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最低賃金引き上げの要求 [フィリピン労働運動]

 1月25日、アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)のエミリーから近況報告が届きました。最低賃金は中央ルソンとして定められており、中央ルソンの労働者にとって大きな課題になっています。石炭火力発電所が稼働し発生した問題や、アンバ・バーラの労働組合の労働協約交渉などが報告されています。フィリピンでは、「労働協約(CBA)」で賃金、手当、医療補助などあらゆる労働条件が経営者と労働組合の交渉によって定められ、労働協約は定期的に交渉で改訂されます。労働組合を結成し組合代表選挙に勝利しなければ、労働協約締結交渉はできないのです。

 1)労働者は、ただ13ペソ(日給32円)の賃上げを要求しているだけだ!

 サンフェルナンド市にて
 「中央ルソンでは、最低賃金、日給で13ペソ(約32円)引き上げて初めて、この3年間で食料価格の高騰を補うことができるのです」とマカバヤン(労働組合ナショナルセンターの一つ)は主張しました。
 中央ルソン・マカバヤン事務局長エミリー・ファヤルドは、「最低賃金引上げ要求13ペソは、2014年11月30日に、地域三者賃金・生産性委員会で承認された金額ですが、労働者の実際のニーズからは「ほど遠い」額です。わずか13ペソの賃上げでは、米や他の生活用品の価格の上昇をカバーできません。何かしらの救済と感じることさえできないのです。この地域(中央ルソン)の1,000万人以上の労働者は、最低賃金を得る資格があるのであり、最低賃金の上昇に生活上の利益がかかわっているのです」と彼女は述べました。

 「労働者の必要や生活上の実際的なコストは、日給にして60ペソ(約150円)の最低賃金上昇が必要であり、地域三者賃金・生産性委員会はフィリピン政府に強く実施を要求すべきなのです。あらゆる労働者が、委員会の賃上げ全体から除外されるべきではありません。基本的な食品価格の上昇、他の商品とユーティリティの価格上昇によって、逆に影響を被っているのであり、したがって契約労働者だろうが、正社員だろうが、賃上げはなされるべきなのです」と、エミリー・ファハルドは語りました。

 2)バタアン労働組合連合についてのいくつかのレポート:
 この2015年は、アンバ・バーラ影響下の二つの労働組合の労働協約改定交渉が予定されています。

 2)-1:マリベレス発電所従業員労働組合(MPSEU: Mariveles Power Station Employees Union)

 当労働組合は、2014年第一四半期に設立されました。労働組合は組合代表選挙で勝利し、2014年8月に労働協約交渉を行いました。146名の組合員のほとんどは熟練労働者と技術者です。熟練労働者だからこそ、ここバタアン州マリベレス、アラスアシン・バランガイで、600メガワットの石炭発電所を稼働させることができたのです。技術者や熟練労働の平均的な月賃金は、25,000ペソ(約62,500円)から80,000ペソ(約20万円)です(発電所オペレイターは37,500ペソから80,000ペソ)。このような額は、経済区、バタアン自由貿易地域(以下FAB:The Freeport Area of Bataan)内の製造業労働者の月収、または日給に比べ、はるかに高いのです。電力供給は戦略的産業であるからです。

 GNパワー社は、中国のデナム資本とサイス・グローバル社からなる米国資本がオーナーでした。しかし昨年、中国系デナム資本は、フィリピン・アラヤ財閥ACエネルギー・ホールディングス社に所有権を、1億5500万㌦(約180億円)で売却し、その結果アラヤは17.1%の株式を所有するに至りました。

 2)-2:ナショナル・アライアンス社労働組合(以下NACLU:The National Alliance Corp Union):

 現行の労働協約を 2年間延長するため、NACLUは、この2015年2月10日、労働協約交渉を予定しています。団体交渉は、「賃金」と「労働者への手当」だけに限って行われます。この会社はイラン資本であり、プラスチック・パレットを生産しており、96名の組合員がいます。

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