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現代日本の「じぶん褒め」症候群 [現代日本の世相]

現代日本の「じぶん褒め」症候群

 TV番組で、「じぶん褒め」が目立つ。いずれも外国人を登場させ、コメントさせる。
「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!視察団」
「YOUは何しに日本へ!」
 日本と日本人に対する根拠のないプライドを煽る。

 日本経済が低迷という「失われた20年」を経験し、中国にGDP第2位の地位を奪われた。しかもその差は広がる一方。「中国の台頭と発展の現実を決して認めたくない」という政治路線を実行しているのが、安倍政権の面々である。

 他方、格差社会となり多数の貧困化した日本人にとっても、「自尊心を満たす」「じぶん褒め」が心地いいのかもしれない。一瞬でも、苦しい現実を無視し忘れることができる。

 「日本の技術力は優れている? 日本人の仕事は丁寧だ?・・・・・」と繰り返す。
 福島原発の汚染水漏れに対する対策こそ、日本の技術力を示している。「溝を掘って土手を少し高くして汚染水の流出を止めます」とイケシャアシャアと東京電力は報告する。
 この仕事は、優れた日本の技術力かい? 日本的に丁寧かい?

 外交といえば米国の意向ばかり気にし、先進国とばかり付き合い、中国やアジア諸国に向いていない。ASEAN諸国は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加しない日本政府に失望し、「化石化した日本」と呼んでいる。
 AIIBによる開発は新たな問題を引き起こすだろうが、現時点で明確なのは、中国や東アジアと友好関係を築くことが友好と平和への道であり、TPPに加盟し米国への依存を深めるのが戦争への道である。

 「自尊」、「じぶん褒め」は、現代世界政治から孤立する日本と日本人の現実からの逃避でもある。現実を見ないで、「心地いい」言葉だけを耳に入れたがる。大手マスメディア、新聞、週刊誌は自尊心をくすぐる「心地よい」報道しかしない。本当のことを報道しない。あるいは嫌中・嫌韓の報道しかしない。さらに一部は、歴史修正主義、復古主義につながっている。
 
 現代日本の「じぶん褒め」症候群は、日本人が全体的に愚かになりつつある一つの現象ではないか。究極の「じぶん褒め」は、国際聯盟脱退であり、戦争中の大本営発表であった。ゆっくりとその状態に近づいていると感じるのは、私だけだろうか。

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