師になりたいと小さいころから希望をしていて通信教育によって45歳で教員免許2級を取得し、やっと臨時教員になったという。

その事実に驚いたのだけれど、もっと驚いたのは、番組のコメンテイターとして出演していた村上龍が、「資格取得はスタートであって資格を取ったからといってうまくいくものではない。自分の希望で教員になったのだから、当然だ。」とコメントし、そして同席していた丸山明宏が同調したことだ。

何だ!こいつら。何を言ってるんだ。中身のない「文化人」がTV で遊んでいる。


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足立区の就学援助率、「文芸春秋」4月号 [現代日本の世相]

「文芸春秋」4月号に「ルポ下流社会」と題して、足立区の実情が報告されている。朝日新聞や「アカハタ」で足立区の「就学援助率」の突出ぶりが報告された記事に続くルポである。「就学援助率」に焦点を当てて足立区の実情を描いている。決して足立区だけの問題ではないのだが、「格差社会化」が激しく進んでいる現代日本社会を象徴するもの。

足立区の就学援助率は、1993年度に15.8%であったものが、2000年度30%台に上昇し2004年度には42.5%に達した。急速に増大したことになる。ただしこの数字は自己申告なので実際にはもっと多いという。就学援助とは学校教育法に定められた制度で、市町村は経済的な理由で就学に支障のある子どもの保護者に必要な援助をしなければならないとされている。
足立区の場合、前年の所得が生活保護水準の1.1倍以内の家庭が対象で、支給額は小学生が年7万円、中学生が年12万円。足立区の児童・生徒数は4万7千人なので、約2万人の小中学生が就学援助を受けており、半数近くの保護者の前年度収入が生活保護水準の1.1倍以下であることになる。
他方、足立区の生活保護世帯数は、1万1千世帯。この数字は、収入が低くても生活保護を受けていない世帯もあり、また就学児童・生徒を持たない世帯ももちろんいることは考慮しなければならない。

興味深いのは、貧困と学力の相関をうかがわせていることだ。足立区のある小学校長は「大変残念なことですが、親御さんの経済レベルと学力の相関関係は、やはりあるといわざるをえません。」
学力と貧困の相関について、足立区としてははっきりとは言いづらいらしいが、「朝食を食べてくる子と学力の相関関係は明確に出ている」と教育政策課長は明言している。家で朝食を取ってこない子も多く保健室にコーヒー用スティックシュガーを常備している足立区の小学校が、昨年三月NHKの番組で紹介されていたそうだ。保健の先生によると、夏休みなどの長期休暇が終わって体重を量ると必ず減っている子がいるという。「学校給食がその子の主なエネルギー源なのかなあと思ってしまう」とのこと。

指摘されている事実は一つ一つどれもが衝撃的だ。
「貧困と学力の相関」は、貧困が一時的なものではなく、世代を超えて引き継がれることを意味する。

これは決して足立区だけの問題ではなく、足立区に集中的に現れ、就学援助率の急増として眼にすることができただけだろう。

実際のところ、貧困化がしかも急速に進行していることは深刻な事態であって正面から取り上げられなければならない。


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菅原克己 げんげ忌 [現代日本の世相]

菅原克己

詩人・菅原克己が亡くなって18年たった今も、毎年彼をしのぶ「げんげ忌」が谷中・全生庵でおこなわれている。今年も4月1日にあって出かけた。菅原克己の新しいファンが増えているそうで、毎年参加者が少しずつだが多くなっている。なんと幸せな男だろう。

ビールを飲みながら誰かが勝手にしゃべるのを聞く、あの人が来ている、あんなことを話しているという風で、音が流れているよう。音といえば、高田渡が曲をつけて歌っている「ブラザー軒」もながれてきて、はじめから終わりまで肩肘張らないところがいい。
集まりが終わると谷中墓地で花見。一度出かけると二度楽しい。季節もいい。これがまた会が続く理由かもしれない。
 谷中墓地の桜

どんなに忍耐強く、
小さく、黙って、
人は生きてきたことだろう。
となりのおじさんは
こどもと二人ぐらしで、
勤めが終わると
こどものために市場で
魚や大根を買って帰る。
道で出会うと
大根を振りながら笑う。
ぼくが詩を書くのは
まさしく、
そのことが詩であるからであって、
詩が芸術であるからではない。
                       菅原克己
                       (「ヒバリとニワトリが鳴くまで」より)


