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中国に対抗した軍事力強化に踏み込むな! [世界の動き]

中国に対抗した軍事力強化に踏み込むな!
中国脅威論、尖閣問題を口実に対立を煽るな!

1)バイデン政権の外交の柱は対中国強硬路線

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<航空自衛隊の「パトリオットPAC3」出典:航空自衛隊ホームページ>


 5月3日から5日までロンドンで主要7カ国G7(米、日、独、仏、英、伊、加)外相会議が開かれ、中国の南シナ海、東シナ海などでの行動に対し「深刻な懸念」を示す共同声明を発表した。「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し、「両岸問題の平和的解決を促す」ことを盛り込んだ声明の内容は、4月16日のワシントンでの菅首相とバイデン大統領との日米首脳会談後の共同声明とほぼ同じだ。

 外相会議には米国が「中国包囲網Quad」に入れようとするインド、オーストラリア、韓国、南アフリカ、東南アジア諸国連合(ASEAN)がゲストとして招かれていた。

 バイデン政権の対外政策は対中強硬路線であり、対中政策こそが最重要課題なのだ。米国にとって日本の存在価値と対日政策は、対中政策の一部にすぎない。

 バイデン政権は、対中強硬路線を実行するために、トランプ政権のように「アメリカ第一主義」ではやらない、正確にいうと「できないことを理解している」。米国一国で対処する力量はないのだ。日本を含めた同盟国との「国際協調」の再編で対処する。すでに米国は日本を含む同盟国の軍事能力の整備(=ミサイルシステムの配備)、財政的負担を求めている。

2)米戦略:Quadを「アジア版NATO」に!

 バイデン大統領は4月28日の施政方針演説で、「欧州でNATOと共に行っているようにインド太平洋地域で強力な軍の存在を維持する」と述べ、対中強硬路線を実行するため米国は日本、インド、オーストラリアと4カ国の連携(「米日豪印戦略対話:Quad」)でNATOに似た対中国包囲網を形成しようとしている。共同軍事演習もすでに何度か行っている。中国の潜水艦基地のある海南島周辺で、明確に仮想敵を中国とした対潜哨戒のQuad軍事演習に自衛隊は参加している。

 日本はその先鋒をかついで包囲網形成に努めている。

 しかし、米国の思惑通りに進むか否か、疑問だ。米国はQuadを「対中包囲軍事同盟」にしたがっているが、インドはこれを嫌い、より緩やかな「開かれたインド太平洋」という表現を強調している。元々インドは非同盟運動の中心を担ってきたし、当時の米国は非同盟運動を敵視してきたため、インドの軍備はソ連から調達した。現在も米国の反対を無視して、ロシアから対空ミサイル「S400」を導入し、米国だけに依存しないように巧妙な政策をとり続けている。経済関係でも2018年のインドの輸出の9.1%、輸入の14.5%は香港を含む中国との取引だ。そのため、Quadにはあまり乗り気ではない。

 オーストラリアは、18年の輸出の34.1%が中国向けで、中国との経済関係は緊密だ。モリソン豪保守党政権が中国にコロナウイルス感染の情報開示を求め、トランプ政権と一緒になって中国政府の「責任」を追及するという無責任なキャンペーンに加わった。これに対し中国は抗議するとともに、豪州からの輸入規制を実施し、現在の豪中関係は最悪の状況となっている。軍事的には、オーストラリア軍は、陸軍2万9000人、戦闘機89機、やや旧式の潜水艦6隻、駆逐艦2隻、フリゲート8隻という小規模な軍隊で、中国と軍事的に対抗する上であまり役立たない。

 Quadを「対中包囲軍事同盟」にするために米国が最大の期待を寄せているのが日本だ。陸上兵力15万人、戦闘機330機、潜水艦22隻、軽航空母4隻を含む水上艦51隻を有する自衛隊となる。

 しかし、米国の対中強硬戦略にひたすら追随することは、日本の安全保障と利益に合致しない、私たちにとってはきわめて危険な事なのだ。

3)「台湾有事」はあるか?――米司令官「6年以内に台湾有事」

 米国のインド太平洋軍司令官に4月30日就任したジョン・アキリーノ海軍大将は、就任前の3月23日、米上院軍事委員会で、「中国の台湾侵略は思いのほか早く来ると考える。6年以内に軍事行動を起こす可能性がある」と述べた。前任のデイビットソン司令官も同じ発言をしていた。

 どうして6年以内なのか? その根拠は?

