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教会や学生によるフィリピン・ハンジン労働者支援の活動 [フィリピン労働運動]

 フィリピン・ハンジン労働者支援を行っているスービックのレニーさんから、フィリピン・ハンジン労働者支援運動の最近の報告が送られてきました。

 ハンジン労働者は、労働組合認定に向けて「サマハン」という労働組合準備組織を立ち上げて活動しています。フィリピンでは、労働組合が認定されなければ、政府も経営者も労働組合と認めず、交渉することはありません。

 「労働組合認定」のためには、
 まず第一に、労働者の20%の署名を集め、労働雇用省に「労働組合登録」を申請し認められなければなりません。この署名によって、誰が組合員か労働雇用省にはわかります。この情報を経営者に漏らすこともあります。

 第二に、「労働組合登録」が認められたら、労働者の25%の署名を集め「組合代表選挙請願」を労働雇用省に申請し、認められなければなりません。
 
 第三に、「労働組合代表選挙請願」が認められたら、労働雇用省、経営者、労働組合三者で話し合いを持ち、「労働組合代表選挙」を実施します。この選挙で労働者の50%以上の支持を得て、初めて交渉相手の労働組合として認定されます。

 このプロセスに数年、あるいはもっとかかることもしばしばあります。この過程で、資本側が労働組合の中心メンバーを解雇したり、配置転換したりすることも珍しくありません。
 ハンジンは、第一段階の「労働組合登録」が2011年に終わりましたが、そこから進んでいません。

 労働組合組合員の対象は、正社員になります。5か月雇用の契約社員が多数いますが、組合員の対象にはなっていません。「組合代表選挙」の前に会社が、組合に入らないことを誓約させ新入社員を入れたりします。また、最近は契約社員を増やし正社員を減らして、労働組合の影響力を小さくすることもあります。

 フィリピン・ハンジン労働者のため、「サマハン」は様々な社会的セクターに働きかけ、支援を要請しています。特にフィリピン・ハンジン造船所では、労働災害による死亡事故が多発しており、国会議員や教会などにも働きかけ、フィリピン人労働者の命を守るように政府や大統領に要請しています。

 下記の報告にあるのは、教会グループや学生グループによる支援活動の紹介です。報告にもある通り、多くの教会関係者が支援してます。

120929 ハンジン写真02.jpg
<ハンジンフィリピン労働者支援の集会>

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教会や学生によるフィリピン・ハンジン労働者支援の活動

 こんにちは!お元気ですか?
 あなた方の「通信」のために。

 8月27日と31日に行われたサマハン(Samahan:ハンジン・フィリピン労働者協議会、労働組合認定選挙のための準備組織)の活動報告を送ります。遅れてすみません。ミシェルから、あなた方は最新情報がほしいと聞いていました。メールできなかったことをお詫びします。インターネット代金が1時間20ペソかかるのです。
 とにかく、下記の通り報告します。

 8月27日:
 フィリピン大学(UP-ディリマン)コミュニティ開発の学生たちが、私たちサマハンリーダーとともに、ここスービック(ルソン島西部、スービックは元米海軍基地のあったところで、現在は経済区として多数の外国企業を誘致しています。韓国資本・ハンジン重工業もその一社です。従業員は3万人近くいます。)に集まり、フィリピン・ハンジン労働者が弾圧され搾取されているかについて、どのように幅広いキャンペーンをつくりあげていくか、議論しました。これはサマハンの闘いを支持し、フィリピン政府に圧力を加えるための私たちの運動の一部です。私たちは、ハンジン労働者の窮状を訴え、キャンペーンを行っていくうえで、様々な異なった社会的セクターそれぞれのあいだで、幅広い支持の連合を築きあげようとしています。学生たちの支援もその一つです。

 8月31日:
 ここスービックで、異なった教区の教会や司祭ら、社会的行動のリーダーたち80名が集まり、総会を開催しました。社会貢献活動のリーダーであるパビロ司教は総会で、フィリピン・ハンジン労働者の問題を参加者に明らかにし、支援活動を提示しました。総会最後の日を盛大にしようと望んだのです。司祭は、ハンジン重工業社による造船所建設によって、取り壊され追い出された集落の人びとを訪問すること、また労働者の状態を調査するためハンジン労働者の代表であるサマハンのリーダーたちの訪問を決めました。司祭たちは訪問先を、サマハン、および影響を受けたコミュニティの2つのグループに分けました。 2時間の議論と開かれたフォーラムの結果、異なった教区の教会や司祭たちは、闘争の支援を行うこと、この問題にたいし彼らの住む地域でのキャンペーンに協力することになりました。またマラカニアン宮殿のアキノ大統領あてにハンジン社告発と労働者救済の手紙を送ることも決めました。

 現在のところ、マカバヤン(労働組合連合)とサマハンは、ハンジン労働者を対象に、基本的な労働者の権利について、またサマハンに加わる意義とメンバーとなる署名について、フォーラムなどについて、教育するためたくさんの労働者を集めたミーティングを開催し、多くの労働者と連絡を取り、組織化していく活動を続けています。

120929 ハンジン写真03 「俺たちは生きるために働いている、死ぬためではない!」.jpg
<俺たちは生きるために働いている、死ぬためではない!>
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