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 比最高裁判事、比国会で弾劾! [フィリピン元「慰安婦」]

 比最高裁判事、比国会で弾劾!

 0)はじめに

 フィリピンでも、戦時性暴力被害者団体であるマラヤロラズが、「フィリピン政府は被害者の人権回復のために日本政府と交渉すべきである」ことを比最高裁に訴えました。しかし、韓国とは違って、棄却されました。しかしその棄却判決に当たり、最高裁判事が国際的な論文を出所も明記せず、判決文にコピーして使用しました。しかもその趣旨をまげて引用したのです。比最高裁の権威は地に落ちました。フィリピン大学法学部教授37名が連名でこの「剽窃」を批判する声明を出しました。しかし最高裁は判決を剽窃したカスティーリョ判事を擁護しました。そのことが比国会で問題になり、比国会で弾劾が行われています。公聴会の様子の報告が、カイサカ議長ヴァージニアさんから来ました。

 1)2月14日比議会公聴会 

 2011年2月14日に、比議会の公聴会が持たれ、更なる証拠を確認して提出するために、ロラたちが原告として召喚されました。

 最高裁判事マリアーノ・デル・カテーリョに対する弾劾告訴の件

 まず確認しなければならないのは、マラヤロラズが比最高裁に対して提起した比国外務大臣に対する職務執行義務確認訴訟において、最高裁判事マリアーノ・デル・カステーリョが判決を書くにあたり論文の「剽窃」を行ったという点です。

 政府の職務執行義務確認訴訟においてマラヤロラズが訴えたのは、心からの謝罪に値する戦時性暴力という悪行に対して、比政府が国民を代表して被害者たちが求める正義を実現するため、比政府が比外務省に(日本政府に要求交渉を)命令する職務執行義務の履行をすべきだということです。

 2)比最高裁の棄却理由

 比最高裁に対する訴えは、以下の理由で棄却されました。
 a)比政府はすでに1951年に賠償協定を日本政府との間で締結した。
 b)最高裁は、政策執行機関にのみ定められた政策執行以外に、命令する権限がない。
 c)ロラたちが訴えた内容の請求は、国際的な法理となっていない。

 以上の判決文を書く時に、最高裁判事マリアーノ・カスティーリョは、第二次大戦中の被害者の苦しみを実際には支持している国際的に認められた著作家、学識者であるエリス、フォックス、タムス等の著作から「剽窃」したのでした。

 「剽窃」であったという理由で、再審理の請求と、追加の再審理請求が起されました。

 追加の再審理請求では、私たちは、文字通りの言葉を直接コピー(即ち剽窃された)32箇所を判決文の中に指摘しました。国際的な著作者の著述のコピーを、カスティーリョ判事は、前置きも原典に対する引用紹介もなしに、使ったのです。

 このように、問題は単なる「剽窃」の問題だけではなく、これらの原典となった著作本旨の歪曲と論理的な結論を罠に陥れるものです。
 もしこれらの著作の真実の文脈で使用されるなら、最高裁は訴えを認めるべきということになるのです。

 3) 責任逃れする最高裁

 マラヤロラズを打ちのめした棄却判決のなかで、最高裁はロラたちの痛みと苦しみを感じ、分かち合っていると述べました。しかしそれは言葉だけでした。
 再度確認しますが、最高裁は法的な被害回復義務の責任を明確に回避したのです。

 最終的な審判者であり、最終的な正義の砦と呼ばれる最高裁に正義を与えるのを拒まれたら、一体ロラたちはどこに行けばいいのでしょうか?
 最高裁は最終的には、「一方で『剽窃』は存在するが誠意を持って書いたのだから、同じことだ」と語ったカスティーリョ判事を免罪しました。最高裁は欺いたり「剽窃」したりすることは、かまわないというのです。このような判断は、明らかに間違っています。

 前述したように、ロラたちは数人の議員と共に、弾劾訴追を訴えました。下院の法務委員会は、訴えは形式的にも実質的にも十分であると認めました。そして、2012年2月14日の審理においては、双方が更なる証拠が(もしあれば)述べる公聴会が開かれたのです。

 4)公聴会でのロラの発言をめぐって

 公聴会のなかでロラたちは、次のように質問されました。「あなたたちは、訴えを提出するなかで、本当は何を求めているのか?」
 ロラたちは答えました。「私たちの正義を求めているだけです」と。
 質問されたのは、判事を追い出したいのかどうかでした。ロラたちは「いいえ」と答えたのです。「判事は悪い行いを正すべきである」と言い直しました。

 ロラたちは後で、判事が自身の間違いを修正しないならば、同じ間違いが繰り返されるのを避けるために、彼が最高裁から追い出されるのは正当で、またふさわしいことであると、説明しました。
 その時、少なくとも 3人の議員が、質問の脈絡からでたロラたちの言葉の意味を問いただし、ロラたちが訴追の要であったカスティーリョ判事の罷免を、本当は望んではいないと、ねじまげて解釈しようとしたのです。

 弾劾訴追を上院に提出するに当たり、相当する証拠があるか、あるいは相当する事件かどうかを決める投票が、2012年2月20日に予定されています。

 連帯して、2012年2月24日
 カイサカ議長  バージニア・ラクサ・スアレス

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