 1996年に「台湾独立派」とみなされていた李登輝氏が台湾総統に選ばれる時、中国は(愚かにも)ミサイルを威嚇発射したが米空母2隻が南シナ海に出てくると、軍事力に劣る中国はたちまちのうちに威嚇をやめたことがある。これを契機に中国は米国に対抗する「接近阻止・領域阻止」を掲げ、「海軍力、空軍力の増強を図り、2027年には軍の現代化を達成する」としてきた。その2027年まで6年以内であることを根拠に言っているに過ぎない。

 軍人は予算獲得のために、えてして「危機」を唱えがちで、いわば「毎度のこと」である。米軍・米政府は知ったうえで、対中国強硬路線のために、ウソを煽っている。こんなウソを、情勢をキチンと評価もしないでまともにとりあげる方が滑稽だ。日本のメディアのことを言っている。「危機」は中国からもたらされてはいない。米政府・米軍が米国内で煽っている反中国感情の高まりこそが、「危機」の発信源だ。武力紛争が起きる可能性を完全に否定はできないとすれば、その根拠は「台湾有事論」を煽る米国政府と米軍にある。これは対中国強硬戦略の一部なのだ。

 中国が台湾に軍事侵攻する可能性、現実性はない。台湾が戦場になれば密接に結びついた台湾―中国の経済関係が破壊され、例えば、台湾(TSMC)から半導体が入ってこなくなる。世界一の貿易国・中国は大混乱に陥り、中国経済は大打撃を受ける。中国にとって当面は「現状維持」が最も現実的だ。

 一方、台湾の人々のほとんどは、「独立」したいわけではないし、「統一」したいわけでもない。8割以上の人が「現状維持」が一番いいと認識している。(台湾の世論調査の結果)。

 バイデン政権と米軍は、まるですぐにでも戦争の危機が迫っているかのような言い方を吹聴しており、日本政府は無批判にそのまま追従している、というのが現状なのだ。

4)日本政府は尖閣での対立を煽るな!

 日本政府が尖閣諸島での中国との対立を煽るのも、米政府が「中国脅威論」「台湾有事」を煽るのと同一の目的からきている。米国の対中国強硬戦略に呼応し、中国との対決をにらみ日本の軍事力を強化するための国内世論づくりの宣伝なのだ。もちろん違いもある。尖閣問題では、日本政府が米国支配層に意図的に操られている面があることだ。

 尖閣諸島の領有権は、日本、中国、台湾が各々主張しているが、国際的にはどの国の領土かは認められていない。米国でさえ尖閣を日本の領土とは認めていない。日本政府は「尖閣諸島は日本の固有の領土である」と閣議決定し、中高教科書に「固有の領土」と書かせているし、メディアには「尖閣諸島は固有の領土」だと必ず報じさせている。しかし、それは世界的に認められた真実ではない。日本政府は日本国民があえて誤解するように宣伝している。

 それから日本政府が主張する「固有の領土」論自体が、国際的には通説ではない。「固有の領土論」よりも、ポツダム宣言、サンフランシスコ講和条約、日中共同宣言、日中平和条約などを最新の条約などを尊重するのが、国際的な常識である。

 かつて日中国交回復時の難問は、尖閣諸島の帰属であった、「これに触れない、現状維持、棚上げ」方式がとられた。1972年日中共同宣言の際に田中角栄首相と周恩来首相が、1978年日中平和条約では鄧小平と園田直外相が、「棚上げ」して、締結した。つまり「領有権は未決、管轄は日本」としてきたのである。80年代初頭まで日本政府、中国政府とも「棚上げ」を尊重する対応をとった。

 しかし、外務省、日本政府は対応を変え、こっそりと「棚上げ合意はない」という主張を始めたのである。自民党内で小泉、安倍が、外務省内では「アメリカンスクール」が主導権を握るに至ったことと相応する。

