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普天間の移設先などいらない [沖縄、基地反対]

普天間の移設先などいらない

1)「海兵隊は沖縄にいる必要はない」 (ルース駐日大使)

 海兵隊第三派遣軍(普天間)は、決して沖縄・普天間にいる必要はない。実際のところ、米軍再編計画によれば、「海兵隊をグアムへの後退配備」することはすでに決定しているし、この計画は2010年から実施される。海兵隊は、安全上、戦略上、グアムにいてもその働きに変わりはない。

 そもそも海兵隊は侵略先に送られる兵であり、輸送手段が必要だ。現在、海兵隊を運ぶ船は沖縄から離れた佐世保にいる。しかも一度に2千人ほどしか運べない(宜野湾市ホームページ)。そもそも機動的に動くことを想定していない。
 沖縄という地理条件は、海兵隊が機動的に動けるからではではない。イラク戦争のときは民間機をチャーターして運んだ。米軍戦略上からいっても、その機能からいっても、海兵隊は沖縄にいる必要は何もない。

 「作戦上からは、グアムにでもハワイにでも基地を置くことはまったく可能だ。そのことで海兵隊が世界の安定に果たしている役割に変わりはない」 ルース駐日大使 は、最近、早稲田大学で行った講演のなかでこの点を強調した。

2)海兵隊が普天間にいる理由は「思いやり予算」

 海兵隊第三派遣軍が沖縄に駐留する理由は、決して安全上、戦略上の配置ではない。だから、グアムに移そうがハワイに移そうが、「抑止力」に変化はない。
 したがって、海兵隊が普天間にいる理由はただ一つ。日本政府による思いやり予算によって、海兵隊予算を潤沢に確保できるからだ。それ以外にない。日本政府が「思いやり予算」を通じて海兵隊の沖縄駐留にかかる費用の大部分を負担しているからだ。

3)巨大な戦力、嘉手納の空軍と横須賀の海軍

 米政府・米戦略にとって、在日米軍のなかで重要なのは、どの部隊か。
 嘉手納の空軍と横須賀の海軍である。たとえ中国がどんな攻撃を仕掛けようとも、横須賀の海軍はそれを阻止する力がある。嘉手納の空軍は、中国軍を凌駕する制空権を持っている。「朝鮮半島有事」には、嘉手納と横須賀は介入できる決定的な力をすでに備えている。

 そのようなことからすれば、海兵隊の普天間閉鎖、グアム移転は少しも問題でないし危機でさえない。普天間問題が「こじれた」からといって(決して少しもこじれてはいないが)、日米同盟が揺らぐというものではない。米国にとって重要なのは、嘉手納と横須賀に米軍が長期にわたって駐留し続けることであり、したがって鳩山首相のかつての「駐留なき日米安保」構想のほうをむしろ「心配」している。米政府・米軍の要求は、「駐留なき日米安保」構想を明確に放棄し、長期駐留を認め、かつ費用をもっと負担することである。

4)日本のマスメディアは報じない

 普天間閉鎖によってパワーバランスが崩れるとか、「中国や北朝鮮の脅威」と言ってマスコミは騒ぐが、実情はまったく違う。パワーバランスについていえば、むしろ逆であろう。在日米軍、嘉手納の空軍と横須賀の海軍こそ、現在でも中国や北朝鮮にとってはおそるべき脅威である。この「軍事バランス」の実情は、少しでも軍事を知った者にとっては常識である。

 普天間閉鎖、辺野古移設拒否によって、海兵隊が沖縄から離れると「抑止力が…」と平気でしゃべる政治家、評論家がいるが、無知をさらけ出している。あるいは知った上でほとんどデマを煽っている。

 日本のマスメディアは、
①海兵隊は沖縄にいる必要はないことを、報じない。
②海兵隊が普天間にいる理由は「思いやり予算」であることも、報じない。
 その上、
③「辺野古移設の米政府・米軍の意向を受け入れなければ、日米同盟が危機にひんする」などとデタラメを煽っている。 そんなことはあり得ないのを知った上で煽っている。

 この論調は、読売、産経、日経すべて変わりがない。意図的にデマを流している。TVニュースも同じ論調を流している。
 その理由は何か?
 思いやり予算も含めて、在日米軍駐留のための予算がきわめて大きく、そこにぶら下がっている連中が多いということだ。
 さらに、辺野古に新基地をつくりたい者たちがいるからでもある。自民党政治家ばかりではない、防衛省、日本政府内に、辺野古に基地をつくろうとする動きがある。こんな勢力はさらに危険だ。

5)米軍内の縄張り争いも要因

 米軍にとって日本政府は大切な財布であり、打ち出の小槌である。振れば金が出てくる、ゴネれば、予算が下りてくる。仮に、海兵隊が沖縄からグアムに移転し、かつ「思いやり予算」をもらえなくなるとすれば、海兵隊は米議会に予算増額を求めざるをえない、その場合は今まで通りの額を確保できない。

 米軍の軍事組織内の縄張り争いが、基地移設問題にある役割を演じてきたし、今もそのモメントは働いている。日本政府の予算を受け取るのは、米海兵隊か、米陸軍か、米空軍か、はたまた米海軍か。
 もちろん筆者は嘉手納統合には反対だが、たとえば、嘉手納統合案。米海兵隊も空軍も彼らの立場から、嘉手納基地を共用して作戦を実行することはできないと主張し、嘉手納への移転を拒否している。決して、基地騒音被害とか、事故による住民被害を考慮したからではない。多少の軍事知識のある者であればだれもが、狭い航空母艦上でジェット機とヘリコプターを隣接させて飛ばすことができるのに、嘉手納基地を海兵隊と空軍が共用できないなどということがありえようか、と考える。海兵隊と空軍が「共用」できないのは、日本政府から支給される「予算」であろう。

5)移設先はいらない

 普天間閉鎖の条件として、鳩山内閣は移設先を日本政府が準備しなければならないと騒いでいる。そもそもそれが間違いだ。移設先はいらない。移設先がなくとも普天間を閉鎖できるし、そのように要求しなければならない。

 米軍再編計画によれば、海兵隊第三派遣軍は沖縄からグアムへ移転する。辺野古移設が日米政府間で持ち上がった時からすでに米軍再編計画は大きく変化した。そんなことは明白だ。米政府は再編計画を日本政府にキチンと知らせないし、鳩山内閣は再編計画の内容を明確にするよう米政府に求めない。こんな「従属的」関係は現在の日米同盟の実情を表している。
 鳩山内閣は、あたかも移転先が普天間閉鎖の条件のようにふるまい、しかも期限を5月としている。

 米国政府が、以前の合意案、すなわち辺野古移設を変えていないという態度をとっているのは、交渉で有利なことを知っているからだ。その方が日本政府からめいっぱい予算を引っ張れるからである。5月まで待てば、日本政府は妥協のための金額を積み上げてくる、と読んでいる。
 かつて自民党政府が米国よるイラク侵攻に反対できなくて、イラク戦争荷担のための金をむしり取られたあの「悔い」を、民主党連立内閣は、再度日本国民に負わせるのか。

 「与党検討委員会で移設先を決め、米政府と交渉する」などというのは、危険な道を準備する。辺野古を含む沖縄に基地をつくる可能性を与える、さらに米政府・米軍に予算を貢ぐことになる。
 
 移設先などいらない。わたしたちの要求は、普天間閉鎖、辺野古移設拒否。
(文責:吉)
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