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新政権に望むーー 日本軍「慰安婦」問題の即時解決を求める [元「慰安婦」問題]

 1月16日、首相官邸前で「慰安婦」問題の解決を求める訴えを行いました。要請書も提出しました。そのあと、三鷹駅前でも、同じ訴えを行いました。
 13日に降った雪が大量に残っており、一部雪かきもしながらの行動でした。

 さて、安倍政権が発足しました。
 早速、「『河野談話』の見直しの検討に入る」、さらには「朝鮮学校は高校授業料無償化の対象から外す」と表明しました。
 「河野談話」見直しについては、米国政府から「懸念」がすでに表明されました。国際社会は、安倍政権の動向に注目しています。

 安倍政権は、日韓、日米首脳会談を申し入れましたが、なかなかいい返事をもらうことができません。

 2012年12月、韓国・パク・クネ候補が次期大統領に当選しました。日本政府や日本のマスメディアは、「親日」であったパク・チョンヒ元大統領の娘であることから、新大統領も「親日」であるかのように期待していますが、実際には先行した「期待」、あるいは「幻想」にほかなりません。

 韓国政府の目は、日本ではなく中国に注がれています。その「現実」を知らなくてはなりません。
 東アジアの一員として生きることを決めた21世紀の韓国は、これまでの日米に偏重した政治・経済関係を徐々に薄め、中国・東アジアとの政治・経済関係構築へと、重心を移してきましたし、この方針はより確かな、強固なものになっており、新政権となっても変更はありません。

 韓国経済は中国・東アジアに経済進出し、各国市場に浸透し、密接な関係、相互依存関係をすでにつくりあげています。その上でのグローバルな展開、輸出特化型経済を志向しています。この基盤をより安定的なものにするため、韓国政府は全方位善隣友好関係の構築を、基本かつ必須の外交方針としています。この方針は、新政権になろうと一切変わりません。

 仮に、日中間で尖閣などの「領土問題」や何らかの対立が発生したとしても、もちろん対立内容の評価によるとしても、韓国政府が、中国政府ではなく日本政府を一方的に支持すると期待はできません。そのような国際関係、情況にあることを知らなくてはなりません。日中関係の「悪い状態」が続く限り、韓国政府が日本政府の側に立ってくれるという期待は、必ず裏切られるでしょう。

 安倍首相はアセアン諸国首脳と会談し、中国と領土問題を抱えるアセアン諸国と一緒になって、中国包囲網を形成しようと試みましたが、「思惑」は空回りしています。「つけ焼き刃の外交」とはこういうのをいうのでしょう。もちろんこのような日本政府の対応を中国を含むアジア諸国は注視しています。

 韓国政府は、これまでの日本政府の対応から、「日本政府は軍国主義を清算していない!」、「右翼的傾向を強めつつある」という、批判的な認識を持つに至っています。この点では中国政府と認識を共有しています。

 「慰安婦」問題の解決を韓国政府として要求してきましたが、日本政府は一切無視してきました。日本政府や日本のマスメディアは、「日韓関係のこじれ」を李明博大統領の竹島上陸から話を始めます。韓国側に一方的に原因と責任があり、「日本政府と日本国民は被害者である」と事態を描き出します。
 このような描き方は、きわめて一方的な、自分の都合に従った理解です。
 それに至る経過、その前の「慰安婦」問題解決の協議さえ拒否してきた日本政府の対応の経過は、一切報じません。都合の悪い事実は無視する日本政府であり、日本のジャーナリズムです。

 ましてや、「河野談話」見直しを表明した安倍政権は、到底、韓国政府、韓国国民を満足させることはできません。話し合って「合意する」などあり得ません。
 政権発足したばかりなので、出方を見ており、表面的な対立をあおるようなことは控えていますが、本質的に日韓関係を改善する可能性はありません。

 他方、日本の安倍政権は「極端な、バランス感覚のない価値観」の閣僚で構成されているため、日韓関係は絶えず波乱含みの展開になると予想されます。日韓関係を悪化させる日本政府側の要因が存在します。 閣僚や政治家が失言や国内向けパフォーマンスで失態を演じ、外交関係を悪化させるという事態を容易に予想させます。 

 「『慰安婦』などいなかった!」、「南京虐殺などなかった!」 などと何でもかんでも日本人のやったことを擁護するのが、日本政府と日本人の利益となると考える人がいますが、それは明確に間違っています。隠し通すことや、歴史を隠し書き変えることで、逆に国際社会のなかで信頼を失い孤立してしまい、現在と将来の日本と日本人の信頼を失ってしまうことになります。
 「慰安婦」問題、南京事件などを知らないのは、現代の日本国民ばかりです。アジアの人たちはよく知っています、国際社会はよく知っています。日本人よりよく知っています。

