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1月29日ニューヨーク州で「日本軍『慰安婦』決議案304号」を採択 [元「慰安婦」問題]

 1月29日、ニューヨーク州上院で「日本軍『慰安婦』決議」304号が満場一致で採択されました。
 決議文を下記に転載します。
 また、決議採択の経過を報じる「中央日報」の記事も転載します。
 
 決議案が上程された1月16日以降、ニューヨーク州議員あてに、日本の右翼団体から「慰安婦などいなかった、性奴隷されたとは真っ赤な嘘」などというデタラメなメールが殺到し、そのことが逆に、米・ニューヨーク州議員の「慰安婦」問題にたいする問題意識を掻き立て、歴史認識を書き変えようとする現代日本社会の危険な動きを再認識させました。その結果、上程から2週間で満場一致での採択に至りました。

 ニューヨーク州だけではなく、米連邦議会でも「第二の『慰安婦』決議」採択の動きがはじまりした。
 2007年に米連邦議会は「慰安婦」決議を採択しましたが、そのあと日本政府は「慰安婦」問題の解決に向けて何もして来ませんでした。それどころか「『慰安婦』などいなかった」という歴史の書き替えが大ぴらに宣伝されてます。さらに「河野談話」見直しを掲げる安倍政権が登場してきました。
 このような情況に対し、国際的に厳しい批判が寄せられています。人権擁護団体を中心に米社会からの批判が湧き上がっています。
 これらの国際的批判の動き、経過を日本のマスメディアはほとんど報道しておりません。多くの日本人は何も知らない情況です。日本人だけが「慰安婦」問題を知らない事態がひろがっています。
 知らないことと相まってあるいは補完するかのように、日本人のあいだで「被害者意識」がひろがっています。

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 ニューヨーク州「日本軍『慰安婦』決議案304号」
 決議文 ; J304-2013
 「慰安婦」として世界に知られたこれらの人々にささげられたニューヨーク州の記念碑を追憶するための議会決議
130129 ニューヨーク州議員.jpg
<日本軍「慰安婦」決議案をニューヨーク州上院に発議したトニー・アベラ上院議員、1月31日「中央日報」より>

 日本による植民地の時代とアジア・太平洋の諸島を占領した戦争の時代、1930代から第二次大戦の間、およそ20万人の若い女性たちは軍隊による強制売春である「慰安所制度」に強制連行された。
 そして2012年6月16日、ニューヨーク州ウェストベリーにあるアイゼンハワー退役軍人記念公園に、「慰安婦」追悼記念碑が建立された。これは「慰安婦制度」の犠牲者たちの名誉を回復し追悼するためであった。
 この「慰安婦」追悼記念碑は、同種の記念碑としては、アメリカ合衆国内では、二番目の記念碑となった。それは「慰安婦」に追い込まれた女性たちの苦しみの象徴として、また「慰安婦」制度をつうじて犯された人道に対する犯罪の記憶の刻印となっているものである。
 歴史上におきた重大な史実に注意喚起を増大するために設立されたニューヨーク州における歴史的記念碑を確認することは、立法機関としての慣例である。
 国際連合は、地球上でいかなる時でも常に240万人の人々が人身略取の犠牲になっており、そしてこの80%が性奴隷とされていると報告している。だからこそ今ここに、ニューヨーク州のこの追悼記念碑が「慰安婦」として世界に知られるに至った人々にささげられたものであると決議し、立法機関として公報し記憶することを決定した。
 さらに当決議の写しが、適切に遵守されるよう韓国系アメリカ人公共政策委員会、クッファーバーグホロコースト資料センター、韓国系アメリカ人市民権利拡大エンパワメント(権利拡大)の各団体に伝えられるべきである。(翻訳:平田一郎)

 ニューヨーク州「日本軍『慰安婦』決議案304号」の原文です。
 J304-2013 Text
LEGISLATIVE RESOLUTION memorializing a Memorial Monument in the State of New York that pays tribute to those who have become known to the world as 'Comfort Women'

WHEREAS, During the Japanese colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II, approximately 200,000 young women were coerced into the Comfort Women system of forced military prostitution; and
WHEREAS, On June 16, 2012, the Comfort Women Memorial Monument was established in the Veterans Memorial at Eisenhower Park in Westbury, New York, to honor and commemorate the victims of the Comfort Women system; and
WHEREAS, The Memorial Monument, being the second memorial of its kind in the United States, symbolizes suffering endured by comfort women and serves as a reminder of the crime against humanity committed through the Comfort Women system; and
WHEREAS, It is the custom of this Legislative Body to recognize historical monuments within the State of New York that are established to increase awareness of serious events that have taken place in history; and
WHEREAS, The United Nations reports that 2.4 million people across the globe are victims of human trafficking at any one time, and 80 percent of them are being exploited as sexual slaves; now, therefore, be it RESOLVED, That this Legislative Body pause in its deliberations to memorialize a Memorial Monument in the State of New York that pays tribute to those who have become known to the world as 'Comfort Women'; and be it further
RESOLVED, That copies of this Resolution, suitably engrossed, be transmitted to the Korean American Public Affairs Committee, the Kupferberg Holocaust Resource Center and Korean American Civic Empowerment.

 決議採択の経過を伝える中央日報の記事を下記に転載します。

 日本の極右団体の妨害でも「慰安婦」決議採択したニューヨーク州上院
 中央日報日本語版 1月31日(木)10時42分配信

 日本軍「慰安婦」決議案をニューヨーク州上院に発議したトニー・アベラ上院議員が29日、満場一致で決議案採択後に韓国や日本のメディアなどを相手に記者会見をしている。
 「ニューヨーク州の上下院議員の相当数が日本の極右団体から醜悪な電子メール攻撃を受けました。「慰安婦」問題をよく知らなかった議員さえそのメールを見て背を向けました」。
 1月29日にニューヨーク州上院で満場一致で通過した「日本軍『慰安婦』決議案304号」を発議したトニー・アベラ議員によれば、
 当初「外交問題には触れない」というニューヨーク州議会規定のために決議案通過が容易ではないものと心配したが、日本の極右団体の水準以下の妨害工作がむしろ逆効果を生み、16日に上程した決議案が2週間ぶりに反対討論すらなく一気に採択された。

 ニューヨーク州の上下院が「慰安婦」決議案を上程すると、議員には「なでしこアクション」という日本の極右団体が主導した数百通の電子メールが殺到した。「韓国人女性を日本軍の性的奴隷として搾取したというのは真っ赤な嘘」という内容だった。日本の「なでしこアクション」が主導した“電子メールテロ”であり、実際ニューヨーク州議員に送られた電子メールのほとんどがこの団体のホームページに提示されたサンプルをコピーしたものだった。
 ニューヨーク州だけではない。昨年11月にはニュージャージー州のローカル紙「スターレジャー」に「慰安婦」の存在を否定する広告が掲載された。極右派ジャーナリストの桜井よしこと自民党、民主党、無所属議員39人が主導したものだった。この広告は「許可を受けて売春行為をした「慰安婦」は日本軍将校より収入が多かった」という妄言まではばからなかった。

 ニューヨーク州上院に続き2007年に「慰安婦」決議案を採択した連邦下院も糾弾レベルを高めた新たな決議案の採択の動きを見せている。アベラ議員は、「韓国をはじめアジアと欧州で20万人の幼い少女が日本軍の性的奴隷として引っ張られていったのは20世紀最悪の女性人身売買だった」と話した。彼は「米国はどんな理由であれ女性人身売買を認めない。謝罪どころか醜悪な妨害工作で歴史を歪曲しようとする試みは結局逆効果を生み出すだけだ」と強調した。
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