 2000年代になって、当時の石原慎太郎東京都知事が、訪米時に米ハドソン研究所で「尖閣諸島を東京都が購入する」と宣言した。仕掛けられた「策」にそのままはまり、当時の民主党の野田政権は最終的に「尖閣諸島を国有化」してしまった。1972年日中共同宣言、1978年日中平和条約の前提となっていた尖閣諸島帰属の「棚上げ」を日本政府が一方的に破棄したのである。中国政府は抗議し、「領土権は棚上げ、施設権は日本」という合意を、日本政府から破棄したとみなすに至っている。

 このような経過を決して忘れてはならない。しかし、日本国民の多くは無自覚だ。

5)中国の軍事力は?
 2020年、世界の軍事費はコロナ禍にもかかわらず、前年比2.6%増の約214兆円(過去最高額)にまで増加した。
 各国とも経済はマイナス成長で税収減少、コロナ対策で厳しい財政運営なのに、軍事費は増加した。サイバー攻撃、宇宙空間、ミサイル防衛システムの強化など、内容が変わりつつある。

2020年各国のGDPと軍事費、 軍事費のGDP比
1)米国: 2,200兆円、 84兆円(7,780億㌦) (4.4%増)  3.8%
2)中国: 1,500兆円、 27兆円(2,520億㌦) (1.9%増)  1.8%
3)日本:  520兆円、  5.3兆円             1%
(ストックホルム平和研究所(SIPRI)、4月27日日経)


 米国の軍事費は、突出しており世界の軍事費の約4割を占める。中国の軍事費はGDPとともに急増している。額は世界2位であるが、米軍事力に比べればまだ「防衛的」であると言えるところはある。

 中国は核兵器(ICBM,SLBM)を約200発保有している、米国、ロシアの各約9,000発に比べれば数は少ない。核軍拡競争はしないという立場をとってきたことになる。中国は核保有国5ヵ国のなかで唯一、「核兵器の先制使用はしない」と宣言している。

 中国の通常兵器は、ミサイル中心である。米国のように空母群で世界中に出かけるような攻撃的な軍備はこれまで持って来なかった。日本・韓国・グァムなどの米軍基地や米韓・米比軍事演習によって、中国は長らく軍事的に包囲されてきた。それへの対抗から、中国は東海岸に1,250発(米国防総省による)の短・中距離ミサイル(射程5,500㎞以下)を配備するに至っている。中国は米ソ(のちに米ロ)間のINF(中距離ミサイル禁止)条約に入ってこなかった。陸海空軍に加えミサイル軍を創設している。

 現代の最強兵器はミサイルである。一旦戦争が始まったら、戦闘初期において空軍基地、空母をミサイルで破壊すれば戦闘機を含めた空軍攻撃力を無化できる。中国の東海岸に配備されたミサイルは、日本の米空軍基地、日本近海の米空母を狙っている。自衛隊の迎撃ミサイルシステム(イージス艦、PAC3など)は、性能からしてそもそも当たらない、旧式の兵器になりつつある。万が一当たったとしても1,250発を同時に撃ち落とせるものではない。

 中国にとって1,250発の短・中距離ミサイルは「防衛的」ではあるが、日本国民にとっては米軍基地が日本にあることから、きわめて危険であり「脅威」なのだ。日本国民はこの現実を知らなくてはならない。

 台湾有事、もしくは米中戦争が起きたら、日本にある米軍基地は攻撃の対象になる。米軍の戦争に自衛隊が参戦したら、自衛隊基地も攻撃対象となる。ミサイル兵器の性能から、南西諸島の自衛隊基地は全滅する。自衛隊が尖閣諸島に上陸したら、瞬時に全滅する。日本の他の米軍基地もすべて破壊される。短・中距離ミサイルは、グァム基地までは届くが、ハワイや米本土には届かない。しかし、日本全土は射程内に入っている。

 米国にとっては、「台湾有事」でも米本土は被害を受けないが、中国、台湾、日本、韓国は違う、戦場になり、大きな被害を受けるのだ。
 米国政府による日本のミザイル整備によって、仮に台湾有事で戦争になったとしても、被害を受けるのは台湾や日本、中国であり、米国ではない。米政府にとって、「日中共倒れ」こそ日本へのミサイル整備の現実的な狙いなのである。

