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比国防省はUPとの協定を破棄 [フィリピンの政治経済状況]

比国防省はUPとの協定を破棄
抗議の声が上がっている!


 20年1月15日、フィリピン国防省ロレンザナ長官は、警察や軍人が大学内に立ち入る前に事前の通知を必要とすると規定した、フィリピン大学との協定を破棄すると表明した。ロレンザナ国防長官は、「学生の一部がNPA に参加している」ことを理由に、軍が協定に縛られず、キャンパスに立ち入り捜索すると宣言したのだ。

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<キャンパスの軍事化に反対する!>

 フィリピンでは、多くの民主団体や個人が、この協定破棄通告を、「言論の自由、学問の自由の侵害だ、あるいは民主主義の破壊であり、強権政治を更に推し進めるものだ」と批判している。フィリピン大学だけでなく、他の大学も対象となること、さらには社会全体に広がることを危惧しているのだ。

 国防省がフィリピン大学との協定を破棄することは、今後国軍が、自由にフィリピン大学構内に入り、学生を取り締まるという宣言にほかならない。18年12月、ドゥテルテ政権は「新人民軍」をテロ組織に認定した。「テロ組織である「新人民軍」の弾圧のために、国軍は大学構内だろうがどこだろうが、出かけて行って捕まえる」というのだ。「新人民軍」とつながっているかどうかは、国軍が一方的に認定する。政権の都合のいいように、いか様にでも利用できる。軍、警察による強権政治を更に加速しかねないドゥテルテ政権である。極めて危険な動きだ。

 フィリピンのメディアでも批判が広がっているし、多くの民主団体、人権団体などが、反対の声明を出している。
 以下に、KILUSANの声明を紹介する。

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<ロレンツァーナ国防長官>

キャンパスの軍事化に抵抗し、抗議する権利を擁護する!
(UP-DNDアコードのKILUSAN声明)

 
フィリピン大学-国防省(UP-DND)合意」の廃止は、民主的な言論空間を破壊する最新の試みだ。ドゥテルテ政権に、異議を唱える人々権利を打ち砕こうとする「目的」は驚くほど明白だ。

 フィリピン国防省によるこの動きは、若者だけでなく、学問の自由の文脈であらゆる側面で、政権の方針に従わせる場にフィリピン大学、学術機関を変えようとすることを目的としている。すでに、フィリピン工科大学の「プルデンテ-ラモス合意」は、「フィリピン大学-国防省合意」と同じ運命をたどる危険にさらされている。

 「フィリピン大学-国防省合意」の破棄は、支配者の権限の乱用、言論の弾圧、そして強権政治へと変質するフィリピン支配層の変化につながる危険性が高く、私たちはそのことを危惧している。
 ドゥテルテ政権による権威主義的な支配の深化は、過去数ヶ月間の抗議運動の最前線に立ってきた若者や学生のための活動の自由を押しつぶすことを目的としている。

 若者は、「目覚めた」市民とともに、進行中の経済危機とコロナ・パンデミック、特に権力と特権の乱用の不適切な適用ゆえに、政府を追及している。そのような人々の行動を弾圧するものだ。ドゥテルテ政権は批判も示唆も歓迎しない。

 政府が実現しなければならないのは、人々の幸福であって、弾圧ではない。ドゥテルテ政権の振る舞いはこれに反する。「フィリピン大学-国防省合意」の破棄もその一つだ。

 学生も含めフィリピン人民、市民が、自身の生活と権利が擁護され、保障され、実現する政治的権利は確保されなくてはならない。

 我々は、沈黙しない。
 専制政治に立ち向かい、民主主義を守ろう!

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<キャンパスの軍事化阻止 集会>
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