SSブログ

ドゥテルテ政権の評価 [フィリピンの政治経済状況]

アンバ・バーラのエミリーから報告が来た!
ドゥテルテ政権をどう見たらいいのか?

ドゥテルテ.jpg
<ドゥテルテ大統領に耳打ちするフィリピン警察デラロサ長官>

 ドゥテルテ政権をどのように評価したらいいのか、アンバ・バーラに尋ねたところ、エミリーから長文の返答が返ってきた。

 ドゥテルテ政権は今でも支持率が高い。注目される発言をして、「フィリピンのトランプ」と呼ばれたりする。麻薬撲滅戦争を宣言し支持されたが、いつまでたっても終わらない。それどころか取り締まる警察や軍によって何千人も殺害されていて、国内外から超法規殺人、人権侵害を指摘されている。警察や軍を使った強権政治が目立つようになった。

 スプラトリー島の領有をめぐって対立していた中国とは、二国間交渉を行い、即座に対立を解消した。「対立」を理由に、フィリピンと東シナ海に介入しようとしていた米政府は肩透かしを食らった。その「せい」だろう、介入理由をつくるためミンダナオで傭兵であるイスラムテロ組織に事件を起こさせた。

 ドゥテルテ政権は、契約労働者の正社員化を外国企業や国内大企業に求め、一部実現しつつある。さらには、どれだけ法律通り実行されるかは疑問だが、労働安全衛生法や産休法を制定し、近代化を進めつつある。フィリピン経済は好調で、年率7%前後で高成長しており、1,000万人いる海外出稼ぎ労働者は、ここ数年、増えていない。

 また、政権発足時に、フィリピン共産党(CPP)やモロ・イスラム解放戦線(MILF)と和平交渉を進め、CPPと関係のある国民民主戦線(NDF)のメンバーを、環境相や農地改革相などの閣僚に採用した。しかし、最近CPPとの和平交渉は暗礁に乗り上げ、NDFの閣僚を内閣から追い出した。

 ドゥテルテは警察や軍を使った権力掌握において、なかなかしたたかであることも分かった。現在では、国会議員の多くはドゥテルテを支持するに至っている。

 このドゥテルテ政権についての情報は個別的にもたらされるが、全体としてどのように評価したらいいのか? フィリピン国内、人民サイドの評価はどうなのか? アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)に聞いてみた。エミリーの報告は、NDFやその選挙運動に対して厳しかったり、スプラトリー領有についてナショナリズムに影響されていると思えるところ、あるいは労働運動・民主運動の動向についての報告がなかったり、いくつか疑問もあるが、それらは今後意見交換するとして、今回はそのまま紹介する。(編集部)

*****

ドゥテルテ政権の評価

エミリー・ファヤルド(アンバ・バーラ事務局長)


1)ドゥテルテ政権をどう評価しているのか? 
  強権政治にもかかわらず支持率が高いのはなぜか?

 大統領選挙のキャンペーン期間中、ドゥテルテはスカボロー環礁(Scarborough Shoal)のような問題などすぐに解決できると、"嘘の"約束により大衆の支持を得ています。以前ドゥテルテは、「もし私が当選したら、ジェットスキーに乗って島に行き、フィリピン国旗を立てる」と発言しました。

 ドゥテルテは大統領選に勝利した後、警察に反ドラッグキャンペーンを優先させるよう命じました。その結果、特に貧しい人々の多くが警察に殺されました。人権侵害はどこにでもあります。しかし、いまだ多くの人がドゥテルテの「良い」意図を信じています。 TRAINの法律は成立し、主要商品の物価はすべて50%から100%まで上昇しましたが、ドゥテルテの評価はまだ高いままです。

 バタアン州の弁護士の友人の一人が、私たちの討議の場で報告しました。メトロマニラに住む弁護士の友人に、「ドゥテルテに投票したか?」と尋ねたところ、「確かに投票した、しかし今では支持しない」と語ったというのです。「なぜいまだに評価が高いのか?」と聞いたところ、「もし調査人が私たちの家に来たなら、本心からでなくドゥテルテ政権支持と言う。なぜなら、私がドゥテルテを批判すれば、私や家族には殺される恐れがあるから」と語ったという。

