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バタアン石炭火力発電所に反対! [フィリピンの政治経済状況]

石炭火力発電所に反対!

 5月27日、反石炭火力キャンペーン

 エミリ―から、レポートが送られてきました。
 フィリピンでは、バタアン原発はすでに停止しており、反核バタアン運動(NFBM)は、マリベレス石炭火力発電所建設に反対する運動を取り組んでいます。
 発電所は、マニラ湾を隔ててマニラの反対側(西側)のバタアン半島先端です。ちょうど、第二次世界大戦中の要塞であったコレヒドール島がくっきり見えるところに建設中です。
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 こんにちは!
 今回は、マリベレス石炭火力発電所建設・稼働反対運動について報告します。

 1)現在の闘い

 バタアン原発反対闘争の後、反核バタアン運動(Nuclear Free Bataan Movement:以下NFBM)は、バタアンでは反原発運動ではなく、石炭火力発電所建設反対のキャンペーンを行ってきました。しかし、なかなか困難な情況にあります。この地域における最初の石炭火力発電所であるにもかかわらず、そして人々に情報を広めていくのが最重要の課題であるにもかかわらず、バタアンの人びとはこのプロジェクトを知りません。

 GNパワーマリベレス石炭火力発電所を推し進めているのは、米国と中国です。このプロジェクトは、市民と選挙で承認される必要があル問題です。米国GN電力マリベレス石炭火力発電所が投資し、中国国家電力設備会社、およびNEPCが契約を請け負い建設しています。
120711 マリベレス石炭火力発電所 (320x240).jpg
<バタアン石炭火力発電所>

 発電所の位置は、フィリピン・ルソン島マニラ湾向かいのバタアン半島の先端、バタアン州マリベレス町アシンのシチオ・ヂギニン・バランガイです(バランガイとは、フィリピンにおける集落の意味)。マリベレスの街に降りて行くジグザグ道路の手前です。
 粉々にされた「きれいな」石炭を使用する発電所と宣伝しています。二基ありますが、ともに出力は600メガワット、計1200メガワット。
 上の写真はシシマン・バランガイから、1㎞以下の距離。
 
 2)発電所建設で環境破壊! 住民生活も破壊
 私たちはシチオ・ヂンギニン(Sitio Dinginin:発電所そばの住民コミュニティ)を訪れました。約100家族が住んでおり、主に零細な漁業で暮らしてきました。発電所の建設のせいで、すなわち、土地の発破や掘削による騒音、土や石の流出、発電所の建設廃棄物によって、魚は地域からいなくなってしまいました。サンゴは破壊されています。漁民はもはや魚を孵化させることができなくなりました。漁師が網をあげると魚の代わりに鉄の棒がかかります。というのは鉄の棒を海に捨てるからなのです。今では漁師の妻たちは、市場で魚を買い求めなければならなくなりました。

 発電所建設のさらなるダメージは、工事でできた泥が、地区の川に捨てられていることです。大きな嵐や豪雨がくれば、泥は川へと流れるでしょう。住民たちが知っていることは、川は埋まってしまい、もう川ではなくなりつつあります。悲しいことに、彼らの小さなボートは通れなくなりました。
120711 泥に埋まったヂンギニン集落の川 (320x240).jpg
<泥に埋まったヂンギニン集落の川>

 GN電源管理会社のとった行動は、漁師たちに、「泥」を移動するための費用に当たる「給与」を与えたことと、土嚢に泥を詰めて置いたことでした。彼らは、一部の泥を除去しはしましたが、もはや川は以前の川ではありません。

 クリスチャンが川に立っている写真を見てください、彼の立っている下には数千の土嚢が積まれています。
120711 発電所建設で泥に埋まった川を指差すクリスチャン (320x240).jpg

 発電所建設プロジェクトは80%完了しました。悲しいことに、この地域に暮らす人々は、発電所の稼働によってどのような悪影響があるかまったく知らされていません。バタアン州の80%の人びとは、石炭火力発電所とは何か? コミュニティへの影響は何か? 即ち、環境に対し、健康に対し、そしてこの地域の総人口の34%を占める漁民の仕事に対し、どのような影響があるか? 知りません。

 当プロジェクトは、「パブリックアクセプタンスのための公聴会」を開いていませんので、バタアンの人々は、公的には知る機会がないのです。推進側は、国民に周知していません。

 下記の写真に、二つの小さな男の子の背景に発電所の煙突が見えます。場所はシチオ・ヂンギニンです。私が写真を撮ろうとすると、二人の少年は喜んだ表情を見せてくれました。彼らは健康な子供です。しかし、発電所のすぐそばに住んでいるので、煙突からの有毒で危険飛灰と煙の曝露のため、近い将来、健康を害するのではないかと心配しています。
120711 ヂンギニンの子供 後ろに発電所の煙突が見える (320x240).jpg
<ヂンギニンの子供たち、後ろに発電所の煙突が見える>

 3)私たちはどのように闘うのか?
 発電所はほぼ2012年には稼働する予定です。私たちの反石炭火力発電所運動は、すでに、緊急の事態に直面しています。

 政府から地方政府、バランガイ職員に至るまで、当局は石炭火力発電プロジェクトにとても協力的です。現大統領であるノイノイ・アキノの事務所、エネルギー省アルメンドラス長官は、特に協力的です。というのは、エネルギー省のエネルギープログラムは、フィリピン各地域に多くの石炭火力発電所を建設することから成っているからです。
 私たちは、ここマリベレスで大きな反対側を構築する必要があります。私たちが、異なるいくつもの組織からなるフォーラムとして反対運動を維持するために心がけていることは、いろんな組織や連合体、その他の団体の特に役員たちに、彼らの構成メンバーに問題を共有してもらうことです。それが実現するなら、情報は広がり、運動の広がりにとって大きな助けとなるでしょう。

120711 マリベレス石炭火力発電所を海から臨む (320x240).jpg
<海から見た石炭火力発電所> 

 最新の動きとして、それぞれ異なる教会に働きかけ、信者の人たちに、7月27日を石炭火力発電所のために被害を受けている人々のために祈る日として、「統一の祈り」をささげよう!と提案しています。 

 二次的闘争として、石炭火力発電所の会社に対する訴訟を提起しようとしています。もちろん、私たちにとって一次的には大衆運動の構築です、法廷闘争は二次的闘争です。「環境保護のための法律」があるのでので、これを利用することは戦線を広げ闘争を長引かせるうえで私たちにとって大きな助けになるでしょう。

 7月29日には、発電所はテスト運転を開始しますが、同時にこの日に、私たちは反マリベレス石炭火力発電所を訴える大衆行動を予定しています。教会での祈り、大規模なキャンペーンとなることを願っています。

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