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安倍政権、国際的に孤立――2月6日(水)、首相官邸前要請行動 [元「慰安婦」問題]

 2月6日(水)、第1060回ソウル・水曜デモに連帯した首相官邸前要請行動を行いました。

 安倍首相・岸田外相宛て「要請書」を内閣府に提出し、その後首相官邸前で要請行動。6日は未明から雪が降り、要請行動中は小雨に変わりましたが、首相官邸前で訴えとチラシ配布を行いました。
 そのあと、三鷹駅前に移動し、同じように「慰安婦」問題の解決を訴えチラシを配布しました。

 2012年12月27日、安倍新政権は「河野談話」の見直しを表明、また歴史認識の変更、書き変えを意図していますが、各国政府、人権団体は新政権の動向に注目しています。
 「河野談話」見直し表明に対しては、さっそく批判の動きが起きました。
 1月29日、米ニューヨーク州上院では「慰安婦」問題野解決を求める決議が満場一致で採択されました。米連邦議会でも「第二の『慰安婦』決議」採択の動きがはじまっています。

 安倍新政権発足後、日米・日韓首脳会談を打診しましたが断られました、そのため年初にアセアン・豪州を訪問し、そこで「中国包囲網」形成を持ちかけました。しかし、アセアンでも豪州でも、即座に拒否されました。「中国包囲網」形成を外交方針にするなど、ほとんど幼稚で現実知らずの国際感覚です。2013年の中国・東アジアは世界のなかでどのような位置を占めているのか、まったく理解していません。日本と中国でさえすでに深い相互依存関係にあり、この関係を無視して現在と近い将来の日本の進むべき道、あるべき姿を構想することはできません。日本外交には国際関係に対する現実的な認識が欠如していることを暴露してしまいました。

 それに加え、カー豪外相からは岸田外相に対し、「河野談話」見直しに反対すると会談の場で直接表明されてしまいました。

 提出した「要請書」を添付します。

130206 首相官邸前 004 (480x360).jpg
<2月6日(水)、第1060回ソウル水曜デモ連帯、首相官邸前要請行動>

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安倍 晋三  総理大臣  様
岸田 文雄  外務大臣  様

日本軍「慰安婦」問題の即時解決を求める要請書

日本軍による性奴隷制問題を直ちに解決すること

1. 日本政府は、日本軍「慰安婦」被害者に対し、謝罪と賠償を行い、問題をただちに解決すること。

2. 安倍政権は、「河野談話」(1993年)の見直しを即刻やめ、「河野談話」継承を安倍内閣として確認すること。

 菅義偉官房長官は12月27日の記者会見で、「河野談話」の見直しを示唆した。
 中韓両国政府は、「日本政府は歴史問題をきちんと清算していない」という評価において一致しており、この先「日本政府が歴史問題のどのような認識を選択するのかが、この地域の平和と安定に影響を与える」(1月11日、韓国訪問中の中国・張外務次官の発言)と安倍政権の姿勢に注目している。
 安倍政権による「河野談話」見直しは、中国・韓国を含むアジア諸国との外交関係を即時に悪化させるものである。
 中国・韓国ばかりではなく欧米メディアも早速、「女性を性奴隷にしたことを含む第二次世界大戦中の加害の歴史を書き直そうとするものである」と安倍政権の姿勢を厳しく批判している。
 豪州のカー外相は1月13日、岸田文雄外相との共同記者会見で、「慰安婦」問題で旧日本軍の強制性を認めた1993年の「河野談話」について「近代史で最も暗い出来事の一つであり、見直しは望ましくない」と述べた。
 「河野談話」の見直しは、決してしてはならない。外交関係を危うくするばかりでなく、日本社会の国際的な信頼を損なうものである。安倍内閣として即刻「河野談話」継承を確認することを求める。

3. すでに、日本軍性奴隷制問題(日本軍「慰安婦」問題)は日韓の二国間問題ではなく、国際的な重大な人権侵害問題となっている。また、外交課題となっており、即時解決に取り組むこと。

