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フィリピンコリア労組争議 [フィリピン労働運動]

フィリピンコリア労組争議

2005年3、4月会社側から経営悪化を理由に一方的な給料未払いが続いた。2005年5月、6月にはフィルコリア労組はストライキで戦った。このとき警察が81人きた。会社の警備員や放水のため2台の消防車まできて、ものものしい警備体制を敷いて労働者を排除した。労働組合は5月、6月のストライキにたいする弾圧は不当であるとして、オンブズマンに提訴している。
そのあと会社は早期退職制度を提案し、いくらかよい条件で退職を募っている。
会社のこの政策は計画されたものである。というのは組合代表選挙(CE)が迫っていて、選挙までに労働組合組合員数を減らし、組合代表選挙で過半数をとらせないようにしているのである。フィルコリアには労働組合は一つしかなく、会社側組合はない。だから組合代表選挙は労働組合を会社が認めるかどうかを争うものである。

フィルコリア食堂

フィリピン法によれば組合代表選挙で過半数以上の支持を得られれば労働組合として認めなければならない。フィルコリア労組が過半数を占めることができなければ、会社は労働組合を認定する必要はないし、団体交渉を行う義務もない。
現在、労働組合はある危機に瀕している。早期退職制度に組合員の一部が応じたためは以前250人いた組合員が現在は180人に減っている。組合員だけでなく非組合員も退職に応じている。これまでの給料未払い、組合のストライキなど争議が続いたため、労働者の一部は嫌気がさしてこの早期退職に応じたのだ。会社経営者にとっては組合代表選挙で認定させず、さらには組合潰しが目的である。全従業員数が600人なので組合代表選挙で過半数をとるためには300人以上の支持が必要なのだ。
これと合わせて会社側は労働組合役員を狙い撃ちにした刑事事件をでっち上げて労働組合潰しを狙っている。刑事事件として検察が起訴すれば裁判闘争になるし、費用も労力もかかる。ノエル・フィルコリア労組副委員長が2005.2月刑事事件をでっち上げられ会社から解雇を通告された。

高等裁判所に対して組合代表選挙の60日中止を提訴した。会社側は高等裁判所に一時差し止め命令を求めたが、組合主張を認める判決を出し、選挙は7月12日から9月12日まで選挙は延期された。
選挙を実施するためには、選挙人資格を認定するためのヒアリングを会社、労働組合、労働雇用省の三者で開かなければならない。このヒアリングはまだ開かれていない。

これまでのフィルコリアでは労働組合認定をめぐる闘争は複雑である。もともと労働組合はあったが、組合認証をめぐり裁判になった。現在は労働雇用省(DOLE)長官の裁定待ちの状態であり、この裁定は未だ出ていない。そればかりかいつ出るか見こみもはっきりしない。フィリピンではこのようなことはよくある。したがって、当てにできないので、同じ労働組合が名前を変え別の労働組合として立ち上げ、再び組合代表選挙による組合認証を要求しているのが現在の情況だ。
9月12日以降は、認定手続きが認めれればDOLEからCEをやることが決まっている。しかし、会社が引き伸ばしをしている。

会社は、組合が認証されたら会社は倒産すると言い、非組合員に対して組合代表選挙で組合承認にNoと投票するようにキャンペーンを行っている。「Noと投票したら非組合員の雇用は保証するし、手厚く扱う」と言うのだ。これはバタアン経済区にあるSSベンチャー社での組合代表選挙でやった宣伝と同じだ。このときSSベンチャー社はNoと描いた非組合員を手厚く扱わなかった。SSベンチャー社も韓国資本で、このやり方は顧問弁護士であるロジャー・ラヤラの指導によるものだ。
あまりにも見え透いた会社の言い分であるが、他方で会社から雇用不安をにおわす脅しもあって、非組合員のなかに一定の影響を及ぼしている。
早期退職制度で組合員が減ったし、これまで会社のやり方を見てきた非組合員もやめて、新しい社員が増えているので、会社のやり方、本当の狙いがどこにあるかを理解していない人たちも多くいる。組合代表選挙までにはこのような労働者に早急に宣伝、教育していかなくてはならない。
会社側の宣伝の一つに、赤字であるといっているが、親企業は韓国にあり、親会社から部品や材料を購入し、かつまた製品を親企業に販売しているので、フィリピンコリア社を赤字に粉飾することは容易にできる。このことも明確に宣伝しなくてはならない。オーナーは韓国にショッピングモールを持っていて、製品のブランド名はテクニックである。
またスト来期に反対したら生活支援金を15ペソ上乗せすると言ってきたことからも、決して赤字宣伝は本当ではない。
また、親会社はベトナムにフィルコリアと同じような縫製工場を持っており、「組合が認証されたらベトナムへ移転する」と宣伝している。これはまったく逆で組合を認めさせて闘争しない限り、ベトナムに移転してしまうのであって、組合を認証させる以外には方法はない。
フィルコリアから122台の機会をベトナム姉妹会社に運び出した。このとき認めないように経済区区長イグナ・トーレスに請願書を提出した。機械を運び出さないように監視していたが、急に運び出してしまった。係官によればイグナ・トーレス区長の指示があったので搬出したという。すぐに区長に抗議に行ったところ、イグナ・トーレス長官は設備の搬出を認めた。イグナ・トーレスによれば、「フィルコリアにある機会設備320台は他社から借りたもので、フィルコリア所有ではない。所有者の要求に従い仕方なく搬出を認めたのだ」という。
あとで調査したところ、機械設備所有会社とは同じオーナーの会社だった。
このようにバタアン経済区区長もまったく会社よりの態度をとっているのだ。同じオーナーであることを追及したところ、「労働者が組合活動をするから撤退するのだ」と発言した。経済区の長官はフィリピン労働者の生活と権利尾守るのではなく、外国企業の利益のために自身の権力を行使し不法なことを行っているのだ。
「貸与された機械であれば搬出してよい」というのはイグナ・トーレスの言い分であって、これを裏付ける法はまだ見つかっていない。イグナ・トーレスはフィルコリア経営者から金をもらって搬出書類にサインしたのだろう。彼女のサインなしには絶対に搬出できないのだから。

労働組合は組合員・非組合員にかかわらずオルグと教育活動を強めている。


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