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フィリピン女性NGO団体カイサカ(KAISAKA) エミリーさんの発言 [フィリピン元「慰安婦」]


フィリピン女性NGO団体カイサカ(KAISAKA) エミリーさんの発言
日本軍による戦時性暴力被害者三鷹・ロラ交流会で

わたしはエミリー・ファジャルドです。女性NGO団体カイサカ(KAISAKA)のメンバーで、今回ロラとともに来日しました。
 カイサカはフィリピンの全国女性NGOの連合体であり、さまざまのセクターの女性たちを、すなわち、工場で働く女性、自治体女性労働者や教師、コミュニティのお母さんたちなどを組織しています。ロラたちの支援活動も行っています。
わたしたち女性はさまざまな社会分野で、抑圧され、低い地位におしこめられ、苦しんでいます。その被害に対して女性自身が立ち上がり、自分たちの組織を作り解決する活動が重要です。
現在進行しているフィリピン社会の経済危機は非常に深刻な影響をすべての国民、特に女性に与えています。グローバリゼイションにともなう軍事化に反対することはとっても重要です。ロラたちの被害を若い世代に繰り返させない闘いが必要です。

わたしたちはおのおののセクターの女性に対し「武装せよ」呼びかけています。それは決して武器をとることではありません。正確な情報を得て、いかに分析し、自分たちの組織をつくり、そしていかに自分たちの生活を向上するために工夫し闘っていくか、すなわち自分たちで考え自立していくことを「武装する」と呼んでいるのです。
正しい情報を手に入れることは重要です。特に人権侵害について。人はそれぞれ人権を持っており、女性一人ひとりが自分の人権を認識することは大変大切なことです。人権侵害はなぜ起きたのか、これを回復していくには何が必要なのか、どんな闘い方があるのか、自分たちで考えて決めていくのです。
ロラたちのことを考えてみてください。彼女たちは50年間自分たちの受けた人権侵害について正しい情報を得ず、女性同士の交流ももたず、50年間沈黙を強いられてきました。しかし長い時間をかけて自分たちの被害を見つめなおし、皆で話し合い、人権侵害を回復するには自分たちが主張し活動することだとの結論に到達しました。いまや団結してマラヤロラズを結成し名乗り出たあとのロラたちは、人権に対して敏感に反応し活動しています。

いまひとつ訴えたいのは今世界で起きているグローバリゼイションに反対することです。フィリピンではグローバリゼイション、自由化の影響をそのまま受けています。女性工場労働者はより不利な条件で働かされています。雇用が不安定な契約労働者化が進んでいます。多くの女性が失業しています。海外に働き口を見つけて出て行かざるを得ない女性も増え続けています。家事労働が女性の当然の義務という風潮は根強く存在しています。また売春で働かざるを得ない女性も増えています。
また、皆さんも郵政民営化問題に当面されていますが、フィリピンでもあらゆる公共部門での民営化が進んでいます。水道事業、電気事業、高速道路、エネルギー事業などすべての部門での民営化が進行しています。そのため物価が著しく高騰しています。石油は毎週値上げされました。バスやジプニーの運賃は何度も値上げされました。実は最近、北部ルソン高速道路が民営化され、料金が約10倍になってしまいました。以前は半官半民だったのですが、フィリピン最大のアラヤ財閥が買い受けたあと値上げしたのです。これが自由化・民営化であり、グローバリゼイションのもたらすものなのです。人々の生活は時々刻々と圧迫されています。
ですからわたしが申し上げた人権、これはタガログ語でカラパタンといいますが、このカラパタンを守る社会を築きあげるため、毎日のように抗議行動を行い、集会を行い、勉強会を行っているのです。しかも社会的に弱い位置にいる女性自身が自分たちで考え、組織し活動していくようになることがとても大切なのです。


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