 多くの人々がドゥテルテを恐れているので、評価はまだ高い面があるのです。 デリマ(Delima)上院議員、セレノ(Sereno)最高裁長官のような批判的な人物はすべて、排除されました。ドゥテルテに批判的だったエスピノサ(Espinosa)市長は刑務所内で殺されました。バタンガス市のハリリョ(Halili)市長は、市民会館での旗授与式の最中に殺されました。ドゥテルテを恐れている人々の「虚偽の声明」で高い評価を受けている面があります。それは独裁と刑罰の文化です。戒厳令を宣言しなくても、同等の支配が存在しているのです。

2)国民民主戦線(NDF)の政権支持と内閣からの追放

 フィリピン共産党(CCP)/新人民軍(NPA)/国民民主戦線(NDF)(以下:CPP/NPA/NDF)は、大統領選でドゥテルテを支持しましたが、支持したことは大きな誤りでした。ドゥテルテの母親はダバオ市の教師としてキャリアを持つ活動家であったことはよく知られています。しかし、だからと言ってドゥテルテが自動的に活動家の血を受け継いでいるわけではありません。確かに大統領の口から、「自分は親社会主義者で、革命的な政府を望んでいる」などとと聞くことができます。CCP/NPA/NDFは、2016年の大統領選挙でドゥテルテを支持したので、CPP/NPA/NDFに属する政治囚の一部を解放するかもしれません。

 また政権発足当初、ドゥテルテによってNDFメンバーから農務省(DA)、社会福祉省(DSWD)、大統領付き都市貧困委員会(PCUP)の閣僚として任命されましたが、DAとDSWDの大臣は、委員会の支持を得られず、今では内閣から追い出され、なおかつ過去の殺人容疑で起訴される状況です。都市貧困委員会のリサ・マサ長官(元上院議員、女性団体ガブリエラの名誉議長)は、彼女を含むPDFの議員たちへのドゥテルテ政権による起訴命令の後、長官を辞任しました。

 また、フィリピン共産党と政府との和平協議は、数回の会談を経て、今では決裂しています。ドゥテルテ政府は、和平協議のために真剣ではありません。両者は話し合いを続けるでしょうが、現実にはうまくいかないでしょう。

 CPP/NPA/NDFは、「政府を変える」という小さな夢を持っていました。グロリア・マカパガル・アロヨ政権以来、CPP/NPA/NDFは政治組織のすべてがパーティリスト選挙(フィリピン共産党は非合法なので、選挙のためにつくる政党をパーティリストと呼ぶ)に参加して、何人かは国会議員になりました。それ以降、彼らは、 "ガラクタ"政府を変えることなど無駄だということを学びませんでした。有権者や議員を喜ばせ、投票に勝つためのプロジェクトに政府資金を使用し、それをCPP/NPA/NDFの組織に使い、集会に使用しました。それは報じられているとおりです。

-CPP/NPA/NDFを魅了しているすべての選挙
 CPP/NPA/NDFは、エストラーダ大統領時代にグロリア・マカパガル・アロヨを支持し、その後アロヨ大統領を追い払う行動をとりました。その後、2016年の選挙では、ドゥテルテがミンダナオにおける殺人犯であり腐敗していることを知ったうえで、CPP/NPA/NDFはグレース・ポーとドゥテルテを支持しました。なぜドゥテルテを支持するのでしょうか? 内閣に入るためです。なぜ何のためにこのようなことが必要なのでしょうか? バヤン・ムナ(Bayan Muna)、ガブリエラ(Gabriela)、アナクバヤン(Anakbayan)のようなパーティーリストでは十分ではないからです。

 2017年、マニラでのメーデー行進では、2017年にドゥテルテに対する要求がありませんでした。彼らののぼり旗は、帝国主義打倒を謳っていました。それなのにドゥテルテに対しては、内閣に参画していたため、小規模なプラカードさえもありませんでした。
 病気の高齢者ドゥテルテは、NDF出身の閣僚を内閣から追い出した後、逮捕し、刑務所に入れたいと思っています。

3)ドゥテルテ政権の権力基盤は何か? 誰が支えているのか?

