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「あなたが約束したチェンジを全く実感できない」 [世界の動き]

「あなたが約束したチェンジを全く実感できない」

 先日の日経新聞が、下記のような記事をつたえていた。
 
 …… 「あなたが約束したチェンジをまったく実感できない」11月に中間選挙を控えた米国。テレビ局が9月20日に主催した対話集会で、大統領のオバマ(49)を激しくなじったのは、中年の黒人女性だった。
 ……
 民意を前に苦悩する政治リーダーたち。共通するのは、前政権の停滞を打ち破る『改革』に期待を込めた世論の失望だ。…(10月16日、日本経済新聞)

 「中年の黒人女性の言葉」は、政権に対する人々の心情を見事に表している。実に印象的な言葉だ。
 オバマ政権は確かに自分たちが生みだした、しかし、できてみれば自分たちの政権ではなかった。

 失望するとともに、なじっている。
 オバマ大統領を「なじっている」のは、オバマを支持した人たちである。 

 オバマ大統領誕生時には、米国民には大きな期待があった、ブッシュ前政権の新自由主義経済政策の結果、米国でも貧富の格差が拡大し、イラク戦争で国家財政赤字も拡大する一方だった。そこへ2008年リーマンショックに始まる世界恐慌が人々を襲った。

 多くの米国人はもうこのままではだめだ、なんとか変えなければならないと考えた。経済政策、戦争政策におけるブッシュ路線をやめさせ、変革を求め、改革を実現する新しいリーダーを選ぼうとした。

 大統領選挙運動において、オバマを支持する運動は、これまでにない草の根の人々の支持を巻き起こし、小口の政治献金を広く薄く集め、新しい広がりを獲得した。人々の新しい力、期待が、オバマを大統領に選出した。

 しかし、2年たって、多くの人々は失望しているし、怒っている。
 「チェンジ」を合言葉に広がった支持は、ある熱気を持って広がったが、人々のその熱気に応えるだけの政策を実行することができない。せいぜい既存政策の手直しの範囲にとどまっている。

 多くの人々を落胆させつつある。
 曰く、「あなたが約束したチェンジを全く実感できない」 

 この言葉が、オバマを支持した大多数の米国民の気分を見事に代弁しているであろう。 
 
 さて、改革への期待と失望は、日本における民主党への政権交代に対しても、同様に生まれ広がりつつあるようである。(文責:林 信治)

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