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WBCで日本チームが優勝 [現代日本の世相]

 WBC(World Baseball Classic)で日本チームが優勝した。TV視聴率は瞬間で40%を超えたという。アメリカチームが負け、思いもよらず準決勝に出ることができ、そして優勝した。よくわからないが、投手力、守備力で点を与えないでスピードでもぎとるスタイルがより確実に勝率を高くすることがはっきりしたように見える。
 でもイチローのプレーはともかく、インタビュウは何だろう。何度も聞かされたが何かつまらない。何であのようにつまらないことしか言わないのだろう。そう思ったのはわたしだけか?

 準決勝にはもう一方はキューバが進出した。キューバではどんな褒美があるのだろうと問われて、キューバ現地レポーターが、「国民全員からたたえられ、カストロ議長から「よくやった」とねぎらわれることが最高の名誉なのだ。それ以外にはない。」と伝えるのを聞いて、TVキャスターにいつの間にかなっている恵というコメディアンが言うには、「そんなことで満足するんですか?」と。
 メジャーの選手のなかには、「金にならない」から出場事態した選手もいるし、韓国選手は兵役免除されたから、日本の常識からすればこのような発言が出てきても不思議はない。確かに、えらい違いだ。確かにチームに分配される賞金は、キューバに限ってはアメリカ政府の経済封鎖を理由に分配されない。
日本人の常識とキューバ人の常識が違うのだろう。どうしてそんな違いがあるのか、ということ。


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自衛隊をイラクへ送るな! 戻せ2・12練馬集会 [現代日本の世相]

自衛隊をイラクへ送るな! 戻せ2・12練馬集会

集会

イラク派兵の1年延長が決まり、1月末に自衛隊練馬駐屯地から第一師団500名がイラクに派遣されたばかりです。
 2月12日(日)に「自衛隊をイラクへ送るな! 戻せ2・12練馬集会」が都立城北中央公園であり、またそのあと練馬駐屯地に向けてデモもあり、参加しました。

集会は1時から始まりました。初めのころは人数が少なくどうなるかと思いましたが、デモに出発するころには、750名集まったそうで、いろんな団体(政党から労働・市民団体)が参加していました。いろんな団体が参加できるように主催者は努力されたようです。
覚えている限りでは、練馬区職労、平和委員会、神奈川基地反対の団体、立川テント村、石川島播磨労組、日本共産党、社民党、新社会党、生活協同クラブなどでした。
デモでは自衛隊練馬駐屯地の(裏門)で主催者が要請文を渡しました。自衛隊駐屯地の司令が出てきて対応していました。
基地の裏門と塀のまわりを、動員された多くの警察官が取り囲んでいました。警察官は集会参加者と同じくらい動員されたのではないでしょうか? 警察の車両が目立ちました。
当日は風が強くデモの時には特に風をいっぱいに受け、旗が音をたえてハタハタとひるがえりました。
駐屯地からデモを写す自衛隊員

デモのコースは、練馬の住宅街でもありますが、マンションのベランダから、あるいは美容院の客なども、珍しげに眺めていました。自衛隊員の家族は住んでいるのでしょうか?
駐屯地近くに住む住民にとってデモはどんな印象だったのでしょうか?


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郵政公社 売り渡しによって、銀行資本へ「くれてやり」 [現代日本の世相]

郵政公社 売り渡しによって、銀行資本へ「くれてやり」

日本郵政公社の郵政民営化に際し、簡易保険部門が国債などの債権管理業務を外部委託する入札で、1月20日付けで「資産管理サービス信託銀行」(みずほ系信託銀行)が1円で落札した。郵政公社が事前に算定した予定価格数十億円を大幅に下回った。簡保が保有する債権は国債だけでも50兆円以上に上り、新銀行は1円で落札しても多額の手数料収入が別に見込めるので赤字にはならないとしている。