 巨大鉱山企業が、大統領選挙中にドゥテルテを支援しました。資本家は、選挙期間中に簡単に移動できるように、大型バイクとヘリコプターを貸し出しました。 ドゥテルテは勝利した後、環境省長官としてジーナ・ロペス(Gina Lopez)を任命しました。ジーナの計画は、国のすべての鉱山サイトを訪問することであり、ジーナは環境基準に対する多くの違反だけでなく、鉱山近くのコミュニティでの鉱業による健康被害を摘発しました。ジーナはドゥテルテ支持者の会社を含む多くの大企業の稼働中止を提案しました。ジーナには鉱山の稼働停止の権限はありましたが、その期間は短期間でした。鉱業会社がドゥテルテに環境省大臣ジーナを追放するように圧力をかけていたため、6年間任命委員会(CoA)から支持を得ることができず、辞任しました。

 ドゥテルテの支持者は資本家層です。さらにマルコス支持者、グロリア・マカパガル・アロヨ支持者を引き継いでいます。だから、彼が大統領に当選したとき、見返りにボン・ボン・マルコス(Bong Bong Marcos)を副大統領にしました。ボンボンへの約束を果たすために、2016年副大統領選挙で選挙管理委員会はレニ・ロブレドとボンボンの票数を再び数えることで争いました。さらに、ドゥテルテは最高裁判所判事を変える必要があると言い出し、サーレノ最高裁長官を放逐し、憲法に違反しました。

 選挙管理委員会がボン・ボンを新しい副大統領であると宣言し、レニ・ロブレド(Leni Robredo)が最高裁判所に上訴したとしても、レニの請求は政権によって任命された忠実な裁判官によって拒否されるでしょう。そうなっても私たちは驚きません。
 近い将来、ドゥテルテが大統領を辞任すれば、ボン・ボン・マルコスが後継者になる予定です。

4)スプラトリー(南沙)諸島領有問題とは何か? 
  フィリピン人民はどう対処すべきか?

-フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)により仲裁裁判所で有利な判決を得ています。スプラトリー島は、フィリピンの航海距離12マイルにあります。アキノ政権時代のことですが、ドゥテルテはそれを支持しています。

 しかし、私たちの大統領は、スプラトリーと他の島に関する判決を持ちながら、「気まぐれ」なのです。 島の領有問題で、米国と中国とを天秤にかけています。ドゥテルテはしばしばアメリカに反対する発言をしましたが、言葉だけで真剣さはありません。なぜなら、ドゥテルテが植民者である米国を追放しようとすれば、彼は米国とのすべての法を廃止するはずですが、米比二国間協定やEDCA(米比相互防衛協力協定)は何も変わっていないのです。

-ドゥテルテは中国との二国間交渉を行っている。
 ドゥテルテはすでに中国に領土問題で譲歩しています。フィリピンの漁師はスプラトリー海で魚を捕ることができません、中国は石油探査を行い、中国海軍の艦船がそこにいます。そのため、自然資源と主権と財産権のすべてが、ドゥテルテによって中国に与えられました。引き続き、中国はフィリピン政府のプロジェクトなどのために資金を提供しています。

-また、フィリピン政府は中国との二国間貿易協定を締結していますが、もちろんこれは私たちにとって公正な合意ではありません。

 スプラトリーの領土問題は、アキノ政権時代に米政府が問題を取り上げ始めたのは事実です。フィリピンの漁師によると、以前は中国人漁師とフィリピン人漁師は魚を交換していましたし、海における友人同士です。しかし、米国がアキノ前政権に、文字通り(書類と国連で)スプラトリー領有を主張することを薦めて以来、中国もまた対抗するようになりました。米政府はフィリピンと中国の対立を煽りました、なぜならば、米政府の意図は、アジアにおける政治的経済的権益のために米海軍艦船を太平洋海域で自由に航行することにあるからです。

 歴史が示す通り、フィリピン政府はアジアにおける米政府の第一の操り人形です。米国がアジアにおける経済的・政治的権益を追求するためには、米海軍と米艦隊がしばしば太平洋を訪れ、力を見せつける必要があります。

 米国にとってフィリピンは中国に近いアジアの軍事基地の一つです。しかし同時に米国はまた、多くの人口を抱える巨大市場としての中国を保持したいとも考えています。利害は交錯しており、世界は複雑です。

5)麻薬戦争の持つ意味 警察が麻薬ビジネスの親玉 
 麻薬摘発は警察が政権内で権力を確立するプロセスではないか?