  私たちの主張、立場は、「慰安婦」問題の解決を含む過去の歴史問題の解決すること、日本の軍国主義を清算すること、そのことによってアジアと世界の国々、アジアと世界の人びとの信頼をあらためて獲得し、人権国家として再出発することにあります。そこに日本政府、日本国民にとって真の利益があると確信しています。
 
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<1月16日、首相官邸前>
――――――――――――


安倍 晋三  総理大臣  様
岸田 文雄  外務大臣  様

日本軍「慰安婦」問題の即時解決を求める要請書

日本軍による性奴隷制問題を直ちに解決すること


1. 日本政府は、日本軍「慰安婦」被害者に対し、謝罪と賠償を行い、問題をただちに解決すること。


2. すでに、日本軍性奴隷制問題(日本軍「慰安婦」問題)は日韓の二国間問題ではなく、国際的な重大な人権侵害問題となっている。外交課題として解決に取り組むこと。

3. 「河野談話」(1993年)の継承を政府として確認すること。

4. 日本政府は、日韓請求権協定で日本軍「慰安婦」問題がすべて解決済みとの、政府見解をあらためること。
 韓国ソウル日本大使館前での、高齢となった被害者たちと支援者たちによる水曜デモは本日で21年目、1056回目となった。またオランダでは、対日道義負債補償請求財団が日本大使館前で要請を続けている。これらの要請に真摯に応じ、被害者の納得のいく解決を図ること。


2013年 1月16日
 
   フィリピン・ピースサイクル
   フィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩(ロラネット)       代表 大森 進

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<三鷹駅前で訴えとチラシ配布>

以下、国際世論の状況として、韓国紙の報道より、翻訳(M氏)、転載。

金錦来長官、米国のホンダ議員と「慰安婦」問題で議論
[トゥデイ  2013-01-08 08:32]

 (ファン・ユンジュ記者)=女性家族部は、金錦来(キム・グムレ)長官が8日午後2時に、女家部でマイケル・ホンダ米国下院議員と会い、日本軍「慰安婦」問題について議論すると発表した。
 金長官はこの席で、日本軍「慰安婦」被害者問題は、人類の普遍的人権に反する行為で、戦時に威嚇を受ける女性の人権の保護の側面で、接近しなければ、と強調する予定だ。
 韓・米・日議員会議(1月9日~10日)に参加するために訪韓したホンダ議員は、2007年に米国の下院で日本軍「慰安婦」問題解決決議案(H.RES.121)の可決に、主導的に参加していた。
 可決された決議案は、「慰安婦」制度を「日本政府による強制的軍隊性売買制度として、残虐性と規模面で前例のない、20世紀最大規模の人身売買中の一つ」だと規定している。
 一方、女家部に登録された日本軍「慰安婦」被害者236人のうち、生存者は58人にすぎず、女家部は現在、日本軍「慰安婦」被害者の生活安定の支援、健康及び情緒的安定治療のための、支援事業及び記念事業を推進している。

米国のホンダ議員、チャスン僧侶を表敬訪問…「慰安婦」問題を議論
[聯合ニュース  2013-01-08 15:36 ]からの転載


 (ソウル=チャン・ハナ記者)=大韓仏教曹渓宗の総務院長、チャスン僧侶は、8日午前、訪韓したマイケル・ホンダ米国下院議員の表敬訪問を受け、日本軍「慰安婦」問題の解決などについて意見を交わした。
 日系3世のホンダ議員は、2007年に米国議会で、日本軍「慰安婦」決議案を発議するなど、「慰安婦」問題の解決に努力してきている。…中略
 これにホンダ議員は、「クリントン国務長官も、『慰安婦』という表現よりは、性奴隷と正確な表現を使わなければならないと語るなど、関心が多い」として、「日本の安倍政府も、そのような認識と実践が必要だが、まだそうでないようだ」と、もどかしがった。
 ホンダ議員は 
 ▲ 日本国民の戦争・「慰安婦」問題に対する認識の不在 
 ▲ 戦犯問題から自由になれない日本の指導者たちの一族(집안) 
 ▲ 日本の天皇の名誉と威信などを、日本が責任ある謝罪ができない理由として数えた。
 ▲
 続けて、「日本の市民社会の連帯を通して、政界に圧力を行使し、国際社会の次元での圧力と説得を通して、日本が民主国家としての役割をするようにすることが必要だ」と付け加えた。
チャスン僧侶は、ホンダ議員の意見に同意を表し、「韓日仏教の交流を通して、歴史教育プログラムを運営する方案などに対して、協議していく」と語った。

◇ この問題解決に向け、アメリカ合衆国ニューヨーク州議会の上院、下院でも、さらに決議案が準備されていることを付け加える。

20130116三鷹駅南口037○ (320x223).jpg
<三鷹駅南口>
 
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