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横須賀レイプ事件の裁判を傍聴 [米兵によるレイプ事件、犯罪]

横須賀レイプ事件の裁判傍聴

11月22日、東京地裁で横須賀レイプ事件の裁判を傍聴した。

 事件は、2002年4月6日未明、神奈川県横須賀市内のバーで日本在住のオーストラリア人女性ジェーンさん(仮名)が米海軍キティホーク乗組員の米兵と出会い、その後近くの駐車場に止めていたワゴン車に乗り込んだところ、米兵に押し倒され、レイプされたもの。その際、ジェーンさんは下半身打撲など約一週間のけがをした。

 被害女性は、被害にあった直後から、米海軍横須賀基地や神奈川県警横須賀署に被害を届け出たし、ケガをしており病院で受診していて被害が明らかであった。にもかかわらず、横浜地検横須賀支部は2002年7月に、在日米軍は2002年10月に、ともに被害女性の訴えを退け、いずれも訴追を見送った。

 この措置を不服とし、被害女性は東京地裁に損害賠償の民事訴訟を訴え、2004年11月に東京地裁はレイプの事実を認定し、慰謝料など300万円の賠償を命じた。
 1177万円の賠償を求めた女性は、賠償額が低すぎるとして控訴したが、米兵は一審の審理中に出国し、控訴しておらず、現在は所在が確認できていない。民事訴訟では、当事者の一方が控訴しなかった場合、控訴した側に不利な方向で一審判決を変更することはできず、女性の勝訴は事実上確定している。
 しかし、加害者はすでに米国へ逃亡している。在日米海軍によれば「軍法会議での訴追見送りは妥当だし、すでに現在は退役しているため、更に軍法会議にかけることはできない」と責任を放棄している。被害者は勝訴しても、賠償を得ることはできていないし、加害者の行方を突き止めることもできていない。

 このような露骨に泣き寝入りを強要する米軍と日本政府の対応に我慢ならず、被害者女性はレイプ事件の解決をもとめ、「神奈川県警から侮辱的な扱いを受けたとして、神奈川県に慰謝料など1100万円を求める」国家賠償訴訟をおこした。
 被害女性は、レイプ事件発生直後、米横須賀基地の保安事務所に助けを求め、同事務所の通報で駆けつけた横須賀署の男性警察官数人から事情聴取を受けた。
 その際、何度も病院で治療を受けたいと希望を伝え、救急車を呼んでほしいと頼んだり、事情聴取は女性警察官に担当してもらいたいと要請したのに拒否された。また、被害を受けた直後の状態で、すなわち気持ちは動揺し、かつ下着を着けていないで毛布でからだを包んだ状態で、現場検証に立ち会わされ、駐車場で被害者自身の写真も撮られた。このような神奈川県警による事情聴取、現場検証での侮辱的な扱いは、被害者にとっては耐え難いものであり、セカンドレイプそのものである。
 その公判が、11月22日午前10時から午後3時半まで、東京地裁で行われ、傍聴に参加した。

 11月22日の公判では、被害直後の神奈川県警から侮辱的な扱いをめぐって、被害女性への尋問、反対尋問が長時間にわたって行われた。法廷は被害者のプライバシー保護のため、法廷と傍聴席の間には衝立が立てられ、傍聴者には裁判官、弁護士、被告神奈川県の代理人などの姿も見えず、ただ尋問を声で聞く形だった。

 この裁判は引き続き行われる。次回公判は、2007年初めになる見込み。

※横須賀レイプ事件をわたしたちが知ったのは、オーストラリア人女性ジェーンさんが、10月10日に行ったフィリピン女性レイプ事件ニコルさん支援連絡会議にジェーンさんが参加し、実情を訴えたからだ。


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コメント 6

アオネコ

私も警察の取調べが被害者に対して侮辱的だと感じた一人です。
その警察署には女性の警官も、鑑識もいませんでした。
現場保存の名の下に、襲われたときの格好をさせられ、写真を取られます。
せめて、女性がいれば心が安らぐのですが・・・。
その上、行動を起こし、裁判までされたこの方は、尊敬に値します。
警察に訴えるほうが馬鹿なのだ、という考え方が多いこの国で、この裁判がどう受け止められるか、注目したいと思います。
by アオネコ (2006-11-27 20:20) 

BLUE

このレポートを読んで日本の弱さ、だらしなさ。。無能な警察。。を痛感しました。
米軍のゆがんだ心の持ち主達の間では、日本なら大丈夫。と認識されています。除隊前に日本で悪さをするのです。
日本の警察がダメなのは警官になる人間がもともとダメな人間が多いからでしょうか?まともな(センスの良い)人は大学卒業後に警官になろうなんて思わないですから・・・変な(ちょっと変わった)奴が警官になるんです。
100%じゃないにしても、使えない人間の集まりです。
そんな人たちを相手に戦うこと自体、気力が無くなりますよね。
でも今回の裁判、心から応援したいです。
戦う事で少しでも心が救われる事を祈ります。
by BLUE (2007-01-21 19:58) 

kumahide

コメントありがとうございます。
2月13日東京高裁で次回公判が行われます。
裁判を通じて、米軍犯罪の告発と、それを容認し隠蔽しようとする日本政府、神奈川県、神奈川県警の告発は、非常に重要です。
現在の日本において、米軍の存在とこれに協力する日本政府の関係が、レイプ、人権侵害を生み出し続けている原因です。
米軍兵士による犯罪、レイプや、米軍と日本政府の態度は、このようなひとつひとつの告発や批判をつうじて、初めて変更され、人権の回復ガなされるものと思います。
by kumahide (2007-01-23 12:34) 

BLUE

可能であれば次回は傍聴したいと思います。
絶対正義が人権を守る事を信じます。
by BLUE (2007-01-24 00:55) 

ささ

お話拝見いたしました。
同じ市に住んでいながら全然知りませんでした。
確かに日本の警察は何の為に警察をやっているのかわからない人達が多いです。いわば自分の権利を利用してるだけで本当に市民を守ろうと言う警察官が近年少ないのが現状だと思います。
結構前に投稿されていたので、これを読んでいらっしゃるかわかりませんがもし拝見しておりましたら、この時の弁護士さんのお名前か、事務所等は教えていただけませんでしょうか。
私も似たようなことが前に起き、ずっと悩んでいるのです。
もし何かお分かりでしたら教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
by ささ (2007-03-31 18:18) 

kumahide

体調をくずしていて長らく開いていませんでした。
弁護士は中野麻美さんです。
最近、支援する会がつくられて、4月11日に公正な判決を求める要請文書を東京地裁へ提出したそうです。
次回公判は6月19日と聞いています。
よろしくお願いします。
by kumahide (2007-04-24 17:16) 

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