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福島第一原発で、最悪の事態か? [反原発]

 福島第一原発で、最悪の事態か?

 1)福島2号炉、格納容器損傷か?

 福島第一原発2号炉で炉心溶融が部分的に起き、原子炉圧力容器内の燃料棒が1,200℃以上の高温になって、燃料棒金属(ジルコニウム)と水蒸気が反応し、水素ガスが発生した。圧力容器の損壊を防ぐため意図的にベントしており、そのため水素ガスは外側の格納容器へ、さらには格納容器からもベントし建屋内に放出された。格納容器外と建屋内に蓄積した水素ガスが爆発し、圧力容器底部のドーナツ形状のサプレッションプール部の一部に損傷が生じたと、政府は発表した。

 1号炉、3号炉の場合も同様に水素爆発したが、幸運なことに、格納容器の重大な損傷は見られなかった。しかし、2号機の水素爆発は、事態がことなる。格納容器を損傷した。

 放射性物質を外界から格納すべき格納容器の一部に損傷が生じたのは、重大なことである。放射性物質がより大量に格納容器から漏れ出ることを意味している。しかもこれをコントロールできなくなったことを意味する。

 これまで、伝えられるところによれば、原子炉や格納容器内の圧力が高くなって損傷の恐れがあり、また冷却のための海水注入ができないとの理由で、限定的にベントして来た。その場合も炉内、格納容器内の放射性物質は放出された。このような対処は、すでに事故時の非常対応であるものの、最悪の事態を避けるための管理下での「究極の選択」であった。
 しかし、格納容器が損傷したことは、事故は次の段階に進んだことを意味する。

 2)4号炉の使用済燃料棒が爆発、火災

 さらに加えて、4号炉建屋で16日午前5時爆発があり、火災となった。炎は見えなくなったものの建屋の横に8m四方の穴が2つあいており、爆発で破壊されできたものであるという。

 運転中止中の4号炉建屋内部に保管されていた使用済燃料棒の冷却ができなくなり、水が蒸発し燃料棒が露出し、さらに高温になって水素ガスを発生させ、水素爆発を起こしたものと推定されている。

 運転中止中の4号炉建屋内部に使用済燃料棒に保管されていたこと、プールの冷却水の循環、水の供給が止まっていたことが、事故が起きて初めて、あきらかになった。

 この使用済燃料棒は、プールの水はすでに大部分が蒸発していると推定されており、したがって、炉内の燃料棒と違い、何の囲いもなく保護もなく、大気と接して露出していると推定される。きわめて重大な事故状態に陥っていると言える。
 報道によれば、16日午後12時現在、冷却されておらず、そのまま放射性物質が大気に放出されつつある。
 3月16日午前11時の枝野官房長官記者会見では「爆発の詳細は、現在調査中」と報告されただけである。

 このような使用済燃料棒の危険性は、運転中止中の5、6号炉にもあるし、さらに1、2、3号炉にもその危険性がある。詳細は、何ら発表されていないので不明である。
 
 いずれにしても、事態は重大である。放射性物質がより高レベルで放出され続ける事態になったということだ。

 3)正確な情報の開示を!

 一体何が進行しているのか、その全体像がまったくわからない状況だ。政府・東電は何を対処しようとしているのか、これもいまだによくわからない。これまで何度も政府、原子力安全・保安院、東電が記者会見で述べてきたことは、事故の進展によってことごとく覆っている。

 間違いなく事態は、巨大な原発被害、惨禍に向かって進んでいる水素爆発、炉心溶融、格納容器の一部破損、使用済核燃棒からの水素爆発・・・・・これまでありえなかった「恐ろしい事故」が次々と起きている。

 いたずらに危険を煽るつもりはないし、また現在は個々の責任を追及している時でもない。何よりも多くの人々の安全を確保するには何が必要かを考慮し、対処しなくてはならない。

 そのためには、正確な情報を開示し、政府レベル、各自治体レベル、住民レベル、個人としても、適切な判断と対処ができるようにしなくてはならない。
 現在は、東電からの情報が、まず政府に入り、検討のうえで発表されている。この時間差だけでも問題がある。
 「最悪の事態」を考慮した準備、先行した避難もすでに必要になっている。そのような対応が必要になっている。(文責:林 信治 、3月16日13:00)

追記

 福島原発事故関連のニュースを、背筋が寒くなるおもいで見ています。

 政府、原子力安全・保安院、東電は、まともに情報を発表しません。
 なんとか隠そう、小さく見せよう、問題がなかったようにしようと、対処しているのが見え見えです。
 枝野官房長官は「正確な情報をもとに、冷静に落ち着いた行動をとってください」と言いながら、正確な情報を出しておりません。

 また、TVに登場する元原子力安全専門委員、大学教授らは、原子力推進に荷担してきた人たちのようで、「事故を小さく見せよう、安全だ、心配ない」とばかり繰り返し、事故の内容、正確の全体像や、正確な判断を、国民に対して、示そうとはしていません。
 信用なりませんし、あてになりません。

 線量をモニターしながら、位置と時間経過の明確なデータを発表しようとしません。放射線量についても、「直ちに健康に影響する線量ではない」と繰り返しています。
 すなわち、逆にいえば、長期には影響を確実に及ぼすことを意味します。統計的には、発がん人口を確実に増やすことになるでしょう。
 被ばくを最小にするには、とにかく距離をとること、早めに避難することだと思われますが、パニックを恐れてでしょうか、そのような報道はありません。

 信頼できる情報の一つは、原子力資料情報室の発信です。記者会見を毎日行っており、映像でも見ることはできます。1万人くらいが、ライブで観ていました。

 以上
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