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「天皇中心の美しい国」でいいのか? [靖国、愛国心、教育、天皇制]

「天皇中心の美しい国」でいいのか
2・11反「紀元節」集会とデモ


<2・11のデモ、右翼の妨害>

 2月11日夕方、全水道会館での2・11反「紀元節」に参加した。70人くらいが参加した。
 右翼の妨害がありながら、デモは最後まで整然と行われた。
 右翼の妨害は、「天皇制暴力」が現在もなお存在していることを示す一つの例証である。

1)憲法20条改悪のこと
 山本浄邦さん(憲法20条が危ない!緊急連絡会事務局)から、憲法改悪は、9条ばかりではなく、憲法20条「信教の自由」の改悪もぜひ注目しなければならないと提起された。山本さんは西本願寺の僧侶である。
 自民党改憲案では、憲法20条3項の政教分離、すなわち国家神道と国家との結びつきを厳しく禁止した3項を改訂しようとしている。それは、「習俗、社会的礼儀」なるものは「政教分離」の例外であると規定し、靖国神社への首相参拝、忠魂碑や地鎮祭への公費支出などを合法的なものと規定しなおし、国家-靖国―国家神道の関係を復活、もしくは新たに再構築するものであることを指摘した。自民党改憲案は、首相の靖国参拝など裁判で負けたり問題になっている点を、この改悪で処理しようとしている。
9条だけが強調されていて、20条の問題は指摘されて始めて知った。確かに指摘されるとおりである。

2)「すでに一木一草に天皇制は宿ってはいない
 昨年の集会で、鵜飼哲氏が講演した言葉が印象に残っている。「戦後言われてきた『一木一草にも天皇制は宿る』ような状況はすでになくなった」と彼は述べた。そのことは、現在の日本支配層が必ずしも戦前のままの天皇制復活を考えていないことと関連すると理解される。
 今年の集会基調でもそのことは一部触れていて、安倍政権は右派政権であるけれども「親米右翼」としてしか存在しえず、この点に示されるように戦前のままの「天皇制復活」を考えられない状況下にあると指摘していた。
 確かにその通りである。現代において「鬼畜米英」というわけには行かない。もっとも「親米」はあくまで現状において選択せざるを得ない路線であって、絶対に変わらないものではない。中川昭一政調会長の独自核武装発言や、麻生太郎外相の米によるイラク戦争と占領政策の稚拙さを指摘する発言は、米に対する日本支配層の要求と利害対立を意識させるアドバルーンとして発せられてはいる。その「不満」表示の程度は親米基調に比べてはるかに小さく、それを揺るがせることをはじめから意図していない。この程度は、現在世界における日米間の軍事力、政治力の差と比例するかのようである。
 それから集会基調で指摘されていた「戦争国家化」。まっすぐに「戦争国家化」にすすんでいるとは言えないだろうし、やはり一つのオプションとしてとらえるべきだと思う。現代世界において戦争によって新たな侵略・支配を打ち立てる道筋は、日本政府にとっては、米と比べても圧倒的に不利である。その米にしてもイラク戦争の失敗のように武力による世界支配は必ずしも成功していない。武力拡大策は「アジア支配」においてさえ成功を約束することは難しい。
 いずれにせよ、日本支配層の意図を的確に受け取ることが必要だ。「戦前の天皇制復活反対」と言ったとき、様々なシステムが思い浮かべられるが、「戦前のようになるから反対」と危機感をあおって進められるかどうか、確かに疑問はある。

 構想されている「天皇制」の内容、特徴、方向についていうならば、「親米右翼」問題のように個々の項目で戦前との違いを指摘するのでは、全体像を描き出せないであろう。日本資本主義、帝国主義の発展と現代世界での位置に規定されて、この先形成しようとしている日本の政治体制の一つのオプションとしてのプランが構想されていると受け取らなければならないだろうと思う。  戦前の天皇制ファシズムは遅れて侵略、世界分割に参入しようとした当時の日本のめいっぱいの政治システムであったから、ある意味では日本帝国主義の弱さの表現でもあった。したがって、現在と近い将来においては、ベースは「議会制民主主義」としながら、危機に瀕したときのオプションとしてのシステムを、天皇制-靖国-愛国心-教育、これら一連の動きのなかに支配層は模索しているのであろう。だから、原理的には矛盾するけれども、形式的な「議会制民主主義」と融合したシステムを構想しているのではないか。日本帝国主義はこの先、発展の見通しが立たないとすれば、そのオプションはより危機に瀕したときのものとして構想されるのであろう。


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コメント 1

名無しさん

反日は出ていけぇ!!
天皇が嫌いなら、中国や韓国にでも移住しろや!!
by 名無しさん (2012-01-06 22:56) 

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