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菅原克己 げんげ忌 [現代日本の世相]

菅原克己

詩人・菅原克己が亡くなって18年たった今も、毎年彼をしのぶ「げんげ忌」が谷中・全生庵でおこなわれている。今年も4月1日にあって出かけた。菅原克己の新しいファンが増えているそうで、毎年参加者が少しずつだが多くなっている。なんと幸せな男だろう。

ビールを飲みながら誰かが勝手にしゃべるのを聞く、あの人が来ている、あんなことを話しているという風で、音が流れているよう。音といえば、高田渡が曲をつけて歌っている「ブラザー軒」もながれてきて、はじめから終わりまで肩肘張らないところがいい。
集まりが終わると谷中墓地で花見。一度出かけると二度楽しい。季節もいい。これがまた会が続く理由かもしれない。
 谷中墓地の桜

どんなに忍耐強く、
小さく、黙って、
人は生きてきたことだろう。
となりのおじさんは
こどもと二人ぐらしで、
勤めが終わると
こどものために市場で
魚や大根を買って帰る。
道で出会うと
大根を振りながら笑う。
ぼくが詩を書くのは
まさしく、
そのことが詩であるからであって、
詩が芸術であるからではない。
                       菅原克己
                       (「ヒバリとニワトリが鳴くまで」より)


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マクシム

私も、「げんげ忌」に出席させていただいた一人です。
少女の頃、図書館で偶然見つけたその詩をノートの隅に書き留めて、辛いことがあるたび、「青空をみようじゃないか」の言葉を思い出していました。
全詩集が出版されたことを知り、たまたま版元に電話をかけたら、編集人の方が出てくださり、少女時代の話をなぜだか素直に語っていました。
その方から「げんげ忌」にお誘いいただき、今年初めて参加させていただきました。
「マクシム」を朗読する詩人の声のテープが流れた瞬間、子供のように涙をこぼしていました。
桜の花の下、来年もぜひ参加させていただきます。
by マクシム (2006-04-06 10:28) 

kumahide

コメントありがとうございます。いろんな方が参加され、また知り合えるのがうれしいですね。私もこの数年参加するようになりました。
by kumahide (2006-04-07 00:43) 

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