 ドゥテルテは大統領に就任した当初、フィリピン警察(PNP)とフィリピン軍(AFP)の統合をすすめました。フィリピン警察チーフとしてバト・デラ・ロサ(Bato Dela Rosa)将軍を任命しました。彼はドゥテルテの忠実な友人であり、フィリピン軍のチーフ・スタッフでもあります。ドゥテルテは、PNPとAFPの給与を100%引き上げて、警察と国軍が統治し、ドゥテルテ内閣に忠誠を払うようにしています。

 麻薬との戦争が宣言されていますが、それは貧しい人たちに対する戦いを意味するにすぎません。ニュースで見るように、"薬物中毒者と売人"として殺された者たちを、私たちはナシ・タンネラス・ラング(スリッパを使っただけ)と呼んでいます。警察は、銃を使って抵抗したために容疑者たちを殺したと、いつも同じ主張をします。

 多くの警察は、薬物シンジケートにかかわっています。末端の売人や、時には大きな売人から捕獲した麻薬は押収し、警察が押収した麻薬を売っています。

 ドゥテルテの「麻薬撲滅戦争」で、何千人にも及ぶ人権侵害を犯しました。貧しい売人なら、その場で殺されますが、ケルヴィン・エスピノサ(Kerwin Espinosa)や息子であるパウロ・ドゥテルテ(Paulo Duterte)などのように富裕者は、賄賂によって法律上の手続きが許されます。だから、「麻薬撲滅戦争」の相手は貧困層なのです。もしあなたが麻薬事業でドゥテルテの敵であるならば、エスピノーサ(Epinosa)市長のように、たとえ刑務所のなかにいても殺されるのです。

 非常によく知られているように、ドゥテルテ家族の一つのビジネスは麻薬です。だからこそ、ドゥテルテの息子のパウロは、フィリピンで62億ペソのシャブリを出荷しました。ドゥテルテは、国営テレビで彼の息子に「上院が招請した調査ための聴聞会に行くな!」と言いました。ドゥテルテも麻薬に従事していて、ビジネス上の敵をすべて取り除き、操作できるようにしたいと考えている証拠を私たちは持っています。麻薬撲滅には真剣ではありませんが、貧しい人々を殺すことに真剣に取り組んでいます。

 薬物キャンペーンにおける「薬物撲滅戦争」とは、強烈な皮肉です。
 私たちは、ここフィリピンでの麻薬問題は、貧困層の問題と深くと関連していると考えています。フィリピン社会は、家族を養うに十分な給料を支払う仕事を与えることができません。そのため何人かの人は薬物に手を出し取引しています。薬物蔓延は社会構造的な問題であり、社会改革をふくむ解決が必要であり、殺害するだけでは解決しません。都市の貧しいコミュニティの末端売人を殺しても、大量の薬物を持ちシャブ研究所を運営している億万長者はドゥテルテの友人や息子であり、法律では有罪にできません。正義はどこにあるのでしょうか? 「麻薬撲滅戦争」とは一体何でしょうか? 貧民に対する戦争にすぎません。

 9月20日、ブリュッセルの国際人民裁判所(IPT)は、人権侵害であるとしてロドリゴ・ドゥテルテ大統領が有罪判決を言い渡すでしょう。

6)中国と米国との関係は? 
  ドゥテルテ政権は米中等距離外交に転換したのか?