入札参加者は当初から3行限る競争入札で、2行が1円、別の1行が5千万円で入札し、郵政公社の想定価格を大きく下回ったという。

簡保が保有する国債の利払い手続きなどは、国の委託を受けた日本銀行が行っている。しかし、信託銀行がその事務手続きを日銀からまとめて請け負うことで、これまで発生しなかった数十億円規模の手数料が日銀から支払われる。

これが郵政民営化の意味だ。
郵政民営化することで、「民間」、この場合は「民間」といえども国民一般ではなく、銀行資本であるが、そこに「新たな収入」の機会を与えるのである。「数十億円規模の手数料が日銀から支払われる。」のだ。

これは国民の財産を、銀行資本にそのまま「くれてやる」ことではないか。合法的な、国庫から民間への利益供与ではないか。
2005年9月の選挙で騒ぎ立てた郵政民営化の本当の意味の一つがここにある。民営化して何をしようとしていたのかが、よくわかる。

当然のこと、銀行資本は「郵政民営化」に賛成したことだったろう。銀行や証券会社に籍を置く「経済評論家」も「郵政民営化」に賛成したことだったろう。


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ライブドア倒産か [現代日本の世相]

ライブドア倒産か

ライブドアグループの株価額が続落しています。この三日間で時価総額4000億円分が消え、半分以下になりました。個人株主は一斉に売り出していますし、この動きはとまりません。売っていないのは堀江社長とフジテレビだけです。いずれフジテレビも提携を解消し売却するでしょう。
テレビで堀江社長や関係者のインタビューを見ましたが、努めて平静に装っている姿が印象的です。一般投資家の動揺と売りを止めたいのでしょう。
株価時価総額を高めることで資金を調達し、買収を繰り返してきましたが、ライブドアはこれでほぼ破綻です。

堀江社長は「人の心はお金で変える」と自著に書いていますが、これは現代日本の特質を端的に表現しています。「率直に言っている」言い方が刺戟的であり「非道徳的」ですが、実情をそのまま表現しているでしょう。

もちろんそれでいいかどうかは別ですが、目の前にある実情を「そうではない」と思い込むことで回避するのは正しくありません。

また、1月20日の朝日新聞は別の記事で、「経営基盤強化のため各漁業協同組合の合併が進められているが、青森県の漁協では合併が進まないこと」を報じています。
原発や米軍基地の補償金額が各漁協で違い、合併すると補償金の一部を共有しなければならないからです。
原発や米軍基地の設置を、この地域に無理矢理補償金で飲ませてきた経緯がうかがえます。「人の心はお金で変える」と判断し、政府や電力会社が補償金漬けにしてきたのです。

「人の心はお金で変える」現代日本の社会関係はどうしてできあがっているのか?
どのようにしてこれを変えたらいいのか?を考え行動しなければなりません。


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練馬から自衛隊第一師団本隊のイラク派遣 迫る [現代日本の世相]

練馬から自衛隊第一師団本隊のイラク派遣期日が迫っています。
友人のJJさんから、下記のメールが送られてきました。
転載します。
-------------
さて、第一師団本隊のイラク派遣期日がいよいよ迫りました。隊員の結束を固める結団式(降旗式)は今月28日、そして翌日出発だろうといわれています。

この時期になっても街は表向き沈静平穏で、派兵初期に各地で流行った黄色いハンカチも、ここ練馬ではまったく見かけません。反対に、駐屯地周辺の町内会では、回覧板でこんなチラシがまわされました。同文のものが都営住宅の自治会掲示板に張り出されたといいます。
以下はチラシの全文です。
------------------
練馬警察署からのお知らせ
自衛隊練馬駐屯地からイラク派遣決定

派遣決定に伴い、1月の下旬に練馬駐屯地において第一波出国関連行事が行われます。これに対して自衛隊のイラク派遣に反対している団体が、駐屯地を狙った不法行為をする恐れがあります。
そこで住民のみなさんにお願いです。

☆警察官が警戒のため、制服や私服で巡回していますのでご了解を!

