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ドゥテルテが、米兵ペンバートンを恩赦 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

ドゥテルテが、米兵ペンバートンを恩赦、
 
コロナ・ワクチンと取引か!


 2014年10月、米海兵隊伍長スコット・ペンバートンが、フィリピン人トランスジェンダー、ジェニファー・ロードさんを殺害した。2015年、ペンバートンはフィリピンの裁判所で10年の有罪判決を受け、現在までの約5年半刑に服していた。ただし、通常のフィリピン刑務所ではなく、アギナルド基地内で米軍の影響下で服役していたに過ぎない。

 ペンバートン伍長は2014年当時、米フィリピン合同軍事演習に参加するためにスービック基地に滞在していた。スービック基地はかつて米海軍基地であった。近くのオロンガポ市のモーテルでペンバートンは、「ロードさんとセックスをした後、男性器を発見し怒って殺害した」と供述している。ロードさんの遺体は、便器に頭を突っ込まれ身体はベッドシーツに包まれた状態で発見された。

 2014年当時、米兵によるトランスジェンダー女性の殺害、その扱いの非人間性に対して、民主団体、女性団体、LGBT団体から大衆的な批判がなされ、フィリピン社会を覆った。それとともに、米軍が自由にフィリピンに入出国できることがそもそもの原因であり、根拠となっている「米比軍訪問協定(VFA)」廃棄の声もひろがった。

 この服役中の「厄介者」に対して、ドゥテルテ大統領が9月7日突然、「恩赦」を与えた。「恩赦」により「国外追放」が可能となり、米政府・米軍の要望に沿ってペンバートンは解放されることになった。9月13日、彼は米軍機でフィリピンを離れた。

 なぜ、ドゥテルテは今になって突然、恩赦を与えたのか? 
 米政府との間で、ペンバートンの恩赦と、コロナワクチンの供給の取引をしたことを、ドゥテルテは隠さない。

 大統領府広報官のハリー・ロケは、「大統領がペンバートンに恩赦を与えたのは、アメリカからワクチンを入手したいという大統領の願望の一環だ。パンデミックが流行している今、フィリピン人のためにワクチンを入手することに重点を置いている」と率直に述べている。

 ドゥテルテの措置、すなわち犯罪人を勝手に恩赦にし釈放したことに対して、女性団体、LGBT団体から批判が相次いでいる。

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<9月8日、首都圏でペンバートン受刑者への恩赦に対する抗議デモをする人々(AFP=時事)>

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女性団体カイサカ(Kaisa ka)の声明
ヴァージニア・ラクサ・スアレス議長(VIRGINIA LACSA SUAREZ KILUSAN SecGen KAISA KA)


 ドゥテルテ大統領は、殺人罪で有罪判決を受けた米海兵隊員ジョセフ・ペンバートンを、10年の刑期より4年早く恩赦した。この決定は、米海兵隊員の早期釈放に異議を唱えようとしている現在進行中の法廷手続きを事実上飛び越えたものである。そう、ペンバートンが他の受刑者と一緒にフィリピンの刑務所で服役したことなどなく、アギナルド基地の中にある米兵とフィリピン兵が守る特別な収容所で服役していたことを考えれば、これはフィリピン人にとって不愉快な出来事である。

 この動きはフィリピンの司法制度を侮辱するものであり、主権の侵害である。ペンバートンの有罪判決を、わがフィリピンの裁判所で勝ち取ったという勝利を、妥協の産物に変えてしまった。正義とは何かという問いを、悲劇的なパロディに変えてしまった。

 これはドゥテルテが志向する政権の振る舞いであり、フィリピンの人々に背を向けることができ、外国による支配に直面しても主権を守ることができない、あるいはやる気がない政権であることを示して見せた。