 ドゥテルテ大統領はメディアとの対話で米国を批判します。しかし、言葉だけです。真剣であれば、米国の利益を保証するすべての法律が解消されるでしょう。ドゥテルテは米国に有利なように振る舞っています。彼は米国を訪問し、ドナルド・トランプ大統領は今年もフィリピンを訪問しました。

 2018年1月、ジェームズ・マティス米国防長官は、トランプ大統領が提出した国家安全保障戦略にかかわる米国の国家戦略(NDS)を報告しました。「テロとの戦いは継続するが、強力な国家(=中国とロシア)との競争に米国の国家安全保障に焦点が当てるられるだろう」というのです。つまり、これは2001年9月以来の政策と、まったく異なっています。

 ロシアと中国は、米国にとって既存秩序を覆す「修正主義勢力」であり最大の敵という扱いです。
 アジアリバランス戦略(または太平洋に戻ってくる戦略)により、米国は中国に対する戦争を準備しています。米国はアジアに戻るでしょう。米国は最も強力な軍備、武器、軍事技術を持っています。しかし、中国が認めなければ、特に「中国海」と呼ばれるASEAN海に入るのは容易ではありません。米国と中国の覇権争いは長い間続くでしょう。

 米国は日本、オーストラリア、インドと同盟してきました。今年3月、シドニーにおけるASEANサミットでは、ベトナムとオーストラリアが戦略的パートナーシップに調印しました。これは包括的なパートナーシップよりも高いレベルです。米国は、中国に対する台湾問題を沸騰させるため、ヴェトナムとインドの間の連携を促しました。

 トランプは、あらゆるレベルの米国関係者と台湾の間の訪問を奨励している「台湾旅行法」に署名しました。この法律は中国によって抗議されました。

 米海軍のルーチンは「航行の自由作戦」であると宣言しましたが、トランプ政権になって南シナ海での米海軍の頻繁な行動が目立ちます。2017年5月から18年5月にかけて5回の「航行の自由作戦」を実行しまし、中国は抗議しました。
 そういうわけで、2つの強力な国家間の戦争の炎は、燃え続けています。

7)イスラム・テロ組織マウテ・グループには、
  米国やサウジ・湾岸諸国という雇い主がいる。
 中国に接近したドゥテルテ政権を牽制し、
 米軍がフィリピン政治に介入する理由をつくるための
  テロ事件だったのではないか?

 私たちは、17年にミンダナオ・マラウィ市でテロ事件を起こしたマウテ・グループ(Maute groups)が、まだミンダナオにいるとみています。おそらく、このテロ集団は政権を追い詰めることを目的にしているようですが、ドゥテルテが気にしていません。

 しかし、私たちはCIAの手が、ここまで及んだと判断しています。ドゥテルテが中国と友好関係を続け、米国を追い払うなら、ドゥテルテは米国によってゴミ箱に投げ捨てられるでしょう。いつものように、フィリピン政府は米国の操り人形であり、その現実に疑いはありません。ドゥテルテは中国と付き合っていますが、米国を追い出すことはできません。ドゥテルテは人々をいじめ威嚇する大統領ですが、米国をどのように扱うかはよく知っています。

 ドゥテルテの何十億ペソもの銀行口座が公開されました。機密扱いですが、すでにニュースになっていて、この口座は本当です。だから、ドゥテルテはトリラネス(Trillanes)上院議員が求めていた権利放棄に署名できないのです。米国はドゥテルテを簡単に捨てることができるので、ドゥテルテに対しすべてのステップで責任を持てという警告となっています。

 私たちは、中国と共同の石油探査のように、中国との外交政策、パートナーシップ政策を確立すべきです。

8)ドゥテルテへの支持率が高い理由は何か?

 ドゥテルテへの支持率が高いのは、多くの人々がいまだに彼を信じているからです。大統領選に勝つためには、誰もがより良いフィリピンを望むその希望に応えなければなりません。しかし、多くの人々は、ドゥテルテが大統領府にいるときは、失望しています。

 ドゥテルテはカトリック司祭、サント・パパを批判しました。反薬物戦争での殺人、人権侵害についてカソリック教会のコメントを批判したのです。多くの支持者、特に今日のローマカトリック支持者は、政権に批判的ですが、多くの人々はまだまだです。

 しかし、ドゥテルテの支持者は、今日の時点ですでに減少しています。 少額の給与増を予算化しましたが、TRAINが市場に完全に導入され、多くの人々は生活が苦しくなったと感じ、心が変わっています。

 いまだ騙されたままの人は、まだドゥテルテを崇拝しています。たとえあなた方が虚偽の姿を見破っても、フィリピン国民は「嘘つき大統領」を信じる文化を持っています。私たちはそれをカルトと呼びます。宗教的な崇拝と特定の人物への献身システムのようなものです。しかしこれは以前と同じくらい膨大な数ではありません。

