余計なお世話だ!- IMFによる消費税アップの提言 [2008-9世界経済恐慌]
■余計なお世話だ!
1)IMFが消費税を引き上げるように提言
IMF(国際通貨基金)は7月14日、「日本経済に関する年次審査報告」を発表し、先進国で最悪の水準にある財政健全化のため、2011年度から消費税を「段階的に」引き上げるべきだと提言した。具体的には11年度から徐々に15%まで上げるケースを例示した。
2)内政干渉だ!
これは内政干渉そのものだ。IMFは何様だと思っているのだろうか!
徴税権は、憲法で規定されている通り国民主権に属する。その是非を決定するのは日本国民である。そもそもIMFにはこのような提言をする権利などない。
外から国民主権を勝手に侵害する団体・組織として、内政干渉する組織として、そして金融を通じて世界を支配する団体として、IMFが今日、登場しているということであろう。
今年の5月のギリシャ・ショックの際には、ギリシャ財政赤字がギリシャ国債を暴落させたとし、融資の条件として財政赤字の早期解消、そのために消費税増税、国民の年金減額、福祉教育予算の大幅減額を迫った。
これまで歴史的に形成されてきた国家主権・国民主権を、侵害し破壊する現代的な「支配者・侵略者」の登場である。かつては戦争と侵略で、植民地化で、国家主権・国民主権を侵害し破壊してきた。かつてはファシズムが、今日においてはIMFが、ということであろうか。
こやつら債権を持っているからといって、やたら理由つけて債務国と人々を苦しめてきている、ダニかヒルみたいな組織にすでに転化・成長している。
3)そもそも財政赤字はどうして起きたか?
日本の国家財政の膨大な赤字は、バブル経済崩壊以降10数年、景気の低迷時に国家予算から公共投資など支出し企業に利益を確保させることで積み増してきたものである。「資本に儲けさせれば経済は元気になって、働く者の収入も増える」という新自由主義の理窟のもとに、国家は資本にせっせと国家予算・資金を提供した。資本は儲けを拡大させたが、国民全体は貧困化した。
「小さな政府」と言いながら、恐慌時には国家財政へ借金を移転させた。新自由主義とケインズ主義は、相対立するものではなくて、好況時と恐慌時にそれぞれ使い分ける「方便」だと捉えるのが、実態に近いであろう。新自由主義とケインズ主義の学者もストックしておいて、その時々に使い分ければいい。
このやり方は現在も変わっていない。自動車産業や電機・住宅産業などを支援するために、エコ減税・エコポイントなどに財政出動している。最近では、大手日本企業の多くは最悪時を脱し、利益を計上するに至っているが、多くの国民はその生活は悪化したままである。低所得者層の拡大は、この国の将来の年金制度、国民健康保険制度などの見通しさえ立たなくさせた。
これらの結果、膨大な財政赤字を計上するに至っているのである。
ギリシャでも激しく人々は反発した。「これは決して、われわれ国民のせいではない!」しかし、ギリシャでは、消費税増税、国民の年金減額、福祉教育予算の大幅減額がすでに実行されようとしている。
その通り、「これは決して、われわれのせいではない」。
にもかかわらず、IMFの提言に対して、菅首相は抗議さえしなかった。それどころか、「IMFの消費税引き上げ提案、しっかり読みたい」と述べた。すでに財務省官僚にコントロールされて、消費税増税を唱えている菅だから、期待しようがない。
4)IMFの提言は、一方の利益を代表
今回の提言には、「法人税は減らせ!」とまで述べている。提言の内容は、実に一方的である。一方の利害に忠実である。
日本の財政悪化の原因の一つである、90年代前半には約27兆円あった所得税収を半減させた「所得税の空洞化」なども無視している。高額所得者の増税への転換が必要なこともハナから無視している。日本の法人税の捕捉率の低いこと、様々な抜け道のあることもさらに無視している。そのうえで、消費税をあげることだけを提言している。
主張が、きわめて露骨ではないか。一方の利害に忠実である。
5)外からだけではない!マッチポンプ
ここまで書いて、ネットで調べてみると、この報告は、OAP(IMFアジア太平洋地域事務所)と財務省の共同開催である5月10-19日の東京での会議をベースにしていると報告書の冒頭に書いてあるそうだ。OAP所長は日本人官僚の出向者である。ちなみに財務官僚はIMFに大量出向していて、この報告書は財務官僚によるIMFを使った消費税引き上げへのマッチポンプでもあることも指摘されている。
報告書の趣旨は、IMFの立場と利益に沿うものであって、IMFに対する抗議と怒りは、撤回するものではないし、撤回する必要もない。
しかしだ、財務官僚によるマッチポンプでもあることを知って、「IMFによる内政干渉ではないか!」と振りかざした拳は、振りおろす先が決してIMFだけでないことに、一瞬驚きとまどってしまったではないか。
何やら腹の立つことばかり。
(文責:小林治郎吉)
1)IMFが消費税を引き上げるように提言
IMF(国際通貨基金)は7月14日、「日本経済に関する年次審査報告」を発表し、先進国で最悪の水準にある財政健全化のため、2011年度から消費税を「段階的に」引き上げるべきだと提言した。具体的には11年度から徐々に15%まで上げるケースを例示した。
2)内政干渉だ!
