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SIKAP運動について [フィリピン労働運動]

 バタアン労働組合連合(アンバ・バーラ) のエミリーさんから、近況の報告が届きました。

 これまでの労働組合の組織化だけでなく、住民運動の組織化に取り組んでいます。
 というのは、バタアン経済区の労働者数が14,000名に減っていること、さらにはそのうち正社員はわずか3,000名しかいません(その3000名のうち、1500名はミツミ電機バタアン)。
 残りはすべて契約労働者です。契約労働者は5カ月で契約更新ですので、実際のところ労働組合組織化はできません。そのため、バタアン経済区ではこれ以上の労働組合の組織化は非常に難しい状況となっています。
 他方、多数を占める契約労働者は解雇、低賃金、労災など様々な問題を抱えています。そのため、契約労働者を居住地域で組織し、自治体に対して教育の無償化や家賃支援など生活支援、不当解雇など法律上の保護を要求するするSIKAP運動にこれまで取り組んできているのです。

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 こんにちは! 
 皆さんはいかがお過ごしですか?
 あなた方の国を余震がいまだ見舞ってはいますが、皆さんすべてがいい状況にあることを願っています。
 マリベレスにおける進展についていくつかの報告を添付します。

コピー ~ 3月8日 「連帯の夕べ」でのエミリ.JPG
<2011年3月、エミリーさん>

 仲間の皆さん、こんにちは?
  あなた方皆さんがお元気なことを願っています。この季節、台風や豪雨にもかかわらず、私たちは問題なく過ごしています。

 下記に、いくつかのニュースを示します:

 1.BFG(バターンファイバーグラス組合)労働組合
 
 この労働組合は、世界的な経済危機と激しい競争にもかかわらず、会社経営にとりたてて問題なく、労働組合もしっかり活動しています。

 2. Petrochem(ペトロケミ)労働組合

 ペトロケミ労働組合もまた、順調に活動しています。労働組合代表選挙で勝利したあと、賃金や労働・福利条件を規定した労働協約を締結しました。労働組合役員たちは、みんな新しいメンバーであり労働組合運動の初心者ですが、労働協約締結のための団体交渉戦術や労働者の権利、基本的な労働運動のオリエンテイションなどを学び、また訓練を受けました。実際の組合活動でさらに訓練を受けました。みんな立派に活動しています。彼らは、いわゆる世界恐慌による労働者の追い出しや解雇を計画している経営者と闘うため、組合員を団結させることに力を注いでいます。

 3. SIKAP運動について

 フィリピンでは契約労働化がすすみ労働組合を組織することが非常に難しくなっているため、経済区内や周辺の労働者、半失業者などを地域社会で組織していることはこれまで伝えてきたとおりです。この地域協議会をSIKAPと呼んでいます。
 SIKAPとその代表は、地方政府に対して公共住宅無料化や教育無償化など住民の利益を実現し住民福祉を充実させる目的で活動してきました。これは、フィリピン憲法が規定するフィリピン人の享受すべき権利であり、かつ法が実現していない基本的な権利です。失業者・働いていないメンバーのための所得創出プロジェクトなどの生活改善計画プログラムも実施するように自治体に提案しました。

 歴史的にいうとこのSIKAP運動は、正規労働者の労働組合運動が徐々に解体され、もはや以前のような労働組合運動を継続できなくなっている現状下において、労働組合ナショナルセンターの一つであるマカバヤンとアンバ・バーラ(バタアン経済区労働組合連合)が採っている苦難の戦略であり、プロジェクトなのです。SIKAPは、マカバヤンのような組織でもなければ、アンバ・バーラのような組織でもありません。政治団体でさえなく、地域の福祉実現を求める協会です。私たちはSIKAPのメンバーに、自分たちの地域の利益と要求のために、州および国家政府に要求し闘うこと、そして少しでもその成果を獲得できるように導いているのです。
 どのように闘うのか彼らにアドバイスしながら、アンバ・バーラの任務は、フィリピン憲法・法で規定されている条文の意義を明らかにし、メンバーの意識を高揚させることにあります。たとえ小さな成果であったとしても、自分たちの自主的な活動によって得た成果はそのままマリベレス地域で一般的な労働協約として実現できると想定しているのです。

 4.マリベレス石炭火力発電所の建設問題

 マリベレスの町は、現在大きな問題に直面しています。マリベレス石炭火力発電所が、バタアン州マリベレスのアラスアシン(Alas Asin)に建設中なのです。これは、2基の300メガワット石炭火力発電所建設です。中国が技術と資材調達を担当し、米国のデナム(Denham)資本が資金調達し、フィリピンGN Power社が進めるプロジェクトです。10億米ドルのプロジェクト--地域におけるエネルギーの複合体として、提案者によれば石炭、風力発電、水力発電、および天然ガス4相のプロジェクトとして設計されています。石炭火力が来年(2012)の9-12月期に稼働開始してしまうというのが現時点の真実です。

 よくない話。
 私たちは皆、バタアン原発と闘うのに忙しいのですが、 他方ですでにフィリピン民営化条例に基づき、GN Power社と政府で石炭火力発電所プロジェクトを進めていると、政府役人は語りました。
 このプロジェクトのことは、マリベレスのみならず、この地方の誰も知りません。石炭火力発電所の建設労働者でさえ、建設しているのは石油火力発電所であって石炭火力ではないと認識しています。プロジェクトのあらゆる局面、および地域で公聴会を行うかどうかを、行うとすれば抗議の場にできるかどうか、私たちは調査しているところです。

 もう一つのよくない話。
 私たちは皆、石炭火力発電所がどれほど危険かを知っています。これまで有機水銀、トリウム、ウラン、塩素、アルミニウムなどの汚染物質をまき散らしてきました。フィリピンでの石炭火力発電では、先進国では取り付ける汚染物質除去装置を節約のため取り外してしてしまうのです。これは、人々、環境、およびその他もろもろに対して、危険です。
 反核バタアン運動は、「エネルギー源としての石炭発電所は歴史的に決してクリーンではない」と議論できるように情報発信キャンペーンを行っています。
 このキャンペーンが拡大・発展したなら、ここバタアンで反石炭火力のためのいろんな団体・セクターからなる協議会を結成することになるでしょう。その時にはNFBM(反核バタアン運動)がメンバーの一つとして参加するでしょう。

 連帯して、エミリー
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