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契約労働化に対抗し、地域から組織する [フィリピン労働運動]

 フィリピン・バタアン労働組合連合(アンバ・バーラ)のエミリーから下記のメールが届きました。

 フィリピンでは、契約労働者化(日本の派遣社員に似ている)がすすみ、常用雇用、正規労働者が激減しています。そのことで労働組合の組織化が低下し、労働組合の組織化自体が難しくなりつつあります。これも新自由主義、グローバリゼイションが推し進めていることです。

 これに対抗する「やり方・戦略」として、居住している地域から住民団体として組織する方針を紹介しています。
 新自由主義に対抗し社会変革を遂げつつある中南米諸国の民衆運動を参考にした方針ではないでしょうか。1980年以降中南米では、新自由主義によって貧困・犯罪と麻薬がはびこり、文明は破壊されました。この生活荒廃・破壊に対抗するため住民参加型民主主義によって人々を地域から組織化し、最終的には憲法改訂を掲げ選挙で政権を奪取しました。そのあと憲法に掲げた通り自然資源を国有化・民主的統制して、得た収入で人々の活と医療、教育の改善を実施しています。
 今後も、いろいろ現地と意見を交換していきたいと思います。
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 契約労働化に対抗し、地域から組織する

 契約労働化の実施を通じたグローバリゼイションの枠組みのなかで正規労働者は現在、絶滅危惧種になりつつあります。その意味は、今日、正規労働者の置かれている地位はきわめて不安定であり、近い将来その地位を失うことになりかねないのです。
 私たちすべてにとって、現在、労働組合を結成するのは極めて難しい状況です、というのは正規労働者がいないからです。他方、わたしたちは、契約労働者が数多く生み出されつつある現実を忘れ、組織化を無視してきました。

 一地域に一労働組合を!一つの州に一つの労働組合連合を!
 これは、今日における私たちの戦略です。正規労働者と契約労働者が団結できるためには、福祉や要求を通じて互いに助け合う目的をもった一つの連合体に、正規労働者も契約労働者も組織しなければなりません。ほかの労働者の福利厚生と要求と、正規労働者のそれとのあいだに、どのような違い・差別もあってはなりません。
 なぜ労働組合ではなく、連合体でなくてはならないのでしょうか? まず第一に、労働組合は正規労働者のためのものだからです。第二に、連合体を組織するのは容易だからであり、また労働組合ではないので資本家と対立する傾向が少ないからです。
 ではわたしたちはどこと交渉できるのでしょうか?連合体の力と条件の許す限りにおいて、各地域の地方政府に対し、この国に存在している法律や地方政府や市政府役所で通った条例--もちろん労働者の利益をまもる法律や条例--に従って、実施するよう交渉します。
 また、わたしたちは地方政府や市に対し、低コスト住宅、医療サービス、子どもたちと将来の労働者のための教育を、要求します。
 最初の段階では、わたしたちは資本家と交渉することはありません。わたしたちのやり方は、地方政府の担当官に、正規雇用とするように資本家に話すように働きかけます。わたしたちが闘っているのは正規労働者化ですが、その要求を表明することはありません。正規労働者化を求めるのは難しいからです。しかし、わたしたちは生産が続き限り労働者の継続的な雇用が必要であると要求するのです。各自の地位や作業は、ほかの誰に置き換えられないと訴えることを意味します。
 ひょっとしたらあなた方にとって、組織化におけるわたしたちの意図が理解しにくいかもしれません。重要なことは、すべての労働者を自分たちの地域で、地方で組織することにあります。このこと、すなわち住んでいる地域で全労働者を組織化に力を注ぐこの戦略が、将来、労働者にとって地方や地域の政府から中央政府へと、要求を達成していくことになるのです。

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