 不法行為を未然に防ぐため、警察官が単独、又は数人で巡回しています(徒歩、自転車、自動車)。みなさんに極力ご迷惑をかけないようにしますが、警戒や情報収集の為、質問する場合がありますので、どうかご協力をお願いします。

☆みんなで注意を!
 自衛隊周辺の空き地、駐車場、畑等から駐屯地の鉄塔を狙って、不法行為をしようとしている者がいます。住民の皆さん、散歩、買い物途中、通勤時等不審な者を見たら110番通報してください。
               練馬警察署警備課(3994)0110 内戦4612
 ----------------------                                     
チラシの下方に3つのイラストが描かれています。中央に大きな目玉をキョロキョロさせているパトカー、左側に窓の外をうかがいながら100番通報している女性、右側に野原で迫撃砲まがいのものを自衛隊らしき建物に向けて撃とうとしている帽子にマスクの2人の男性・・・、

意図的ですよね。
「善良な市民」対「過激なテロリスト」という構図を作り出そうとしています。でも、文面を読むと、警察があぶりだそうとしているのは「過激なテロリスト」だけではありません。「自衛隊のイラク派遣に反対をしている団体」が警戒の対象ということですから、どんな市民団体もこれにはひっかかります。
戦争反対の意思表明や行動に規制がかかるということでしょう。
個人でも声が出しにくくなりますよね。個人の意思に発した行動でも、「○○団体と共謀して・・・」なんて逮捕されかねません。
町内会の回覧板や都営住宅の自治会掲示板がすでに警察の制圧下(?)にあり、戦争キャンペーンの一翼を担っているのも怖いですね。
気がつけば、練馬では着々と「軍・警・地域」の連携が進み、すっかり戦時体制に入ってしまったようです。

さぁて、これからはご町内で見かけないひとに会ったら、不審者かな?それとも私服警官かな?って、考えなくちゃ。コワイ時代になりました。

2006・1・18


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辺野古の海上デモ [現代日本の世相]

辺野古の海上デモの様子です。


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『下流社会』を読む [現代日本の世相]

『下流社会』を読む。

 ここ10数年の日本社会の変化をよく描写している。特に団塊ジュニア世代の状態、行動、考え方をとらえているとともに、「恐ろしい現実」を教えている。
 現代日本人全体に、コミュニケーション能力の減退が一つの特徴的現象として現れてきており、そしてそれはわたしの考えによれば、現代日本社会そのものの特質からくるものだろうと思う。
 日本社会はこれまでの社会が経験したことのないような「高効率な社会」を他の諸外国に比べて一歩早く実現しつつあり、近い将来の資本主義社会の一モデルを形成しつつある。コンビニに行っても、商品と千円札を差し出せば、会話することなくなんだって買い求めることができる。
 そのことの明らかな影響がコミュニケーションの希薄化であり、人々の孤立化であり、軽いコミュニケーション障害をもつ大量の人々の出現である。
 秋葉の「萌え系」なども目にするのも驚きだが、もちろん驚いてばかりもいられない。これが成立する現代の社会関係の変化を認めなければならない。
 「下流社会」風に言えば、「萌え系」は、未婚の20代から30代男性であり、独身、年収300万円以下、派遣社員。コミュニケーション能力は低く、会社やサークルなどでリーダーシップを発揮することはない一群の人たちの一部である。
 年収が300万円以下だと結婚は非常に難しいし、派遣社員なら加齢とともに収入が増える見込みはない。そもそも女性が選ばない。結婚をあきらめ、代替的に「意志的に」萌え系に走る。残念ながらそれは商売の対象であり、子羊群の大量発生である。
 そのような例は他にも多く見られる。初めて聞いたが「干物女」(ひうらさとる『ホタルノヒカリ』)。主人公は20代にして恋愛放棄、平日は会社から直帰してコミックを読み、手酌で酒を飲み、休日は布団のなかでうだうだすごす。

 人々の関係を物の関係、金の関係に置き換える過程が社会全般にスマートに実現されている。これまでの人間関係の成長を準備せず、コミュニケーション不全の大量の人々を生み出す結果になった。人が人となるのは社会関係の獲得であり、人はその総体であるから、この発達が「節約」されている。
 もちろん、資本主義社会はその結果に困るわけではない。バーチャル情報はコミュニケーションのバーチャル化をもたらし、「装うこと」が可能となり、装っているつもりが同時に自身を失うことに行きつく。
 コミュニケーション能力不全は、労働力の種類わけをも予定しているから、余計な再生産のための社会的経費を節約しているかのようである。すなわち、働き蜂にはロイヤルゼリーを施す必要はない。全人的に発達する必要を認めない。むしろ単純労働に従事する多くの労働者群には「不要」である。これこそ現代日本社会が形成しつつある一つの未来社会像。
 さて段階ジュニア世代ではないにしても下流社会の一員であるわたしは、何と考え、どうしたらいいのか。


自民党が衆議院選挙で大勝は、どのような意味をもっているか? [現代日本の世相]

自民党が衆議院選挙で大勝は、どのような意味をもっているか?
日本社会でどのような変化が進行しているか?