 ほとんどの日本人はこういった現実を理解していない。

 それから、「台湾有事」となっても、米国の核ミサイルは発射しない、「地域紛争(台湾)のためにニューヨークを危険に陥れることはしない」(H・キッシンジャー)。

 したがって、日本にとって、米国とともに中国と戦争をするという選択肢は、絶対にありえないことなのだ。

6)アジアで米中が戦えば、中国が勝つ(米ランド研究所)

 東アジアでの軍事的な関係はすでに大きく変化している。そのような現実もキチンと理解したうえで意識的に平和を追求しなければならない。

 「軍事的に米中が尖閣諸島周辺で戦争すれば、今や、米軍が負ける」時代が到来している。米シンクタンク・ランド研究所のレポートは、「軍事的に米国は、尖閣諸島を守るために中国と戦えない」としている。

 ランド研究所「アジアにおける米軍基地に対する中国の攻撃1996–2017)」のレポートによれば、
○中国東海岸には1,250発の短・中距離ミサイル(射程5,500㎞以下)、巡航ミサイルが配備され、かつ命中精度も上がっている。この地域の米の中距離ミサイル配備数は数十発であり、到底対抗できる数ではない。
○アジアの米空軍基地は、戦闘の初段階の中国のミサイル攻撃によって、無化される。日本や東アジアの空軍基地・空母群は破壊され、一瞬にして空軍優位性を失う。嘉手納基地は破壊される。
○中国の中距離ミサイルに対抗する米日韓のミサイル防衛システムはない。
○米中の軍事バランスは2017年には、台湾周辺:「中国優位」、南沙諸島:「ほぼ均衡」という評価である。

7)菅政権は、どうするのか? 4月16日の日米首脳会談で何を決めたのか?

 米バイデン政権は、中国の軍事力に対抗した日本の軍事力の強化を菅首相に求めた。具体的には、中国に対抗した短・中距離ミサイルシステムの配備だ。そのために首脳会談でわざわざ現実性のない「台湾有事」に言及し、「脅威」を煽ってミサイル配備をやろうとしているのである。

 日本の短・中距離ミサイル配備は他国に届くから「専守防衛」ではなくなる、憲法に反する。憲法を無視しなければ短・中距離ミサイルを配備はできない。2019年から言われてきた北朝鮮のミサイルに対抗するため「敵基地攻撃能力」が議論が、この動きと照合する。軍事的にみて北朝鮮は脅威ではない、「敵基地攻撃能力」の本当の狙いは、中国である。韓国への米高高度防衛ミサイル(THAAD)配備がそうであったように。

 日本の配備する中距離ミサイルは、核ミサイルではない。中距離ミサイルの射程(当初は1000㎞程度としているが、いずれ5,500km)からすれば、他国(中国、台湾、韓国、北朝鮮、ロシアなど)に届く。これまで自衛隊は専守防衛だから、他国に届く兵器を持ってはいけないとしてきた。「専守防衛」なので、持ってはいけない兵器として、①大陸間弾道ミサイル、②攻撃型空母、③長距離戦略爆撃機の3例が国会で例示されてきた経緯がある。(田岡俊次『目からウロコ』)

 米国の凋落が目立ってきた現在、バイデン政権にとって、対中国強硬政策が外交・軍事のすべてである。これを米国単独ではもはやできない、したがって、同盟国である日本に中国の軍事力に対抗できるミサイル配備を中心とした軍事力強化を行え! 実質的には中国と日本で戦争をしろ!と要求しているのだ。日本の軍備の根本的な転換を求めているのである。

 4月16日の日米首脳会談で、菅首相は米国の要求に応じる方向で合意した。きわめて危険だ。

 ミサイル配備は米国製の高価格のミサイル、監視衛星その他を買わなければならない。現在は、イージス艦、PAC3などのように「ミサイル+レーダー」だが、すでに時代遅れになりつつある。今後は「高性能高速ミサイル+監視衛星」のシステムになるだろう。そうすれば、ミサイルシステムの導入のために、長年にわたって莫大な金額を支出し続けなければならなくなる。

