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メーデーと選挙 [フィリピン労働運動]

 アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)から、2回に分けて下記のリポートが来ました。メーデーのこと、5月の選挙とそれにかかわる情勢、アンバ・バーラの近況についての報告です。

 フィリピンでは5月14日に上院議員選挙、市町村選挙が実施されましたが、いまだ開票が完了していなくて、6月初めまでかかると新聞は伝えています。上院では野党候補が多く当選しそうです。リポートでは、アンバ・バーラや労働者団体が選挙をどのように評価しどのような態度をとったか、フィリピンの選挙そのものへの参加を必ずしも否定しているわけではありませんが、今回の選挙に対する彼らの態度を説明しています。

 選挙に絡んで政治的殺人も多発しています。アロヨ政権の殺人も含む強圧的支配や米国の軍事戦略にそのまま従った政権運営には、国際的にも国内的にもいろんな団体、グループから非難が相次いでいます。アロヨ政権は選挙を通じて自身の政治基盤を強固にしようとしましたが、その目論見は成功しそうにありません。

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 2007年5月9日
親愛なるみなさん。こんにちは!

 エミリーが留守にしていますので、私が皆さんの通信へのレポートを送ります。

1)5月1日、メーデーの活動について。
 私たちのスローガンは、最低生活賃金のアップとレイオフ労働者への補助金です。5月1日の朝に、私たちはパンパンガ州サン・フェルナンドで集会を行いました。バタアン州、サンバレス州、およびパンパンガ州から約800人の労働者がこの集会に参加しました。
 参加者の誰もが、次のような要求が書かれた旗を手に持って行進しました。「政治的な暗殺をやめよ!」「雇用を保障せよ!」、「グローバリゼイションは戦争への道だ」、「グローバリゼイションは貧困をもたらす」
 高速道路合流点のポートランド正面を出発し、市場で私たちのプログラムを宣伝しました。
 一つの州組織あたり一人が演説し、中央ルソン・マカバヤン(労働組合のナショナルセンター)、中央ルソンKPD(民族民主連合) 、およびPKMM(農民組織)の代表も演説して訴えました。
 午前9時から12時まで行進しました。この行動の後、中央ルソンから2台のジープニーをチャーターして、マニラに行きマニラでの集会に参加しました。そのときの写真をいくつかあなたに送ります。インクワイアラー紙にその記事が載りました。

2)5月の選挙と政治的殺人について。
 私たちの組織はどのような候補者も支持していないのは、あなたが尋ねられた通りです。支持すべき候補者がいないし、私たち自身の候補者をたてることができないのです。
 したがって、今回の選挙で私たちが言うべきことは、候補者たちがどのようなプランを持ち、どのような経歴を持っているか、そしてどうかして先進的な人であるか見きわめることです。
 また、現在横行している政治的殺人は選挙に密接に関係しています。犠牲者たちは通常、地方の候補者の支持者たちですし、ある場合は候補者自身です。特にミンダナオでは候補者や支持者の政治的殺人が続いています。
 中央ルソンのヌエバエシハ州では、二人の市長・町長候補者が発砲事件を起こし、8人の支持者が殺されています。アブラでは町長候補者の支持者のジープが政治集会の後待ち伏せ攻撃をして通行人が死んでいます。
殺人の例はいくつもあります。その理由はアロヨ政府の命を受けてこの地域に軍隊が展開しているからなのです。多く地方や地域は現在軍隊のコントロール下にあります。それゆえ政治的殺人が起きるのです。ここマリベレスは幸いなことに今のところ平穏ではありますが。

 ここまでにします。追加してリポートを送ります。みんなさんによろしくお伝えください。
団結して。
アナベル

2007年5月13日
親愛なるみなさん。
こんにちは。どうお過ごしですか?

 フィリピンでは、今日5月13日は日曜で明日5月14日は選挙のため休日となり、忙しくしています。あなたがたの通信のためにリポートを送ることにしました。5月9日アナベルが送ったリポートの追加です。

1アンバ・バーラでのメーデー取り組み
 4月29日(日)は日曜日であるにもかかわらず 、4月30日、5月1日を休日とするため、ここBEZ(バタアン経済区)では80%の会社が稼動するように30人のリーダーたちが尽力しました。公開討論会が行われ、独立系のミコ労働組合、チュン・チャン社労働者委員会、B-megサンミゲル社労働者、エシラー社労働組合、SSベンチャー労働組合、BFG労働組合、およびMMTC労働組合の代表が出席しました。労働組合のリーダーたちは、近い将来ここバタアン経済区労働者、半労働者、契約労働者の新しい広い同盟を結成するため団結することになりました。

2. サン・フェルナンドと中央でのメーデー集会
 5月1日-マカバヤン・バタアン--アンバ・バーラは、スタッフを含む60人の労働者がサン・フェルナンドで行われたメーデーに参加しました。私たちは上述の活動においてお揃いのTシャツを身に着けました(中央ルソン集会、Eメールに添付した写真を見てください)。非常に暑かったのですが、参加した労働者たちにとってなかなか嬉しいことでした。
 インクワイアラー紙で紹介されましたので、国中に宣伝し見せつけることができました。
「支払い引き上げなしの減税を要求する」
 記事は、「中央ルソン3ヶ所の主要な経済区から1200人を超える労働者が、午前11時までサン・フェルナンド市を行進し、メーデープログラムを行った。この集会・行進は、マカバヤンによって組織され、多くの労働者はこの地域の最低賃金230ペソを下回る賃金しか得ていないと訴えた」と伝えています。

3.選挙について
 私たちはどのようなレベルの候補者も支持していません。なぜならば、この選挙では人々の生活改善や社会変革を実現できないと考えているからです。しかし、現実的には多くの人々はこの選挙に期待していますし、選挙で世の中が良くなるのではと信じています。ですから私たちはいくつかの点で先進的なところのある候補者であるかどうか、人々に説明することにしています。
 例をあげると、私たちはミンダナオの指導者であるトウリアネス個人を支持しています。第一に、彼は伝統的な政治家ではありません。第二に、軍隊支配を変えようと活動してきた立派な実績を持っています。第三に、政治的腐敗に対し批判するしっかりした考えを堅持しています。
 もしも投票するなら、例えば他の上院議員候補者、エストラダ政権を支持していたレクト議員候補や、エストラダのような賭博業者であり、アロヨや支配層の追随者であるチャビット・シングソン候補たちよりも、良い人物、候補に投票するように話しています。(実際にはそんな人物はなかなかいませんが。)

4. 新しく組織したメドテクス・マテリアル・テクノロジー社労働組合
労働雇用者に労働組合承認を申請し、経営者の承認を求めていましたが、5月11日に経営者が労働組合を承認しましたので、5月13日労働組合総会を開催します。総会では、CBA(労働協約締結)交渉の準備と、アンバ・バーラ(バタアン労働組合連合)への加盟について議論します。

5. イワホリ労働組合のこと、
5月27日、イワホリフィリピン労働組合(以下:IPLU)はイワホリ工場前で総会を開催する予定です。総会が終わったら、報告を送ることができると思います。

今日はここまでにします。もし質問があれば気軽に尋ねてください。皆さんにわたしたちからのあいさつを送ります。
団結において
エミリーとアナベル


<サンフェルナンド市でのメーデー行動>


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