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イワホリフィリピン労働組合委員長からの手紙 [フィリピン労働運動]

日系企業イワホリフィリピン社は2000年に突然閉鎖され、日本人経営者・岩堀社長は、労働協約で決められている退職金を支払わずに、日本へ逃亡してしまいました。フィリピンでは裁判になり、労働組合へ退職金を支払えという判決が出ており、かつ判決は確定しています。しかし、経営者は日本へ逃亡したままとなっており、フィリピン労働者は閉鎖された工場の残存設備を債権として差し押さえていました。

2007年3月にフィリピンを訪問した際に、労働組合が差し押さえているイワホリフィリピン社残存設備の売却が決まったことを聞きました。5月27日組合総会が開催され、売却金の回収状況と、組合員への分配が話し合われました。」その報告が来ていますので紹介します。
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(イワホリフィリピン労働組合コラソン・レキゾ委員長)

イワホリフィリピン労働組合委員長、コラソン・レキゾさんからの手紙

「三多摩・カサナグの会の皆さんへ」

イワホリフィリピン労働組合(以下:IPLU-NAFLU)を代表して、IPLU労働組合委員長である私、コラソン・レキゾは、私たちの闘争を支援してくださったあなたがたとすべての人たち、団体、労働組合にあらためて感謝の意を表したいと思います。あなたがたの取り組みや連帯した活動は、この多年にわたる闘争において本当に私たちの大きな助けとなりました。

2007年5月27日、私たちはイワホリフィリピン労働組合(IPLU)総会を開催し、組合員448名のうち157名が出席しました。最初、私たちはバタアン経済区内イワホリビルディングの前で総会を開こうとしましたが、経済区(PEZA)警察はそれを許さなかったので、代わりにバタアン経済区(BEZ)管理棟の前で総会を挙行しました。
私たちの労働組合メンバーの何人かは外国で働いていますし、他の何人かは故郷に住んでいるため総会には参加できず、私に電話連絡してくれたり、テキストメールを送ってくれたりしました。

総会での議題は、私たちの置かれている最新の状況の説明と、私たちの差し押さえていた財産の売却金をどのように分配するか、でした。
最初に私は、労働組合内反対派グループ(アルマリオ・グループ:アルマリオさんを組合代表と自称する執行部)の申立が却下されたことを組合員に説明しました。アルマリオ・グループは、組合執行部としての自身が正当性を労働雇用省当局と裁判所に訴えましたが、双方とも彼らの申立を却下しました。しかし、その事実を彼らは組合員メンバーに説明しておらず、ただ私に労働組合委員長の権限が戻ったとだけ話したそうです。そんなわけで、私は総会でこの事件の判決を読み上げました。反対派グループも総会に出席していましたが、どのような質問もしませんでした。
それからある組合員から指摘があり、この反対派グループが、組合差押え資産を以前に勝手に売ったが、その売却金15万ペソをエスクロウ口座(Escrow account :イワホリフィリピン社の債権者である経済区当局とIPLUの共同口座、会社の残存資産はこの口座に入れることになっている)に入れないで、その代わりに彼らの口座に預金していることがわかりました。彼らがそのお金を返済しない限り、彼らの申立を認めないと決定した理由です。それはまた私たちの弁護士カディスのアドバイスでもあります。

総会では、組合員になぜバイヤーがすべての金額を支払い終わらないうちに組合資産(工場内残存機械設備)の移動を私が許可することになったかについても説明しました。実際には私は許可していません。私が許可していることになっているこの事件は、本当に私が知らないサルバドール・スルーなる人物、この某人物によって、アナベル(IPLU執行委員)と私、および労働組合に対し申し立てられた事件です。私は彼に会うことはできませんでしたし、電話で話しもできませんでした。だから、この件は本当に私がまったく知らないことなのです。彼らは、売却にあたり私のサインとアナベルのサインのある特別委任状をつけて、経済区当局(以下PEZA:Philippine Economic Zone Authority)に証拠として提出しました。私のサインは偽造されていましたし、アナベルは私にどのような特別委任状にもサインしたことはないと言っています。

しかしあいにく、ケソン市RTCは、TROの問題または制止命令、および差し止め命令とすべきと判断しました。これは、TROが承認しなければ、私たちが30日間資産を売却できないこと、また差止め命令が認めなければ、われわれは事件が却下されない限り資産売却ができないことを、意味します。
その間に、私たちの契約しているバイヤーはすでに経済区当局(PEZA)に税金といくらかの手数料を支払い、私たちは資産売却総代金の15%に等しいP994,256.87ペソを経済区当局に支払い、残金を労働組合口座に振込み、エスクロウ口座を解消しました。
ところで、私たちの手取り金総額は、P 6,628,378.48ペソです。そのうち、500万ペソが売却代金で、P1,628, 378. 48ペソがエスクロウ口座の残金です。私たちは、バイヤーとのあいだに2ヶ月間の猶予を与えるという契約していますが、彼は全額を支払うまで期日を引っ張らないでしょう。
 
しかし、事態はすこし悪いことがおきています。われわれは資産を売れないのではないかという、またバイヤーが全額を支払っていないのに資産を運び出すという私の提案よりも更に長い時間がかかるのではないかと恐れています。バイヤーはまだ2,300ペソ支払っていません。(しかし、彼 は私たちにこの金額の勘定書をくれています)。私たちは、彼が私たちの銀行口座に振り込むのを待っているところです。インジェクションマシン(プラスチック成型機)が運びだされた時に、マシンは運転できる状況ではなく、岩堀富久生社長が前に話したように、整備・修復されていないと知ったのはそのときでした。いくつかの部品が壊れ、なくなっているマシンがありました。現在われわれのバイヤーはマシンを処理・売却できませんでした。だから、われわれもバイヤーからの最後の支払いを待っている状況なのです。

また、総会では、すでに銀行に入金されている売却金の組合員への分配を決定しました。
その金額は、私たちの売却金額の60%でしかありません。(もっとも2000年当初、会社に要求し裁判で判決された金額の12%でしかありませんが。)最後の40%が支払われ完全に支払い終るまで待つことを組合員は同意しました。

先日6月3日、私たちは組合内反対派に彼らが勝手に所有しているお金を戻すように要求書を書き送りましたが、今日に至るまで返事はありません。5月29日、私たちは組合員にお金を分配しはじめました。銀行でそれを実施しました。現在までのところ、お金をまだ受け取っていないのは41人だけです。

これが、あなた方に説明できるすべてのことです。あなた方には精神的にも財政的にも支援をしていただきました。繰り返し感謝いたします。あなたがたは、私たちの闘争の勝利を可能とする人々といつも共にいます。私は、あなたがたが私たちの闘争のことを心にかけていてくれること知って嬉しく思います。本当にありがとうございます。

なにか質問があれば、どうぞメールで尋ねてください。

団結して
コラソン・レキゾ(イワホリ・フィリピン労働組合委員長)


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