 日本軍が性奴隷制を軍組織の一部とし運営し保持してきたこと、重大な人権侵害を行ってきたことは、歴史的な事実としてすでに全世界に明らかになっている。日本政府がその歴史的事実に正面から向き合おうとせず、それどころか、これを隠し歴史を書き換え、責任を逃れようとしていることもまた、世界の人々はよく知るに至っている。
 「慰安婦」問題の解決を今こそ行わなければ、日本政府と日本の社会は、現代と将来の国際社会から信頼を失い孤立した存在になってしまいかねない。
 安倍政権発足に伴い、すでにそのような批判は起きている。
 米連邦議会では、「第ニの決議」採択する動きがすでに広がっている。
 下院外交委員長のエドワード・ロイス議員(共和党)は1月23日、ニューヨークの韓国人団体「韓米公共政策委員会」の代表団と会い、「第二の『慰安婦』決議」に賛成する意向を示した。また、民主党議会選挙対策委員会(DCCC)の委員長を務めるスティーブ・イスラエル議員も同日、韓米公共政策委員会のイ・チョルウ会長らと会った席で決議を提案する考えを示した。
 米下院は2007年7月、旧日本軍による「慰安婦」の強制連行について、日本政府に謝罪を求める決議を満場一致で採択した。しかし、決議採択から日本政府の対応は何も変わっておらず、それどころか安倍新政権の「河野談話」見直し方針が伝わるや、あらためて採択が必要だとする声が広がっている。
 民主・共和党指導部の実力者である両議員が支持の意向を表明したことから、米議会で約5年ぶりに超党派的な慰安婦決議が採択される可能性が強まった。
 韓米公共政策委員会は決議の内容と関連し、2007年の決議の大枠を維持する一方、旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた「河野談話」の見直しに反対する文言が含まれるよう、議会に求めると表明している。
 
 1月29日には、ニューヨーク州上院で「日本軍「慰安婦」決議案304号」が満場一致で通過した。これは、安倍政権に対する最も早い国際社会の批判・反応である。

 米国議会で「第二の『慰安婦』決議」が採択される前に、安倍政権が自らすすんで「慰安婦」問題の解決を表明することを求める。

4. 日本政府は、日韓請求権協定で日本軍「慰安婦」問題がすべて解決済みとの、政府見解をあらためること。
韓国ソウル日本大使館前での、高齢となった被害者たちと支援者たちによる水曜デモは本日で21年目、1060回目となった。またオランダでは、対日道義負債補償請求財団が日本大使館前で要請を続けている。これらの要請に真摯に応じ、被害者の納得のいく解決を図ること。

 韓国政府は、これまでの日本政府の対応から、「日本政府は軍国主義を清算していない!」、「右翼的傾向を強めつつある」という、批判的な認識を持つに至っている。この点では中国政府と認識を共有している。
 韓国政府として「慰安婦」問題の解決を要求してきたが、日本政府は一切無視してきた。日本政府や日本のマスメディアは、「日韓関係のこじれ」を李明博大統領の竹島上陸から話を始める。韓国側に一方的に原因と責任があり、「日本は被害者である」と事態を描き出す。
 しかしこのような描き方は、きわめて一方的な、自分の都合に従った理解である。それに至る経過、その前の「慰安婦」問題解決の協議さえ拒否してきた日本政府の対応の経過は、一切報じない。都合の悪い事実は無視し、日本は被害者であると描き出す姿勢は、他方で「歴史認識」の欠如もしくは隠蔽と相応している。
戦前において「ABCD包囲網」の被害者として日本を描き出した時も、当時の現実的な国際関係の認識欠如もしくは隠蔽が、そこに相応し存在していた。
 ましてや、安倍政権は「河野談話」見直しを表明、歴史認識の書き替えを行おうとしている。その姿勢が変わらない限り、日韓関係を根本から改善することもできないし、本当の信頼関係を築きあげることはできない。
安倍政権は、日韓請求権協定で日本軍「慰安婦」問題がすべて解決済みとの、政府見解をあらためる姿勢を示すことから始めること、それ以外に解決にいたる道は存在しない。

 「『慰安婦』などいなかった!」、「南京虐殺などなかった!」 などと何でもかでも日本人のやったことを擁護するのが日本政府と日本人の利益となると考える人があるが、それは明確に間違っている。隠し通すことや、歴史を隠し、書き変えることで、逆に国際社会のなかで信頼を失い孤立する。現在と将来の日本と日本人の信頼を失ってしまう。
 アジアの人たち、国際社会は、「慰安婦」問題、南京事件などを日本人よりよく知っている。
 日本政府と日本の市民にとって真の利益は、「慰安婦」問題の解決を含む過去の歴史問題の解決すること、日本の軍国主義を清算すること、そのことによってアジアと世界の国々、アジアと世界の人びとの信頼をあらためて獲得し、人権国家として再出発することにある。
 
2013年 2月6日 
     フィリピン・ピースサイクル
     フィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩(ロラネット)  代表 大森 進
 
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