今回の選挙は、大宅壮一の言い方をまねるならば、「一億総浮動票化」と特徴づけることができる。都市部でも地方でも、ほとんどが従来で言う「浮動票」のような動きをした。

自民党の集票機構――農協、日本遺族会、特定郵便局局長会、医師会、公共事業と関連するゼネコン、建設会社など、以前のようには機能しなかった。
その機能が全面的になくなったわけではない。存続しているものもある。しかし、公明党―創価学会の集票機構を除いて、従来のようには機能しなかった。
落下傘候補と呼ばれる地域に関係を持たない候補の当選が象徴的だ。突然候補になって、しかも当選を果たした。従来の地縁、血縁を通じた集票機構は機能せず、ほぼ崩壊しつつあることを白日の下にさらした。
都市においても地方においても、マスメディアを通じた小泉首相の「改革」パフォーマンスが最も大きな影響を及ぼした。従来、都市部は、批判勢力、すなわち、民主党、共産党、社民党などの基盤であり、自民党は支持を集めることに常に苦労したが、今回は様変わりした。自民党は党員によるしっかりした党組織を持っているわけではない。都市部の多くの人々が、小泉首相の「改革」パフォーマンスに影響を受けた。これを巧妙だと評価する者もいる。しかしもともと確固とした支持ではない。いわば「気分」による支持である。

「一億総浮動票化」としてあらわれた、この現象の背後で進行する現代日本人のもつ判断様式の変化に注目しなければならない。
選挙での投票行動のみが主権者の行使する「権利」行動になった。日常の社会的行動は極端に貧困になりながら、主権者の残された「権利」は、政党の選択のみである。集会の自由、デモやストライキの権利は、憲法にも記載されている人々の権利であるにもかかわらず、これを行使することは極端に少なくなり、他方で「選択の権利」だけが主権者に残されたのである。
有権者は自身にとって何が問題であり何が必要か、本当のところを理解していない。理解せずに幻影を求めて、「改革」「改革」の合唱にひきつけられた。「改革」として思い描くものはばらばらである。ただ「改革」という言葉だけが一致している。

依然として国民生活は急速な変化による打撃を受けつつある。IT、金融長者が続出するとともに、ニート、不安定雇用者、派遣労働者、年金生活者の貧困化が急速に進行している。政府の発表した生活五分位間の最上の第1分位と最下第5分位間の格差は168倍にまで急拡大した。貧困層は組織化されず社会的に発言し行動する機会とつながりを持たず、孤立したままである。
政党もこの変化に対応し、国民の大多数を占める貧困層をその置かれている境遇への批判から組織しようとはしておらず、幻想でのみ支持を得ようとしたし、この先もそのようにするだろう。今回は自民党、小泉のパフォーマンスがそれに成功した。
ただし、これをもって主権者を操るのは簡単だと見るべきではなかろう。国民が心から変化を望んでいるからこそ、幻想が有効に有権者の歓心を買ったのだ。


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「カワイー」とばかりいっている横のカノジョ [現代日本の世相]

「カワイー」とばかりいっている横のカノジョ

映画監督・井筒和幸が9月17日の朝日新聞に書いています。
「・・・この先世の中がどうなろうとも「戦争」にだけは、いくらお金を積まれてもアンタたちは行かないで欲しいんです。・・・ますますキナ臭い世の中になりそうだなぁと、監督なりの直感で思うからです。・・・映画をみて「カワイー」とばかりいっている横のカノジョにも教えてやって下さい。後生だから頼んます。」

