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現代フィリピン事情 ひとこま [フィリピンの政治経済状況]

現代フィリピン事情 ひとこま

1)携帯電話とフィリピン
 フィリピンでは、携帯電話を多くの人が持っていて、すでに生活必需品になっている。2007年の携帯電話加入者数は約4,300万人、普及率51%という。東南アジアではトップクラスの普及率だ。中国やインド、ベトナムより普及率は高い。
 日常生活でも、ジプニーのなかでも、会議中でも、いつでも携帯メールをチェックしている風景が、当たり前になった。
 ただ、携帯電話各社は、ほとんど独占状態で、2007 年年次報告をみると、PLDT社(フィリピン長距離電話会社)系スマート社とピルテル社がそれぞれ、2,340 万人、970 万人、アヤラ系グローブ社の加入者2,031万人で、合計するとこの3 社だけでフィリピンの携帯電話加入者数は5,000 万人を超えている。わずか2社による、すさまじい独占状態。
 しかも、PLDT社はNTTが20%資本を保持しており、技術的基礎はほぼNTTの影響下にあり、NTTグループとして米株式市場では紹介されている。

2)ブロードバンドビジネス イン ザ・フィリピン
 PLDT社、グローブ社は携帯電話だけでなく、ブロードバンド接続サービスなども手がけており、現在まだはじまったばかりという段階ではあるものの、今後、現代的な通信網とフィリピンの低賃金を組み合わせたビジネスが更に急拡大するのではないと思われるし、実際にそのような新ビジネスが既にはじまっているようだ。
 これまでにも似た傾向のビジネスがあった。フィリピンでは英語の話せる人の多いから、現在でも米電話会社の大規模なコールセンターがある。今回の金融危機で一部解雇もあったようで、2007年のPLDT社の解雇のように、景気の調整弁のように簡単に切り捨てられる。必ずした安定した雇用を保証しない。そうだとしても、このような業態はやはり今後も拡大して行くだろう。
 また、先日TV で日本における新しい英会話ビジネスを紹介していて、見て驚いたのだけれど、PCによるTV電話を利用した英会話マンツーマンレッスン。講師はフィリピン人、支払う費用は時間あたり129円と破格の安さ。イメージとしてはこんな感じのビジネス。
 そんなレベルばかりではなく、最近巨大データセンターのサーバー能力を低コストで活用する「クラウド(雲)コンピューティング」が注目を集めているが、JETROによれば「クラウドコンピューティング」と結びついたビジネスがフィリピンにおいても、更に発展するのではないかと「期待」されている。巨大化したGoogle やAmazon、Microsoft 等の大規模インターネットサービス提供事業者のデータセンターは、一般企業が運営する小規模なデータセンターとは比較にならない程効率が上がっているらしく、したがってすでに、個別の会社や個人レベルで高価で高性能なPCやサーバーを備える必要がなくなってきている。
 いずれにせよ、通信網さえきちんと備わっておれば、フィリピンの低賃金を利用する新しい可能性が広がりつつあることのようだ。

3)時代に遅れないために、あるいは遅れを取りもどすために
 そんな話はわれわれ老人には、いまだ半分わかったような、わからないようなところがあるのだけれど、せめてわれわれにとって考えるならば、交流しているフィリピンの団体などを訪問して情勢を認識するだけでなく、PCを使った日常的なTV会議による、もっと緊密な情報の共有や認識の交換くらいは、いずれ実現したいものだなあと思う。

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