 フィリピンの人々はこのようなことを受け容れるわけにはいかないし、単に屈服して前に進むべきではない。

 ペンバートンは自由を得たかもしれないが、ロード事件は、私たちフィリピン人が求め続けなければならないこと、すなわち、外国の独裁や介入から自由な真の独立した主権国家であらねばならないということだ。

 我が国は、VFA駐留軍協定、米比相互防衛条約、米比防衛強化協力協定(EDC)のような不平等な安全保障関係に縛られたままである。米国や中国のような外国の利益を重んじる政府関係者に悩まされ、主権国家としての権利を主張する政治的意志を行使することに何度も失敗している。

 私たちは、アメリカとその容赦ない戦争マシンによって、これまでフィリピン人民に押しつけられてきた永く続いている歴史的な不正を跳ね返し、フィリピン人のための正義の追求を続けなければならない。

 私たちは、毅然としていなければならず、政府を追及し、人民にとって正しいことを実現し、主権と国の財産のための戦い一緒に立たなければならない。
 私たちは、勝ち取らなければならない!

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<2015年12月1日に収監されるために国軍本部に到着したペンバートン受刑者(EPA=時事)>

殺人者は別の殺人者を赦す

トゥルーカラー連合によるリリース。運動の旗の下に結集したLGBT組織
ペンバートン伍長の大統領恩赦に反対するLGBTQI団体の統一声明

 私たちは、2014年にオロンガポ市でフィリピン人トランス女性ジェニファー・ロードさんを殺害した罪で有罪判決を受けた米海兵隊ジョセフ・スコット・ペンバートン伍長にロドリゴ・ドゥテルテ大統領が与えた恩赦を強く非難します。

 ペンバートン伍長が10年の実刑判決のうち、「5年10ヶ月のあいだアギナルド基地の特別留置場で服役したことで不公平を被った」というドゥテルテ大統領の主張は、受け入れがたいものであり、まさに滑稽です。ペンバートンは、フィリピン服役囚が通常収容される国立ビリビド刑務所で服役すべきであり、大統領はアメリカ人ではなくフィリピン人に大統領恩赦を与えることができたはずです。

 大統領が行ったこのような行為は、現政府がいかにCOVID-19パンデミックを、フィリピンの人々に深遠な苦しみ、侮辱、不正を引き起こした外国、すなわち米国の利益を促進し、屈服する機会として利用してきたかを証明しています。

 大統領府ロケ報道官は、以前の声明では、オロンガポ裁判所のペンバートン釈放命令を「司法の行き過ぎ」と非難していたにもかかわらず、撤回しました。恩赦は、LGBTQIコミュニティへの大統領の支持表明が単なる見せかけだと証明しました。ドゥテルテと彼の実績の「真実」は、指導者として不誠実であり、女性蔑視でありLGBTQIに偏見を持っていることを暴露しています。

 ドゥテルテ大統領によるペンバートン伍長の恩赦は、フィリピンのトランスジェンダーや女性の命は重要ではない、トランスジェンダーに対する差別や暴力が襲う季節が到来している、米兵はフィリピンの地で殺人を犯しても逃げおおせる、という明確なメッセージを発信しています。

 LGBTQIコミュニティ全体と私たちの同盟が、ドゥテルテの反トランスジェンダー、反LGBTQI、反女性、反国民政策に反対するために団結することを、私たちは強く求めます。ドゥテルテはLGBTQIコミュニティのために最も多くのことをしてきた大統領だというプロパガンダに反して、彼がしてきたことは、自分の人気を高めるためにLGBTQIコミュニティを利用しただけでした。彼の政府は、私たちの利益に奉仕したことも権利と生活を守ったこともありません。現在に至っては、「殺人者だけが別の殺人者を赦す!」という真実を証明して見せています。

 ・被害者ジェニファー・ロードに正義を!
 ・米兵ペンバートンを刑務所に入れろ!
 ・トランスライフのための正義を!
 ・VFA(米比軍相互訪問協定)を廃棄しろ!
 ・ドゥテルテを追い出せ!

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