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「ヒバクシャHIBAKUSHA 世界の終わりに」上映会 [映画・演劇の感想]

「ヒバクシャHIBAKUSHA 世界の終わりに」上映会 
8月6日(日)、三鷹市市民協働センターで、鎌仲ひとみ監督「ヒバクシャHIBAKUSHA 世界の終わりに」上映があった。「三鷹プロジェクト」で丸木美術館「原爆の図」パネル展示と合わせて、この上映会は行われた。

劣化ウラン弾により癌となり、死んでいくイラクの少女。薬がないため医師たちは治療しようがない。長い間話し合って結局、薬の代替にカルシウムを加えた生理食塩水を点滴する。次の画面では誰もいなくなったベッドが映され、少女の死が描かれる。簡単にそして確実に死が訪れる。

白血病の息子を抱え治療に奔走するイラク人家族。水道管が破れ汚れた水道管からの水汲み。その家族のシートを引いた土間での食事風景。土間に転がっている鍋。それらを描き出す。
劣化ウランも含まれている砂埃のなかでサッカーに興じる子供たち。砂埃の中には劣化ウラン弾による様々な放射性物質が含まれ、吸い込んだ者は長期にわたり体内被曝する。細胞分裂を頻繁に繰り返す幼い子どもほど癌にかかりやすい。

続けて、アメリカ・ハンフォードにある核処理施設の風下に住む農民の被害を描く。ほとんどの農民が何らかの癌をわずらい、多くの人が亡くなっている。農民のトムがアメリカ政府に被害を訴えるが、政府は訴えを退ける。

イラクにおける劣化ウラン弾被害の暴露やアメリカ・ハンフォード住民の被害を日常的な言葉と風景で淡々と追っている。イラクの少女もハンフォードの住民も普通の人たちであり、われわれと同じように生活している。そのことがよくわかる。

ブッシュ大統領やTVに出てくるアメリカ知識人たちは、自分に都合のよい理屈を並べて喋り散らし、熱狂するから、アメリカ人とはそんな人たちばかりかと思っていたが、われわれと同じような生活をおくり、悩みもし、またやさしい気持ちを持った人たちもいることをこの映画に発見し、安心するのだ。もちろん彼らは政治的には多数ではない。

映画は「ヒバクシャ」を見つめることは人間的にものを考えることだと教える。


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