金融機関「グラミン(農民)銀行」創始者ムハンマド・ユヌス氏が今年のノーベル平和賞 [世界の動き]
バングラディシュの金融機関「グラミン(農民)銀行」創始者ムハンマド・ユヌス氏が今年のノーベル平和賞選ばれた。
農民の貧しい人びとの自立を促すためにユヌス氏が考案したのが「マイクロクレジット」という無担保の少額融資の仕組み。76年に創設し世界的に広がり、現在では銀行やNPO,NGOなど約1万団体が運営している。国際的に貧困の削減に貢献したと評価された。
貧しい農民は担保となる資産や土地を持たず信用力がない。このため銀行からの融資が受けられず、高利貸から借りるしかなく、働いても貧困から抜け出せなかった。担保が無くても5人一組で返済の連帯責任を負うことを条件に融資が受けられ、これを元手に自立への足がかりとする。これがマイクロクレジットの仕組みだ。
貧しい人びとの自立の過程においても、資本の価値増殖の仕組みを貫徹させることを教えこんだ点での功績も大きいという評価ではないだろうか。バングラディシュはイスラム教国である。想像するに、慈善や喜捨によるイスラムの社会活動を排し、西洋的な価値を刷り込むことに一つの目的と評価があるように見える。モスリムがアメリカや欧日による戦争による世界秩序を批判し、人々が結集する一つの理念となり、「先進国」はこれへの対処に苦しんでいるからだ。
もちろん問題は、貧困が起きる原因でありその対策であるが、この点はとりあえず不問にするところが、「西欧的」、「現行秩序的」でまたいいのではなかろうか。
もちろんこのように言って済ませるだけでは皮肉におわる。目の前の特に高利貸しに縛られて貧困に沈む多くの人びとを救わなければならない。高利貸しより低利で貸し付ける多くのNPOやNGOによる「マイクロクレジット」の活動も存立している。「乱暴な資本主義ではなくて、理性ある資本主義を広めよう」という声が聞こえて仕方がない。それは果たして本当か、あるいは現実的プログラムか。途上国社会を破壊しつつある新自由主義とグローバリゼイションを正面から批判せずに可能か。
途上国の貧困との闘い、それを批判するアソシエイションが確かに模索され確立されなくてはならない。
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by 消費者金融 (2007-03-17 19:43)