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吉見裁判支援 発足集会 [元「慰安婦」問題]

 吉見裁判支援 発足集会 

 2014年1月11日(土)吉見裁判を支援する発足集会が、 韓国YMCA ホールであったので参加した。200名集まった。
 すでに裁判は進行中で、3月3日(月)15時~から、第3回の口頭弁論が行われる。東京地裁103号法廷、終了後日比谷図書文化館4階で報告集会。

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 吉見裁判とは?

 吉見裁判とは、2013年5月27日、日本外国特派員協会において橋下大阪市長が「慰安婦」問題について講演した際に、同席した日本維新の会・桜内文城衆議院議員が、吉見義明教授の本を「捏造」であると発言したことが、吉見氏の名誉を棄損するとして提訴した裁判である。すでに2度の口頭弁論が開かれた。

 裁判に至る経緯

 桜内議員の発言は、突然起きたものではない。「慰安婦」問題について日本軍と日本政府の責任を認めず、さらには歴史的事実さえなかったことにしようとする最近の一連の政治的主張・宣伝の一つとしてある。
 橋下市長の発言に対する取り組みは、2012年から始まっている。橋下市長が「吉見さんの名前を挙げ、その著書に慰安婦募集にあたり日本政府、日本軍が強制連行した記述はない」と発言したので、吉見さんは2012年6月4日に第1次公開質問状(回答期限7月5日)を提出し、橋下市長に対し、発言の撤回と謝罪を要求した。
 回答がなかったので第2次公開質問状(回答期限8月31日)を7月29日(月)に提出するため大阪市役所に行くと公表した。マスメディアも注目したためか、7月26日(金)になってfaxで第1次質問状への回答が来た。中身はない。7月29日に市役所へ行くとマスメディアが報じたので、急遽出したものと思われる。内容は「国際基督教大学(ICU)・西岡力教授の記述を元に発言した、謝罪はしない」という中身のないものだった。
 これを正すためにさらに公開質問状の準備をしていたところ、3013年5月13日、橋下市長は「慰安婦」制度は必要だった、沖縄米軍は風俗産業を活用してもらいたいと発言した。この発言は海外にも大々的に報道され、国際的な批判が集中した。韓国外務省が即日批判声明を出した。翌日5月14日米・国務省、中国外務省が非難声明を出した。海外からの批判は大きく、これまで注目され続けてきた橋下市長への批判が大きくなった。発言としては、非常識で低劣なものではあるものの日本の大手メディアやネットで日常的に報道されている内容だったが、橋下市長と「維新の会」の政治的影響力を削ぐ機会として利用され、これ以降、実際に橋下市長と「維新の会」の「勢い」は陰りを見せることになった。維新の会やみんなの党は、安倍首相の政治的主張・本音を先取りして宣伝することで勢力を拡大し、自派を政権与党に高く売り込み、政権与党に加わろうとしてきた。「慰安婦」問題においても橋下市長は安倍首相の本音を先取りして発言したつもりなのである。しかし、事態は橋下市長の思惑とは逆へと進んだ。

 これを打開すべく5月27日、橋下市長が外国特派員協会で記者会見し「誤解」を説こうとした。大々的に注目される中で、その場に居合わせた、桜内議員が「吉見教授の著書は捏造」と発言したのである。

 だから、吉見裁判はこのような流れのなかで始まったものであり、橋下市長への公開質問状による追及と一体のものである。

 吉見裁判の内容 (川上詩朗弁護士の報告から)
 裁判で何が争われているか? 桜内議員は何と主張しているのか?
 桜内議員は5月27日記者会見では、「これは(吉見教授の著書)すでに捏造であることはいろんな証拠で明らかになっております。」と発言したのだが、裁判での主張は変化してきている。「吉見教授の著書が捏造である」とは到底主張できないと判断したのであろう。「『慰安婦』が日本軍『性奴隷』であるとしているのは捏造である」と言い換えてきた。

 裁判としては、
 1) 「吉見さんの本が捏造である」と発言しているのは明確であり、吉見教授への名誉棄損が問題になる。桜内議員はそのように言っていないと主張しているが、「一般聴取者の普通の注意と読み方」から判断されることになる。
 2) 桜内議員は、吉見教授が「『慰安婦』は日本軍『性奴隷』であるとするのは捏造」と言い換え、主張を2)に置いて宣伝している。桜内議員・維新の会は吉見裁判を「慰安婦=性奴隷捏造裁判」と名づけ、ニュースレターを発行し、維新の会ホームページにも書き、「『慰安婦』は日本軍『性奴隷』とは捏造」というキャンペーンを張ろうとしている。

 「慰安婦」制度は、日本軍の犯罪であり、日本軍の性奴隷制度であったことは明白である。国連人権委員会も各国もそのように認識している。
 連行の仕方が強制であったかなかったではない。慰安所から逃げられなかったのであり監禁罪が成立する、だまして連れ去った場合は誘拐罪、未成年の場合はたとえ本人が同意していても人身売買罪、慰安所で性交を拒否すると暴行された、暴行罪。遺棄されたり殺された例もある。慰安所の経営は日本軍の意向、利益に従っており、日本軍の犯罪である。これを日本軍による性奴隷制度という。
 したがって、吉見裁判は「『慰安婦』制度は日本軍による『性奴隷』制度である」ことを明確にする裁判でもある。

 吉見義明教授の発言 
 
 当日、吉見教授も参加しており発言した、
 吉見氏によれば、2012年8月21日から橋下市長が「慰安婦」問題について、突然の発言をしはじめた。しかし内容は、いろいろ変化している。2012年には、「慰安婦」には同情はするけれど謝罪はしないと語った。2013年には、「慰安婦」制度は必要だった、在米司令官に性風俗産業の利用を進言したいと発言した。その後発言は変転した。2013年8月には、「自分は河野談話と同じ立場」と発言もした。
 幾度も変転してはいるが、性奴隷制度とは認めない、国家賠償は不要、その点は一貫していて、かわらない。
 橋下市長へは、二度の公開質問状を含め三度、質問状を出している。きちんとした回答はないが、一定の効き目はあったと思われる。

 そのほかに、吉田裕・YOいっション共同代表、荒井信一さん、川上詩朗弁護士、大森典子弁護士、梁澄子さんが報告、発言した。

 吉見裁判を支援するというより、一緒に行動しようということで、本日の集会で「YOSHIMI裁判いっしょにアクション(YOいっション)」を立ち上げ、今後イベントやアクションを行っていくことになった。
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