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フィリピンピースサイクルの報告 [フィリピンの政治経済状況]

フィリピンピースサイクルの報告
コピー ~ DSC_0308 ピースサイクル 記者会見.JPG

 3月1日から9日の日程でフィリピンピースサイクルの行動があり参加しました。
 ピースサイクルの掲げるピース、すなわち平和は、現在世界でますます大きな意義を持ちつつあります。

1)過去の戦争の謝罪は平和の保障

 過去の戦争の被害をきちんと記録し伝えることは重要です。元「慰安婦」、被害者の視点から戦争をとらえることは、ヒューマニズムの視点からとらえることを意味します。被害をしっかりと見つめ自己批判し、日本政府に謝罪させ補償することは、二度とこのような被害者を生み出さないとことを日本政府として決意させることであり、決して過去の問題ばかりではなく、現在と未来への平和の保障なのです。
 ピースサイクルはそのような視点から、元戦時性暴力被害者、「慰安婦」被害者団体と交流してきました。日本政府に謝罪し補償させることは、被害者のロラたちにとってぜひ必要なことです。そればかりか、わたしたちにとっても必要なことなのです。
 アラヤットのロラズカンパニェーラ、マパニケのマラヤロラズ、マニラにロラズハウスを持つリラピリピーナの三団体を訪問。三団体とも被害者の高齢化が進み、病気のロラが増え、また多くのロラの衰えが目立ちます。早く解決しなければならりません。
 ロラズカンパニェーラのメネン・カスティーリョさんと再会しました。昨年オランダ議会、ユーロ議会で証言し、日本政府への非難決議採択に大きな力を与えた人です。

 米国をはじめ、カナダ、オランダ、欧州議会で、慰安婦問題への日本政府の謝罪を要求する決議が次々とあがっています。日本政府は、決議があがらないようロビー活動を行い、あがったあとは無視する態度をとっています。これは国際的な不信を招きます。このような態度は何としても改めさせなければなりません。

 
2)戦争ビジネスに反対しよう
 平和を訴えることは、決して過去の戦争に反対するだけではありません。現代の新しい戦争への動きを防止すること、これが重要です。戦争はビジネスになるし、儲けを保証します。資本主義の価値増殖運動そのものが、戦争を新たに呼び起こすその原因となりうるのです。ミンダナオでの戦争は、住民を追い払って、自然資源と土地を奪おうとする米国の狙い、経済的動因が引き起こしています。このような動きに即刻反対しなければなりません。反対し続けなければ平和は確保できません。
 人々は反対する権利と団結を確保しなければなりません。国民が戦争に巻き込まれて利用されたことはありますが、人々の側から戦争をしかけたことはありません。したがって、人々の権利と団結が失われれば、戦争へと巻き込まれてしまいます。人権を勝ちとった社会、人々の自主的な団結こそが、新しい戦争への動きを防ぎとめる平和の保障となりうるのです。
 JPEPAはフィリピン上院で批准されるばかりになっていますが、最近になってその内容がやっと暴露されてきました。日本からの産業廃棄物輸出が自由にできる項目や貿易、投資での関税や規制が撤廃されることの影響が指摘されました。JPEPAのような不平等条約は、現代世界の経済的不平等をより拡大し、途上国の貧困を増大させます。人々の平和な暮らしを破壊します。
 フィリピンで、そして世界で、急速に広がる契約労働者化は、労働組合への組織化を不可能にしますし、低賃金不安定雇用の労働者を急速に増大させています。歴史的にも長い時間をかけて、人々の闘いと犠牲によって、せっかく勝ち取った権利が無化されつつあります。「新自由主義」と称して、資本の活動の制限を取っ払うことで、新しい形、すなわち契約労働者化、派遣労働者化を通じて、労働者の権利は削り取られつつあります。人々は団結する権利を削り取られてしまうのです。私たちが権利と民主主義を確保し続けること、それが戦争を許さない平和を確保する力となるのです。


コピー ~ DSC_0476○ピースサイクル PLDT前での抗議行動.JPG

3)ピースサイクルに新しい内容が付与された

 今回、フィリピン教員協議会がピースサイクルに初めて参加してくれました。フィリピンでは教育予算が削られていて、教員の給料が確保できないとされ、給料遅配、さらには契約社員の教員、給料無のボランティア教員が増えています。40人学級から60人学級にされたり、一人で複数学年を同時に教えさせられるに至っていますし、教育環境も悪くなっています。教員の人権と生活を確保し労働条件をよくすることは、何よりも重要です。ヒューマニズムに満ちた教育は、人権を確保した教員によってなされ、平和を確実なものにします。こういう要求を持ってピースサイクルに参加し、新しい内容を付与してくれました。
 解雇に反対するPLDT労働者も参加してくれました。PLDT社株の20%をNTTグループが持っており、ピースサイクルに来る前、NTTへ抗議の申入れを行いました。国際主義がピースサイクルの新しい名の一つになりました。

 ピースサイクルの規模は大きくはありませんが、本当に重大な意義を持っています。誰でも参加していいし、誰でも参加できます。幅広いキャンペーンとして、もっともっと大きな役割を果たさなければなりません。
 今回のフィリピンピースサイクルは、平和に向けていろんな広がりの可能性を見せました。それは新たな発見でもありました。
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