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汚れた石炭はいらない! [フィリピン労働運動]

中央ルソン反石炭火力運動の声明が送られてきました。
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 反石炭火力運動中央ルソンネットワーク 声明
 Coal-free Central Luzon Network

 
プレスリリース  2013年6月29日

 
 「汚れた石炭」を拒否する!
 反石炭火力世界行動デーに多くの人が参加
 

 緩慢な死

 石炭エネルギー使用による健康や環境への影響を訴えるために、黒のTシャツとマスクを着用したデモ参加者の同時行動が、サンバレス州スービック、バタアン州マリベレスで行われました。世界的な環境運動と結びつき石炭の時代を終わらせるため、中央ルソン反石炭火力運動がとった行動です。
 「反石炭火力中央ルソンネットワーク」のスポークスマン、ルフィナ・アルセガは、「石炭エネルギーは、人類に恩恵よりも負担をもたらすのであり、風力や太陽光などのより安全できれいなエネルギーに転換していくために、段階的に廃止する必要があることはすでに明らかです。」と語りました。
 マリベレスの石炭火力発電所は現在、能力の20パーセント運転をしていますが、当初の石炭火力推進陣営による約束に反し、バタアンの電気料金は安くなるどころか3倍になっています。実際に、生成されたエネルギーは周囲のコミュニティ・住民のためではなく、産業用の目的、企業のためなのです。

 「実際のところ、発電所をサンミゲルグループ、アラヤ財閥、コンスンジなどの民間企業が所有しているという事実は、公共サービスよりも利潤動機が最優先の関心事であることを証明している」とアルセガは指摘しました。
 6月24日、地方自治体や発電所経営者から何の警告やアドバイスもなしに、黄色の気泡がGNパワー社発電所排水溝の近くから発生しました。サンバレス州オイロン湾で起きたと同じような、多くの漁民が暮らす漁場が発電所からの廃水によって取り消しのつかない損傷を受ける可能性があります。
 サンバレス州マシンロックでは、石炭発電所が10年稼働したせいで、地元のマンゴー生産は被害を受け、オイロン湾のような重要な水域を荒廃させてしまいました。集団的なめまいや上気道疾患の発生率増加の事例が、特に近くの町・カンデラリアや発電所の風下の住民コミュニティで見受けられます。

 フィリピンは石炭に向かっている

 2010年、フィリピンの発電量のうち59%は石炭と石油をベースにした火力発電、28%が地熱、水力発電によって生成されています。他方、風力、太陽光、バイオマス発電は、ほとんどゼロに等しい割合しか占めていません。
 エネルギー省(DOE)は、風力発電5プロジェクトによって2016年までに300 MW、2020年までにと1400万kWの発電量になるとしていますが、微々たる量です。他方、石炭火力発電2020年までに5000万kWに達すると予想しています。
 このゆがんだエネルギー政策は、中部ルソンで進められている5ヵ所の石炭火力発電所に反映されています。
 レドンド半島エネルギー株式会社(RPエネルギー)による600MWの発電所、韓国電力公社による200MWの発電所、両方ともサンバレス州スービックにあります。サンバレス州マシンロックにあるアメリカ・エネルギーシステム・フィリピン社による石炭火力フェーズ2を代表する600MWマシンロック石炭火力発電所。バタアン州マリベレスにある300MWの微粉炭石炭発電所、バタアン州リマイにあるサンミゲル社(SMC)による600 MW発電所。
 サンバレス州スービック、マシンロック、バタアン州マリベレス、リマイ、いずれも経済区の近くであり、進出してきた企業に電力を供給することを目的にしています。

 再生可能エネルギーのための時間

 アキノ政権のエネルギー計画は明らかに持続不可能です。石炭のような過去に危険なことが証明されているエネルギー源を排除するものではありません。石炭火力発電は、短期的には発電コストが「安く」なることがありますが、その社会的、環境的コストを長期的に見れば、より高価なものになります。
 「もし、アキノ政権が、差し迫っている電力危機を認識し誠実に対応しようとするのであれば、より良い、より持続可能な道は、再生可能なエネルギーへ投資です。そうではなく新しい石炭火力発電所を建設・稼働させれば、目先の利益は増大するとしても多くの人々の緩慢な死をもたらすことになりかねません」とアルセガは語りました。

 (追記)
 フィリピンでは電力業界は少数の資本家に独占されています。
 コファンコ/ SMC:22%、Aboitiz:20%、ロペス:18%、Ty:12%、コンスンジ(Consunji):8%、この5社が、国の電力容量の80%を支配しています。
 特に、この10年フィリピン経済の成長とともに、欧米日中国企業が進出し、電力需要が拡大し電力は逼迫した状態が続いています。石炭火力発電は、もっとも低コストであり、上記の資本グループは石炭火力発電所野建設・稼働を推し進め、多大な利益を上げています。フィリピンでは環境規制が緩く、電力業界はこれまで石炭火力発電による廃棄物(石炭の燃えカス)を海岸に廃棄し、そのため海が死に絶え、漁業をすたれさせるなどの大規模な環境破壊を繰り返してきました。




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