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野田政権に明日はない [現代日本の世相]

野田政権に明日はない!

1)民主党党首選の結果は何を示すか?

 9月21日、民主党党首選で、野田が圧勝した。圧勝したわりに、元気はない。なぜならば、先が見えないからだ。
 党首選での野田の「圧勝」は、確固としたものではない。むしろ不安定な情況を反映している。民主党議員は様子見をしていて、勝ち馬に乗った。来る衆院選挙での浮動票がどこへ動くか、見極めることができない。そんななかで、固定票、すなわち民主党執行部を支える連合などの支持を得ることを考え、とりあえず「寄らば大樹の陰」としての執行部支持である、その結果、見かけ上雪崩を打ったかのような野田の過半数勝利である。すなわち、関心は次の選挙に向いていて、政治的理念などはどこかへ消えて行ってしまった議員が大勢を占めていることを示している。

 
2)民主党政権は政策実行の力を失った

 野田政権が官僚の操る政権であることはますます露わになるだろう。したがって、すぐさま支持を失うだろう。
 政治家は、使い捨ての時代に入った。松下政経塾出身の、軽い、能弁だが信念のない政治家が、一つのタイプとなった。何の当てにもならない、議員になりたいだけの俗物が大量に生産されてきた。したがって、大量に消費されるだけである。

 今回の民主当党首選では、鳩山由紀夫、菅直人、小沢一郎の名前が出なかった。外見上は「世代交代した」、あるいは「すでに出番は消えた」ということか。その通りではあるが、重要なのは別の側面、すなわち官僚がますます実権を握り、これら政治家を退場させた、世代交代させた、ことをみのがしてはならない。

 官僚にしてみれば、別に誰でもいい、官僚の描いた政策を実行し、責任は政治家に負ってもらう、自分たちは絶対に責任を負わない、政治家はどうせ使い捨てなのだから、ということなのだろう。

 民主党政権では、首相が交代するたびに、官僚支配が強まってきた。野田は、検察の協力を得て小沢を排除し、首相の地位を固めた。そのことは、消費税増税させ財務省の権限を強化し、経済産業省の原発現状維持を飲むことに他ならなかった。民主党は、そうして公約違反を重ねることになった。政策実行する力を投げ捨てた。

3)官僚はどのように支配権を獲得したか

 小沢を切ったのは、官僚の支持と協力によるものだ。小沢追放は官僚の利益でもあった。官僚支配打破を掲げた政権交代の頃は、官僚も緊張していたが、今では、落ち着いたもので、自分たちの地位が失われることはないと安心しきっている。

 民主党議員たちを分断し、誰が本当の権力者かを、思い知らせた。そのような意味ではすでに第一幕は終わった。官僚政治打破を掲げた政権交代は、より強固な官僚支配の政治に行きついたのである。
 今では、野田佳彦総理の鼻には鼻輪がついていて、鼻輪には紐がつながっており、紐の先は官僚がしっかりと握っている。権力は、官僚が握っている、そこに独占資本がつながっている、マスメディアも学者も群がっている。
 鳩山由紀夫、菅直人、小沢一郎の時代は、終わった。終わらせたのは野田ではない、官僚である、野田が首相でいられるのは、官僚が支持しているからに他ならない。

4)民主党は官僚の言いなりに、第二の自民党になった!

 政府の支出削減は一向に実施されない。官僚の既得権益を侵害することになるからである。それどころか消費税増税を決めた。財務省の権限を確保した。野田政権はすでに対抗する力を失っている。
 原発事故後も、「原子力ムラ」の支配構造は続いている、原発再稼働は「原子力ムラ」の言うとおりに従っている。この点でも、対抗する力を持っていない。節操もなければ改革する意思もすでに失せた。
 普天間返還に至っては、米国‐防衛省‐外務官僚の言うなりである。それどころか、オスプレイ配備を強行に推し進めている。
 すべての点において、政権交代した意味がなくなった。

5)民主党の存在意義が消えた

 このことは、民主党は、この先「消えるしかない」ことを意味している。死滅、あるいは雲散霧消へ向かって、一直線に進んでいると言っていい。
 衆議院選挙は、民主党有利の情勢ができるまで引き延ばすだろう、すなわち任期いっぱいまで引き延ばすことになるだろう。したがって、この先一年間で、政権交代した時に国民が民主党に寄せたような期待を再度抱くまでに、民主党あるいは野田政権がもう一度変わらなければならないが、すでに変わる力は失ってしまった。その可能性はすでに消えた。
 変わろうとするならば、既存の官僚支配とぶつかることになり、既存の政治勢力は支配しているマスメディアを動員し、既存の官僚機構を利用し、現状維持を固執するだろう、したがって、野田政権自体が存続できない。

 現状のまま官僚に鼻面を引きずり回される野田政権であれば、仮に衆院選挙まで政権を維持できても、次の選挙で大敗し、消えていくしかない。

 そのような情勢を民主党議員たちは敏感に感じとっている。この先民主党からの離党者が続出するだろう。民主党は政権交代時、衆院で300議席以上獲得し勝利したが、すでに70名以上離党した。あと9名離党すれば衆院での過半数を失う。そうすれば、内閣不信任が成立し、衆院解散・総選挙へとなだれ込むことになる。それは、民主党の大敗と分解、自公民の連立政権をもたらすだろう。

 次にできる政権は、民主党・自民党・公明党の連立政権であろう、あるいはそれまでに民主党は分解しているかもしれない。3党連立は当面の多数を確保するかもしれないが、命は短いだろう。なぜなら、何もかわらないからだ。
 政治的信条もなくただ当選することを狙う議員は、橋下維新にすり寄っていくだろうが、混乱させるだけで何も解決する力などないし、上記の官僚支配は変わらない。
 ただ、いずれにしても「先が見えない」、というより「先はない」。

6)反原発首相官邸包囲行動

 既存の政党、政治家はアテにならない。
 反原発で多くの人々が首相官邸包囲の直接行動に参加している。人びとの自主的、自発的行動がこの閉塞を打破するだろう。
 原発に賛成する議員は落せ! 国会議員には、この怒りを徹底的に思い知らせなくてはならない。
 新しい政治的運動こそ必要とされている。「能弁」でコロコロ主張を変える政治家には、もはや何も任せられない。そのような政治、そのような政党はもはや命を終えた。
 民主党政権はすでに交代させなくてはならないが、官僚支配を打破する交代を実現しなくてはならない。
 そのことの追究、模索は、人々があらゆる情報をネットなどを利用し即時に共有する直接的民主主義を実現した、自主的、自発的な直接行動の広がり、発展の先に、実現することができるだろう。(文責:林信治)

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