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フィリピンイワホリの残存設備を売却!労働組合が85%を取得! [フィリピン労働運動]

フィリピンイワホリの残存設備を売却!労働組合が85%を取得!

1)フィリピンイワホリの残存設備を売却!
 フィリピン・バタアン経済区でイワホリフィリピン社が、2000年1月に閉鎖し退職金未払いのまま日本へ逃亡したままであり、そのため労働組合が残存設備を差し押さえていましたが、このほどバイヤーと500万ペソ(約1250万円)で残存設備売却に合意し、しかも労働組合側に85%が支払われることになりました。
 PEZA(フィリピン経済区当局:Philippine Economic Zone Authority)が家賃、電気代などの債権として830万ペソ、労働者側が退職金などの労働債権4500万ペソをもち、双方でこの7年間争ってきましたが、イワホリフィリピン労組(以下:IPLU)は、PEZAとの交渉で①労働者保護を第一に考えるべきこと、②このまま双方が主張しておれば設備は古くなるばかりで、誰の利益にもならないこと、を主張してきました。その結果2007年2月初め、PEZAデリマ長官との間で、「設備売却した際の売却金配分をPEZAが15%、IPLUが85%とし、組合側は売却に努力する」合意がなされました。この合意がなされたのが大きな前進でした。
 と同時に組合側は水面下でいくつかのバイヤーとすでに交渉してきており、上記合意が成立した段階で、即バイヤーとの契約に至り、2月末には設備搬出、売却代金の支払い(組合預金口座へ振り込み)が完了しました。

2)受取金額の詳細
 IPLUの抑えている設備が500万ペソ(=約1250万円:1ペソ=¥2.5)で売却され、PEZAとの合意に従い、15%をPEZAに、85%をIPLU(イワホリフィリピン労働組合)に配分することが決定され、すでにIPLUの設備は搬出、代金はIPLU組合預金口座に振り込まれています。したがって、 売却金の15%、すなわち75万ペソがPEZAに、425万ペソがIPLU側の受取額になります。
 売却代金は設備が古くなってしまったため低かったのですが、PEZAとの長い期間にわたる交渉の結果、「売却金額の15%をPEZAに、85%をIPLU」という配分合意が画期的であり、それを機に即日バイヤーと交渉し、契約・売却しました。
 厳密に言うと、上記売却金額のほかに工場残存事務機器、社有車など先に売却された金額がPEZAとIPLUの共同口座(Escrow account)に160万ペソ凍結されたままありましたが、PEZAに75万ペソがすでに支払われた段階でこの凍結も解除され、すでに組合口座に振り込まれています。他方、組合側弁護士に、解決金額の10%=50万ペソ支払わなければなりませんのでこの金額は別途支出します。したがって、425万ペソ+160万ペソ-50万ペソ=535万ペソ(1338万円)がIPLUの受取額となります。なお、IPLU組合員は448名。3月末に組合大会を開き正式に決定するとのことです。いくらかの組合費用を除いた後、個々の労働者の退職金金額比率に従い配分する予定であると聞きました。
 解決金が入る情報が組合員にはすばやく伝わって、これまで連絡の取れなかった組合員にも連絡が回復したことを、笑いながら話してくれました。
 なお、残存設備のうち、上級職組合(48名)の所有する10台は、ミネルバ委員長がバイヤーに金額を吊り上げて交渉してきたため売れる目途が立っていません。上級職組合の組合員からミネルバ委員長に不満が続出し、バロットIPLU委員長に何とかしてくれないかと連絡が入ったり、またバイヤーからもミネルバ委員長を説得してくれと電話があったそうです。ただ、この件にはIPLUは責任も関係もありません。

3)解決は団結で勝ちとった
 当初の要求金額(退職金金額)からすれば低いのですが、現在の条件ではベストに近い解決であると評価していいと思いますし、彼女たちもそのように評価していました。なお、この件について日本のイワックス社岩堀社長は何も関与していませんし、関与する権限もありません。むしろ、IPLU側からは岩堀社長に「退職金の不足分を支払え」と要求する立場にあります。

 2000年1月の工場閉鎖後、7年間にもわたって労働組合が団結を維持し闘ってきたからこそこのような結果を勝ち取りました。IPLUは、「日本のカサナグの会をはじめ多くの支援があったからこの解決にいたったのだ、感謝する」と言ってくれました。なお、PEZAとの合意、バイヤーとの交渉過程煮ついては、情報が漏れると破談するのでこれまでカサナグの会に連絡できなかった、この点了解して欲しい、契約し金額も振り込まれたのでやっと報告できると語っていました。
 わたしたちカサナグの会は、この解決をIPLU労働者とともに喜びたいと思います。
 正式には、バロット委員長から報告が入る予定です。


<イワホリフィリピン労働組合コラソン・レキゾ委員長>


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