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アキノ大統領100日間 [フィリピンの政治経済状況]

 アキノ政権が発足して100日以上がたちました。
 当選後もアキノの人気は衰えず、支持率は70%に達しています。

 女性団体カイサカによる「アキノ政権100日」の評価が発表されています。
 アキノ政権への人気が高いことを踏まえての声明になっているように見えます。

 アキノ大統領の立場や政策はよりリベラルであって、アロヨ前政権とははっきり異なるとしながら、その多くは「言葉」にとどまっており、すなわちレトリックに終わっていると表現しています。

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 カイサカのみるアキノ大統領100日間

記者声明 2010年10月8日、  カイサカ代表:ヴァージニア・スアレス・ピンラック弁護士

 アキノ大統領の確固たる姿勢は、女性のために輝かしい日々をもたらすと同時に、他の問題ではその立場と具体的な行動を明確にしなければなりません

 わたしたちカイサカは、在職したアキノ大統領の100日を経て、女性、特に母親にとって家族計画における大統領の立場は、愛情のこもったものであると評価しています。 アキノ大統領はまだ施政方針を明らかにしなければならなりませんが、しかしながら、女性と他の人びとに関する本当に行動を始めるべき問題において、彼の政府は、アロヨ政府とは本質的に異なっています。

 もし大統領が撤回しなければ政府に対する不安定化キャンペーンを引き立たせるというカソリック司教の警告にもかかわらず、異なった家族計画法へのアクセスと人口情報の提供を国家の義務において実施するという就任100日を経た確固たるアキノ大統領の立場は、わたしたちを勇気づけます。フィリピンで最も大きい教会のリーダーからの「強固な反対」に直面すると、多くの政治的指導者たちは後ろへ引いてしまうのです。

 しかしアキノ大統領は、いくつかの切迫した課題に関して、女性団体や他の取り残されたセクターからの多くの要求の一覧を、実行しなければなりません。

 例えば、外国軍隊の存在が、国家主権を損ない、女性とそのコミュニティを軍隊による性的暴力にさらし傷つけやすい状態の置いていることを、カイサカや他の団体・組織が何年にもわたって反対し続けていますが、大統領はこの外国軍隊駐留問題には、沈黙しています。米国軍隊が引き続き駐留する根拠となっている米比軍訪問協定(VFA)について、あるいは女性や市民に対する人権侵害についてのいくつかの報告がなされているにもかかわらず、大統領は沈黙し続けています。

 米国当局のリストによれば、第二段階にあるというフィリピンにおける人身売買の重大さにもかかわらず、大統領はインタビューを通じて声明を配布しただけで、それ以上何もしておりません。

 アキノ大統領は、ネオリベラル経済に対する規制・賦課についてどのような宣告も発していませんし、そればかりか前任者の官民パートナーシップ方式から離脱していないように思わせられます。

 アキノ大統領は、契約・派遣労働を抑えるどんな方法も採っていません。労働の契約化は、仕事から多くの女性を引き離し、より搾取的な仕事を受け入れさせて、さらには女性を傷つける人身売買に追い込みます。

 大統領は、所有するルイシタ農園(Hacienda Luisita)に対して、いまだ明確な立場を取っていません。土地と農地改革の課題を明確にすべき問題です。

 大統領は、北部トライアングルにおける不法占拠者に対する狂ったような取り壊しをやめさせましたが、取り壊しの3年間モラトリアム状態にある都市貧民の要求に対しいまだ行動していませんし、都市土地開発計画を放棄していません。貧民のための包括的な住宅政策についても何らの行動を開始していません。

 健康と教育問題を明確に重視するアキノ大統領の予算再編成は勇気づけられるものではありますが、これらの問題に関する彼の総合計画は、最も実際的で実現可能なものへと変更されなければなりません。

 アキノ大統領が、国家財政の状況を改善しペソの地位を著しく安定させたと主張している一方で、世の母親たちは、家族の生活必需品に見合うためにペソを使うのがいかに難しいかという問題に直面しています。

 レトリックは長い期間にわたっては効かないことを、私たちカイサカはあなたと政府に思い至らせたいのです。

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