バタアン労働組合連合からの近況報告

　バタアン労働組合連合（アンバ・バーラ）からの近況報告　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2010年7月15日

　１）近況
　メールが遅れたことを、お詫びします。
　私たちは2日間の灯火管制(電気のではない)を経験しました。というのは、強い台風バシャング（Basyang）が暴風と大量の雨をもたらし、その結果、ここマリベレス事務所の天井の一部が飛んで行ってしまったのです。そればかりではなくて、悲しいことに、事務所の二階の壁の一部も損傷を受けてしまいました。

　マリベレスの海岸では、何人かの漁師が亡くなりました。多くのタンカーや貨物船が台風によって海岸に押し寄せられ、岸につないでいた漁師の漁船が破壊されるという災害を引き起こしました。 先日以来、マリベレスの災害は全国テレビ放送、および全国紙で報道されています。

　２）反核バタアン運動のこと
　反核バタアン運動（NFBM）はアキノ大統領との対話にその努力を集中しています。私たちのキャンペーンはバタアン原発の解体です。というのは彼の母親である前大統領コーリー・アキノが、彼女の任期中に棚上げにし、稼働していないものの建物を残してしまったからです。私たちはバタアン原発を解体するようにアキノ新大統領に要請する予定です。

　私たちは報道されるニュースを読んで、アキノ新大統領が国家政策として原子力エネルギーの利用を掲げているものの、バタアン原発の再開にはあまり乗り気ではないことを知っています。 彼のいとこである前国会議員マーク･コファンコは、バタアン原発再開プロジェクトと他の国家原子力プロジェクトの責任者であり推進の張本人です。

　反核バタアン運動が反原子力の団体であることも彼と議論するつもりです。私たちは、バタアン原発が本当に危険であること、また気候変動への「解決策」と米国がキャンペーンしている代替のエネルギー源などでは決してありえないことを、知っています。とともに私たちは、アキノ新大統領はいずれこの問題で米国プロジェクトを推し進めるであろうことも、ほぼ確信的に予想しています。

　３）フィリピン人はどうアキノ新大統領を評価しているか?
　さて、調査によると10人のフィリピン人のうち8人は、アキノ新大統領を信頼していることになっています。これは本当のことです。多くの人々は、アキノ新大統領がすべてのフィリピン人の生活を改善してくれると期待しています。彼は人々から愛されているし、人気もあります。というのは、彼のつくられたイメージが大きな影響をもっているからです。
　
　メディアでのその人気のため、彼への批判は非常にしにくいのが実情です。すべての政府プロジェクトや全法律は、支配階級の利益のために存在しているのですから、またアキノ新大統領選出キャンペーンのために支配階級が融資したのですから、彼が現行システムを変えることができないこと、また貧しい人々の現実の問題を解決できないことは、明白なのです。にもかかわらず、私たちがそのことを公衆に向かって公然と説明できるまでにはまだ時間が必要なのです。加えて言えば、アキノ大統領選出は米国の利害でもあります。

　いまのところわたしたちは、人々に対し、彼の約束のすべてを、完全に信頼しないように、慎重に注意深く見守るよう話しています。

　連帯して
　エミリー