SSブログ

パルパランを告発せよ! [フィリピンで政治的暗殺が横行]

 フィリピンでは、労組活動家、ジャーナリスト、教会関係者などが、「オートバイに乗った二人組」によって暗殺(=フィリピンでは「超法規殺人」と呼ばれています)される事件が続いてきました。フィリピンの現状支配システムや支配層の意にそぐわないものは、直接的に暗殺してしまえ、ということがまかりとおって来たのです。

 アロヨ政権下でこの「超法規殺人」が増えました。軍が関与していることは公然の秘密です。
 「超法規殺人」そればかりではなく、軍が何人かを拉致し、拷問し、殺害した事件が何件もあり、その事実の一端が、最近に明らかになりつつあります。
 その実行者の一人、パルパラン元少将の告発が始まりました。

 アキノ政権がこの告発を最後までやりきるのか、国軍の腐敗をどこまで告発できるのか、注目されています。

―――――――――――――――
パルパランを告発し、「超法規殺人」犠牲者に正義を与えよ!

 メロ報告とオルストン報告を顧みる時だ!            
  KPD(民族民主主義のための運動)声明


 引退したホビト・パルパラン少将の名は、再び知れわたりました。以前のカダパン・エンペーノ事件で直接手を下した疑いがある上に、2006年6月26日拉致された二人のUP学生の違法な拘留の件で、起訴されたのはこの前の12月15日でした。

120110 パルパラン元少将.jpg
<パルパラン元少将>

 進行中の公判を受けることをパルパラン元少将は拒絶しました。「法的手続き」と「法の支配」に対するパルパランの「根深い侮り」を、再び確認することができます。何しろ彼は「超法規殺人」(=暗殺)の執行者なのですから、法を侮るのは常識かもしれません。 彼の擁護者は、公正な裁判を求めています。 しかし、公判に応じるのを拒否して、どうして公正な裁判を行うことができるでしょうか?

 軍隊におけるパルパランの経歴は、左翼もしくはその疑いさえあれば、人々を抹殺し社会を「浄化する」「近道」(=暗殺、超法規的殺害)をとり、目に見えた「成果」、任務を達成した点に特徴があります。支配層にとって「有能な番犬」であると誇示しているかのようでした。
 彼の任務は、第204旅団のミンドロの指揮官(2001-2003)の時期、そしてサマールをベースにした第8歩兵師団の副地域司令官(2005年2月~8月)の時期、80年代後半の時期に、中央ルソンにおける段階的な締めつけキャンペーン中において、違法な逮捕、拷問と「超法規的殺害」を残しました。その後に、パルパランは『肉屋』の称号を得たのです。

 遅くても、しないよりはマシ

 カダパン・エンペーノ事件で司法省はパルパラン元少将を告訴しました。遅くてもしないよりはマシであり、歓迎します。しかし、それは「刑事免責の壁」に単なる「ピンホール」をつくったにすぎません。 パルパランが熱中していた「超法規的殺害」、「失踪と誘拐」の700以上の事件が他に存在します。その多くの事件はパルパランがノーザン・フィリピン(AFP)軍司令部司令官である間に起こりました。

 ノーザンノーザン・フィリピン(AFP)司令部におけるパルパランの任務遂行能力は、アロヨの対ゲリラ活動キャンペーン国家政策で鮮やかに例証されました。 彼が指揮を執っている間、人権侵害はイザベラ州、コンポステーラ・バレーと南部タガログ地域で起こりました。 任務を忠実に果たしたため、パルパランは2006年、The State of the Nation Address(SONA)の期間中にアロヨ大統領によってさえ称賛されました。

 悲しいことに、パルパランは発狂していたわけでありません。

 パルパランは、人権尊重、人権保護において「ひどい記録」を残し、軍の悪評を確立した執行者でありました。フィリピン支配層の忠実な有能な番犬であることを示し、自らの存在をアピールしたのです。すなわち、パルパランを雇った者たちが、その背後にいるのです。そのことも決して忘れてはなりません。

 国家機関、国軍が犯した殺害では、パルパラン以外にも手を下した者たちが存在します。いまだ告発されていない責任者たちが、国家安全部門に存在しかつ現在も勤務しています。法の支配と一般良識をまったくの無視する「無法」の「雰囲気」は、現在に至るまで、われわれ政府のなかに存在します。 制服を着たこれらの「肉屋」たちは、パルパランと同様に法廷で裁かれるに値します。

 「刑事免責の壁」、「不処罰の壁」の完全な解体こそ必要です。2006年メロ委員会報告書だけでなく、「超法規的、恣意的処刑に関する国連特別報告」フィリップ・アルストンによる2007年報告書に戻るべき時です。 当時でさえ、革新派や民主的な活動家の「超法規的殺害」、処刑が相次ぎ、責められるべき責任者としてパルパランは正確に指弾されていました。

 一般的にいって、政府内、軍内はびこる腐敗やアロヨによる選挙違反と司法制度の改革に対する「アキノ大統領の熱心さと情」は、人権侵害に関しては何も感じられません。過去の人権侵害被害者のために正義回復の歯車を回しはじめることができず、アキノ政府の軍隊は、人権を侵害し続けています。大統領の人権委員会が、2年後に人権計画実現を達成するには、程遠い状況です。

 パルパラン捕獲のぶら下がっている100万ペソの報酬でさえ、十分ではありません。

 パルパランを告発しても「刑事免責」で終わらせてしまうならば、内閣には警察と軍、他の法執行機関、その人材と職員を組織する力はないこと、それどころか内閣が「超法規的殺人」とその隠蔽に関与していることが直ちに明らかになるでしょう。最高裁判所長官レナート・コロナに対する弾劾訴訟を起こすうえでアキノ政府がどのように振る舞ったか、思い起こしてください。大統領自身が、人々の政府に対する不信に根拠があることを証明しました。 多分今は軍キャンプ内でパルパランを探す時でしょう。

 パルパラン事件の解決は、人権と民主主義遵守を公然と表明するアキノ大統領にとって、この先「政治的リトマス試験」となるでしょう。誰もが注目し、監視しています。誰もが見極めようとしています。
 人権侵害の他の被害者、犠牲者と遺族は、確かに報いを受けるに値します。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。