これは内政干渉そのものだ。IMFは何様だと思っているのだろうか!
徴税権は、憲法で規定されている通り国民主権に属する。その是非を決定するのは日本国民である。そもそもIMFにはこのような提言をする権利などない。
外から国民主権を勝手に侵害する団体・組織として、内政干渉する組織として、そして金融を通じて世界を支配する団体として、IMFが今日、登場しているということであろう。
今年の5月のギリシャ・ショックの際には、ギリシャ財政赤字がギリシャ国債を暴落させたとし、融資の条件として財政赤字の早期解消、そのために消費税増税、国民の年金減額、福祉教育予算の大幅減額を迫った。
これまで歴史的に形成されてきた国家主権・国民主権を、侵害し破壊する現代的な「支配者・侵略者」の登場である。かつては戦争と侵略で、植民地化で、国家主権・国民主権を侵害し破壊してきた。かつてはファシズムが、今日においてはIMFが、ということであろうか。
こやつら債権を持っているからといって、やたら理由つけて債務国と人々を苦しめてきている、ダニかヒルみたいな組織にすでに転化・成長している。
3)そもそも財政赤字はどうして起きたか?
日本の国家財政の膨大な赤字は、バブル経済崩壊以降10数年、景気の低迷時に国家予算から公共投資など支出し企業に利益を確保させることで積み増してきたものである。「資本に儲けさせれば経済は元気になって、働く者の収入も増える」という新自由主義の理窟のもとに、国家は資本にせっせと国家予算・資金を提供した。資本は儲けを拡大させたが、国民全体は貧困化した。
「小さな政府」と言いながら、恐慌時には国家財政へ借金を移転させた。新自由主義とケインズ主義は、相対立するものではなくて、好況時と恐慌時にそれぞれ使い分ける「方便」だと捉えるのが、実態に近いであろう。新自由主義とケインズ主義の学者もストックしておいて、その時々に使い分ければいい。
このやり方は現在も変わっていない。自動車産業や電機・住宅産業などを支援するために、エコ減税・エコポイントなどに財政出動している。最近では、大手日本企業の多くは最悪時を脱し、利益を計上するに至っているが、多くの国民はその生活は悪化したままである。低所得者層の拡大は、この国の将来の年金制度、国民健康保険制度などの見通しさえ立たなくさせた。
これらの結果、膨大な財政赤字を計上するに至っているのである。
ギリシャでも激しく人々は反発した。「これは決して、われわれ国民のせいではない!」しかし、ギリシャでは、消費税増税、国民の年金減額、福祉教育予算の大幅減額がすでに実行されようとしている。
その通り、「これは決して、われわれのせいではない」。
にもかかわらず、IMFの提言に対して、菅首相は抗議さえしなかった。それどころか、「IMFの消費税引き上げ提案、しっかり読みたい」と述べた。すでに財務省官僚にコントロールされて、消費税増税を唱えている菅だから、期待しようがない。
4)IMFの提言は、一方の利益を代表
今回の提言には、「法人税は減らせ!」とまで述べている。提言の内容は、実に一方的である。一方の利害に忠実である。
日本の財政悪化の原因の一つである、90年代前半には約27兆円あった所得税収を半減させた「所得税の空洞化」なども無視している。高額所得者の増税への転換が必要なこともハナから無視している。日本の法人税の捕捉率の低いこと、様々な抜け道のあることもさらに無視している。そのうえで、消費税をあげることだけを提言している。
主張が、きわめて露骨ではないか。一方の利害に忠実である。
5)外からだけではない!マッチポンプ
ここまで書いて、ネットで調べてみると、この報告は、OAP(IMFアジア太平洋地域事務所)と財務省の共同開催である5月10-19日の東京での会議をベースにしていると報告書の冒頭に書いてあるそうだ。OAP所長は日本人官僚の出向者である。ちなみに財務官僚はIMFに大量出向していて、この報告書は財務官僚によるIMFを使った消費税引き上げへのマッチポンプでもあることも指摘されている。
報告書の趣旨は、IMFの立場と利益に沿うものであって、IMFに対する抗議と怒りは、撤回するものではないし、撤回する必要もない。
しかしだ、財務官僚によるマッチポンプでもあることを知って、「IMFによる内政干渉ではないか!」と振りかざした拳は、振りおろす先が決してIMFだけでないことに、一瞬驚きとまどってしまったではないか。
何やら腹の立つことばかり。
(文責:小林治郎吉)
国際通貨基金は、消費税を上げると景気が冷え込むことを知らないクルクルパーの集団です。お金を巻き上げ、貧富の差を拡大させ狂った社会にしようとしているまさに暴力集団です。こんな組織は潰しましょう。
by 宮崎人 (2011-06-03 14:06)