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サンロケダムに反対してきた元農民団体代表ホセ・ドトン氏が暗殺された。 [フィリピンで政治的暗殺が横行]

軍による民主団体活動家、農民の殺害が相次いでいる。
サンロケダム巨大事業に反対してきた地元農民団体TIMMAWA(アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動)代表ホセ・ドトン氏が暗殺された。

(5月27日、ホセ・ドトン氏の葬儀)

2006年5月16日午前10時から10時45分の間に、パンガシナン州サン・ニコラス町カマンガアン村にて残酷にも殺害された。ドトン氏とオートバイを運転していた彼の弟であるディオスダド・ドトン氏は、町の中心街から帰宅途中、赤のオートバイ(XRM型)に乗った二人の未確認の男に後を追いかけられた。その未確認の二人組がドトン兄弟らに向けて発砲したため、ドトン兄弟の乗ったオートバイは道に倒れ、殺害犯二人組のうちの一人がオートバイから降り、ドトンの頭部を撃ちぬいたため、まもなく彼は息を引き取った。犯人らが乗っていたオートバイは、ナンバープレートを付けていなかった。弟のディオスダド氏はすでに危険な状態は脱し、2発の被弾から回復しつつある。
オートバイ二人組による暗殺は、このような政治的殺害事件ではいつも行われているやり方である。

ドトン氏はTIMMAWAの初代代表になる以前ですら、すでに農民のリーダーであった。彼は、地元の住民や先住民族の生活の糧であった生産性の高い広大な土地を破壊し、また、パンガシナン州の人々にとって多くの災害を意味することになる悪名高きサンロケダムの建設に断固として反対した。そして、TIMMAWAが組織され、ついには代表として選出された。彼のリーダーシップのもと、TIMMAWAは、住民を巧みにごまかし、騙そうとしたサンロケパワー社とフィリピン電力公社に堅固に反対した。彼は、先頭に立って、影響を受けた住民や農民を組織化し、啓蒙し、また、激励した。彼の努力は決して無駄ではなかった。なぜなら、住民はさまざまなレベルで結束し、成功を収めてきたからである。その反対運動や問題は、国際的なレベルにまで取りあげられ、主義志向の団体や個人だけではなく、反ダムを主張する団体からも意義深い支援を得てきた。

フィリピン・サンロケ多目的ダム事業は、国際協力銀行(JBIC)の巨額の融資のもと、日本企業が実施してきた事業の中でも、最も問題のある事業の一つである。
ルソン島北西部を流れるアグノ川上流で建設されたサンロケダム(345MW)は、発電、灌漑、水質改善、洪水制御を目的とした多目的ダム。事業の発電部門を担当するサンロケパワー社は丸紅や関西電力などが出資してつくった現地の合弁企業だ。また、事業の総工費12億ドルのうち約7億ドルを日本の国際協力銀行が融資している。
このダムは下流で多くの立ち退き者や生活の糧を失う人々を出すだけでなく、土砂堆積や集水域管理計画の不備により、上流の先住民族にも多大な被害を与えると考えられるため、住民組織や自治体、国際NGOが計画の見直しを求めてきたが、ダム建設はすでに完了。2003年5月に発電部門の商業運転が開始された。しかし、まだ適切な補償がなされていないなど、地元では多くの問題が未解決のまま残されている。

その巨大ダム事業に反対してきた地元の農民団体TIMMAWA(アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動)代表ホセ・ドトン氏の殺害事件である。
この殺害で利益を得るのは、出資している国際協力銀行であり、日本企業でもある。サンロケパワー社は丸紅や関西電力である。


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