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フィリピンでの政治弾圧が止まりません [フィリピンの政治経済状況]

 フィリピンでの政治弾圧が止まりません。

 ドゥテルテ政権が進歩的な団体に対し「テロ組織である」というレッテルを貼り、実際に攻撃を行ってきているため、フィリピンの人権状況が極めて悪化しています。

 18年12月、ドゥテルテ政権はNPA(新人民軍)を「テロ組織」として指定した後、共産党系の労働組合KMUや農民団体KMP、女性団体ガブリエラなどへの弾圧を強めています。警察が諸団体の事務所に押し入り、「銃を見つけた」と騒ぎ、メンバーを逮捕したり書類を押収しています(実際には警察が銃を持ってきて、無理矢理に証拠とする手口です)。一方、2人組がオートバイで駆け付け活動家を暗殺して逃げ去る事件が相次いでいます。軍人の仕業とみられています。

 そんな状態なので、市民団体の活動も弾圧を警戒しなければならず、活動が停止したり停滞するなどの困難に当面しています。

 多くの活動家の間で恐怖がひろがっているそうです。
 また、この期間にドゥテルテ政府が2つの覚書を発行し、「NPAなどにテロ資金を供給しているのではないか」と非難して、NGOの調査を始めました。これは「魔女狩り」に匹敵するものであり、同様に恐怖の風土と多くの組織の運営の困難をもたらしています。実際の事件は、女性団体ガブリエラ、カラパタン人権同盟、フィリピン農村宣教師の3つの組織に対して、ドゥテルテ政府は調査対象とする覚書を発行しました。

 慰安婦被害者団体・リラピリピーナからの報告によれば、ボランティア・スタッフの一部なども弾圧を恐れ、一時的に活動から離れる人も出ているとのことです。リラ・ピリピーナは慰安婦被害者の現状を再確認する「再発見プロジェクト」を実施中だそうですが、そんな活動さえ中断していると聞きました。

 弾圧にもめげず、市民団体、労働組合などは敢然と戦っているそうですが、ただ、スタッフとオフィスの両方の安全対策に、膨大な時間とエネルギー・費用が費やされていると報告しています。

 フィリピンの人権状況は特にひどく、軍・警察による「超法規的殺人」が止まりません。超法規的殺人とは、警察が捜査・逮捕の過程で、「容疑者が抵抗したので殺害した」、あるいは「オートバイ乗りの2人組による暗殺」などが横行していることを指します。

 フィリピンでは死刑制度は廃止されているためか、捜査・逮捕の過程で殺人が行われるのです。こういった法制度を無視した殺人(=「超法規的殺人」)が横行する、極めて人権がないがしろにされている社会だと国連の人権員会などの国際機関も指摘しています。




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