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靖国神社へ行ってみました(2) [靖国、愛国心、教育、天皇制]

靖国神社へ行ってみました(2)
-----「靖国の大衆化」を狙っている----

靖国神社へ行ってみました。今回は遊就館を見学しました。
戦争の評価がなされていますが、その内容は、あいも変わらぬ「大東亜戦争肯定」論です。
ただし、今回驚いたのは展示が「現代化」されていて、洗練されていることです。靖国神社もどのように受け入れられるか、気にしているのでしょう。
「靖国の大衆化」を狙っています。

訪れたのは土曜の午後でしたが、入場者が多かったことに少し驚きました。幼子連れの父親や学生らしき20歳代の男女など若い人が目立ちました。
今年の6月に訪れたときは平日でしたので、境内はまばらでした。そのとき、本殿の前で「異国の丘」のハーモニカ演奏する年配の夫婦を見かけました。ちょうど昼休みで、近くのOLでしょうか、休憩所で弁当を広げていました。地方から来た年配の人と外国人観光客が目立ちましたが、あわせても20人程度いただけでした。

遊就館展示の写真やパネルは新しいものでした。
会場の照明も工夫されていて、たとえば新しいパネルに青い光線を当て、見やすい展示をこころがけています。ある一角で「軍艦マーチ」が流れていましたが、雑音の入った古い録音ではなくスマートな男声合唱で、あれは新しく録音したものではないかと思います。専門家、たとえば電通などのプロの手が入っていると感じました。
「大東亜戦争肯定」論の歴史解説がなされていますが、よほど事前に調べていないと、そのまますんなり納得してしまうのではないでしょうか。

入場券を買って、「自動改札」を通って二階に上がります。二階ではまず映画が上映されていて、ビジュアルで訴えます。
零戦や桜花、回天などの特攻兵器、高射砲や大砲などもきれいに展示されていました。一部の兵器はペンキが塗りなおしてあり、スマートに見えるように心がけているようでした。米ソなどに比較した兵器の貧弱さ、前近代性を隠そうとしているかのような意図さえも感じました。

祀られている戦死者の写真が多数並べられていますが、すべて新調されていてきれいなものです。従軍看護婦の写真が数多く展示されており、犠牲者中の比率からすればもっと少ないでしょうが、強調されています。軍人兵士だけでなく、全国民的に戦い、死んだことを主張したいのでしょうか。

また、悲惨さ、残酷さを可能な限り隠しています。血染めの遺品は、阿南惟幾の血染めの遺書(それもコピー)と、女学生たち毛髪で「必沈」と書かれた血染めの日の丸だけで、血塗られた靖国のイメージはなるべく隠そうとしていると感じました。「死」を美しく演出しようとしています。

演出はなかなか見事な手腕です。
展示の「現代化」、洗練、「靖国の大衆化」は、若い人たちの反発がないようにアレンジしています。これは決して戦中世代を当てにした展示ではありません。現代の若い世代に「愛国心」を刷り込みたいという意図を感じました。


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