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フィリピン・バタアン経済区にあるミツミ電機の現状 [フィリピン労働運動]

フィリピン・バタアン経済区にあるミツミ電機の現状

日本の電子部品産業大手のミツミ電機子会社がフィリピン、バタアン経済区にある。
フィリピンミツミの労働者数が一時より減少している。5000人近くいたが、現在は3400人程度だ。正規労働者が2400人、契約労働者が1000人くらい。
現在の問題点は、やはり契約労働者が増えていること。しかも問題点は派遣業者にある。以前は、日本資本のAZマンパワーカンパニーという派遣会社から送り込んできていた。日給は200ペソで、最低賃金の日給223ペソ(約446円)より大幅に低い。しかし最近はAZマンパワーカンパニーからの派遣労働者は大幅に減っていて、50人程度残っているに過ぎない。
どうしてかというと、AZの代わりにテスダ(フィリピン政府技術開発庁)から契約労働者派遣を受け入れるようになったからだ。法律的には「実技研修」(On the Job Training)なので、彼らはフィリピンの最低賃金を大幅イにしたまわる日給167ペソ(約377円)である。「研修生」は最低賃金の75%払えばいいことになっている。テスダからの「研修生」は5ヶ月間/1800時間雇用できる。そのあともう一回延長できる。
政府の役人が都合のよいように法律をつくり、「研修生」の名目で最低賃金よりも低い労働者層を新たにつくり、派遣業者よりも労働力を「安売り」して斡旋・供給し、利益をあげているのだ。文字どおり、自国の労働者を犠牲にして自身の利益を得る露骨なやり方をしているのだ。
研修生=契約労働者たちは労働組合に参加できず、無権利状態にある。

最近、工場で解雇があった。工程でICとりつけを間違え、会社によれば3800万ペソのそんがが出たという。その部署のフィリピン人技術責任者は解雇されたし、機械のオペレイタは一ヶ月の停職処分になった。赤字改善のためその部門の契約労働者の再契約を打ち切った。

また、最近仕事量が減っているが、強制休日(Force Leave)を取らさせることがしばしばおきている。強制休日は日給が出ない。例えば、最近は部品がとどかにない場合があり月に1,2回は強制休日がある。労働協約では強制休日は一ヶ月前に通知しなければならないことになっているが、まったく守られておらず、ひどい場合は出勤したその日に通告されて帰るときもある。また出勤すると半日働いて午後から帰る場合もある。
他方、強制残業もある。協約では本人の了解が必要だが、実際には強制的に割り当てられる情況が徐々にできあがってきた。残業命令に従わないで帰るときもあるが非常に勇気が要る。帰る場合は、代わりの人を見つけるのが習慣になりつつある。生産目標の達成が、いつのまにかそのラインで働いている労働者の責任になってしまっている雰囲気ができあがっている。
 会社の受注状態に人間が合わせて働く状態がつくり出されている。ジャストインタイムの一つの行きついた姿である。「在庫が残らないように、受注があるうちに、生産してすぐ売り抜く」ための態勢だが、人の暮しは破壊される。

 また、ほとんどが立ち作業で、残業があるときは12時間立ち作業する。足が悪かったり、妊娠している女性には特につらい。
このような問題に対して、労働組合は取り上げてくれない。労働組合はALU-TUCPに属している。労働組合でありながら、会社側に立った対応をするのだ。
組合費は月70ペソ払っている。以前は50ペソだったが、値上がりした。70ペソのうち、20ペソはミツミフィリピン労組で使うが、50ペソ分は上部団体に上納される。何もしない労働組合に上納するのは悔しい。


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