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スービックの漁民たち [フィリピンの政治経済状況]

スービックの漁民たち

2006年3月、ピースサイクルでスービック、オロンガポを訪問したとき、スービック地域の労働者や漁民と交流した。その時に、スービック地域での労働者や漁民たちが抱えている問題と組織状況について、報告を依頼した。下記は現地の団体からの報告。
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スービックの漁民
 
 みなさん、どのように過ごされていますか。
 スービックの漁民組織について下記の通り、報告します。
カラパダヤン漁民組織。カラパダヤンとは地名です。これはバランガイ・カラパダヤンにおける最初の漁民組織の一つです。50‐100のメンバーがいます。もっともスービック町、オロンガポ市には5000名の漁民がいます。
 ここの漁民にとっての問題は、非合法なシンジケート組織による非合法なダイナマイト漁法です。また、スービック湾内海辺に私企業が巨大な養殖用の養殖籠を設置し、海を占領しています。多くは台湾系資本です。いけすに撒く養殖魚の餌には化学物質が含まれていますし、大量の餌が腐敗して海底に溜まり海水が汚染され、広い地域にわたって海が汚染され魚は少なくなっているのです。
 このせいで、スービック湾内には魚がいなくなってしまったため、多くの漁民は湾外の外洋に出かけていって漁をせざるを得なくなっています。スリガオやパラワン、ミンドロにまで出かけており、2週間から1ヶ月の漁になります。
 別の問題は漁船です。これまでスービック湾内では小さなバンカ(漁船)で漁をしてきましたが、外洋に出るとなると大きな船が必要になります。バンカにしても大きな漁船にしても費用がかかります。
 外洋では又別の問題があります。台風です。台湾などの他の国々へ流されてしまいます。カラパンダヤンの6人の漁民が2ヶ月間行方不明になり、先月台湾で発見される事件がありました。
 彼ら漁民の収入は安定しません。天候に左右されますし、魚がいるかどうかにも左右されます。たとえ月が輝いても、台風や雨季の季節は無収入になりますし、外洋に出かけて漁をするのも危険になります。天候がよければ彼らの収入は増えますが、しかし収入がいいのはひと月かふた月に二回程度で、その収入は結局、付け買いの支払い、船の燃料代、魚冷蔵用の氷代、海上での食料代へと消えてしまうのです。
 漁民のなかには、スービック地域の労働者であった者が何人かいます。彼らは失業したあと、漁船を借りたり買ったりして、その分割払いをしています。

 カサナグの会の皆さんによろしく。健康に気をつけて下さい。
 連帯して。
 2006年5月3日


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