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非常事態宣言後のフィリピン政治情勢 [フィリピンの政治経済状況]

非常事態宣言後のフィリピン政治情勢

アンヘレス市で、3月4日

 2月のクーデター騒ぎ、アロヨの「非常事態宣言」の結果、アロヨ政府の権限が増す結果になった。クーデターに関与したとして野党や軍のメンバーへの追及が続いている。明らかにアロヨによるライバルつぶしであり、騒ぎの後でのいわば魔女狩りである。注目すべきはコファンコが政権転覆騒ぎに荷担したとされ、アロヨに狙われていることだ。支配層内での対立だが、どのような結末になるか予断を許さない。
 野党自由党(ドリロン党首、上院議長)は政府の攻撃によって、分裂状態になっている。軍は、アロヨ政権が権限を集中しつつあり転覆はないと判断し、政府への忠誠を宣言した。
 クーデターにはNPA、CPPが関与したとされ、支配層内の反対勢力や野党がCPP,NPAを「利用し騒動を煽る」ことは徹底してゆるさないアロヨの明確な姿勢を示した。だからありもしない軍とNPAの関係を追及しているのだ。
ついでにこの機会に左翼、人民勢力の弾圧をやっておこうとしている。とばっちりを受けて、ベルトラン議員やアナクパウィスの5人の議員はいまだ軟禁状態にあり、反乱容疑で逮捕される危険がまだある。アロヨと支配層は将来何かあったときのために、人民勢力を逮捕した「実績」をつくっておこうというところだろう。
 
 他方、フィリピン経済は依然として好調である。
 株価は7年ぶりの高水準を記録した。1月の海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額は、前年同月比16.5%増の9億1,700万ドル。石油最大手ペトロンは最高益を更新。自由化によって巨大企業が成長し、莫大な利益を出している。日本からの投資も盛んだ。日本のIT企業ロアシステム社がフィリピン郵便公社(Philpost)に33億ペソ投資を決定した。
 外国からの投資と自由化によるフィリピン経済の産業化は確実に進んでいる。それが同時に大多数のフィリピン国民の貧困化を進めていることに、大きな矛盾がある。


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