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丸木美術館を訪れる [映画・演劇の感想]

丸木美術館を訪れる
(主のいないアトリエと都幾川)

7月2日、丸木美術館を訪れた。8月に三鷹の市民グループが「原爆の図」パネル展示を計画しており、その借り出しのための訪問に同行させてもらった。

都幾川べりの木々のなかに自然に溶け込んで美術館は佇む。美術館から直接続いて都幾川へ下る崖は、上にケヤキの木々、下に一面熊笹が覆う。川のせせらぎの音が木々の間を抜けてあたりに広がり、このあたりのすべての音を支配する。白いドクダミの花の上を黒糸トンボが羽根を羽ばたかせる。漆黒の羽に深緑の細長い胴体が同じ太さで伸びる。人工的とも見えるような対称的な形。彼らもここの住人。

「原爆の図」は、想像していたより大きく、そして鮮明な色を放っていた。絵のなかの人々の視線は厳しく観る者を見つめており、しかしそれでもある穏やかさを持つ。

「南京虐殺の図」、「アウシュビッツの図」は、「原爆の図」よりもさらに巨大で壁の余白を消し、あきらかに大きくはみ出ている。

どの絵にも多くの、多くの人間たちがいる。こんな静かな美しい自然のなかで、何人もの人間たちを描き続けさせた情熱はどこから生まれ、供給され続けたのであるか。


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