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現代フィリピン事情 ふたこま [フィリピンの政治経済状況]

現代フィリピン事情 ふたこま

ミンダナオの和平はさらに遠のくか?

1)マレーシア政府はミンダナオ島の停戦監視団から全部隊撤退
 11月28日 毎日新聞によれば、マレーシア政府は27日までに、フィリピン南部ミンダナオ島のイスラム反政府組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」と比政府の停戦を進める国際停戦監視団(IMT)から、今月末で全部隊を撤退させる方針を固めたという。IMTの中核を占めるマレーシア部隊の完全撤退は、ミンダナオ情勢に大きな影響を与えると見られる。
 MILFと比政府は03年7月、マレーシア政府の仲介で停戦に合意し、04年からIMTが活動を開始。メンバーは現在、日本からの2人、マレーシア11人、ブルネイ10人、リビア4人の計27人。
 マレーシアはIMTに最も多くの部隊を派遣しており、和平交渉の仲介役を務めてきた。全面撤退で今後、比政府や国軍の行動はより制御されず、ミンダナオの和平はさらに遠のくのではないか。 
 戦闘が激化した8月以降も、マレーシア政府は非武装で停戦監視や復興支援を行ってきた。活動継続の条件として、国軍と戦闘状態にあるMILF指揮官の追跡中止などを比政府に求めていたが、比政府側は応じなかったことがその原因といわれている。

2)和平合意を取り戻そう
 ミンダナオにおける戦争とその被害を引き起こした責任は、第一に、和平合意を破棄した比政府と国軍にある。
 ミンダナオをフィリピン国内の経済的後背地と見立てて、住民を追い出し、資源や土地を奪ってきたこれまでの歴史にそもそもの原因が伏在している。その行為は「ミンダナオの開発、近代化」の美名で行われてきたし、ややこしいことにそこに外国資本、外国政府の利益、領土的関心が結びついていることだ。更にややこしいのは、入植したり居住しているフィリピン人キリスト教徒とイスラム教徒との対立や争いとして、とらえられ描かれ、仕立てられていることだ。
 8月にフィリピン政府が一方的に破棄した和平合意をもう一度認め合う以外に、和平を取り戻す道はない。 

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