 一部の人はドゥテルテを恐れています。なぜなら、ダバオ市長としての任期中、彼は「ドゥテルテ暗殺部隊(DDS)」を持ってました。DDSが本当に存在することはよく知られています。殺されることを恐れて、多くの人は大統領に反対できません。だから、この大統領の本当の人格と態度を見抜いたとしても、多くの人は黙っているほうが良いと判断するのです。無責任と独裁の文化はどこにでもあります。憲法、特に権利章典に表現の自由が記されているにもかかわらず、人々は意見を述べたり主張したりすることができません。ドゥテルテの暗殺部隊によって殺されるからです。

 ドゥテルテ大統領は、5千人のトロール(意図的に攻撃的または挑発的なオンライン投稿を行う人、偽のニュースを作成し、ソーシャルメディアで大統領に反対している人を脅かす人)を雇用しています。選挙の前に、この人々は既に雇用されていました。そしてドゥテルテ家族がどれほど貧しいか発信しました。ドゥテルテが小さな家の中に座って、質素な服を着て、 "このダバオ元市長が裕福ではないのは、腐敗していないからだ"と言いながら、朝食に小さな魚とトマトを食べている写真を発信しました。これらはすべて、「ドゥテルテが腐敗していないことを人々の心に留める」ための嘘でありフェイクニュースなのです。

 これが、彼が多くの支持者を持っている理由です。
 ドゥテルテが大統領に選出されたとき、広報副次官にモカ・ウソン(Mocca Uson)を任命しました。この女性は、政府のなかにいて偽ニュース発信の仕事をしています。モカは、公務員である間、少しも控えめに振る舞いませんでした。彼女にほぼ120,000ペソ/月を支払っていますが、偽ニュースの宣伝と政権の自己賛美以外、何もしていません。

 モカは昨年、大統領の力を示すために、昨年100万人のドゥテルテの支持者を集めようとしました。目標は達成したと宣伝しましたが、ラリーの写真やビデオを見ると、参加者は2,000人以下で、しかも手に無料の食べ物を持っているのです。

9)政権発足当初、NDF 出身の閣僚を任命し、
  最近になって解任している理由は何か?

 NDFの支援は、ドゥテルテが大統領選に勝つために大きな助けとなり、本当に必要とされていました。ドゥテルテはNDFメンバーに内閣内のいくつかの地位を与えましたが、意見を主張し事業を実行するうえでそれほど重要な部門ではありません。 ドゥテルテの仲間と「操り人形」こそ彼にとって最も重要なスタッフです。投資家/資本家の関心を果たし,ドゥテルテの利益を実現している限り、立場と役職において能力があるかどうかは重要ではありません。

 もちろん、ドゥテルテはNDFの思想と立ち位置までコントロールできません。実際には、NDFはホセ・マリア・シソン(フィリピン共産党の指導者、オランダ在住)が批判している通り、ドゥテルテを批判しています。そのため、ドゥテルテとホセ・マリア・シソンはテレビでお互いに喧嘩していることが多いのです。

10)議員の多数がドゥテルテを支持するに至っている理由は何か?

 それこそフィリピンにおける政治的実践と文化であり、大統領府であるマラカニアン宮殿に座りぱなしのすべての大統領は、大統領の政党の権益に結びつこうとする下院議員や上院議員の多数の支持を得ています。大統領支持の議員は自分たち「多数派ブロック」と呼び、党に残っている議員は「少数派ブロック」です。
 大統領の党や大多数の政党に参加していない議員で大統領が議員を助けない場合、担当する開発プロジェクトには資金提供されず、予算は他よりも低くなります。多数派ブロックにいる場合、腐敗し悪化している場合でも、行政は議員を手助けします。それこそ少数派をしのぐ、多数派の力なのです。大統領と伝統的な政治家の利害とは一致しているのです。

4499745.jpg
<2017年12月、ドゥテルテは「自分が専制君主になったなら、撃ち殺していいと警察と軍命令した」と発言。ドゥテルテのパフォーマンス>








nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。