面白い記事です。井筒和幸は、この世の狂気を最近感じるといいます。

気になったのは、確かに「「カワイー」とばかりいっているカノジョ」が一般的になっていることです。どうして「カワイー」とばかり連発するのでしょう。

とりあえず「カワイー」といっておけば、対立することはないし、議論になることもありません。そのものが何であるかをあいまいにしておいて、あるいは飛び越えて、その語りかけているものは、当たり障りのないわたしの感覚、気分、感性であり、対立を持ち込まないで気に入られることを期待しています。そのような「カノジョ」であることを、「カノジョ」は自分と他者に対して語りかけているのでしょう。でも内部では「本当の自分」との乖離を日々感じることでもあり、また同時に「本当の自分」も希薄になっていくことも実感するのです。
このような傾向は、「カノジョ」だけとは限りません。「カレシ」にもそのような傾向があるでしょう。
現代日本における人々のコミュニケーションのとり方の一つの特徴であるような気がしてなりません。コミュニケーションが希薄なのです。
さて、これはどうしてでしょう。


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日韓首脳会談と小泉首相 [現代日本の世相]

日韓首脳会談と小泉首相

1)6月20日の会談でノムヒョン大統領は、「小泉首相の靖国神社参拝問題が日韓の歴史問題の核心だ」と述べて、靖国神社参拝を問題にする姿勢を見せた。会談の大半を歴史問題での意見の交換に費やしたが合意には至らなかった。この小泉首相は「靖国神社参拝をやめる」とは明言しなかった。

「靖国神社に変わる追悼施設建設の検討」や「日韓共同の歴史研究」やで合意したというが、こんなものは合意といえるものではない。

2)「靖国神社に変わる追悼施設建設の検討」は今回が初めてではない。2001年8月13日、靖国参拝した小泉首相は「内外」の批判を無視できなかったので、「新たな追悼施設建設を検討する」とした談話を発表した。この意向を受けて福田官房長官の私的諮問機関として「追悼・平和記念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」が設置され、2002年12月24日には「国を挙げて追悼・平和記念のための国立の無宗教の恒久的施設が必要である」という答申が提出された。
しかし、小泉首相ははなから「新たな追悼施設」を建設するつもりなどなかったから、この答申は無視された。たなざらしにしてきたのは小泉首相である。このような経過を韓国政府とてよく知っている。
今回の会談でも、靖国問題で韓国政府からの批判が高まったので、「新たな追悼施設建設を検討する」と言っただけなのだ。検討するだけでつくるつもりなどない。

3)「日韓共同の歴史研究」も同じだ。2001年の歴史教科書問題をきっかけにすでに共同の歴史研究は実施された。合意に達せずそれぞれの主張を併記しただけであったし、日本側ははじめから「研究成果を教科書に直接反映できない」と明言している。だから韓国政府側に立てばもともと意味がない。今回「第二期の共同歴史研究を立ち上げる」としているが、それ以外にまとめる言葉がなかっただけである。

4)合意に達しなかったのは「歴史認識」であるが、「歴史認識」問題は現在と将来の日本とアジアの関係にそのまま直結している。
日本とアジア諸国との関係はこの先ますます密接にならざるを得ない。中国との貿易は米国を抜いて第一位になっている。韓国や台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの諸国との関係も、特に経済関係は年々密接になってきている。日本はこの先、好むと好まざるとにかかわらず、アジアのなかで生きていかなければならない。
このような状況下にあるにもかかわらず、日本政府としてどのようにすべきかの戦略を描くことができていない。

今回の日韓首脳会談の事前交渉で日本外務省は「靖国神社参拝問題は首相自身が判断する問題」と外務省は沈黙を決め込んだ。事前に調整できないのだ。政府内での不統一は、戦略なしに場当たり的対応に終始していることを示している。

小泉首相は靖国参拝を主張しながら、中国や韓国と交渉するパイプさえ持っていない。こじれた関係を修復するための人脈、ルートを持っていない。
他方で対アメリカの外交政策には言われるままに追随するしかないことは誰からも見透かされている。日本外交政策は破綻しているに等しい。

日本の支配層としては、不安でたまらないであろう。歴代の首相経験者の発言や、古賀誠日本遺族会会長の発言は、その焦りを表現している。


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