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ミツミ電機バタアンでの正社員減らし「術」 [フィリピン労働運動]

 ミツミ電機バタアンで「正社員減らし」がすすむ!

 フィリピンピースサイクルでフィリピンを訪れた際に、現地の労働組合団体から聞きました。

 バタアン経済区のミツミ電機には、労働者が現在4,000名います。そのうち1,500名が正社員(レギュラー)で、2,500名が契約労働者(コントラクト)です。これまでからすればずいぶん正社員が減りました。

 ※ 「契約労働者」とは、5か月ごとに契約を更新する労働者。6ヶ月以上契約した事実があると、経営者はその契約労働者を正社員に登用しなければなりません。しかし、実際には5か月で契約を更新される続ける不安定雇用、低賃金の労働者。派遣社員とよく似ています。契約労働者は労働組合に入ることができません。

 ミツミ電機バタアンでは、ALU-TUCPの労働組合との労働協約がまだ改訂されていません、モラトリアム状態です。

 ミツミ電機バタアンで問題なのは、1,500名いるレギュラーを、さらに500名にまで減らす経営方針を掲げ、実行に入ったことです。具体的には、正社員に順次試験を実施し、合格しなければ正社員として契約しません。2011年2月には、50名の正社員が合格しませんでした。3月(先週)には182名が合格しませんでした。

 会社側が、自分の都合で一方的に正社員を減らし、そのことでいつでも首を切れる契約社員に切り替えているのです。賃金も下げることができます。例えば、リーマンショックの時のようなれば、容易に契約社員を解雇(=契約更新しない)できます。業績にあわせて調整弁のように労働者を増減できるのです。

 ミツミ電機バタアンにもALU-TUCPの労働組合はあります。ALU-TUCPは、会社のこのやり方に何の抗議もしていません。正社員が減ればそのままALU-TUCPの組合員が減るにもかかわらず、何の抗議も抵抗もしていません。
 近いうちに、正社員は500人程度にされてしまうでしょう。

 他方、5年以上も契約を継続された契約労働者がいます。法律にしたがって労働雇用省に訴えれば、会社側はその人を正社員に登用しなければなりません。しかし、正社員が会社の都合で一方的に減らされる状況、それに対し労働組合は抵抗や抗議もできない状況なので、この労働者はとても訴えることができないと言います。

 労働者は、なかなか契約労働者から正社員になれないのに、会社側は容易に正社員を減らすことができるシステムです。
 フィリピンでは、契約労働者が増えており、社会的に大きな問題になっています。Contractualizationと呼んでいます。

 ※ {ALU-TUCP}とは?
 ALU:フィリピンにおける産業別労働組合の一つ、ミツミ電機バタアンの労働組合は、ALU
に加盟している。
 TUCP:フィリピンにおける労働組合ナショナルセンターの一つ、ALUはTUCPの傘下産別

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