 中国のミサイルに対抗しようとすれば、軍事・外交的ばかりか、財政的にも破綻するのが目に見えている。米国の戦略のために、日本が税金を投入し米国製の高価なミサイルシステムを開発費を負担したうえで購入し、更新し続け、日本の安全保障を危険に晒そうとしているのである。

 菅政権は対中強硬戦略に米国とともに踏み込む姿勢をみせているが、日本にとって、米国と共同して中国の軍事力に対抗し、ミサイル軍事力を強化するという選択肢は、きわめて危険であり、絶対にありえないことなのだ。

8)米国の影響から離れ、日中関係を改善するべきだ

 日本にとって最大のリスクは、米中の対立が管理不能な状態となって戦争に至ることだ。日本は米中戦争の戦場となる。

 現在は、米中対立と戦争の回避を、わが国の安全保障の最大の目標と位置づけなくてはならない時だ。それなのに菅政権は、米国の対中国強硬戦略に従い日米同盟の抑止力強化を図っており、そのことがかえって戦争の誘因となりかねないにもかかわらず、あえて危険を増大させる方向へ踏み込んでいる。

 果たして国際情勢を理解しているのだろうか? ほとんどわかっていない。それゆえ無頓着、無責任な態度をとっているとしか見えない。あるいは、オリンピック開催へ突き進んでいるのと同じように、日本政府は、破綻するまで、いったん決めた路線を修正したり、転換できない「体質」となっているということなのか!

 今なすべきことは、米中間の対立回避、戦争回避である。そのために日本は米国の影響から徐々に離れ、日中関係の改善を図るべきだ。それ以外に選択肢はない。米中戦争の戦場となる他の東アジア諸国と共同して、対話を求める努力を始めなければならない。
 ASEAN諸国、韓国、ニュージーランドはすでにそのように振る舞っている。

 そのためには憲法9条を表に立てて交渉するべきである。唯一の戦争被爆国であるという事実は、世界政治のなかで、日本に特殊な立場を与えてきたし、現代世界のなかで新たに現実性を帯びてくるだろう。また、沖縄戦という民間人を巻き込む悲惨な戦争を経験した国、平和時において東アジアとの連携のうちに経済発展を遂げた国として発信するメッセージも、今なお世界にとって意味あるものとなる。そういった方針を実行できる政権に変わらなければならない。

 米国の都合による米中対立の枠内で、日中関係を改善することは絶対にできない。軍事的対立を煽る米国政府の政策に全面的に協力して、東アジアで平和的関係を打ち立てることはできない。ましてや中国や北朝鮮に対抗しミサイル軍事力を強化してはならない。敵基地攻撃能力の保持、自衛隊ミサイルの長射程化や艦艇のプレゼンスなどは、緊張を引き起こし対立と戦争の危険を高め、日本の安全保障を破壊し日本国民を危険な事態へと追い込むばかりである。

 その一方で、中国に対しては、米国の庇護のもとにではなく日本が独自に働きかけなければならない。米国と一緒になって強面(こわもて)で向き合うばかりではいけない。日中関係の改善のためには、まず尖閣諸島の領有権での「棚上げ合意」を復活させることだ。「こっそりと」ではなく、「明確に」だ。以前の「棚上げ合意」に戻すことを正式に打診し交渉し、関係改善に努めるべきだ。いたずらに対立を煽ってはならない。尖閣周辺の日本の漁民が困っているなら漁業協定を結べばいいのであって、尖閣諸島を日本の領土にしなければならないのではない。人の住まない島をめぐって争う意味はない。米軍事力を頼みにして、「虎の威を借りる狐」の態度をとってはならない。
 自衛隊を南西諸島に配置したら余計にこじれ、対立は続く。日中の軍事力比較からすればすでに大差がついている。中国に対抗して軍拡競争をすべきではない。

 対立と戦争の原因となる政策を即刻やめるべきだ。外交交渉によって対立や戦争が起きる原因、要因をひとつひとつ慎重に潰して行かなくてはならない。そうして平和的な関係をつくり上げていくのが、私たちの望みだ。











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